動詞と形容詞のすきまに長い to V は入れられません。だから it を代わりに置き、to V を文末へ送ります
01しくみ:なぜこの意味になるのか
I found to study alone difficult. とは言いません。find O C(O を C だと思う)の O に長い to V を入れると、O と C の関係が見えなくなるからです。そこで O の席に it を置き、本当の目的語を文末へ回します。I found it difficult to study alone.(一人で勉強するのは難しいと思った)。この it が形式目的語です。
この形をとるのは find・make・think・consider・believe など、うしろに O C(O を C と思う/O を C にする)をとる動詞です。とくに make it possible for 人 to V(人が V できるようにする)は、技術や制度の話でよく出ます。it を「それを」と訳さず、「to 以下を C にする」と読みかえます。
本当の目的語が that 節のこともあります。I think it strange that ... は「...ということを奇妙に思う」。決まった言い方も多く、make it a rule to V(いつも V することにしている)、take it for granted that ...(...を当然と思う)は、it が to 以下や that 以下を指すと分かれば訳せます。
型
S V it C to V / that S V
V することを C だと思う/C にする
言いかえ・変形make it possible for A to Vthink it C that S Vmake it a rule to Vtake it for granted that S V
02例文3つを構造図で読む
色のカタマリは文の要素、カッコはカタマリの種類です。「飾り(M)を消す」を押すと、文の骨組みだけが残ります。黄色の語が、この構文の目印です。
記号と色の約束
仮S真S は It のような「仮の主語」と、うしろにかくれた本当の主語。接 は接続詞。カタマリの下の小さな S' V' O' は、節や句の中の要素です。
I find it easier to study in the morning.
朝のほうが勉強しやすいと感じる。
前から訳私は感じる / より楽だと / 朝に勉強するのは
- Vfindfind O C「O を C だと思う」
- 仮Oit形式目的語
- 真Oto study in the morning名詞句|真目的語
ここを見るfind のうしろの it は何も指していません。find it easier で「何が楽なの?」と思ったら、答えは to 以下です。
Translation apps have made it possible for travelers to read menus in almost any language.
翻訳アプリのおかげで、旅行者はほとんどどんな言語のメニューでも読めるようになった。
前から訳翻訳アプリは可能にした / 旅行者が / ほとんどどんな言語のメニューでも読むことを
- 仮Oit形式目的語
- 真Ofor travelers to read menus in almost any language名詞句|真目的語
- S'for travelersto V の意味上の主語
ここを見るmake it possible for 人 to V は「人が V できるようにする」。主語がモノなので「アプリのおかげで旅行者は〜できる」と訳すと自然です。
Many scientists consider it alarming that the ice that once covered the mountain all year round now disappears completely by the end of every summer.
かつて一年中その山をおおっていた氷が、今では毎年夏の終わりまでにすっかり消えてしまうことを、多くの科学者がゆゆしい事態だと考えている。
前から訳多くの科学者は考える / ゆゆしいと / 氷が / かつて一年中その山をおおっていた / 今では毎年夏の終わりまでにすっかり消えることを
- Vconsiderconsider O C「O を C と考える」
- 仮Oit形式目的語
- Calarming「不安にさせる・ゆゆしい」
- 真Othat the ice that once covered the mountain all year round now disappears completely by the end of every summer名詞節|真目的語。2つ目の that は関係代名詞
- S'the ice that once covered the mountain all year roundthat 以下が ice を説明
ここを見るthat が2つあります。1つ目は真目的語の that 節の頭、2つ目は ice を説明する関係代名詞。that 節の中の V は disappears です。
03誤読のわな
She made it a rule to read an English article before breakfast.
✕ やりがち彼女は朝食の前に英語の記事を読むためのルールを作った。
○ 正しく彼女は朝食の前に英語の記事を読むことにしている。
make を「作る」、a rule を「ルール」とそのまま訳し、it を無視すると別の話になります。it は to 以下を指す形式目的語で、make it a rule to V は「V することを決まりにする」=「いつも V することにしている」です。
04似ている構文と見分ける
05確認問題(3問)
Q1英文の意味として正しいのは?
The new app makes it easy to share photos with your family.
it は形式目的語で、to share photos ... が本当の目的語。「写真を共有することを簡単にする」を、主語を手段にして自然な日本語にしたのが正解です。
Q2形式目的語の it を含む文はどれ?
it が to tell the truth を指しています。2つ目の it は umbrella、3つ目の make it は「間に合う・たどり着く」という決まった言い方です。
Q3空所に入るのは? I used to take ( ) for granted that my parents would always be there for me.
take it for granted that ... は「...を当然と思う」。it が that 以下を指す形式目的語なので、this や that は使いません。
