代名詞「その物」か「同じ種類の別物」か。代名詞はこの1問でほぼ決まる

代名詞は「同じ名詞を2回言わないための省エネ装置」です。ところが入試では、one と it、another と the other、most と almost のように、似た形で意味がガラッと変わるものが毎年のように狙われます。この単元では「何を指しているのか」「残りはいくつあるのか」を図で見える化し、4択を一瞬で片づける判定法まで持って帰ってもらいます。
知ってた? 目から鱗
Q1I だけいつも大文字なのはなぜ?
小文字の i が1文字だけだと、手書きでは前後の語にまぎれて見落とされやすかったため、大文字で書く習慣ができたと言われる。「自分が偉いから」ではなく、ほかの言語の「私」は大文字にしない。
Q2you は昔、複数の相手専用だった?
昔の英語では、1人の相手は thou、複数の相手は you だった。やがて you が1人へのていねいな言い方にも使われ、最後は thou を追い出した。だから相手が1人でも You are と are を使う。
Q3they は英語にもとからあった語?
they / them / their は、イギリスに住みついたヴァイキングの言葉(古ノルド語)から入ってきた語。もとの英語の「彼ら」は「彼」と形が似ていて紛らわしかったため、借りた語が定着したと言われる。
Q41人を指す they は最近できた使い方?
14世紀ごろから例があり、19世紀の小説家ジェーン・オースティンの作品にも出てくる。Someone left their umbrella. のように性別のわからない1人を指す they は、古くからある自然な英語。
Q5「あなたたち」を英語の会話ではどう言う?
you は単数も複数も同じ形なので、会話では you guys(男女問わず使う)、アメリカ南部では y'all など、複数をはっきりさせる言い方が自然に生まれた。教科書には出にくいが、映画や会話ではよく聞く。
01人称代名詞・所有代名詞:a friend of mine の秘密 基礎
代名詞は「同じ名詞を何度も言わないための身代わり」です。Ken を2回目からは he、my phone を2回目からは it や mine で言いかえます。まずは形の総まとめから。「格」=文の中での役目(主語なのか、持ち主なのか、目的語なのか)で形が変わります。
| 人称 | 主格(〜は) | 所有格(〜の) | 目的格(〜を・に) | 所有代名詞(〜のもの) | 再帰代名詞(〜自身) |
|---|---|---|---|---|---|
| 私 | I | my | me | mine | myself |
| あなた | you | your | you | yours | yourself |
| 彼 | he | his | him | his | himself |
| 彼女 | she | her | her | hers | herself |
| それ | it | its | it | (ふつう使わない) | itself |
| 私たち | we | our | us | ours | ourselves |
| あなたたち | you | your | you | yours | yourselves |
| 彼ら・それら | they | their | them | theirs | themselves |
再帰代名詞は単数なら -self、複数なら -selves。yourself と yourselves を書き分ける
its は所有格「それの」、it's は it is / it has の短縮形。The dog wagged its tail.(犬がしっぽを振った)に it's を書くと「それはしっぽを振った…しっぽ」と意味不明に。アポストロフィ(')は「文字が省略されたしるし」と覚えれば迷いません。
所有代名詞 = 所有格 + 名詞 の1語パック
mine = my +(さっき出た名詞)。何を指すかは文脈で決まります。Your idea is better than mine. なら mine = my idea。名詞をくり返さずに済むので、比較の文でとくによく使います。
- “Is this charger yours?” “No, it's Emma's. Mine is white.”
「この充電器、きみの?」「ちがう、エマのだよ。私のは白いの」(yours = your charger, Mine = My charger) - Your idea is better than mine.
きみのアイデアのほうが私のより良い。 - Their team won, but ours lost in the first round.
彼らのチームは勝ったが、私たちのチームは1回戦で負けた。
✕ a my friend はなぜダメ?
名詞の前には「どの〜か」を決める指定席(限定詞の席)が1つだけあります。a / an / the / this / that / some / no と my / your / Ken's は、全員この1つの席を取り合うライバル。だから a と my を同時に座らせられない(all / both などはこの席のさらに前に立てる例外:all my friends)。そこで my を名詞の後ろへ逃がして「of + 所有代名詞」にするのが a friend of mine です。
a と my、this と your が同じ席でケンカしている
✕ a my friend / ✕ this your bike
所有の方を of + 所有代名詞 にして後ろへ回す
○ a friend of mine / ○ this bike of yours
- Emma is a friend of mine from the tennis club.
エマはテニス部の友だちの一人です。(友人が何人かいる中の一人、というニュアンス) - Is this bike of yours new?
きみのこの自転車、新しいの? - That dog of Ken's barks all night.
ケンのところのあの犬は一晩中ほえる。(人名なら Ken's(所有格の 's)を使う)
a picture of me は「私が写っている写真」、a picture of mine は「私が持っている(撮った・描いた)写真」。of のあとが目的格か所有代名詞かで、写っている人と持ち主が入れかわります。難関大の和訳・内容一致で差がつくところ。
もう1つ、代名詞には「特定の誰か」ではなく「人一般」を指す使い方があります。日本語なら主語を言わずに済ませるところを、英語は主語を省けないので you / we / they / one を置くのです。
| 語 | 誰のこと? | 例文 | 感じ |
|---|---|---|---|
| you | 話し手も聞き手も含む「人は誰でも」 | You never know what will happen.(先のことは誰にもわからない) | 一番ふつう。会話的 |
| we | 話し手を含む集団(日本人・人間など) | We have a lot of rain in June.(日本では6月に雨が多い) | 「こっち側」の集団 |
| they | 話し手を含まない集団(その土地の人・店・当局) | They speak English in Australia.(オーストラリアでは英語を話す) | 「あっち側」の集団 |
| one | 人一般(かたい) | One should keep one's promises.(人は約束を守るべきだ) | 書き言葉・格式ばる |
They say (that) ~ は「〜だそうだ・〜と言われている」の超定番
生徒英語の教科書で You never know. って出てきて、「あなたには分からない」ってバカにされたのかと思った。
先生それ、あなた個人じゃなくて「人はみんな」の you。あなたも私もクラス全員も含めて「先のことは誰にもわからない」。
生徒じゃあ they は?
先生自分を含まない「あっちの人たち」。They sell stamps at that store. なら「あの店では切手を売っている」。店員さんたちを they で指してる。
生徒we は自分を含む側、they は自分を含まない側か。わかりやすい。
確認問題 “Is this your pen?” “No, it's not ( ). It's Yuki's.”
「私のもの」= my pen を1語で言う所有代名詞 mine。my は後ろに名詞が必要、me は目的格、myself は再帰代名詞で「私自身」。
02再帰代名詞:-self は「ブーメラン」 標準
-self / -selves のつく再帰代名詞には、2つの仕事があります。1つは動作が自分に返ってくることを示す「再帰用法」、もう1つは「ほかでもない本人が」と強める「強調用法」です。「再帰」は「再び帰ってくる」。投げた動作がブーメランのように自分に戻るイメージです。
動詞の目的語が主語と同じ人物なら、目的語は -self にする。消すと文が壊れる。※場所の前置詞の後はふつうの代名詞:She put the bag beside her.
Ken hurt himself in practice.(ケンは練習でけがをした)
「自分で」「本人が」と強めるだけ。消しても文は成り立つ。強めたい語の直後か文末に置く。
I made this cake myself.(このケーキ、私が自分で作ったの)
- Tom looked at himself in the mirror.
トムは鏡の中の自分を見た。 - Tom looked at him in the mirror.
トムは鏡に映った彼(トム以外の男性)を見た。(him だと別人になる。動詞の目的語が主語と同じ人なら -self) - The principal herself came to the gym.
校長先生ご本人が体育館に来た。(強調用法。herself を消しても文は成立)
-self を消してみる。文が成立すれば強調用法、目的語がなくなって文が壊れるなら再帰用法。※He washed (himself). のように -self なしでも言える動詞では、このテストは使えない。
なぜ効く? 強調用法はおまけの飾り、再帰用法は文の骨組み(目的語)そのもの。骨を抜くと文が立たない。
enjoy は他動詞(後ろに「〜を」にあたる目的語が必ず要る動詞)で、「何を」楽しんだのかが必ず必要です。目的語がないときは enjoy oneself(自分自身を楽しませる=楽しく過ごす)にします(料理を出すときの Enjoy!「どうぞ召し上がれ」のような、くだけた会話の決まり文句は例外)。
✕ We enjoyed very much at the party.
○ We enjoyed ourselves very much at the party.
○ We enjoyed the party very much.
| 表現 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| enjoy oneself | 楽しく過ごす | We enjoyed ourselves at the school festival. |
| help oneself to ~ | 〜を自由に取って食べる・飲む | Help yourself to the cookies. |
| make oneself at home | くつろぐ | Please make yourself at home. |
| seat oneself / be seated | 座る(seat は「座らせる」) | Please be seated. |
| present oneself | (ある場所に)出向く・姿を現す | He presented himself at the office at nine. |
| behave oneself | 行儀よくする | Behave yourself in the library. |
| devote oneself to ~ | 〜に打ち込む | She devoted herself to her research. |
| pride oneself on ~ | 〜を自慢に思う | Ken prides himself on his cooking. |
| absent oneself from ~ | 〜を欠席する(かたい) | He absented himself from the meeting. |
どれも「動詞 + 自分自身」。自分を〜させる、と直訳すると意味が見える
seat と sit の関係
sit は「座る」(自動詞)、seat は「座らせる」(他動詞)。だから「座る」を seat で言うなら seat oneself(自分を座らせる)か、受動態の be seated(座らされる→座っている)。式典の Please be seated. は Please sit down. のていねい版です。
| 前置詞 + oneself | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| by oneself | 一人で(alone)/独力で | She lives by herself. |
| for oneself | 自分のために/自分で(人に頼らず) | Go and see it for yourself. |
| of itself | ひとりでに(古風。今は by itself) | The door opened of itself. |
| in itself | それ自体は・本来 | Money in itself is not evil. |
| beside oneself (with ~) | (〜で)我を忘れて | He was beside himself with joy. |
| between ourselves | ここだけの話だが | Between ourselves, Yuki is quitting the club. |
| to oneself | 独り占めで/心の中で | I had the room to myself. |
beside は「〜のそば・横」。自分(oneself)の横に魂が飛び出している=我を忘れている状態。beside herself with anger なら怒りで魂が体から飛び出している図を思い浮かべると一発。
by oneself =「みんなにバイバイして一人で」。for oneself は「自分の“ため”に」「人任せにせず自分の目で」。by は“一人きり”、for は“自分のため・自分の目で”に重心がある。
by oneself は「一人で・誰の助けもなく」、for oneself は「自分のために」「(他人の話でなく)自分の目で・自分で」。
Go and see it for yourself.(自分の目で確かめてきなさい)
この文を by yourself にすると「一人で見に行け」になり、ずれます。
確認問題 The automatic door closed ( ) itself.
「ひとりでに」は by itself(古い言い方では of itself)。for itself は「それ自身のために」、in itself は「それ自体は」、beside itself は「我を忘れて」。
確認問題 We ( ) very much at the party last night.
enjoy は他動詞なので、enjoyed だけでは目的語が足りない。主語 We と同じ人が目的語なので再帰代名詞を使い enjoyed ourselves。enjoyed us は、主語と同じ人なのに -self を使っていないので不可。were enjoyed は「楽しまれた」という受け身になり意味が合わない。
03it の基本:指す it と「何も指さない」it 標準
it には大きく2つの顔があります。1つは前に出た「その物」を指す it。もう1つは、何も指さずに主語の席を埋めるだけの it です。英語は主語を省けない言語なので、天気や時間のように「主語にする物がない」ときにも、とりあえず it を置くのです。
| 用法 | 例文 | 和訳 |
|---|---|---|
| 天候 | It's raining again. | また雨が降っている。 |
| 時間・曜日・日付 | It's 7:30. / It's Friday. | 7時半だ。/金曜日だ。 |
| 距離 | How far is it from here to the station? | ここから駅までどのくらい? |
| 明暗・寒暖 | It's getting dark. | 暗くなってきた。 |
| 状況(ばくぜんと) | How's it going? / Take it easy. | 調子どう?/気楽にいこう。 |
| 時間がかかる | It takes ten minutes to walk there. | 歩いて10分かかる。 |
これらの it は「それ」と訳さない
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る形式主語 it:頭でっかちを防ぐ
To master English in a year is hard. という文も文法的には正しいのですが、主語が長すぎて「で、結局どうなの?」が遠い。英語は「重いものは後ろ」が好きなので、主語の席に it を仮置きし、中身(真主語)を後ろに回します。
It形式主語 isV importantC that you get enough sleep真主語.
十分に睡眠をとることが大切だ。| 型 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| It takes (人) 時間 to do | (人が)〜するのに時間がかかる | It took me an hour to get there. |
| It takes 時間 for 人 to do | 同上(for で人を示す) | It took an hour for the bus to come. |
| It costs (人) お金 to do | (人が)〜するのにお金がかかる | It cost me 5,000 yen to fix my phone. |
| 人 spend 時間・お金 (in) doing | 人が時間・お金を〜に使う | I spent two hours doing my homework. |
take は時間、cost はお金。spend は人が主語で後ろは -ing(名詞なら spend money on clothes のように on)
✕ It took me two hours doing my homework.
○ It took me two hours to do my homework.
○ I spent two hours doing my homework.
it takes は to不定詞、spend は -ing。セットで覚えます。※くだけた会話では It took me two hours doing ~ も耳にしますが、入試・書き言葉では to do が正解。
It is said / It seems / It appears / It happens + that 節
It seems that Ken is sick.
It seems that Ken was sick.
that 節の主語を前に出し、動詞を to do に。that 節の時制が1つ前なら to have p.p.(p.p.=過去分詞)
Ken seems to be sick.
Ken seems to have been sick.
It seems that +【現在】→ seem to do、It seems that +【過去・現在完了】→ seem to have p.p.。主節と that 節の時制が同じか、1つ前かだけをチェックする。
なぜ効く? to不定詞には時制がないので、「前のこと」を表すには完了不定詞 to have p.p. という専用の形を使うしかない。
It was Ken that broke the window. の It は「強調構文」の it。It was と that を消して Ken broke the window. と文が完成すれば強調構文、完成しなければ形式主語、というのが基本の見分け方です。くわしくは単元「倒置・強調・省略」で。
確認問題 It ( ) me three hours to finish the report.
It takes 人 時間 to do「人が〜するのに時間がかかる」。spent は人が主語(I spent three hours finishing ~)。made や paid には「時間がかかる」の意味がなく、この型をとらない。
04形式目的語 it と「it を挟む」慣用表現 標準
形式主語と同じことが、目的語の位置でも起こります。SVOC の文(find O C「O が C だとわかる」/make O C「O を C にする」/think O C「O を C だと思う」。O=目的語、C=補語で O の状態を説明する語)の O に to不定詞や that 節を置くと、C が遠くに追いやられて文が崩れます(短くても同じで、この位置には直接置けません)。そこで O の席に it を仮置きし、本物の目的語(真の目的語)を文末に回します。これが形式目的語 itです。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見るIS foundV itO hardC to wake up at five真の目的語.
5時に起きるのはつらいとわかった。- Smartphones have made it possible for us to study anywhere.
スマホのおかげで、私たちはどこでも勉強できるようになった。(make it possible for 人 to do は英作文でも使える超定番) - I think it strange that Ken didn't show up.
ケンが来なかったのは変だと思う。(会話なら I think it's strange that ~ の方がふつう) - She made it clear that she didn't agree.
彼女は賛成していないことをはっきりさせた。
to不定詞・that 節を後ろに回すとき、O の席に it を置かずに C を続ける形はダメ。
✕ I found difficult to wake up early.
✕ The app makes easy to learn words.
○ The app makes it easy to learn words.
並べ替え問題で it が語群に紛れていたら、形式目的語を疑います。
※目的語が長い名詞なら make possible a new way of ~ のように名詞を後ろに回す語順もありますが、to不定詞・that 節は it が必須。
| 表現 | 意味 | 例文 | メモ |
|---|---|---|---|
| make it a rule to do | 〜することにしている | I make it a rule to walk before breakfast. | 会話では I always ~ がふつう |
| take it for granted that | 〜を当然と思う | We take it for granted that tap water is safe. | take A for granted も頻出 |
| see to it that | 必ず〜するよう取り計らう | See to it that the door is locked. | that 節の中はふつう現在形 |
| owe it to 人 that | 〜は人のおかげだ | I owe it to my coach that I made the team. | やや形式ばった言い方。owe A to B(AはBのおかげ)が普通。owe it to 人 to do は「人のために〜すべきだ」で別の意味 |
| I'd appreciate it if ~ | 〜していただけるとありがたい | I'd appreciate it if you could reply soon. | ✕ I'd appreciate if(くだけた英語では見かけるが、書き言葉・入試では誤り) |
| Rumor has it that | うわさでは〜らしい | Rumor has it that the shop is closing. | has の目的語が it |
| leave it to 人 | 人に任せる | Leave it to me. | leave it to 人 to do(人に〜を任せる) |
| I take it (that) | 〜ということだね(と受け取る) | I take it you're not coming. | 相手の意図を確認する口語 |
ほとんどは、it が後ろの that 節・to不定詞・if 節の「身代わり」(Leave it to me. の it は「その件」をばくぜんと指す)
see to(〜に気を配る)の to は前置詞。前置詞の後ろに that 節は直接置けないので、see to it that と it をクッションにします。「前置詞 + that」が見えたら it を疑う。
なぜ効く? 前置詞の目的語には名詞が来るが、that 節は in that / except that など決まった形を除き、前置詞の目的語になれない。そこで名詞の代表 it を置き、that 節を同格のように後ろにつなぐ。
appreciate(他動詞)と if 節、see to(前置詞)と that 節、take と for granted の間。そのままでは直結できない所に it を詰め物として挟む。I'd appreciate it if / see to it that / take it for granted that の3つをまとめて口に出して覚える。
生徒メールで I'd appreciate if you could... って書いたら、ALTの先生に it を足された。
先生appreciate は「〜をありがたく思う」の他動詞だから、目的語が必要。「もし〜なら」の if 節は目的語になれないから、it を目的語に置いて、その中身を if 節で説明する形。
生徒ネイティブっぽい言い方なの?
先生ビジネスメールの定番。I would appreciate it if you could ~ は、please より一段ていねいに頼める。
確認問題 I'd appreciate ( ) if you could turn down the music.
appreciate は他動詞なので目的語が要る。if 節の内容を受ける形式目的語 it を置いて I'd appreciate it if ~。that・so・for では、後ろの if 節の身代わりになる目的語にならない。
確認問題 We take ( ) for granted that we can use the Internet anytime.
take it for granted that ~「〜を当然のことと思う」。it が that 節の身代わり(形式目的語)。this や that は前に出た物を指す語なので、後ろの that 節の身代わりにはならない。what は疑問詞・関係代名詞でこの位置に入らない。
05one / it / that / those:「その物」か「別物」か 標準
前に出た名詞をくり返したくないとき、候補は one / it / that の3つ。選び方の軸はたった1つ、「さっきの“その物”そのものを指すのか、同じ種類の“別の物”を指すのか」です。
さっき出た「その物」そのもの。なくしたカサを探すなら、探すのはそのカサ。
I lost my umbrella. I have to find it.(そのカサを見つけなきゃ)
同じ種類の「別の1つ」。新しく買うのは、なくしたカサではない別のカサ。
I lost my umbrella. I have to buy one.(カサを1本買わなきゃ)
- “Do you have a pen?” “Yes, I have one.”
「ペン持ってる?」「うん、1本あるよ」(one = a pen(どれか1本)) - “Where's my pen?” “Ken borrowed it.”
「私のペンどこ?」「ケンが借りていったよ」(it = the pen(そのペン)) - This shirt is too big. Do you have a smaller one?
このシャツは大きすぎます。もっと小さいのはありますか。(形容詞がつくと a smaller one。複数なら smaller ones) - I like the red shoes better than the black ones.
黒い靴より赤い靴の方が好き。
one は a + 名詞 なので、a がつかない不可算名詞には使えません。
✕ I prefer red wine to white one.
○ I prefer red wine to white.(名詞を省くか、white wine とくり返す)
✕ I need some water. Do you have one?
○ Do you have some?
that of / those of:比べる物をそろえる装置
The population of Tokyo is larger than the population of Osaka. の2回目の the population を that にしたのが that of。that = the + 前に出た名詞です。複数名詞なら those。比べる物をそろえないと、「東京の人口」と「大阪(という街)」を比べる、ねじれた文になってしまいます。
The population of TokyoS isV largerC than that of OsakaM.
東京の人口は大阪の人口より多い。- The climate of Japan is milder than that of Canada.
日本の気候はカナダの気候より穏やかだ。(✕ than Canada(気候と国を比べてしまう)) - The ears of a rabbit are longer than those of a cat.
ウサギの耳はネコの耳より長い。(ears が複数なので those) - The water in this river is cleaner than that in the city.
この川の水は都会の水よりきれいだ。(water は不可算なので one は使えない。that はOK)
代用の that / those は、ほぼ必ず後ろに of ~ / in ~ / 関係詞節(who / which / that で始まり、前の名詞を説明するカタマリ)などの修飾語(尻尾)を連れています。空所の直後に of があって比較の文なら、まず that of / those of を疑い、前の名詞の単数・複数で決める。
なぜ効く? that は単独だと「あれ」と指さす指示代名詞と区別がつかない。尻尾をつけることで「〜の、例のアレ」と中身が決まる。
生徒「スマホ買った?」って聞かれて Yes, I bought it. って答えたら変?
先生Did you buy a smartphone? と聞かれたなら、a smartphone は「どれか1台」。答えも Yes, I bought one. が自然。
生徒じゃあ it はいつ?
先生Did you buy the phone you wanted?(欲しかったあのスマホ買った?)なら、特定の1台だから Yes, I bought it.。質問の冠詞が a なら one、the なら it と覚えると速い。ただし、一度話題にした物をもう一度指すなら it(Yes, I bought one. I love it!)。
確認問題 My bike was stolen, so I have to buy a new ( ).
盗まれた自転車そのものではなく、同じ種類の別の1台を買うので one。形容詞 new がついて a new one。it や that は形容詞をつけて a new it / a new that とは言えず、other は単独で「1台」の代わりにならない。
確認問題 The weather in Hokkaido is cooler than ( ) in Kyushu.
the weather のくり返しを避ける that。weather は不可算なので one は不可、単数なので those も不可。
06some / any / each / every と -thing + 形容詞 標準
「some は肯定文、any は否定文・疑問文」だけで覚えると、難しい問題でつまずきます。本質は、some =「ある程度ある」と存在を感じている、any =「どれでもいい、範囲の中から自由に1つ」です。
「いくらか」「ある〜」。話し手の頭の中に、実在するものがぼんやり見えている。疑問文でも「あるでしょ?」「どうぞ」の気持ちなら some。
Would you like some tea?(お茶いかが?)
「どれでも」「どんな〜でも」。範囲全体をぐるっと指す。否定と組むと「どれ1つとして〜ない」。
Any student can use this room.(どの生徒でもこの部屋を使える)
| 文の種類 | some | any |
|---|---|---|
| 肯定文 | いくらかの(弱く読む) | どんな〜でも(強く読む) |
| 否定文 | (一部は〜ない:I didn't answer some of the questions. =いくつかの問いには答えなかった) | 少しも〜ない |
| 疑問文 | 勧誘・依頼・Yes を期待 | あるかないか中立に質問 |
| if 節 | (あると思っている) | もし少しでも |
- Could you lend me some money?
お金を少し貸してもらえる?(依頼なので some(貸してもらえる前提)) - Do you have any questions?
何か質問はありますか。(あるかないか中立) - Call me any time.
いつでも電話して。(肯定文の any「どんな〜でも」) - If you have any trouble, let me know.
もし何か困ったことがあれば知らせて。
否定語は any より前に置くのが原則。any が主語なら、否定は no にまとめます。
✕ Anybody didn't come. → ○ Nobody came.
✕ Any of them can't swim. → ○ None of them can swim.
any は「どれでも」と範囲を開く言葉。先に開いてから not で閉じる順番は、ふつう許されません(Anyone who cheats won't pass.「カンニングする人は誰でも不合格」のように、any〜 が関係詞節などを伴って「〜する人は誰でも」の意味なら、後ろに not も可)。
1つ1つに目を向ける「それぞれ」。each student も each of the students も、単独の each もOK。2つ以上なら使える。
Each of the players has a number.
全員を見渡して「どの〜も皆」。後ろに必ず名詞。✕ every of(→ every one of ならOK)。3つ以上で使う。
Every player has a number.
each も every も単数扱い
Each / Every + 単数名詞 + 単数動詞。Each of the students has ~ も単数(主語の中心は each。口語では have も見かけるが、入試は単数)。ただし every + 数詞 + 複数名詞 は「〜ごとに」:every three days(3日ごとに)、every ten minutes(10分ごとに)。この形は each にはありません。なお The students each have ~ のように each が主語の後ろに来るときは、動詞は主語 students に合わせて複数。
- Every student in this class has a tablet.
このクラスの生徒はみんなタブレットを持っている。 - The bus runs every ten minutes.
バスは10分ごとに出ている。 - Each of us has our own locker.
私たちはそれぞれ自分のロッカーを持っている。
-thing + 形容詞 は後ろから
something / anything / nothing / everything に形容詞をつけるときは、後ろに置きます:something cold to drink。some と thing が1語に合体しているので、形容詞が間に割り込めない、と考えるとわかりやすい。-one / -body も同じ:someone famous。
- I want something cold to drink.
何か冷たい飲み物がほしい。(語順:-thing + 形容詞 + to不定詞) - Is there anything wrong with the printer?
プリンターのどこかがおかしいの? - There's nothing special about it.
それには特別なことは何もない。
some と thing は合体済みのロボ。前から割り込めないので、形容詞は後ろ(背中)に乗る。さらに to drink はその後ろの荷台。something + cold + to drink の順で「ロボ・背中・荷台」。
確認問題 I'm really thirsty. Can I have ( ) water, please?
please をつけた依頼なので、疑問文でも「もらえる前提」の some。water は不可算なので many・a few は不可。any だと「少しでも水はある?」と有無をたずねる形になり、please と合わない。
確認問題 I'm thirsty. Is there ( ) in the fridge?
-thing + 形容詞 + to不定詞 の順(ロボ・背中・荷台)。形容詞を -thing の前に置いたり、to と動詞の間に入れたりはできない。
07another / other / the other / others / the others を●で見る 応用
このグループは「the がつくかどうか」と「単数か複数か」の2つでほぼ決まります。the がつく = 残りがそれで全部(数が確定)。the がつかない = まだほかにもある(数が不確定)。
| 形 | 意味 | 図(● 先に出た物 ◎ 今言う物 ○ まだ残っている物) |
|---|---|---|
| another | (不特定の)もう1つ・別の1つ | ● ◎ ○ ○ ○ …(残りまだあり) |
| the other | (2つのうち)もう一方/残りの1つ | ● ◎(これで全部) |
| others | (不特定の)ほかの物・人たち | ● ● ◎ ◎ ○ ○ …(残りまだあり) |
| the others | 残り全部 | ● ● ◎ ◎ ◎(これで全部) |
another = an + other(だから単数)。the がつけば「残り」が確定する
the other / the others は「残りはそれで全部=売り切れ」。another / others は「ほかにもまだある=在庫あり」。店の棚をイメージして、空所のあとに品物(人)が残っているかどうかを考える。
| パターン | 意味 | 図 |
|---|---|---|
| one ~, the other ... | (2つのうち)1つは〜、もう1つは… | ◎ ◎ |
| one ~, another ... | (3つ以上のうち)1つは〜、別の1つは… | ◎ ◎ ○ ○ … |
| one ~, the others ... | 1つは〜、残り全部は… | ◎ ◎ ◎ ◎ |
| some ~, others ... | 〜する人もいれば、…する人もいる | ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ … |
| some ~, the others ... | 一部は〜、残り全部は… | ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ |
- I have two cats. One is black, and the other is white.
ネコを2匹飼っている。1匹は黒で、もう1匹は白だ。 - This cup is dirty. Can I have another?
このカップ汚れてる。別のをもらえる?(店にはまだカップがある=在庫あり) - Some students walk to school; others come by bus.
歩いて通学する生徒もいれば、バスで来る生徒もいる。 - Three of us stayed, and the others went home.
私たちのうち3人は残り、残り全員は帰った。
other は「その他の」という形容詞としても使いますが、数えられる名詞の単数形の前にむき出しでは置けません。
✕ other book
○ another book / the other book / other books
(no other book / any other book のように、前に no / any / some などがつけば単数名詞でもOK。不可算名詞なら other information のように other だけでもOK)
また、形容詞の other に -s はつかない:✕ the others students ○ the other students。
another + 数詞 + 複数名詞 はOK
another は単数が原則ですが、another three days(あと3日)のように数詞がつくと複数名詞と並べられます。three days を「3日間という1つのカタマリ」として、もう1つ追加するイメージ。Wait another ten minutes.(あと10分待って)
| 熟語 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| each other / one another | お互い(代名詞) | They helped each other. |
| every other day | 1日おきに | I go to the gym every other day. |
| the other day | 先日(過去形と) | I saw Emma the other day. |
| on the other hand | 他方で・一方 | It's cheap. On the other hand, it breaks easily. |
| one after another | 次々に | The guests arrived one after another. |
| A is one thing, B is another | AとBは別物だ | Knowing is one thing, and teaching is another. |
| other than ~ | 〜以外の・〜を除いて | I have no friends here other than Ken. |
each other は「お互いを」という名詞(代名詞)。自動詞のあとには前置詞が必要です。
✕ They talked each other.
○ They talked to each other.
○ We looked at each other.
○ They married each other.(marry は他動詞なので前置詞なし)
なお「2人なら each other、3人以上なら one another」という区別は、今はほとんど意識されません。
問題文に two / both / a pair など「2」の情報があれば one ~ the other。「3つ以上」や数の情報がなければ another / others。空所のあとに「残り全部」を言っているなら the others。3つ以上でも、最後に残った1つなら the other(One is red, another is blue, and the other is black.)。
なぜ効く? the の有無は「残りの数が確定しているか」で決まるので、全体の数や「残り全部」かどうかの手がかりは、たいてい問題文のどこかに書かれている。
確認問題 I have two brothers. One lives in Osaka, and ( ) lives in Tokyo.
兄弟は2人。1人目を除いた残りは1人で確定なので the other。the others は残りが複数のとき、another は残りがまだあるとき。
確認問題 Some people like summer; ( ) prefer winter.
some ~, others ...「〜の人もいれば…の人もいる」。the other は単数、another は単数、other は代名詞として単独ではふつう使わない(each other などの熟語は別)。
08all / both / either / neither / none:「2」の世界と「3以上」の世界 応用
このグループは、対象が2つか、3つ以上かで使う語がきっぱり分かれます。さらに、主語になったときの動詞の単数・複数も狙われます。表で一気に整理しましょう。
| 語 | 対象の数 | 意味 | 主語のときの動詞 |
|---|---|---|---|
| both | 2 | 両方とも | 複数 |
| either | 2 | どちらか一方/どちらでも | 単数(口語では複数も) |
| neither | 2 | どちらも〜ない | 単数(口語では複数も) |
| all | 3以上(不可算も) | 全部 | 可算は複数・不可算は単数 |
| any | 3以上(不可算も) | どれでも | 後ろの名詞しだい |
| none | 3以上(不可算も) | 1つも〜ない | 複数名詞なら単数・複数どちらも(不可算なら単数) |
| each | 2以上 | それぞれ | 単数 |
| every | 3以上 | どの〜も皆(形容詞のみ) | 単数 |
Both・Either・Neither の頭文字で BEN。ベンくんの自転車は二人乗り=2つ専用。3つ以上の集団について both / either / neither(of ~)が出てきたら、入試ではアウト。3以上なら all / any / none。
| 2つの場合 | 3つ以上の場合 | |
|---|---|---|
| 全部〜だ | both | all |
| どれか1つ・どれでも | either | any |
| どれも〜ない | neither | none |
| 残り | the other | the others(残りが1つなら the other) |
左右で1対1に対応させて覚える
- Both of my parents are from Kyoto.
両親ともに京都出身だ。 - Neither of my parents drinks coffee.
両親はどちらもコーヒーを飲まない。(学校文法では単数。口語では drink も聞く) - You can sit on either side.
どちらの側に座ってもいいよ。 - None of my friends know the answer.
友だちの誰もその答えを知らない。(none of + 複数名詞 は単数でも複数でもよい) - All the milk has gone bad.
牛乳は全部悪くなってしまった。(不可算名詞なので単数)
「none は no one だから単数」と教わることがありますが、実際の英語では None of the students know(s) の両方が使われ、複数もごく普通です。入試の4択で単複が両方並ぶことはまずないので、「どちらも可」と知っておけば十分。ただし none of + 不可算名詞 なら単数:None of the money was found.
none と no one の使い分け
none は「(その中の)ゼロ」で、物にも人にも使える。no one / nobody は「人」専用で「誰も〜ない」。
How many eggs are left? — None.(ゼロ個)
Who came? — No one.(誰も)
また、特定の集団から「〜のうち1人も」と言うときは none of:○ none of them(no one of them はまれで、入試では none of を選ぶ)。
on either side of the road は「道の両側に」(= on both sides)。物の配置を描くこの形では「どちらか片側」ではありません。ただし You can sit on either side.(どちらの側に座ってもいい)のように「どちらでも」の意味にもなるので、文脈で判断します。Trees stand on either side of the street.(通りの両側に木が立っている)side が単数なのに注意。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る部分否定への橋渡し
all / both / every を not で否定すると「全部が〜というわけではない」(部分否定)になります。「全部〜ない」(全体否定)は none / neither / no(または not ... any)を使う。この区別は単元「否定」の超重要ポイント。下の図で●の数を確認しておきましょう。
「2人とも来なかった」を both + not で言うと、部分否定(2人とも来たわけではない)と読まれかねず、あいまい。全体否定なら Neither of them came. とはっきり言います(英作文でも both + not で全体否定を表すのは避けるのが安全)。
確認問題 I have two sisters, but ( ) of them lives near me.
姉妹は2人なので2つ専用の neither。none は3人以上、both と all は動詞が lives(単数)と合わない。
確認問題 “How many cookies are left?” “( ). Ken ate them all.”
How many ~? に「ゼロ」と答えるのは None。No one は人、Nothing は「何も」で数を聞かれた答えにならない、Neither は2つのとき。
09most と almost:入試の超定番ひっかけ 応用
「ほとんどの生徒」を英語にすると? ここで almost students と書いたら入試では即アウト。理由は品詞にあります。most は形容詞・代名詞(名詞にさわれる)、almost は副詞(名詞の前に置いて「ほとんどの〜」とは言えない)。この1点だけで、この単元でいちばん出る問題が片づきます。
| 形 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| most students | ○ | 形容詞 most が名詞を修飾 |
| most of the students | ○ | 代名詞 most + of + 特定の集団 |
| most of them / most of my friends | ○ | them・my ~ も特定の集団 |
| almost all (the) students | ○ | 副詞 almost が形容詞 all を修飾 |
| almost all of the students | ○ | 副詞 almost が代名詞 all を修飾 |
| ✕ almost students | ✕ | 副詞が名詞を直接修飾している |
| ✕ most of students | ✕ | of のあとに「特定の集団」がない |
| ✕ almost of the students | ✕ | almost は代名詞として使えない |
| ✕ the most of the students | ✕ | 「大部分」の most に the はつかない |
○の4パターンを口で10回言うのが最速の対策
✕ most of students はなぜダメ?
most of の of は「〜の中から」。どの集団の中から大部分を取り出すのかが決まっていないと、部分を取り出せません。the / my / these / them などで「このクラスの生徒たち」と集団を特定して、はじめて most of が使えます。some of / many of / all of / none of もまったく同じルール。
世の中一般の「たいていの〜」。範囲を特定しない。
Most Japanese people eat rice.(たいていの日本人は米を食べる)
特定の集団の「大部分」。the で範囲が決まっている。
Most of the students in my class have phones.(うちのクラスの生徒の大半はスマホを持っている)
almost の直後に来てよいのは all / every / no / nothing / everyone / always / never / 数詞(almost 100 people)/ a(almost an hour)/ 形容詞・副詞・動詞 など。「ほとんどの〜」のつもりで直後にいきなり名詞が来ていたら誤り(It's almost midnight.「もうすぐ真夜中だ」のような「ほぼ〜だ」は別)。
なぜ効く? almost は「ほぼ」という程度を表す副詞で、「ほとんどの〜」の意味で名詞を修飾する力がない。all や every など「量を表す語」を経由して名詞にたどり着く。
- I almost always wake up before six.
私はほとんどいつも6時前に起きる。 - Almost every student voted for Emma.
ほぼ全員の生徒がエマに投票した。(every + 単数名詞) - There was almost no time left.
時間はほとんど残っていなかった。 - I've almost finished my homework.
宿題はほとんど終わった。
almost ひとりでは名詞まで届かない。all や every を連れていけば almost all students / almost every student とたどり着ける。「オールモスト」の中に all が入っているのも目印。
the most は最上級。Who has the most friends?(誰が一番友だちが多い?)の the most は「最も多くの」。「大部分の」の most には the をつけない。Most of the students ~ と The most students ~ では意味が全く違います。
Most of the water is clean.(不可算→単数)/Most of the students are here.(複数→複数)。most・some・all・half・the rest・分数(two thirds of)など「部分」を表す語が主語のときは、of のあとの名詞で単複を決めます。
mostly は「主に・たいてい」の副詞
The audience was mostly students.(観客は主に学生だった)のように、mostly は「大部分は」という副詞。「ほとんどの学生が来た」のつもりで ✕ Mostly students came. とは言えない(言うなら Most students came.)。形容詞・副詞の単元の「most / mostly / almost」と合わせて整理しておきます。
確認問題 ( ) students in my class have their own smartphones.
直後が名詞 students なので、形容詞の most か almost all が入る(選択肢では Almost all)。Almost は副詞で名詞を修飾できない、Most of は後ろに the などが必要、Most of all は「何よりも」。
確認問題 I spend ( ) of my free time playing games.
of my free time(特定の範囲)の前なので代名詞 most。almost・mostly は副詞で of の前に立てない。the most は最上級。
10those who・such・so と not・疑問代名詞 応用
those who ~ =「〜する人々」
those who ~ = people who ~。those は that の複数形で、「どの人たちか」を後ろの関係詞節(who 以下のように、名詞を後ろから説明するカタマリ)などの修飾語で決めてもらう使い方ができます。一方 they は前に出た人を受けるだけの語なので、後ろから修飾語をつけられず ✕ they who(今の英語では。they who は古い文語)。those present(出席者)、those interested(興味のある人)のように形容詞・分詞が後ろにつく形も頻出。
- Those who arrive late will not be allowed in.
遅れて来た人は入場できません。 - Heaven helps those who help themselves.
天は自ら助くる者を助く。(ことわざ。God helps ~ の形でも言う) - All those present agreed with the plan.
出席者は全員その計画に賛成した。
| 表現 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| A such as B | BのようなA(具体例) | I like fruits such as apples and grapes. |
| such A as B | BのようなA(かたい) | I like such fruits as apples and grapes. |
| as such | それ自体としては/その資格で | He is the captain, and should be treated as such. |
| such is ~ that ... | 〜はたいへんなもので…(倒置) | Such was her anger that she couldn't speak. |
as such の such は前に出た名詞(the captain)を受ける代名詞
so と not は「that 節の代打」
Will it rain tomorrow? と聞かれて「そう思う」は I think so.、「そうじゃないと思う」は I don't think so. または I'm afraid not.。so = 肯定の that 節、not = 否定の that 節の代わりです。
| 動詞 | 肯定(そうだと〜) | 否定(そうでないと〜) |
|---|---|---|
| think | I think so. | I don't think so.(I think not. はかたい) |
| believe / suppose / expect | I believe so. | I don't believe so. / I believe not. |
| hope | I hope so. | I hope not.(✕ I don't hope so.) |
| be afraid | I'm afraid so. | I'm afraid not.(✕ I'm not afraid so.) |
| guess | I guess so. | I guess not. |
hope と be afraid の否定は not 型しかない
「〜でないといいな」「残念ながら〜ない」は I hope not. / I'm afraid not. の2つだけ覚えれば勝ち。否定を前に出す ✕ I don't hope so. は不可。
なぜ効く? I don't hope so だと「そうなることを望んではいない」と、望む気持ちそのものを否定してしまう。否定したいのは望む中身だけなので、中身の代わりの not を後ろに置く。
2つ挙げたうちの、先に言った方。
Ken and Tom are brothers; the former is a doctor.
2つ挙げたうちの、後に言った方。
Ken and Tom are brothers; the latter is a teacher.
最後に疑問代名詞。who(誰)・what(何)・which(どれ)は、名詞の代わりをする「代名詞」です。ここで毎年狙われるのが what と how の混同。what は「中身(名詞)」を聞き、how は「方法・様子(副詞)」を聞きます。
| 言いたいこと | ○ 正しい形 | ✕ よくある誤り |
|---|---|---|
| 〜をどう思う? | What do you think of / about ~? | How do you think of ~? |
| 〜は気に入った? | How do you like ~? | What do you like ~? |
| 〜はどんな感じ? | What is ~ like? | How is ~ like? |
| 〜をどう感じる? | How do you feel about ~? | What do you feel about ~?(まれ) |
| 何のために? | What ~ for? | |
| 誰だと思う? | Who do you think he is? | Do you think who he is? |
What do you think? になるのはなぜ?
think の目的語は「考えの中身」=名詞。だから名詞を聞く what。How do you think? は「どうやって(どんな方法で)考えるの?」という変な質問になります。What is it like?(それはどんな感じ?)が what なのも同じ理由です。この like は「〜のような」という前置詞で、その後ろに来る名詞を聞くので what(✕ How is it like?)。
「彼は誰だと思う?」に Yes / No では答えられないので、疑問詞 who を文頭に出して Who do you think he is? とします。Do you know who he is?(彼が誰か知ってる?)は Yes / No で答えられるので do が先頭。think・believe・suppose・imagine・say が「疑問詞を前に出す」グループ。
生徒What is he like? と What does he like? って似てない?
先生全然違う。What is he like? の like は前置詞で「彼はどんな人?」。What does he like? の like は動詞で「彼は何が好き?」。
生徒じゃあ How is he? は?
先生それは「彼、元気?」と体調や調子を聞く質問。性格や人柄なら What is he like?。
確認問題 “( ) do you think of the new teacher?” “She's strict but kind.”
think of の目的語(考えの中身)を聞くので what。How do you think of ~? は誤り。Which は「どれ」と選ばせる語、Who は「誰」を聞く語で、先生についての感想を聞く文にならない。
確認問題 “Will it rain tomorrow?” “I hope ( ). We have a game.”
試合があるので「降らないといい」。hope の否定は I hope not.(✕ I don't hope so)。so だと「降るといい」になり流れと合わない。it や no は that 節の代わりにならない。
11難関大の差がつくポイント 難関
ここからは早慶上智・難関国公立で差がつく細部です。どれも「基本ルールの例外」ではなく、基本ルールを一段深く理解していれば当然そうなるものばかり。理由とセットで見ていきます。
a + 名詞 の代用。the one / a big one / the ones と自由に飾れる。
This bag is heavier than the one I had before.
the + 名詞 の代用。✕ the that / ✕ a big that。後ろにふつう of ~ などの修飾語がつく。
The coffee here is better than that at the station.
every other の2つの顔
every other + 単数名詞 には2つの意味があります。
① 1つおきの:I practice every other day.(1日おきに練習する)
② ほかの全ての:Ken failed, but every other student passed.(ケン以外の生徒は全員合格した)
①は時間・順番の話、②は「ある人を除いた残り全員」の話。文脈で判断します。
all / both / each の位置は頻度副詞と同じ
代名詞の all / both / each を主語の後ろに置くときは、be動詞・助動詞の後、一般動詞の前。頻度副詞(always / often など「どのくらいよく」を表す副詞)の always と同じ位置です。
We are all tired./We all like pizza./They have both finished.
✕ We like all pizza.(「私たちはみんなピザが好き」の意味では誤り。これだと「どんなピザでも好き」という別の意味)
The studentsS allM passedV the examO.
生徒たちは全員、試験に合格した。| ひっかけ | ✕ 誤り | ○ 正しい | 理由 |
|---|---|---|---|
| no と none | None students came. | No students came. / None of the students came. | no は形容詞(名詞の前)、none は代名詞 |
| another + 複数 | another books | another book / another three books | 数詞があればOK |
| each other + 前置詞 | They argued each other. | They argued with each other. | each other は名詞 |
| any の否定 | Anyone can't solve it. | No one can solve it. | 否定は any より前 |
| 比較の any other | than any other students | than any other student | any other + 単数(実際には複数も見かけるが、入試は単数) |
| one の総称 | One should do your best. | One should do one's best. | one で始めたら one's で受ける(米では his も。やや古い) |
| that of の単複 | The ears of a rabbit ~ than that of a dog. | ~ than those of a dog. | ears は複数 |
Mt. Fuji is higher than any other mountain in Japan. の mountain は単数。any は「どれでも1つ取り出して比べる」なので単数になります。複数で言うなら than all the other mountains。※実際の英語では any other mountains と複数にした例も見かけますが、入試では単数が正解。
選択肢を見る前に、空所が指している名詞を問題文の中から探して矢印を書く。① 同じ物か別物か ② 単数か複数か ③ 可算か不可算か ④ 2つか3つ以上か、の4点をチェックすれば、ほぼすべての代名詞問題が解ける。
なぜ効く? 前の名詞の代わりをする代名詞は、形がその相手(先行詞)の性質(数・可算性・特定性)でほぼ機械的に決まる。相手を確定すれば答えも確定する。
- We'll need another two weeks to finish the project.
このプロジェクトを終えるのに、あと2週間必要だ。 - The book was so good that I read it one more time.
その本はとても良かったので、もう一度読んだ。(「もう1回」は one more time(または again)。another time は「また別の機会に」の意味で使うことが多い) - Two of the five students passed, and the other three failed.
5人の生徒のうち2人は合格し、残りの3人は落ちた。(the other + 数詞 + 複数名詞 で「残りの〜」)
of itself(ひとりでに)は今ではかなり古風で、ふつうは by itself。in itself は「それ自体は」で意味が全然違う。
The candle went out by itself.(ろうそくがひとりでに消えた)
The plan in itself is good, but we lack money.(計画自体は良いが、お金が足りない)
確認問題 Mt. Fuji is higher than ( ) in Japan.
than any other + 単数名詞。all を使うなら than all the other mountains。another mountains は不可。
確認問題 Emma ate one of the three donuts, and her brothers ate ( ).
3つのうち1つを除いた残り2つ全部=残りが確定した複数なので the others。the other は残りが1つのとき。others と another は「ほかにもまだある」ときの語で、全部で3つと決まっている今回は合わない。
12超上級:ネイティブの代名詞感覚 超難関
最後に、学校文法の「正解」と今の英語の実際がずれているところを見ておきます。入試の4択では学校文法どおりに答え、長文や英作文ではネイティブの感覚も知っておく。その両方を持っているのが最上級者です。
単数の they:Someone left their umbrella.
someone / everyone / each student のように、性別がわからない・言う必要がない1人を受けるとき、今の英語では they / their がごく普通です。昔の学校文法は his、次に his or her を正解としましたが、現在は多くの辞書や文章ルールの手引きが単数の they を認めています。さらに、自分を he / she で呼ばれたくない人を指す they もあります。
- Someone left their umbrella in the classroom.
誰かが教室にカサを忘れていった。 - Every student should bring their own lunch.
生徒は各自お弁当を持ってくること。(his or her own lunch はかたく、長い) - If anyone calls, tell them I'm out.
誰かから電話があったら、出かけていると伝えて。
this と that:心の距離
this は「自分の側・これから言うこと」、that は「相手の側・今言われたこと」を指すことが多い(this で直前の自分の話を受けることもある)。
Listen to this.(これから言うことを聞いて)
“Let's go to the beach!” “That's a great idea.”(相手の案)
電話で名乗るのは This is Emma.(自分側)、相手を確かめるのは Is that Ken?(イギリス英語。アメリカ英語では Is this Ken? も普通)。
主語は主格、be動詞の補語(It is I. の I のように、主語の正体を説明する語)も主格、前置詞の後は目的格。
It is I. / Ken and I went there. / between you and me
It's me. が完全に標準。Me too. も同じ。ただし between you and I は「正しくしようとして間違えた」形とされ、嫌う人が多い。
It's me. / Me too. / ✕ between you and I
主語の位置の Ken and me went ~ は会話では耳にしますが、書き言葉・入試では誤り。迷ったら相手を消して確かめます:me went は変、I went は自然、だから Ken and I went。逆に前置詞・動詞の目的語なら with Ken and me(with me が自然だから)。
赤ちゃん・動物の it
性別がわからない、または意識しない赤ちゃんや動物は it で受けることがあります。The baby is crying; it must be hungry. ただし、自分のペットや家族の赤ちゃんを it と呼ぶと冷たく響くので、ふつうは he / she。「it = 人間扱いしていない」と感じる人がいることも覚えておきましょう。
イギリスには、目の前にいる人を she / he と呼ぶ子どもをたしなめる決まり文句があります。本人の前で三人称の代名詞を使うのは、その人を話の輪から外すように聞こえるため。本人がいるなら名前か you で呼ぶのが礼儀、という感覚は日本語の「あの人」にも通じます。
you と one の温度差
総称の one(One should keep one's promises.)は教科書的でかなりかたい響き。会話で使うと気取って聞こえるので、ふつうは you。アメリカ英語では one ... his と後ろを he で受ける伝統もありましたが、今は one's か、you で言いかえる方が自然です。
確認問題 次のうち、今の英語として最も自然なものを選べ。
性別を特定しない単数を受ける their(単数の they)が現代では最も自然。his は男性だけを想定したように聞こえ、its は人に使えず、one's は everyone を受けられない。
確認問題 Just between you and ( ), I don't like his new song.
between は前置詞なので目的格 me。between you and I は「正しくしようとして間違えた」典型例で、入試でも誤り。
瞬間英作文チャレンジ
日本語を見て、3秒で英語にして声に出す。カードをタップすると答えが出ます。
超絶テク
受ける語が前の名詞と同じ物を指すなら it、同じ種類のどれか(別の1つ)なら one。会話の受け答えでは Do you have a ~? → one、Where's my ~? → it になりやすい。ただし I bought a bag. I love it. のように、前が a でも同じ物をもう一度指すなら it。
なぜ効く? one は a + 名詞、it は the + 名詞 の代用。一度話題に出た物は、2回目にはもう「その物」と特定されているので the = it になる。
Do you have a charger? — Yes, I have one. / Where's my charger? — Ken has it.
比較の文で空所の直後に of ~(in ~)があれば that / those をまず疑う。前の名詞が単数・不可算なら that、複数なら those。
なぜ効く? 比べる物の種類をそろえるための装置。the + 前の名詞 を1語にしたものなので、前の名詞の数に合わせる。
The ears of a rabbit are longer than those of a cat.
the other / the others は残りがそれで全部。another / others は残りがまだある。全体の数が書かれていて、空所が「残り全部」を指すなら the 系。数が書かれていない・まだ残りがあるなら the なし系。
なぜ効く? the は「どれのことかお互いにわかる」印。残りの数が決まっていれば、どれのことか特定できる。
I have three pens. One is red, and the others are blue.
two / both / a pair / twins / parents など「2」の情報があれば、both / either / neither / the other を使う。3つ以上なら all / any / none / the others(ただし3つ以上でも最後に残った1つは the other)。
なぜ効く? 英語は2つの世界専用の語をもっている。数の情報は、たいてい問題文のどこかにヒントとして置かれている。
My parents both like jazz, but neither of them plays an instrument.
almost の直後は all / every / no / nothing / always / 数詞 / a(almost an hour)/ 形容詞 / 動詞 など。「ほとんどの〜」のつもりで名詞が直接来ていたら誤り(It's almost midnight. のような「ほぼ〜だ」は可)。
なぜ効く? almost は副詞で、「ほとんどの〜」の意味で名詞を修飾できない。量を表す all や every を経由する必要がある。
✕ almost students → ○ almost all students / ○ most students
most of / some of / many of / all of / none of / each of の後ろには、the / my / these / them などで特定された集団が必要。✕ most of students。
なぜ効く? of は「〜の中から」。どの集団の中から取り出すのかが決まっていないと、部分を取り出せない。
Most of the students / Some of my friends / Each of them
-self を消して文が成り立てば強調用法、壊れれば再帰用法。再帰用法なら、主語と同じ人を指す目的語なので -self 以外は不可。
なぜ効く? 強調用法は飾り、再帰用法は目的語そのもの。
Ken hurt himself.(消せない)/ Ken did it himself.(消せる)
see to + that 節、appreciate + if 節、take + for granted + that 節 のように直結できない所には、it をクッションとして入れる。
なぜ効く? 前置詞の目的語に that 節は置けない。appreciate の目的語に if 節は置けない。名詞の代表 it に中身の代打を任せる。
See to it that ~ / I'd appreciate it if ~ / take it for granted that ~
any〜 を主語にして後ろを not で否定する文(✕ Anybody didn't come.)は作れない。Nobody / No one / None / Nothing で言い直す。※ Anyone who cheats won't pass. のように「〜する人は誰でも」の意味なら可。
なぜ効く? any は「どれでも」と範囲を開く語。not が any より前にあって、はじめて「どれ1つ〜ない」の意味になる。
✕ Anybody didn't come. → ○ Nobody came.
「〜でないといい」は I hope not.、「残念ながら〜ない」は I'm afraid not.。I don't hope so. / I'm not afraid so. は誤り。
なぜ効く? 否定したいのは望む・心配する気持ちではなく、その中身(that 節)。中身の代打が not。
“Is the store closed?” “I'm afraid not.”
Yes / No で答えられない質問なら疑問詞が文頭(Who do you think he is?)。答えられるなら do が文頭(Do you know who he is?)。
なぜ効く? think などは「誰だと思う?」と中身そのものを聞く。know は「知っているかどうか」を聞く。聞きたい物が違うので形も違う。
What do you think he wants? / Do you know what he wants?
It seems / is said / appears that + 主節より前の時制 → S seem(s) / is said / appear(s) to have p.p.(完了不定詞。p.p.=過去分詞)。同じ時制なら to do。
なぜ効く? to不定詞には時制がないので、「より前」を表すには完了形の to have p.p. を使うしかない。
It is said that he was rich. → He is said to have been rich.
語呂・暗記フック
the other(残り1つ)と the others(残り全部)は、それで売り切れ。another(別の1つ)と others(ほかの物)は、まだ在庫がある。空所の後ろに品物が残るかどうかで選ぶ。
Both・Either・Neither の頭文字で BEN。ベンくんの自転車は二人乗りなので、2つの話にしか使えない。3つ以上なら all / any / none に乗り換え。
one = a + 名詞(ペットショップのどれか1匹)、it = the + 名詞(ほかでもない「その子」)。I want a dog. I'll get one./I lost my key. I have to find it.(なお、自分のペットは実際には he / she で呼ぶことが多い)
副詞 almost は一人では名詞に届かない。all・every・no を連れていけば名詞にたどり着ける。almost の中に all が入っているのも目印。
most of・some of・many of・all of のあとには、the や my や them など(または Japan のような固有名詞)が必ず待っている。of の先に誰も出迎えがいなければ(✕ most of students)、その文は誤り。
beside は「横」。自分の横に魂がはみ出している状態=我を忘れている。beside himself with joy は、うれしすぎて魂が飛び出した図。
前置詞 to の後ろの that 節、appreciate の後ろの if 節など、そのままではつながらない所に it をはさむ。3つを続けて音読して丸ごと覚える。
hope(望み)と afraid(心配)は、not を最後に置く。I don't hope so. と前に出すのはダメ。
ひっかけ図鑑
「ほとんどの」に引きずられて almost を選ばせる定番。almost は副詞なので名詞を修飾できない。
✕ ✕ Almost students have smartphones.
○ ○ Most students / Almost all (the) students have smartphones.
most of の後ろに the がないのに○に見せるひっかけ。of の先には特定された集団が必要。
✕ ✕ Most of students passed the exam.
○ ○ Most of the students passed the exam.
日本語の「私のある友人」をそのまま訳すと起きる。指定席は1つだけ。
✕ ✕ Emma is a my friend.
○ ○ Emma is a friend of mine.
日本語の「楽しんだ」に目的語がないので、enjoy の後ろを空けてしまう。
✕ ✕ We enjoyed very much at the party.
○ ○ We enjoyed ourselves very much at the party.
比べる物がねじれている文を正しく見せる。人口と街、気候と国を比べていないか。ears(複数)を that で受けていないか。
✕ ✕ The climate of Japan is milder than Canada.
○ ○ The climate of Japan is milder than that of Canada.
other を単独で可算名詞の単数形の前に置く誤り。another / the other / other + 複数 のどれかにする。
✕ ✕ Do you have other color?
○ ○ Do you have another color? / other colors?
日本語の「誰も来なかった」を Anybody didn't ~ と訳させる。否定語は any より前。
✕ ✕ Anybody didn't answer the phone.
○ ○ Nobody answered the phone.
日本語の「どう思う?」の「どう」に引かれて how を選ばせる。think の目的語を聞くので what。
✕ ✕ How do you think of my plan?
○ ○ What do you think of my plan?
「お互いに」の「に」から副詞だと思わせる。each other は代名詞なので自動詞のあとには前置詞が必要。
✕ ✕ They talked each other for hours.
○ ○ They talked to each other for hours.
I don't think so. と同じ形にしたくなるが、hope は not 型しかない。
✕ ✕ I don't hope so.
○ ○ I hope not.
生徒のギモン
its にはアポストロフィがないのに、Ken's にはあるのはなぜ?
its は his や her と同じ「所有格の代名詞」で、最初から1語の単語です。一方 Ken's の 's は名詞に「〜の」をつける記号。人称代名詞の所有格(my, your, his, its, our, their)には 's を使いません(one's / someone's のような不定代名詞は 's を使う)。なお、英語の歴史では17世紀ごろに所有格を it's と書く例もあり、今の its の形に落ち着いたのは後のことと言われます。今は it's = it is / it has の短縮形なので、混ぜないように。
you はなぜ単数も複数も同じ形なの?
もともと英語には単数の thou と複数の you がありました。そのうち you が「ていねいな単数」としても使われるようになり、thou は親しい相手や目下に使う語になって、やがて標準語から消えてしまいました。その結果、you が単数も複数も1人で担当することに。複数をはっきりさせたいときに、アメリカで you guys や y'all が使われるのはそのためです(くわしくはコラムで)。
none の後の動詞は単数?複数? 結局どっち?
none of + 複数名詞 なら、単数でも複数でもOKです。「none は no one の意味だから単数」という説明もありますが、実際の英語では複数もごく普通に使われます。none of + 不可算名詞(none of the money)なら単数。入試では単数と複数の両方が選択肢に並ぶことはまずないので、ほかの根拠で選べば大丈夫です。
each other と one another は使い分けるの?
伝統的には「2者なら each other、3者以上なら one another」とされてきましたが、今のネイティブはほとんど区別しません。one another の方が少しかたい響き、という程度です。入試でこの区別だけを問う問題が出ることはまれです。それより大事なのは、どちらも「お互い」という代名詞なので、自動詞のあとには前置詞が要る(talk to each other)という点です。
It's me. は文法的に間違いって本当?
昔の学校文法では「be動詞の補語は主格」として It is I. を正解にしていました。しかし今の英語では It's me. が完全に標準で、It is I. はかなり古風で気取った響きになります。Me too. も同じ。一方、between you and I は「正しくしようとして間違えた形」として嫌われるので、前置詞のあとは必ず目的格にします。
「私たちはみんな」は All we ~? We all ~?
主語なら We all ~ か All of us ~ です。All we ~ にすると、All (that) we need is more time.(私たちに必要なのはもっと時間だけだ)のように「私たちが〜するすべて」という関係詞の文になってしまいます。We all like music.(私たちはみんな音楽が好き)と All we like is music.(私たちが好きなのは音楽だけ)は全然違う意味です。
something cold の語順はなぜ逆になるの?
some と thing は昔は別々の語でしたが、今は1語に合体しています。合体したせいで、形容詞が間に割り込む場所がなくなり、後ろから修飾するしかなくなった、と考えるとわかりやすいです。someone famous、nothing new、anything interesting も同じ。さらに to不定詞をつけるときは、形容詞のさらに後ろ(something cold to drink)です。
超絶おもしろコラム
thou はどこへ消えた? you が一人二役になるまで英語の「あなた」は、昔は2種類あった。
今の英語では、目の前の1人も、教室の40人も you で呼びます。単数か複数か、形ではわかりません。でも数百年前の英語はそうではありませんでした。単数の「あなた」は thou(目的格は thee、所有格は thy / thine)、複数の「あなたたち」は ye / you と、きちんと分かれていたのです。
変化のきっかけは「ていねいさ」でした。中世のヨーロッパでは、偉い相手を複数形で呼ぶと敬意が伝わる、という感覚がありました。フランス語で目上の人を tu ではなく vous で呼ぶのと同じです。英語もその影響を受けて、身分の高い相手や、あまり親しくない相手を1人でも you で呼ぶようになったと言われています。
こうなると thou の立場は微妙になります。you が「ていねいな標準」になると、thou は「親しい相手や目下に使う語」、場合によっては「見下した呼び方」に聞こえ始めました。そして17世紀以降、thou は標準的な英語からだんだん姿を消していきます。一方で、すべての人は平等だと考えたクエーカー教徒の人々は、身分で呼び方を変えることを嫌って、相手が誰でも thee / thou を使い続けたことが知られています。
日本語にも似た話があります。「貴様」は、もとは文字どおり相手を敬う言葉でした。「お前」も「御前」、つまり神仏や貴人の前を指す言葉から来ています。敬語だった呼び方が、使われるうちにぞんざいな呼び方に落ちていく。言葉の世界ではよく起こることです。
さて、you が一人二役になると、今度は「あなたたち」と言いたいときに困ります。そこで各地の英語は、自分たちで複数形を作り直しました。アメリカ南部の y'all、アメリカ全土で使われる you guys、アイルランドやオーストラリアの一部で聞かれる youse、ピッツバーグの yinz など。どれも正式な文法書には載りにくい形ですが、「you が単数か複数かわからない」という不便を、話し手たちが自力で埋めようとした結果です。
教科書で You are students. を見たら、その you の後ろには、消えた thou の長い物語が隠れていると思い出してください。
単数の they は「新しい言葉づかい」ではないSomeone left their bag. は、実は何百年も前からある言い方。
Everyone should bring their own lunch. ── 「everyone は単数なのに their はおかしい」と感じた人もいるかもしれません。でも、性別のわからない1人を they で受ける言い方は、最近生まれたものではありません。英語の大きな辞書には、14世紀ごろの文章にすでに例があることが記録されています。有名な作家の作品にも使われている、とよく指摘されます。
では、なぜ学校で「everyone は his で受ける」と教えられてきたのでしょうか。18世紀ごろから、英語をラテン語のように「論理的に」整えようとする文法書が次々に書かれました。そうした文法書が「数を合わせるべきだ。性別がわからなければ男性形 he で代表させよ」というルールを広めた、と言われています。つまり his の方が「後から決められた規則」だったのです。
20世紀後半になると、「男性形で全員を代表させるのは不公平だ」という考えが広まり、his or her、s/he などの工夫が生まれました。でも his or her は長くて読みにくい。結局、人々が昔から話し言葉で使っていた they が、書き言葉でも堂々と使われるようになりました。2019年には、アメリカの大手辞書出版社が「今年の単語」に they を選んで話題になりました。自分を he / she で呼ばれたくない人を指す they が広く知られるようになったことも、理由の1つです。
ここで大事なのは、単数の they でも動詞は複数形のままだという点です。Someone knocked, but when I opened the door, they were gone.(誰かがノックしたが、ドアを開けたときにはもういなかった)のように、1人を指していても they の後は were / are。you が単数でも You are ~ と言うのと同じ理屈です。
入試の4択で単数の they そのものの正誤が問われることは、多くないでしょう。ただし、長文の中では everyone ... they、a student ... their がどんどん出てきます。そのとき「they が複数の誰かを指している」と誤解すると、内容一致問題で失点します。they を見たら、複数とは限らない。これが今の英語を読むための新しい常識です。
It's raining. の it は何を指している?英語は「主語の席が空いていると落ち着かない」言語。
It's raining. の it は何を指しているのか。空? 天気? 神様? ── 学校では「天候の it は何も指さない」と習います。では、なぜ何も指さない語をわざわざ置くのでしょうか。
答えは「英語は主語をふつう省略できない言語だから」です(命令文や、会話の Sounds good. のようなくだけた省略は別)。日本語なら「雨だ」「降ってきた」で文が完成します。スペイン語やイタリア語も、動詞の語尾で主語がわかるので、「雨が降る」は動詞1語で済みます。言語学では、主語をよく省略できる言語を「主語省略(プロドロップ)型」と呼ぶことがあります。
ところが英語は、動詞の形だけでは主語がわからないことが多く、主語の席を空けておけません。そこで、中身のないダミーの主語として it を座らせるのです。フランス語の Il pleut.、ドイツ語の Es regnet. も同じ発想で、「彼が雨降る」「それが雨降る」のように、意味のない代名詞が主語の席に座ります。
このダミー主語は天気だけではありません。It's 7:30.(時間)、It's getting dark.(明暗)、How's it going?(状況)。さらに There is a cat. の there も、場所の意味を失ったダミー主語です。英語は「主語の席は必ず埋める」ために、it と there という2人の代役を用意しているわけです。
ただし、ある言語学者は「天候の it は完全に空っぽではなく、“まわりの状況全体”をぼんやり指している」と主張しました。It's raining. と言うとき、話し手は「今ここを包んでいる環境」について話している、という考え方です。この説に立つと、It's getting dark. や How's it going? の it が、どれも「その場の雰囲気」を指していると統一的に説明できます。
形式主語の it(It is fun to play soccer.)も、根っこは同じです。主語の席を空けられないので、とりあえず it を座らせ、長い中身は後回しにする。英語の it は、文の設計図を守るための、いちばん働き者の代役なのです。
最終まとめ(暗記カード)
- 所有代名詞 mine = my + 名詞。a と my は同じ席なので a friend of mine
- 再帰用法(消せない)と強調用法(消せる)。enjoy oneself / help oneself to / make oneself at home
- by oneself 一人で/for oneself 自分で/in itself それ自体/beside oneself 我を忘れて/between ourselves ここだけの話
- 天候・時間・距離・状況の it は「それ」と訳さない。It takes 人 時間 to do
- 形式目的語:find it hard to do/make it a rule to do/take it for granted that/see to it that
- it = the + 名詞(その物)、one = a + 名詞(同じ種類の別物)。one は不可算名詞には使えない
- 比較の反復防止は that of(単数・不可算)/those of(複数)
- the other / the others は残りが確定(売り切れ)、another / others は残りあり(在庫あり)
- every other day 1日おき/the other day 先日/each other は代名詞(talk to each other)
- 肯定文の any は「どんな〜でも」。勧誘・依頼の疑問文は some
- every は形容詞のみ、each は代名詞も。どちらも単数扱い。every three days は「3日ごと」
- both / either / neither は2つ専用、all / any / none は3つ以上
- ✕ almost students ✕ most of students → most students / most of the students / almost all (the) students
- those who ~ = 〜する人々(今の英語で ✕ they who)。I hope not. / I'm afraid not.
- What do you think of ~? / How do you like ~? / What is ~ like?
ACTION
この単元の問題 195問に挑戦。まずは20問ドリルから。
ドリルをはじめる