that 以下が完全な文なら形式主語。この「欠けがあるかどうか」の1点が、強調構文との分かれ道です
01しくみ:なぜこの意味になるのか
That he passed the test surprised everyone. のように that 節(S が V するということ)を主語にすると、主語が長くなって文の形が見えにくくなります。そこで that 節を文末へ送り、主語の席に it を置きます。これが形式主語の it で、本当の主語は that 以下です。訳では「that 以下ということは〜だ」と、うしろから主語を持ってきます。
It is 〜 の 〜 には、形容詞(clear, true, strange)も名詞(a pity, no wonder)も入ります。It is no wonder that ... は「...なのは少しも不思議ではない=...なのも当然だ」。that 節の代わりに whether 節(〜かどうか)や why・how の節も来て、It is not clear why ... は「なぜ...なのかは、はっきりしない」です。
形がそっくりなのが強調構文 It is X that ... です。見分けるのは that のうしろ。形式主語なら that のうしろは S も O もそろった完全な文、強調構文なら S や O を前に抜き出したぶん、どこか1つ欠けています(副詞を抜き出したときは、It is と that を消して確かめます)。It is true that she won. は she won が完全なので形式主語です。
型
It is 〜 that S V
S が V するということは〜だ
言いかえ・変形It is 〜 whether S VIt is 〜 wh- S VIt is a pity that S V
02例文3つを構造図で読む
色のカタマリは文の要素、カッコはカタマリの種類です。「飾り(M)を消す」を押すと、文の骨組みだけが残ります。黄色の語が、この構文の目印です。
記号と色の約束
仮S真S は It のような「仮の主語」と、うしろにかくれた本当の主語。接 は接続詞。カタマリの下の小さな S' V' O' は、節や句の中の要素です。
It is true that sharks are older than trees.
サメが木よりも古くから地球にいるというのは本当だ。
前から訳本当だ / サメが木よりも古いということは
- 仮SIt形式主語
- 真Sthat sharks are older than trees名詞節|真主語。that 以下は欠けのない文
ここを見るthat のうしろは sharks(S)are(V)older(C)と全部そろっています。だからこの It は形式主語で、「〜ということは本当だ」と訳します。
It is no wonder that you feel sleepy after staying up so late.
あんなに遅くまで起きていたのだから、眠いのも無理はない。
前から訳少しも不思議ではない / あなたが眠いということは / あんなに遅くまで起きていたあとで
- 仮SIt形式主語
- Cno wonder名詞。「少しも不思議ではないこと」
- 真Sthat you feel sleepy after staying up so late名詞節|真主語
ここを見るC の位置に名詞 no wonder が入った形です。「〜なのは不思議ではない」から一歩進めて、「〜なのも無理はない」と訳すと自然になります。
It remains unclear whether the new rule, which bans phones during lunch breaks, will actually help students talk to each other more.
昼休みのスマホを禁止する新しいルールが、本当に生徒どうしの会話を増やすのかどうかは、まだはっきりしない。
前から訳まだはっきりしないままだ / 新しいルールが / それは昼休みのスマホを禁止するものだが / 本当に生徒がもっと話し合う助けになるかどうかは
- 仮SIt形式主語
- Vremainsremain C「C のままだ」
- 真Swhether the new rule which bans phones during lunch breaks will actually help students talk to each other more名詞節|whether 節「〜かどうか」が真主語
- S'the new rule which bans phones during lunch breakswhich 節が rule を補足
- C'talk to each other morehelp O V「O が V するのを助ける」
ここを見るthat の代わりに whether 節が真主語になった形です。whether から more までが長い主語なので、remains unclear で一度止まり、「何が?」とうしろへ取りに行きます。
03誤読のわな
It is natural that she should feel nervous before her first concert.
✕ やりがちそれは当然で、彼女は初めてのコンサートの前に緊張すべきだ。
○ 正しく初めてのコンサートの前に彼女が緊張するのは当然だ。
It is natural / strange / a pity that ... の that 節の中の should は「〜すべき」ではありません。話し手の判断や感情を表す should で、訳さなくてよい語です。It を「それ」と訳さず、that 以下を主語にして「〜するのは当然だ」とまとめます。
04似ている構文と見分ける
05確認問題(3問)
Q1形式主語の It を含む文はどれ?
that のうしろの the shop closed so early は欠けのない文なので形式主語。ほかの2つは It was と that を消しても文が成り立つ強調構文です。
Q2英文の意味として正しいのは?
It is a pity that you can't come to the party.
It は形式主語で、that 以下が本当の主語。a pity は「残念なこと」なので、「〜なのは残念だ」と訳します。
Q3空所に入るのは? It is not certain ( ) the event will be held outdoors.
the event will be held outdoors は欠けのない文なので、what や which は入りません。whether 節「〜かどうか」が真主語になります。
