英語は頭でっかちをきらいます。長い主語をうしろへ回し、空いた席に It を置いただけです
01しくみ:なぜこの意味になるのか
To wake up early is hard. のように to V を主語にすると、文の頭が重くなり、聞き手は V までずっと待たされます。英語は述語を早く出したがる言葉なので、長い主語を文末へ送り、空いた主語の席に it を置きます。この it は何も指していない席取りで、仮主語(形だけの主語)と呼ばれます。「それは」と訳してはいけません。
訳すときは、to 以下を先に読んで主語にします。It is hard to wake up early. なら「早起きするのは難しい」。to の前に for 人 があれば、それが to V の意味上の主語(だれがするのか)です。It is easy for children to learn songs. は「子どもが歌を覚えるのは簡単だ」。「子どもにとって」と訳しても外れませんが、「子どもが」と主語にすると訳が締まります。
kind・careless・rude など 人の性質 を言う形容詞のときは、for ではなく of を使います。It was kind of you to help me.(手伝ってくれるなんて親切ですね)。of になるのは、kind が to V の行為だけでなく「その人」を評価しているからで、You were kind to help me. と人を主語にして言いかえられます。
型
It is 〜 (for A) to V
(A が)V するのは〜だ
言いかえ・変形It is 〜 of A to VTo V is 〜
02例文3つを構造図で読む
色のカタマリは文の要素、カッコはカタマリの種類です。「飾り(M)を消す」を押すと、文の骨組みだけが残ります。黄色の語が、この構文の目印です。
記号と色の約束
仮S真S は It のような「仮の主語」と、うしろにかくれた本当の主語。接 は接続詞。カタマリの下の小さな S' V' O' は、節や句の中の要素です。
It is hard to wake up early in winter.
冬に早起きするのは難しい。
前から訳難しい / 早く起きることは / 冬に
- 仮SIt仮主語。何も指していない
- 真Sto wake up early in winter名詞句|真主語。ここが本当の主語
ここを見るIt を「それ」と訳すと意味が通りません。is hard で一度止まり、「何が難しいの?」と思ったら、答えは to 以下です。
It is surprisingly easy for children to pick up the sounds of a new language.
子どもが新しい言語の音を身につけるのは、意外なほど簡単だ。
前から訳意外なほど簡単だ / 子どもが / 新しい言語の音を身につけることは
- 仮SIt仮主語
- Csurprisingly easysurprisingly が easy を強める
- 真Sfor children to pick up the sounds of a new language名詞句|for 人 to V で「人が V すること」
- S'for childrento V の意味上の主語
- V'to pick uppick up「自然に身につける」
ここを見るfor children は「子どもにとって」より「子どもが」と主語にすると自然です。for から最後までが1つの真主語のカタマリです。
It was careless of the team to publish the survey results without checking the numbers that a first-year member had entered by hand.
1年生の部員が手で入力した数字を確かめずに調査結果を公表したのは、そのチームの不注意だった。
前から訳不注意だった / そのチームが / 調査結果を公表したのは / 数字を確かめずに / 1年生の部員が手で入力した
- 仮SIt仮主語
- Ccareless人の性質を言う形容詞
- 真Sof the team to publish the survey results without checking the numbers that a first-year member had entered by hand名詞句|of 人 to V が真主語
- S'of the teamof+人=意味上の主語
- M'without checking the numbers that a first-year member had entered by handthat 以下が numbers を説明
ここを見るcareless のように人をけなす形容詞なので for ではなく of。The team was careless to publish ... と、人を主語にしても言えます。
03誤読のわな
It is dangerous to swim in this river after heavy rain.
✕ やりがち大雨のあと、それはこの川で泳ぐために危険だ。
○ 正しく大雨のあとにこの川で泳ぐのは危険だ。
It を「それ」、to を「〜するために」と訳すと、何が危険なのかが消えます。It is 形容詞 のうしろの to V は目的ではなく主語の中身です。「to V するのは〜だ」と、to 以下を主語に戻して訳しましょう。
04似ている構文と見分ける
05確認問題(3問)
Q1英文の意味として正しいのは?
It is rude of him to ignore your messages.
rude は人の性質を言う形容詞なので of him。It は仮主語で、to ignore your messages が本当の主語です。「〜するなんて彼は失礼だ」と訳します。
Q2仮主語の It を含む文はどれ?
to charge your phone ... が本当の主語です。1つ目の It は距離を表す it で、to the station は「駅まで」の前置詞。3つ目の it は bag を指しています。
Q3空所に入るのは? It was kind ( ) you to carry my bag.
kind は人の性質を言う形容詞なので of 人。You were kind to carry my bag. と言いかえられるのが目印です。
動画でも確かめる
中学3年の授業で It … for … to ~ を基本から扱っています。仮の主語 It が何を指すのかを確かめてから、この下の例文2・3の長い形に進むとつながります。
