第14章|試験14-7TOEFL iBT の勉強法2026年、TOEFLのスコアは0〜120から1〜6へ。課題も一新

2026年1月21日、TOEFL iBTは課題もスコアも入れかわりました。0〜120だった点は、1〜6の0.5刻みへ。長い課題は減り、聞いた文をそのままくり返す、語句を並べて文を作る、といった短い課題が並びます。2025年までの旧形式の問題集とは、構成が違う部分が多くなりました。一見シンプルなこの課題たちは、いったい何を測っているのでしょうか。
012026年1月21日からの新形式
ETSの公式ページによると、TOEFL iBTは2026年1月21日以降に受けた試験から新しい形式とスコアに変わりました。テストセンターで受ける方式と、自宅で監督者つきで受けるHome Editionの2つがあります。
| セクション | 課題 | 問題数 | 時間の目安 |
|---|---|---|---|
| Reading | Complete the Words/Read in Daily Life/Read an Academic Passage | 50 | 30分 |
| Listening | Listen and Choose a Response/Listen to a Conversation/Listen to an Announcement/Listen to an Academic Talk | 47 | 29分 |
| Writing | Build a Sentence/Write an Email/Write for an Academic Discussion | 12 | 23分 |
| Speaking | Listen and Repeat/Take an Interview | 11 | 8分 |
ETSは、指示の時間を含めて全体でおよそ2時間を見ておくよう案内しています。また、適応型のため時間と問題数は人によって少し変わります。
旧形式との一番の違いは、長い課題が減り、短い課題を数多く解く形になったことです。日常生活の文章(掲示・メール・SNSの投稿など)も読むようになり、学術的な内容だけの試験ではなくなりました。2025年までの旧形式の問題集は構成が違う部分が多いので、教材を選ぶときは「2026年の新形式対応」かを確かめてください。
02スコアは1〜6、CEFRと直結
新しいスコアは、4つのセクションごとに1〜6(0.5刻み)、総合はその平均を0.5刻みに丸めたものです。ETSは、このスコアをCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に次のように対応させています。
| 1〜6のスコア | CEFR |
|---|---|
| 6 | C2 |
| 5〜5.5 | C1 |
| 4〜4.5 | B2 |
| 3〜3.5 | B1 |
| 2〜2.5 | A2 |
| 1〜1.5 | A1 |
移行期間として、2026年1月から2028年1月までの2年間は、スコアレポートに「CEFRレベル」「1〜6のスコア」「比較用の0〜120の総合点」の3つが載ります。2026年1月21日より前に受けた旧形式のスコアは0〜120のまま、2年間有効です。
大学や機関によって、要件の書きかえの時期が違います。出願先の要件が「総合80」と書いてあれば0〜120の数字、「4.5」とあれば1〜6の数字です。迷ったら出願先に問い合わせます。
ポイント:自分の目標を「CEFRでどこか」に置きかえると、英検やIELTSとの比較もしやすくなる。
03適応型テストのしくみ
ETSが公開している仕様書(Test Blueprint and Specifications)によると、リーディングとリスニングは二段階の適応型です。
- 最初のまとまり(router)を全員が解く
- その出来によって、後半は易しめ(lower)か難しめ(upper)のまとまりが出る
ライティングとスピーキングは適応型ではなく、同じ回の受験者は同じ課題を受けます。
ここから分かる受験のコツは2つです。
- 前半を丁寧に解く:前半の出来が後半の難しさを決めるので、前半で雑にまちがえると、高い点を取るチャンスのある後半に進みにくくなります
- 後半が難しく感じても焦らない:難しい問題が出たのは、前半がよくできたしるしとも考えられます
また仕様書には、選択式の問題は機械で採点し、ライティングとスピーキングは自然言語処理と機械学習を使うAIで採点すると書かれています。リスニングの音声には、AIで作った音声と人の声優の声の両方が使われ、アメリカ・カナダ、オーストラリア、イギリスなどの英語がおおむねバランスよく含まれます。
04旧形式を知る人が気をつけること
2025年までのTOEFL iBTを受けたことがある人ほど、新形式では戸惑いやすい点があります。
1. 時間の感覚が違う
仕様書では、試験そのものの時間はおよそ1時間23分〜1時間29分で、指示を含めて約2時間です。短い課題が続くので、1問にこだわらず次へ進む切りかえが大切です。
2. ノートの取り方を見直す
旧形式には長い講義を聞く問題や、読んで聞いてから答える統合型の課題がありました。新形式のリスニングは1回だけ流れる短めの音声が多くなりました。仕様書によると、音声は短い一言から最長250語程度の講義まであります。すべてをメモするより、聞きながら答えを判断する練習の比重を上げます。
3. スコアの読みかえ
旧形式の点で考えていた目標は、1〜6とCEFRに置きかえて考え直します。移行期間中は比較用の0〜120も載りますが、出願先がどちらの数字で要件を出しているかを確かめるのが先です。
4. 書く・話すはAI採点
仕様書には、書く・話す課題は自然言語処理と機械学習で評価すると書かれています。評価の観点として流暢さ・一貫性・文法などが挙げられています。奇をてらった表現より、課題に正面から答え、文法と構成を正確にすることが基本です。
05新しい課題は何を測るのか
新形式の課題は一見シンプルですが、それぞれ根拠のある測り方です。
Complete the Words(リーディング)
文章の中で一部が欠けた単語を補う課題です。仕様書では、つづりや語形の知識と文法の手がかりから欠けた語を推測する力を測るとしています。これは「Cテスト」と呼ばれる昔からある形式に近いものです。ドイツ語のCテストを843人で調べた研究では、Cテストは読む・聞く・書く・話すの4技能と同じ「総合的な言語力」を測っていました。
Build a Sentence(ライティング)
与えられた語句を並べて文を完成させます。語順の知識がそのまま問われます。
Listen and Repeat(スピーキング)
聞いた文をそのままくり返します。短い文から始まり、関係詞などを含む長い文へと難しくなります。聞いた文をくり返す課題(elicited imitation)の研究を集めたメタ分析では、熟達度の違う話し手をはっきり見分ける力がありました(効果量 g = 1.34)。
Write an Email/Academic Discussion/Take an Interview
メールを書く、授業の掲示板で意見を書く、インタビュー形式の質問に答える、という実際の場面に近い課題です。
ポイント:新形式は「知識をすばやく取り出して使えるか」を、短い課題でたくさん確かめる試験。
06課題別の練習法
Complete the Words
単語を「見て分かる」だけでなく、つづりまで書けるようにします。単語カードを裏返して英語を書き出す練習や、ディクテーションが効きます。
Listen and Repeat
聞いた文を一度で言えるかは、文を意味のかたまりで処理できるかにかかっています。シャドーイングの前に、1文を聞いて止め、何も見ずにくり返す練習を1日10文。
- The library will close early on Friday because of the system update.(システム更新のため、図書館は金曜日に早く閉まります)
このくらいの長さを一度で言えたら、関係詞を含む文に進みます。
Write an Email
用件・理由・お願いの3段で書きます。
- I'm writing to ask about the deadline for the lab report. I was sick last week and missed the class. Could I submit it two days later?(実験レポートの締め切りについて伺いたく連絡しました。先週病気で授業を休みました。2日遅れで提出してもよいでしょうか)
Academic Discussion
先生の問いと、ほかの学生2人の意見を読んだうえで、自分の意見を書く形式です。誰かの意見に触れてから、新しい理由を1つ足すと、話し合いに参加している文章になります。
073か月の学習プラン
平日1日60分、週末90分を想定します。
1か月目:基礎の処理速度
- 単語15分:アカデミックな語を、英語を書き出すテスト形式で
- リスニング20分:短い会話を聞き、スクリプトで確認してから1文ずつリピート
- リーディング25分:日常の文章(掲示・メール)と学術的な短い文章を1つずつ
2か月目:書く・話すを毎日
- Listen and Repeatの練習を毎日10文
- Interview形式の質問に答えて録音(1日3問)
- Emailを週3本、Academic Discussionを週3本
3か月目:本番の形で通す
- ETS公式の練習問題で、週1回は全セクションを通して解く
- 自宅受験(Home Edition)を選ぶ人は、部屋や機材の条件を公式で確かめ、同じ環境で練習する
目標スコアが出願先の要件より0.5以上足りない場合は、受験日を決める前に、1か月目の基礎の練習を延ばすほうが近道です。
新形式は短い課題の積み重ね。基礎の処理速度が勝負
今日からのやり方
- 出願先の要件が0〜120か1〜6か、どちらの数字かを確かめる
- ETS公式の練習問題を1回解き、セクションごとのスコアを出す
- 単語は英語を書き出す練習で、つづりまで覚える
- 聞いた文を止めてくり返す練習を1日10文、毎日続ける
- Email と Academic Discussion を週3本ずつ書き、型を固める
レベル別:あなたならこうする
1〜6のスコアで3未満なら、日常の短い文章と短い会話で基礎量を増やすのが先です。聞いた文を一度でくり返す練習を、短い文から毎日続けます。
3.5〜4.5を目指すなら、アカデミックな語彙をつづりまで覚え、Email と Academic Discussion を型で書けるようにします。前半を丁寧に解く練習も。
5以上を目指すなら、長く複雑な文のリピートと、講義の要点を短く言いかえる練習を。Interviewでは理由と具体例まで入れて答えます。
よくある失敗と対策
2026年1月21日からの新形式は課題が大きく違います。教材は新形式対応のものを選び、ETS公式の練習問題で形式を確かめます。
リーディングとリスニングは前半の出来で後半の難しさが決まります。前半は時間を使いすぎない範囲で丁寧に解きます。
Complete the Words は欠けた単語を補う課題です。英語を見ずに書き出すテスト形式で、つづりまで確かめます。
1 MIN
短い英文を1つ聞いて止め、何も見ずに3回くり返してみる
友だちに出したい、この節の3問
タップで答え。「X で出題する」で、そのまま問題として出せます。
14-7新しいTOEFLは、全員が同じ問題を解く?
リーディングとリスニングは違います。ETSの仕様書によると、この2つは二段階の適応型で、前半の出来によって後半の難しさが選ばれます。ライティングとスピーキングは全員が同じ課題を受けます。
14-7聞いた英文をくり返すだけの課題で、英語力が分かる?
分かります。聞いた文をそのまま言う課題(elicited imitation)を調べたメタ分析では、この課題の点は熟達度の違う話し手をよく見分けました。意味を処理できない文は、正確にはくり返せないからです。
14-7TOEFL iBTの旧形式の80点は、新しいスコアでいくつ?
2026年1月から2年間、スコアレポートには1〜6のスコアに加えて、比較用の0〜120の総合点も載ります。出願先によって要件の書き方の切りかえ時期が違うので、どちらの数字かを必ず確かめます。
PRACTICE KIT
この節の実践キット
このサイトで練習する
原田英語のサイトで練習する
使えるサイト・アプリ
動画で学ぶ
もっと詳しく(コラム)
この節の根拠(研究・公式情報)
新形式のセクション・課題・問題数・時間の目安を公開。全体は指示を含めておよそ2時間。スコアは1〜6で、2026年1月から2年間は比較用の0〜120の総合点も載る。
ETS「TOEFL iBT Test Content」出典を開く ↗リーディングとリスニングは二段階の適応型、ライティングとスピーキングは全員同じ課題。選択式は機械採点、書く・話す課題はAIで採点すると記載。
ETS. TOEFL iBT Test: 2026 Update — Test Blueprint and Specifications Document.出典を開く ↗2026年1月21日以降の試験は1〜6のスコアで、6がC2、5〜5.5がC1、4〜4.5がB2などとCEFRに対応。2028年1月まで比較用の0〜120も表示。
ETS「TOEFL iBT Score Scale Update」出典を開く ↗聞いた文をくり返す課題の研究を集めたメタ分析。熟達度の違う話し手を強く見分けた(g = 1.34)。文の長さや採点方法が感度に影響した。
Yan, X., Maeda, Y., Lv, J., & Ginther, A. (2016). Elicited imitation as a measure of second language proficiency: A narrative review and meta-analysis. Language Testing, 33(4), 497–528.出典を開く ↗843人がドイツ語のCテストとTestDaFを受けた分析で、Cテストは信頼性が高く、読む・聞く・書く・話すの4セクションと同じ総合的な力を測っていた。
Eckes, T., & Grotjahn, R. (2006). A closer look at the construct validity of C-tests. Language Testing, 23(3), 290–325.出典を開く ↗よくある質問
IELTSとTOEFL、どちらが簡単?
どちらが簡単とは言えません。TOEFLは短い課題が多くパソコンで話す・書く形式、IELTSは長めの文章と対面の面接が特徴です。出願先がどちらを認めているかを確かめ、両方の公式サンプルを一度解いて、自分に合う方を選びます。
自宅受験(Home Edition)でも大丈夫?
ETSはHome Editionを、監督者がオンラインで見守る正式な受験方法として案内しています。ただし部屋や機材に条件があり、出願先が自宅受験のスコアを認めているかも確認が必要です。条件は変わることがあるので、申し込み前に公式ページで確かめます。
高校生がTOEFLを受ける意味はある?
海外の大学に進みたい人や、国内の大学入試でTOEFLのスコアを使える人には意味があります。新形式は日常的な場面の課題も増えたので、早めに公式サンプルを解いて、今の位置をCEFRで確かめておくと計画が立てやすくなります。




