ことわざ・教養・背景知識No.333確認問題集あり

聖書・シェイクスピア由来の英語表現50

長文や新聞の見出しにさらっと出る聖書・シェイクスピア由来の表現50。出典の物語を1行で知れば意味は忘れない。

聖書・シェイクスピア由来の英語表現50 の1ページ目

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まずはこの3つ

  1. 欽定訳聖書(1611年)とシェイクスピアは決まり文句の二大源泉
  2. 物語ごと覚える:good Samaritan=倒れた人を助けた旅人
  3. 誤用に注意:お金でなく「お金への愛」が諸悪の根源

1旧約聖書から:物語が比喩になった15

  • an eye for an eye★★★
    目には目を(同じ仕返し)
    出エジプト記。本来は「受けた害以上の復讐を禁じる」決まり
  • the apple of one's eye★★★
    目に入れても痛くないほど大切な人
    申命記・詩編など。apple は「瞳」のたとえ
  • by the skin of one's teeth★★★
    かろうじて、間一髪で
    ヨブ記。歯の皮ほどのわずかな差で助かる
  • forbidden fruit★★★
    禁断の果実(手を出してはいけない物)
    創世記・エデンの園。聖書には「リンゴ」とは書かれていない
  • a scapegoat★★★
    身代わり、罪をかぶせられる人
    レビ記。人々の罪を負わせて荒野に放ったヤギ
  • a drop in the bucket★★★
    焼け石に水、ごくわずか
    イザヤ書。バケツの中の一滴。英では a drop in the ocean も
  • There's nothing new under the sun.★★★
    日の下に新しいものは何もない
    伝道の書(コヘレトの言葉)。歴史は繰り返す
  • the writing on the wall★★★
    不吉な前兆
    ダニエル書。王の宴の壁に謎の手が滅亡を予告する文字を書いた
  • feet of clay★★★
    (偉い人の)意外な弱点
    ダニエル書。金の頭を持つ像の足が鉄と粘土でできていた
  • a land of milk and honey★★★
    豊かな土地、楽園
    出エジプト記。神が約束した「乳と蜜の流れる地」
  • David and Goliath★★★
    弱者が強者に挑む戦い
    サムエル記。少年ダビデが巨人ゴリアテを石投げで倒した。報道の定番
  • the Tower of Babel★★★
    バベルの塔(言語の混乱)
    創世記。天に届く塔を築こうとした人々の言葉を神が乱した
  • A leopard can't change its spots.★★★
    人の性格は変わらない
    エレミヤ書の「豹はその斑点を変えられるか」から。≒三つ子の魂百まで
  • see eye to eye★★★
    意見が完全に一致する
    イザヤ書の言葉が元。否定文で使うことが多い
  • Am I my brother's keeper?★★★
    他人のことなど知ったことか
    創世記。弟アベルを殺したカインが神に答えた言葉

2新約聖書から:イエスのたとえ話15

  • a good Samaritan★★★
    困っている人を助ける親切な人
    ルカ福音書。倒れた旅人を助けたサマリア人。救助者を守る「善きサマリア人法」も
  • a wolf in sheep's clothing★★★
    羊の皮をかぶった狼(善人を装う危険人物)
    マタイ福音書。偽の預言者への警告
  • the salt of the earth★★★
    善良で頼りになる人々
    マタイ福音書「あなたがたは地の塩である」。人をほめる言葉
  • turn the other cheek★★★
    仕返しをしない
    マタイ福音書。右の頬を打たれたら左の頬も向けよ
  • go the extra mile★★★
    期待以上の努力をする
    マタイ福音書。1マイル行けと強いられたら2マイル行け。面接・仕事の話で
  • Man shall not live by bread alone.★★★
    人はパンのみにて生きるにあらず
    マタイ福音書(元は旧約の申命記)。物質だけでは心は満たされない
  • A house divided against itself cannot stand.★★★
    内部分裂した家は立ちゆかない
    マルコ福音書など。リンカーンが奴隷制をめぐる演説で引用して有名
  • the prodigal son★★★
    放蕩息子(悔い改めて戻った者)
    ルカ福音書。財産を使い果たして戻った息子を父が喜んで迎えた
  • at the eleventh hour★★★
    ぎりぎりの時に、土壇場で
    マタイ福音書。日の出から数えて第11時(夕方5時ごろ)に雇われた労働者も同じ賃金をもらった
  • wash one's hands of★★★
    〜から手を引く、関係を断つ
    マタイ福音書。総督ピラトが手を洗い、イエスの処刑への責任を否定した
  • a doubting Thomas★★★
    疑い深い人
    ヨハネ福音書。復活したイエスの傷に触れるまで信じなかった弟子トマス
  • Physician, heal thyself.★★★
    医者よ、自分を治せ
    ルカ福音書。≒医者の不養生。人に言う前に自分を正せ
  • The spirit is willing, but the flesh is weak.★★★
    心は燃えても、肉体は弱い
    マタイ福音書。やる気はあるが体がついていかない(ダイエット・早起きに)
  • Those who live by the sword die by the sword.★★★
    剣で生きる者は剣で滅びる
    マタイ福音書の言葉を短くした形。暴力は暴力を呼ぶ
  • The love of money is the root of all evil.★★★
    金銭を愛することはすべての悪の根である
    テモテへの手紙。「お金が諸悪の根源」と love of を落として引用されがち

3シェイクスピアから:名台詞が日常語に20

  • To be, or not to be: that is the question.★★★
    生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ
    『ハムレット』。重大な二択のパロディにも使う
  • All the world's a stage.★★★
    この世はすべて舞台だ
    『お気に召すまま』。人はみな役者、と続く
  • the green-eyed monster★★★
    嫉妬
    『オセロー』。green=嫉妬の色。green with envy も同じ発想
  • Brevity is the soul of wit.★★★
    簡潔こそ知恵の真髄
    『ハムレット』。wit は古い意味の「知恵」。長話の老臣が言う皮肉
  • Et tu, Brute?★★★
    ブルータス、お前もか
    『ジュリアス・シーザー』。劇中でもラテン語。信頼した人の裏切りに
  • It's Greek to me.★★★
    ちんぷんかんぷんだ
    『ジュリアス・シーザー』の用例で有名。ギリシャ語=わからない物の代表
  • What's done is done.★★★
    済んだことは仕方がない
    『マクベス』のマクベス夫人の台詞。≒覆水盆に返らず
  • wear one's heart on one's sleeve★★★
    感情をあらわにする
    『オセロー』。心を袖につけて見せる
  • a wild-goose chase★★★
    無駄な追跡、骨折り損
    『ロミオとジュリエット』が最初の記録。元は馬の追いかけ競走の名
  • a pound of flesh★★★
    (契約どおりの)冷酷な取り立て
    『ヴェニスの商人』。借金の担保に肉1ポンドを求める金貸し
  • The course of true love never did run smooth.★★★
    真の恋の道はけっして平坦ではない
    『夏の夜の夢』。did は強調
  • A rose by any other name would smell as sweet.★★★
    バラはどんな名前で呼んでも甘く香る
    『ロミオとジュリエット』の台詞(原文は by any other word)。名前より中身
  • Neither a borrower nor a lender be.★★★
    金は借りるな、貸すな
    『ハムレット』。be が文末の古い語順の命令文
  • Something is rotten in the state of Denmark.★★★
    何かがおかしい(不正のにおいがする)
    『ハムレット』。組織の腐敗を示す引用で
  • Parting is such sweet sorrow.★★★
    別れはこんなにも甘く切ない
    『ロミオとジュリエット』のバルコニーの場面。矛盾語法の代表例
  • vanish into thin air★★★
    跡形もなく消える
    『テンペスト』の into thin air から広まった
  • in one fell swoop★★★
    一挙に、一度に
    『マクベス』。fell は古語の「残忍な」(fall の過去形ではない)
  • The lady doth protest too much, methinks.★★★
    あの女は言い張りすぎだと思う
    『ハムレット』。protest は古い意味の「誓う」。今は「むきに否定するのは怪しい」
  • Uneasy lies the head that wears a crown.★★★
    王冠をいただく頭は安らがない
    『ヘンリー四世 第2部』。責任ある者の苦労。倒置文
  • Some are born great, some achieve greatness, and some have greatness thrust upon them.★★★
    生まれつき偉大な者、努力で偉大になる者、周りに偉大な立場へ押し上げられる者がいる
    『十二夜』。英作文でリーダー論に
目から鱗!なぜ聖書とシェイクスピアなのか

シェイクスピア(1564〜1616年)の活躍と、英語訳聖書の決定版「欽定訳聖書」(1611年)はほぼ同じ時代。どちらも何百年も英語圏の人々が読み・聞き続けたため、台詞や聖句がそのまま日常の決まり文句になった。長文では the Good Samaritan や a David-and-Goliath battle のように説明なしで出るので、出典の物語を知っている人が有利。

誤解・誤引用に注意6

  • ✕Money is the root of all evil.(聖書)
    ○The love of money is the root of all evil.
    聖書の原文は「お金への愛」
  • ✕God helps those who help themselves.(聖書)
    ○聖書にはない格言
    古代ギリシャ以来の考え。フランクリンの暦などで広まった
  • ✕禁断の果実=リンゴ(聖書に明記)
    ○聖書は「木の実」としか言わない
    リンゴ説は後の絵画などで広まった
  • ✕Wherefore art thou Romeo?=ロミオ、どこにいるの?
    ○なぜあなたはロミオなの?
    wherefore=why(where ではない)
  • ✕Alas, poor Yorick! I knew him well.
    ○Alas, poor Yorick! I knew him, Horatio.
    『ハムレット』の有名な誤引用
  • ✕Adam's apple(のどぼとけ)は聖書の言葉
    ○聖書の言葉ではなく、由来ははっきりしない
    「果実がのどにつかえた」は俗説

確認テスト

  1. 1
    We won the game by the skin of our .
  2. 2
    A man stopped to help the injured cyclist. He was a real good .
  3. 3
    She is the of her father's eye.
  4. 4
    I can't read this contract. It's to me.
  5. 5
    Jealousy is often called the -eyed monster.
  6. 6
    My donation was just a drop in the .

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