勉強法の常識No.S01
マーカーを引けば、大事なところが頭に入るって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ウソ
教科書を蛍光ペンで塗っても、記憶はほとんど増えません。増えるのは「勉強した気分」だけです。
ウソとは… 研究の結果、この常識は支持されません。逆効果のこともあります。
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試験前夜の机を思い出してください。教科書のページは、黄色とピンクでほとんど真っ黄色。大事なところだけに引いたはずが、気づけば全部が大事になっている。ペンのキャップを閉めた瞬間の、あの「今日はやった」という満足感。
その満足感、残念ながら、成績とはほとんど関係がありません。
心理学者5人が、勉強法に「通知表」をつけた
2013年、アメリカの心理学者ダンロスキーら5人が、学生がよく使う10の勉強法に、いわば通知表をつけました。膨大な実験を読み込み、年齢や学力が違っても、教材やテストの種類が変わっても効くのかを、ひとつずつ確かめたのです。報告書は50ページを超え、著者たち自身が「かなり長い」と認めるほどの大仕事でした。
マーカーがこの10個に入ったのは、効きそうだったからではなく、学生があまりにもたくさん使っていたからです。みんなが頼っている方法なら、本当に効くのか確かめておく必要がある、という考えでした。
結果は、最低ランクの「低い有用性」。同じ最低ランクには「読み直し」も並びました。マーカーと読み直し。日本の試験前の机でも、いちばんおなじみの2つです。
最高ランクを取ったのは2つだけで、「自分にテストをする」と「日をあけてくり返す」でした。
なぜ、塗っても覚えないのか
マーカーを引いているあいだは、手も目も忙しく動くので、かなり勉強した気になります。でも頭の中では、「これは何だっけ?」と思い出す作業も、「これとあれはどうつながる?」と考える作業も、ほとんど起きていません。むしろ「どこに引こうか」に気を取られて、文と文のつながりへの注意が薄れる可能性さえ指摘されています。
地図に印をつけただけで、その道を歩いたつもりになっているのに近い状態です。
マーカーの使い道を変える
とはいえ、マーカーを捨てる必要はありません。使い道を変えればいいのです。
マーカーは「覚えた印」ではなく、「あとで自分にテストする場所」の印にします。引いたら、そこを手で隠す。そして、自分の言葉で説明できるかを試す。言えなければ、そこがあなたの弱点です。こうすれば、マーカーは最高ランクの「自分にテストする」ための道具になります。
原田英語のおすすめは、色は1色だけ、1ページに数か所までにすることです。全部が黄色いページでは、どこも目立ちません。
参考文献
Dunlosky J., Rawson K., Marsh E., Nathan M., Willingham D. (2013). Improving Students’ Learning With Effective Learning Techniques. Psychological Science in the Public Interest, 14, 4-58.
doi.org/10.1177/1529100612453266✓ 実在と内容を確認済み
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