有名な勉強法を判定No.P08
間違いノートを作れば、同じミスをしなくなるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:半分ホント
効くのは、ノートをきれいに作ることより、間違えたらすぐ正解を確かめ、あとで解き直すことです。
半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。
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論文での効果間違えた後に正解を見せると、見せない場合より1週間後の正答が494%増
今日からできるやり方
- 間違えたら、すぐに正解と理由を確かめる
- ノートには、答えを隠せる形で問題を写す
- 日をあけて、答えを見ずに解き直す
- 自信のなかった正解も、ノートに加える
494%。
ある実験で、テストで間違えたあとに正解を見せたところ、1週間後の記憶がこれだけ増えました。手間としては、答えを一度見るだけです。
間違いノートは、解けなかった問題を集めて見直す勉強法です。この名前の方法そのものを調べた研究は見つかりませんでした。それでも、中心にある「間違いを正解で直す」ことについては、はっきりした証拠があります。そして研究を見ていくと、ノートに集めるべき問題は、間違えた問題だけではないこともわかってきます。
ルガンダ語で試した494%
2005年、パシュラーらは258人に、ルガンダ語と英語の単語のペアを覚えてもらいました。ルガンダ語はアフリカのウガンダで話されている言葉で、参加者にとってはなじみのない単語ばかりです。
参加者は、まず単語のペアを2回見たあと、何度かテストを受けます。テストのたびに答えを教えてもらえるかどうか、どんな形で教えてもらえるかは、人によって変えてありました。そして1週間後に、最後のテストを受けます。
間違えたあとに正解を見せてもらった人は、練習中の成績が上がっただけでなく、1週間後の記憶が494%も増えていました。一方、正解したあとに答えを見せても、直後でも1週間後でも、ほとんど差はありませんでした。自信を持って答えたかどうかにも関係なく、です。
間違えたまま次の問題へ進むのは、せっかくの練習を半分捨てているようなものです。
まぐれ当たりも、弱い記憶
では、正解した問題は放っておいてよいのでしょうか。選択式の問題では、そうとも限りません。
2008年、バトラーらは、一般常識の選択式テストを使った実験をしました。参加者は、問題に答えるたびに、その答えにどれくらい自信があるかも記録します。答え合わせができたのは、半分の問題だけです。あとで、選択肢なしで答えを思い出す最終テストを受けました。
答え合わせには、間違いを直す効果がありました。それに加えて、自信がないまま正解した問題では、答え合わせをすると、その後の記憶が2倍になりました。選択式では、なんとなく選んだ答えが当たることがあります。そうしたまぐれ当たりは、正解でも記憶としては弱く、間違いと同じように手当てが必要なのです。
自信満々の間違いほど、直りやすい
間違いからの学びについては、メトカーフが2017年に研究をまとめています。メトカーフによると、アメリカの教室では、学ぶあいだに間違いをさせないことが当たり前になっています。ところが実験室の研究は、それがかえって逆効果かもしれないことを示しています。間違えたあとに正しい答えを示されることが、学習に役立つからです。
自信を持って答えた間違いほど、正しい答えに直りやすいという結果もあります。「絶対これだ」と思って外した問題は、悔しさと一緒に正解が残るのかもしれません。メトカーフは、正しい答えを示すだけでなく、なぜその間違いに至ったのか、考えの筋道まで振り返ることが大切だと述べています。そして、本番ではない練習の場でこそ、間違いを恐れずに試し、直すことを勧めています。
書き写すノートから、解き直すノートへ
こうした研究から見ると、間違いノートで効いているのは、ノートを作る作業そのものではありません。間違えたらすぐに正解と理由を確かめること。そして、あとでもう一度、自分の頭で答えを出すことです。
原田英語のおすすめは、ノートを「答えを隠せる問題集」として作ることです。問題と答えは、紙を折れば隠れる位置に分けて書きます。間違えた理由は一行で添えます。日をあけて、答えを隠して解き直す。そして、自信がないまま当たった問題にも印をつけて、ノートに加えます。
きれいに書き写したノートは、見返すと安心します。でも記憶に残るのは、正解を確かめ、もう一度自分で答えを出した問題のほうです。
参考文献
Pashler H., Cepeda N., Wixted J., Rohrer D. (2005). When Does Feedback Facilitate Learning of Words?. Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition, 31, 3-8.
doi.org/10.1037/0278-7393.31.1.3✓ 実在と内容を確認済み
Butler A., Karpicke J., Roediger H. (2008). Correcting a metacognitive error: Feedback increases retention of low-confidence correct responses. Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition, 34, 918-928.
doi.org/10.1037/0278-7393.34.4.918✓ 実在と内容を確認済み
Metcalfe J. (2017). Learning from Errors. Annual Review of Psychology, 68, 465-489.
doi.org/10.1146/annurev-psych-010416-044022✓ 実在と内容を確認済み
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