有名な勉強法を判定No.P02
コーネル式ノートを使えば、成績が上がるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:まだ決着していない
ノートを取って見直すことには、はっきりした効果があります。でも「コーネル式だから伸びる」とは、まだ言えません。
まだ決着していないとは… 研究結果が割れていて、まだ結論が出ていない常識です。
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今日からできるやり方
- 右の広い欄に、授業の内容を書く
- 左の欄には、答えではなく「問い」を書く
- 右を隠し、左の問いに答えられるか試す
- 下の欄に、何も見ずに要点をまとめる
ノートの左端から6センチほどの所に、縦に線を1本引きます。下から5センチほどの所に、横にもう1本。これでページが、大きさの違う3つの区画に分かれます。コーネル式ノートの準備は、これで終わりです。
右の広い欄には、授業や本の内容を書きます。左の細い欄には、見出しや問い。下の欄には、ページ全体のまとめ。形がはっきりしていて誰でもまねしやすいので、ノート術の定番になっています。
では、線を2本引くだけで、成績は上がるのでしょうか。
線を引いたあとが本番
コーネル式は、ポークという教育者が、大学生向けの勉強法の本で紹介してきたノート術です。2019年の論文で、エバンスとシャイブリーが、ポークの本にもとづいて手順をまとめています。
授業中は、右の欄に内容を書きとめます。授業が終わったら、読みにくい字や書き間違いを直します。次に、左の欄に、内容についての問いを書きます。そして右の欄を隠し、その問いに答えられるか試します。答えられなければ、隠した所を見て確かめます。最後に、下の欄に1〜2文のまとめを書きます。
ポークは、書く、見直す、自分の理解を確かめる、を1枚の紙の上で回せることから、これを「まったく自然な学習のサイクル」と呼びました。コーネル式の中身は、線の引き方よりも、書いたあとに自分へ問いを出して答える、この流れのほうにあります。
ノートは、取って見直すと効く
ノートを取ること自体の研究は、たくさんあります。2006年、コバヤシは33の研究をまとめて分析しました。ノートを取って見直した人は、そうしなかった人より、学習の成果がかなり大きくなっていました。
さらに、ノートの取り方に工夫を加えると、効果はわずかに上乗せされました。上乗せが大きかったのは、ノートの枠組みや先生のノートを渡す工夫で、取り方を事前に練習させたり、口で指示したりするだけより効果的でした。また、学習の段階が低い人ほど、工夫の恩恵は大きくなりました。
コーネル式の3つの区画も、一種の枠組みと見ることはできます。ただし、この分析で効果が確かめられたのは、ノートを取って見直すこと全般です。コーネル式そのものを比べたわけではありません。
中学2年生101人の宿題
コーネル式そのものを試した研究は、数も規模も限られています。先ほどのエバンスとシャイブリーの研究は、その数少ない一つです。
参加したのは、中国にあるインターナショナルスクールの中学2年生101人。全員がコーネル式の使い方を教わり、練習してから、4つのグループにくじで分けられました。紙にコーネル式で書く、パソコンにコーネル式で打つ、自分の好きなやり方で取る、ノートを取らない、の4つです。宿題は、説得の心理学についての1,629語の文章を、家で読むこと。次の授業で、10問の選択式テストを受けました。
結果は、ノートを取った3つのグループがどれも、ノートを取らないグループを上回りました。紙のコーネル式のグループは平均点がいちばん高かったものの、ノートを取った3つのグループどうしの差は、統計的に意味のある差ではありませんでした。
もう一つ、見落とせないデータがあります。宿題にかけた時間です。紙のコーネル式のグループでは61%が20分以上かけていたのに対し、ノートを取らないグループでは9%でした。ノートを取ったグループの点が良かったのは、書き方の違いより、文章とじっくり向き合った時間の違いだったのかもしれません。
つまり、この研究からわかるのは「ノートを取るほうが、取らないよりよい」ということです。コーネル式がほかの書き方より優れているかどうかは、まだ決着していません。
線の形より、左の欄
原田英語の答えは、コーネル式を使うなら、左の欄を「問いの欄」として使い切ることです。授業が終わったら、右を手で隠して、左の問いに答えてみる。答えられなかった問いには印をつけ、テスト前はその問いから見直します。
線を2本引いたノートは、それだけでは区切られた紙にすぎません。左の欄に問いが並び、それに答えようとしたときに、はじめて勉強の道具になります。
参考文献
Kobayashi K. (2006). Combined Effects of Note-Taking/-Reviewing on Learning and the Enhancement through Interventions: A meta-analytic review. Educational Psychology, 26, 459-477.
doi.org/10.1080/01443410500342070✓ 実在と内容を確認済み
Evans B., Shively C. (2019). Using the Cornell Note-Taking System Can Help Eighth Grade Students Alleviate the Impact of Interruptions While Reading at Home. Journal of Inquiry and Action in Education, 10, 1-35.
eric.ed.gov/?id=EJ1205170✓ 実在と内容を確認済み
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