有名な勉強法を判定No.P02

コーネル式ノートを使えば、成績が上がるって、ホント?

判定日 読了 約4分音声 5:27文献 2件

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読む前に予想この常識、あなたはどう思う?

先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。

判定:まだ決着していない

ノートを取って見直すことには、はっきりした効果があります。でも「コーネル式だから伸びる」とは、まだ言えません。

まだ決着していないとは… 研究結果が割れていて、まだ結論が出ていない常識です。

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今日からできるやり方

  1. 右の広い欄に、授業の内容を書く
  2. 左の欄には、答えではなく「問い」を書く
  3. 右を隠し、左の問いに答えられるか試す
  4. 下の欄に、何も見ずに要点をまとめる

ノートの左端から6センチほどの所に、縦に線を1本引きます。下から5センチほどの所に、横にもう1本。これでページが、大きさの違う3つの区画に分かれます。コーネル式ノートの準備は、これで終わりです。

右の広い欄には、授業や本の内容を書きます。左の細い欄には、見出しや問い。下の欄には、ページ全体のまとめ。形がはっきりしていて誰でもまねしやすいので、ノート術の定番になっています。

では、線を2本引くだけで、成績は上がるのでしょうか。

線を引いたあとが本番

コーネル式は、ポークという教育者が、大学生向けの勉強法の本で紹介してきたノート術です。2019年の論文で、エバンスとシャイブリーが、ポークの本にもとづいて手順をまとめています。

授業中は、右の欄に内容を書きとめます。授業が終わったら、読みにくい字や書き間違いを直します。次に、左の欄に、内容についての問いを書きます。そして右の欄を隠し、その問いに答えられるか試します。答えられなければ、隠した所を見て確かめます。最後に、下の欄に1〜2文のまとめを書きます。

ポークは、書く、見直す、自分の理解を確かめる、を1枚の紙の上で回せることから、これを「まったく自然な学習のサイクル」と呼びました。コーネル式の中身は、線の引き方よりも、書いたあとに自分へ問いを出して答える、この流れのほうにあります。

ノートは、取って見直すと効く

ノートを取ること自体の研究は、たくさんあります。2006年、コバヤシは33の研究をまとめて分析しました。ノートを取って見直した人は、そうしなかった人より、学習の成果がかなり大きくなっていました。

さらに、ノートの取り方に工夫を加えると、効果はわずかに上乗せされました。上乗せが大きかったのは、ノートの枠組みや先生のノートを渡す工夫で、取り方を事前に練習させたり、口で指示したりするだけより効果的でした。また、学習の段階が低い人ほど、工夫の恩恵は大きくなりました。

コーネル式の3つの区画も、一種の枠組みと見ることはできます。ただし、この分析で効果が確かめられたのは、ノートを取って見直すこと全般です。コーネル式そのものを比べたわけではありません。

中学2年生101人の宿題

コーネル式そのものを試した研究は、数も規模も限られています。先ほどのエバンスとシャイブリーの研究は、その数少ない一つです。

参加したのは、中国にあるインターナショナルスクールの中学2年生101人。全員がコーネル式の使い方を教わり、練習してから、4つのグループにくじで分けられました。紙にコーネル式で書く、パソコンにコーネル式で打つ、自分の好きなやり方で取る、ノートを取らない、の4つです。宿題は、説得の心理学についての1,629語の文章を、家で読むこと。次の授業で、10問の選択式テストを受けました。

結果は、ノートを取った3つのグループがどれも、ノートを取らないグループを上回りました。紙のコーネル式のグループは平均点がいちばん高かったものの、ノートを取った3つのグループどうしの差は、統計的に意味のある差ではありませんでした。

もう一つ、見落とせないデータがあります。宿題にかけた時間です。紙のコーネル式のグループでは61%が20分以上かけていたのに対し、ノートを取らないグループでは9%でした。ノートを取ったグループの点が良かったのは、書き方の違いより、文章とじっくり向き合った時間の違いだったのかもしれません。

つまり、この研究からわかるのは「ノートを取るほうが、取らないよりよい」ということです。コーネル式がほかの書き方より優れているかどうかは、まだ決着していません。

線の形より、左の欄

原田英語の答えは、コーネル式を使うなら、左の欄を「問いの欄」として使い切ることです。授業が終わったら、右を手で隠して、左の問いに答えてみる。答えられなかった問いには印をつけ、テスト前はその問いから見直します。

線を2本引いたノートは、それだけでは区切られた紙にすぎません。左の欄に問いが並び、それに答えようとしたときに、はじめて勉強の道具になります。

参考文献

  1. Kobayashi K. (2006). Combined Effects of Note-Taking/-Reviewing on Learning and the Enhancement through Interventions: A meta-analytic review. Educational Psychology, 26, 459-477.

  2. Evans B., Shively C. (2019). Using the Cornell Note-Taking System Can Help Eighth Grade Students Alleviate the Impact of Interruptions While Reading at Home. Journal of Inquiry and Action in Education, 10, 1-35.

文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。

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