数字でわかるNo.N24
単語の注釈付きで読むと、単語の習得率は約1.7倍にって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ホント
42の研究をまとめると、単語に注釈がついた英文を読んだ人は、直後のテストで45.3%、注釈なしは26.6%の単語を覚えていました。
ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。
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知らない単語が100個ちらばった英文を、2通りの読み方で読むとします。
1つは、単語の意味がどこにも書かれていない、そのままの英文。もう1つは、知らない単語の意味が、余白や下の欄に小さく書き添えてある英文です。読み終えた直後に単語テストをすると、前者では27語ほど、後者では45語ほどが身についている。そんな計算になる研究結果があります。
余白の小さな文字
この「書き添えてある意味」を、英語ではグロス、日本語では注釈と呼びます。教科書の本文の横に「*surprise 驚かせる」のように書いてある、あれです。
2020年、ヤナギサワらは、読みながらの単語学習に注釈がどれだけ役立つかを調べた研究を、まとめて分析しました。集めたのは42の研究で、参加者は合わせて3,802人。研究ごとに出ていた効果の数字は、359個にのぼりました。
100語読んで、何語残るか
結果ははっきりしていました。読んだ直後のテストでは、注釈つきで読んだ人は単語の45.3%を、注釈なしの人は26.6%を身につけていました。約1.7倍の差です。
しばらく時間をおいたテストでは、どちらも数字が下がりました。それでも、注釈つきが33.4%、注釈なしが19.8%で、差は残っていました。
注釈なしで読んでも、前後の文脈から意味を推測して、ある程度は覚えられます。でも、推測がはずれることもありますし、知らない単語をそのまま読み飛ばすこともあります。注釈は、そうした取りこぼしを減らしてくれるのでしょう。
選ばせる注釈が強い
注釈の形による違いも調べられています。
いちばん効果が大きかったのは、いくつかの意味の候補を並べて、読み手に選ばせる形の注釈でした。答えを1つだけ示されるより、自分で文脈と見比べて選ぶほうが、単語に向き合う時間が長くなるのかもしれません。
反対に、効果が小さかったのは、本文の中に意味を直接書き込む形と、本文の後ろに単語リストをまとめる形でした。
注釈は日本語でいい
もう1つ、勉強法に直結する結果があります。注釈を母語で書いたほうが、学んでいる言語で書くよりも、単語がよく身についていました。この差は、初級者でも上級者でも変わりませんでした。また、注釈が文字か、絵か、音声かでは、はっきりした差は見られませんでした。
「英語は英語で理解すべきだ」と考えて、英英辞典の説明だけで読もうとする人もいます。少なくとも読みながら単語を覚えるという目的では、日本語の注釈を遠慮なく使ってかまいません。
原田英語のおすすめは、多読用の本や問題集を選ぶとき、日本語の注釈がついているかを見ることです。注釈を見る前に、一度だけ自分で意味を予想してみると、「選ばせる注釈」に近い読み方になります。
余白の小さな文字は、読み飛ばすためのものではありません。
参考文献
Yanagisawa A., Webb S., Uchihara T. (2020). HOW DO DIFFERENT FORMS OF GLOSSING CONTRIBUTE TO L2 VOCABULARY LEARNING FROM READING?. Studies in Second Language Acquisition, 42, 411-438.
doi.org/10.1017/s0272263119000688✓ 実在と内容を確認済み
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