教科別の常識No.K23
作文は、とにかくたくさん書けば上手になるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:半分ホント
書く量を増やすだけでも少しは伸びます。でも、書き方の作戦を教わり、感想をもらうほうが、伸び方はずっと大きくなります。
半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。
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論文での効果書く量を増やす効果量0.30、書き方の作戦を教わると1.02
今日からできるやり方
- 書く前に、言いたいことと順番をメモする
- 「理由を2つ書く」など具体的な目標を決める
- 書いたら、先生や友だちに感想をもらう
- 読み返して、自分で直す所を探す
0.30と1.02。どちらも、小学生の作文の質がどれくらい良くなったかを表す数字です。
この数字は「効果量」といって、教え方の効き目の大きさを示します。0.2なら小さい、0.5なら中くらい、0.8を超えれば大きい、というのがおおよその目安です。0.30は、とにかくたくさん書かせた場合の数字。1.02は、書き方の作戦を教えた場合の数字です。同じ「作文の練習」でも、やり方しだいで3倍以上の差がついています。
115本の研究で、13の教え方を比べる
2012年、グラハムらは、小学生への作文指導の実験を集めました。見つかった論文は115本。4つ以上の研究で試されている教え方だけを選び、13の教え方の効果を比べました。
書く量を増やすことには、確かに効果がありました。冒頭の0.30です。小さめですが、意味のある伸びでした。
ところが、書き方そのものを教える指導は、もっと効いていました。作戦を教える指導は1.02。友だちと助け合って書くのは0.89でした。「理由を2つ入れる」といった具体的な目標を決めて書くのは0.76、書く前にアイデアを整理する活動は0.54です。
その中で、はっきりした効果が出なかった教え方がひとつだけあります。文法を教える指導です。
感想は、だれからもらっても効く
書いたあとの手当ても大切です。2015年、グラハムらは小学1年生から中学2年生までを対象に、作文への感想、つまりフィードバックの効果をまとめました。
大人からの感想は効果量0.87、友だちからは0.58、自分で見直すと0.62、コンピュータからでも0.38。だれからもらっても、作文の質は上がっていました。
一方で、先生が生徒の作文の伸びを記録して見守るだけでは、はっきりした効果は出ませんでした。効いていたのは、書いた本人に感想が届くことでした。
どちらの研究も英語圏の子どもが対象で、高校生のデータは入っていません。それでも、量だけに頼るより、作戦と感想を組み合わせたほうがよい、という方向ははっきりしています。
書く量に、作戦と感想を足す
たくさん書くことは、むだではありません。ただ、同じ時間を使うなら、書く前に言いたいことと順番をメモし、書いたら誰かに読んでもらう。それだけで、練習の中身は変わります。
原田英語のおすすめは、1本書くたびに、「よかった所をひとつ、直すとよくなる所をひとつ」だけ、友だちと言い合うことです。原稿用紙の枚数より、感想の数を数えてみてください。
参考文献
Graham S., McKeown D., Kiuhara S., Harris K. (2012). A meta-analysis of writing instruction for students in the elementary grades. Journal of Educational Psychology, 104, 879-896.
doi.org/10.1037/a0029185✓ 実在と内容を確認済み
Graham S., Hebert M., Harris K. (2015). Formative Assessment and Writing. The Elementary School Journal, 115, 523-547.
doi.org/10.1086/681947✓ 実在と内容を確認済み
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