超絶勉強ハックNo.H06
例題は1問ずつ解くより、2問を並べて「どこが同じか」比べると応用が利くって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ホント
似た例題を2つ並べて「どこが同じか」を探すと、見た目が違う問題にも解き方が使えるようになります。
ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。
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論文での効果比べる学習で成績が向上。57実験のまとめでd=0.50
今日からできるやり方
- 同じ解き方の例題を2つ並べて見る
- 共通点を1行で書き出す
- 違う点と、その理由も書いてみる
- 最後に教科書で原則を確かめる
ビジネスや法律、医学の教育では、実際の事例を読んで学ぶ方法がよく使われます。具体的な事例をじっくり読み、そこから原則をつかむやり方です。ただ、事例で教える方法は広く行われている一方で、その効果は場合によってまちまちでした。事例の中身はよく覚えているのに、別の場面になると、そこで学んだことが使えないのです。
学校の問題集でも、同じことが起きます。例題の解説を読んで納得し、すぐ下の類題は解ける。でもテストで見た目が少し変わると、手が止まってしまう。
別々に読むか、並べて読むか
2003年、アメリカの心理学者ゲントナーらは、交渉の初心者に交渉の作戦を学んでもらう実験を、3つ行いました。
わかりやすいのは2つ目の実験です。参加者は、同じ作戦が使われている2つの事例を読みます。一方のグループは、2つを別々に読みました。もう一方のグループは、2つを並べて比べながら読みました。読んだ事例は、両方のグループでまったく同じです。
それでも、比べたグループのほうが、学んだ作戦を新しい場面ではっきりよく使えました。3つ目の実験では、比べるための手助けを増やすほど、対面で行う交渉の練習で、作戦を使えた人の割合が上がりました。
ゲントナーらは、この学び方を「類推による符号化」と呼んでいます。2つの例を比べることで、見た目の違いの奥にある共通の型、つまり解き方の骨組みが取り出せる、という考え方です。例が1つだけだと、その例に特有の細かい事情と、本当に大事な型との区別がつきにくいのです。
57の実験が示した条件
10年後の2013年、アルフィエリらは、事例を比べる学習についての57の実験、336のテスト結果をまとめました。比べる学習は、事例を1つずつ順に学ぶ方法や、ふつうの授業より、成績が高くなっていました。効果量は0.50で、中くらいの大きさです。
効果が大きくなる条件も見えてきました。比べるときに「共通点を探す」ように指示すること。比べたあとで原則をはっきり示すこと。学んですぐにテストすること。学ぶ内容の種類によっても、効果は変わりました。
すぐにテストすると効果が大きい、ということは、裏を返せば、テストまでに間があくと効果は小さくなりやすい、ということです。比べて見えた骨組みも、放っておけば薄れていきます。復習は欠かせません。
例題は、2つ並べてから解く
問題集の例題を、1問ずつ読んで終わりにするのは、やめてみましょう。同じ解き方を使う例題を2つ選び、並べて見ます。そして「この2問はどこが同じか」を1行で書きます。次に、違う点と、それでも同じ解き方が使える理由を考えます。最後に教科書で、その単元の原則を確かめます。
見た目の違う2問から同じ骨組みを取り出せたら、3問目には、まだ見たことのない問題を選んでみてください。
参考文献
Gentner D., Loewenstein J., Thompson L. (2003). Learning and transfer: A general role for analogical encoding. Journal of Educational Psychology, 95, 393-408.
doi.org/10.1037/0022-0663.95.2.393✓ 実在と内容を確認済み
Alfieri L., Nokes-Malach T., Schunn C. (2013). Learning Through Case Comparisons: A Meta-Analytic Review. Educational Psychologist, 48, 87-113.
doi.org/10.1080/00461520.2013.775712✓ 実在と内容を確認済み
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