超絶勉強ハックNo.H03
覚えたかどうかは、直後ではなく少し時間をおいてから確かめると、正しくわかるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ホント
覚えた直後の「もう大丈夫」は当てになりません。少し時間をおいてから試すと、本当の実力が見えてきます。
ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。
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論文での効果時間をおいた自己判定は、直後よりずっと正確(g=0.93)
今日からできるやり方
- 覚えた直後に「覚えた」と決めない
- 数分〜数十分後、答えを隠して思い出す
- 出てこなかった項目だけ復習に回す
- スラスラ出た項目は次の日まで寝かせる
単語帳を見て、「よし、覚えた」と次のページへ進む。その判定は、どのくらい当たっているでしょうか。
勉強中の私たちは、小さな判定をずっとくり返しています。この単語はもう大丈夫、これはもう一回。心理学では、この自己判定を「学習判断」と呼びます。英語の頭文字をとって JOL(ジェイ・オー・エル)です。何を復習して何を飛ばすかは、この判定で決まります。判定がずれていれば、勉強時間の配り方もずれてしまいます。
ところが、この判定はあまり当たりません。学習判断があとのテスト結果を正確に予想できた例は、長いあいだほとんどありませんでした。
少し待つだけで、判定が当たるようになる
1991年、アメリカのネルソンとダンロスキーは、その例外を見つけました。覚えた直後に判定するのではなく、少し時間をおいてから判定するのです。しかも判定のときは答えを見せず、問題の側(手がかり)だけを見せます。
すると判定は、あとのテスト結果を「きわめて正確に」予想しました。この言葉は、論文のタイトルにも入っています。この現象は「遅延JOL効果」と名づけられました。
のべ4554人のデータが示したこと
それから20年後の2011年、ローズとトーバーは、この効果を調べた研究をまとめました。のべ4554人、112の結果です。判定を遅らせると、予想の正確さは大きく上がっていました。効果量は0.93。心理学の研究としては、かなり大きな値です。
理由として有力なのは、時間をおくと判定の材料が変わる、という考え方です。覚えた直後は、さっき見た答えが、まだ頭の手前に残っています。だから、すぐ浮かびます。浮かぶから「覚えた」と感じます。少し時間がたつと、その手前の答えは消えています。そこで思い出せるかどうかは、長く残る記憶から取り出せるかどうかを、よく映していると考えられています。
もうひとつ、わかったことがあります。判定を遅らせること自体で記憶が良くなる効果は、のべ3807人のデータで見ると、ごく小さなものでした。効果量は0.08です。待つことの価値は、記憶を強くすることより、判定を正しくすることにあるのです。
判定は、あとで下す
これは、勉強時間の使い方に直結します。直後の「覚えた」を信じると、まだ弱い項目まで「もう大丈夫」の山に入れてしまいます。そして本番で、その山から抜け落ちていきます。
やり方は簡単です。1ページ覚えたら、すぐには判定しません。別の範囲を少し進めてから戻ってきます。そして答えを隠し、問題だけを見て思い出せるか試します。出てこなかった項目だけを、復習に回します。スラスラ出た項目は、次の日まで寝かせて大丈夫です。
「覚えた」と感じた瞬間は、まだ判定を下すときではありません。
参考文献
Nelson T., Dunlosky J. (1991). When People's Judgments of Learning (JOLs) are Extremely Accurate at Predicting Subsequent Recall: The "Delayed-JOL Effect". Psychological Science, 2, 267-271.
doi.org/10.1111/j.1467-9280.1991.tb00147.x✓ 実在と内容を確認済み
Rhodes M., Tauber S. (2011). The influence of delaying judgments of learning on metacognitive accuracy: A meta-analytic review. Psychological Bulletin, 137, 131-148.
doi.org/10.1037/a0021705✓ 実在と内容を確認済み
文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。





