超絶勉強ハックNo.H01
1問ずつ正解できるまで練習し、日を変えてくり返すと、テストの点が上がるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:ホント
1回正解して終わりでは、記憶は長く残りません。「正解するまで」を日を変えて何度かやると、ずっと長持ちします。
ホントとは… 複数の研究でおおむね支持されている常識です。
この記事を音声で聞くGoogle Cloud TTS(Chirp 3 HD)
0:00 / 4:56
論文での効果大学の本番試験で成績が10%以上アップ(Janesら, 2020)
今日からできるやり方
- 覚えることを一問一答のカードにする
- 初日は、各カードを3回正解するまで回す
- 2日以上あけて、各カード1回正解まで復習
- この復習を、日を変えて3回くり返す
10万回以上。ある研究で、学生たちが書いた答えの数です。しかもその一つひとつを、研究者が手で採点しました。
2011年、アメリカの心理学者ローソンとダンロスキーは、3つの実験で、533人の学生に、用語の意味のような概念を覚えてもらいました。覚え方は、問題を見て答えを思い出し、そのあと正解を確かめる、というくり返しです。集まった短い答えは、全部で10万を超えました。
そこまでして知りたかったのは、とても素朴なことでした。一問一答は、何回正解したら「覚えた」ことにしていいのか。そして、日をあけた復習は何回入れればいいのか。
1回で切り上げるか、4回まで粘るか
最初の勉強の日には、各問題を「1回正解するまで」から「4回正解するまで」、グループごとに回数を変えてくり返させました。そのあと、日をあけた復習を1回から5回入れます。復習の日は、各問題を1回正解したらおしまいです。
そして1〜4か月後に、どれだけ覚えているかを調べました。あわせて、全部で何回練習したかも数えました。長く残るかどうかと、手間がかかりすぎないか。両方を見たわけです。
最初の日に何回も正解しておくと、復習をしないうちは、確かに成績が上がりました。ところが、復習の回数が増えるほど、その差は縮んでいきました。一方、日をあけた復習は、記憶を長く残す効果が大きく、そのわりに練習の回数はあまり増えませんでした。
初日に粘るより、日を変えてもう一度やるほうが、かけた手間に対して得るものが大きいのです。著者たちが学生にすすめたのは、「最初は3回正解するまで。そのあと、間をしっかりあけて3回復習する」という組み立てでした。
名前は「連続再学習」
このやり方には名前があります。「連続再学習」です。答えを思い出す練習を、正解できるまで続ける。それを、日をあけて何回かくり返す。どちらも効果が確かめられている2つの方法を、いちばん効く条件で組み合わせたものです。
ただ2013年の時点では、これを本物の授業で試した研究がまだありませんでした。そこでローソンらは、大学の授業で2つの実験をしました。連続再学習で学んだ範囲は、授業の試験でも、のちの記憶テストでも、成績がはっきり上がりました。
2020年には、ジェインズらが、難しい生物心理学(脳と行動の関係を学ぶ分野)の授業で試しました。成績を大きく左右する、本番の試験です。授業の一部の範囲は、パソコン上の単語カードで連続再学習をします。残りの範囲は、いつもどおりの勉強です。2つの実験とも、連続再学習をした範囲は、少なくとも10%成績が上がりました。
その単語カード、まだ卒業させない
どの研究も対象は大学生で、用語や概念を覚える勉強が中心です。長い文章を書く力や、計算の応用力にもそのまま当てはまるかは、これらの研究だけではわかりません。それでも、定期テストや資格試験の暗記には、ほぼそのまま使える形になっています。
単語カードを1回ずつ正解したら、輪ゴムでとめて引き出しにしまっていないでしょうか。その束を、数日後にもう一度ほどいてみてください。初日の正解は、まだ「その日だけの正解」かもしれません。
原田英語のおすすめは、カードの角に印をつけていくことです。初日に3回正解したら1つ目の印。そのあと、日をあけた復習で正解するたびに1つずつ。印が4つそろったカードが、ようやく卒業です。
参考文献
Rawson K., Dunlosky J., Sciartelli S. (2013). The Power of Successive Relearning: Improving Performance on Course Exams and Long-Term Retention. Educational Psychology Review, 25, 523-548.
doi.org/10.1007/s10648-013-9240-4✓ 実在と内容を確認済み
Rawson K., Dunlosky J. (2011). Optimizing schedules of retrieval practice for durable and efficient learning: How much is enough? Journal of Experimental Psychology: General, 140, 283-302.
doi.org/10.1037/a0023956✓ 実在と内容を確認済み
Janes J., Dunlosky J., Rawson K., Jasnow A. (2020). Successive relearning improves performance on a high-stakes exam in a difficult biopsychology course. Applied Cognitive Psychology, 34, 1118-1132.
doi.org/10.1002/acp.3699✓ 実在と内容を確認済み
文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。





