食べ物と頭No.D05
緑茶に入っている成分(テアニン)で、集中力が上がるって、ホント?

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?
先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。
判定:半分ホント
効果が見えたのは、主にカフェインと一緒にとったときです。テアニンだけの証拠は弱く、主役はカフェインかもしれません。
半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。
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論文での効果カフェイン50mg+テアニン100mgで、注意の切り替えが速く正確に
湯のみの緑茶には、性格の違う2つの成分が一緒に入っています。眠気を払うカフェインと、テアニンというアミノ酸です。テアニンはお茶に自然に含まれる成分で、私たちがとるときは、たいていカフェインとセットになっています。
だから、「テアニンで集中力が上がる」かを確かめるには、この2つを切り離して比べる必要があります。研究者たちは、見た目のそっくりな飲み物をいくつも用意して、それを試してきました。
カフェインに、テアニンを足すと
2008年、オーウェンらは27人に協力してもらい、3種類の飲み物を比べました。カフェイン50mgだけのもの、カフェイン50mgにテアニン100mgを足したもの、そしてどちらも入っていない偽物です。1種類を飲むたびに1週間あけ、飲む前と、飲んで60分後、90分後にテストをしました。
カフェインだけでも、60分後には「目がさえた」という感じが強まり、90分後には注意を切り替える課題の正確さが上がりました。
テアニンを足した組み合わせでは、60分後の注意の切り替えが、速く、しかも正確になりました。記憶の課題でも、まぎらわしい情報に惑わされにくくなっていました。著者らは、組み合わせが頭を使う難しい課題に役立つという、それまでの報告をくり返し確かめた結果だ、としています。
ここまでを見ると、テアニンを足す意味がありそうです。でも、この実験には「テアニンだけ」の飲み物がありません。
テアニンだけでは、どうなるか
ハスケルらによると、テアニンはお茶の形でこれほど日常的にとられているのに、当時、テアニンだけの効果を調べた研究は1つしかありませんでした。カフェインと組み合わせた効果を調べた研究は、まだありませんでした。
同じ2008年、ハスケルらは、その欠けていた比較を入れました。テアニン250mgだけ、カフェイン150mgだけ、その両方、そして偽物。この4通りを、同じ人たちに日を変えて試してもらったのです。
組み合わせでは、単純な反応の速さ、数字を覚えておく課題の速さ、文が正しいかを判断する課題の正確さが良くなりました。頭痛や疲れの感じは減り、「頭がさえている」という感じは増えました。
ところが、テアニンだけをとったときは、頭痛の評価が上がり、7ずつ引き算を続ける課題の正答が減っていました。少なくともこの実験では、テアニン単独で集中を助ける結果は見られなかったのです。
著者らは、テアニンとカフェインが一緒に入った飲み物は、カフェインだけの飲み物とは違う働き方をするのかもしれない、と述べています。組み合わせには何かがありそうだが、テアニンだけでは心もとない。ここが、「半分ホント」の中身です。
効き目の大きさは、何で決まるか
2014年、キャムフィールドらは、お茶の成分を調べた11の研究をまとめて分析しました。カフェインとテアニンの組み合わせでは、飲んでから2時間以内に、「頭がさえた」という感じや、注意の切り替えの正確さに、中くらいの効果が見られました。
さらに、飲んだ量と効果の大きさの関係を調べると、効果はテアニンの量よりも、カフェインの量に沿って大きくなる傾向がありました。特に、飲んでから最初の1時間で、その傾向がはっきりしていました。
つまり、お茶を飲んで「集中できた」と感じたとき、働いていたのは主にカフェインだった可能性があります。
お茶は、休憩の合図に
注意したいのは、研究で使った量です。テアニン100〜250mg、カフェイン50〜150mgという量が、ふつうのお茶1杯に入っている量と同じとは限りません。また、どの研究も飲んでから数時間の変化を見たもので、成績が上がるかは調べていません。
原田英語のおすすめは、お茶を「集中力のサプリ」としてではなく、休憩の合図として使うことです。1時間勉強したら、お茶をいれて一息つく。湯のみが空になったら、次の1時間に戻る。お茶の時間が勉強のリズムを作ってくれるなら、成分の効き目がどうであれ、それで十分です。
参考文献
Owen G., Parnell H., De Bruin E., Rycroft J. (2008). The combined effects of L-theanine and caffeine on cognitive performance and mood. Nutritional Neuroscience, 11, 193-198.
doi.org/10.1179/147683008X301513✓ 実在と内容を確認済み
Haskell C., Kennedy D., Milne A., Wesnes K., Scholey A. (2008). The effects of L-theanine, caffeine and their combination on cognition and mood. Biological Psychology, 77, 113-122.
doi.org/10.1016/j.biopsycho.2007.09.008✓ 実在と内容を確認済み
Camfield D., Stough C., Farrimond J., Scholey A. (2014). Acute effects of tea constituents L-theanine, caffeine, and epigallocatechin gallate on cognitive function and mood: a systematic review and meta-analysis. Nutrition Reviews, 72, 507-522.
doi.org/10.1111/nure.12120✓ 実在と内容を確認済み
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