食べ物と頭No.D04

ブルーベリーを食べると、子どもの記憶力が上がるって、ホント?

判定日 読了 約4分音声 4:50文献 2件

「ブルーベリーを食べると、子どもの記憶力が上がる」のイメージイラスト

読む前に予想この常識、あなたはどう思う?

先に予想してから答えを見ると、記憶に残りやすくなります(予想の効果の記事)。

判定:半分ホント

飲んで数時間のうちに、単語の記憶や注意が良くなった実験はあります。ただし小規模で、読む力は変わりませんでした。

半分ホントとは… 条件つきで正しい、または言い過ぎの部分がある常識です。

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論文での効果7〜10歳の54人:2時間後の単語の記憶は向上、読む力は変化なし

イギリスのレディング大学で、7〜10歳の子どもたちが、ある飲み物を飲みました。中身は、凍らせてから乾かした野生ブルーベリーの粉を溶かしたもの。子どもたちは、飲んでから1時間あまり、3時間、6時間たったところで、記憶や注意のテストを受けます。

ブルーベリーには、アントシアニンという色素が多く含まれています。これを多く含むブルーベリーを使った研究では、動物でもおとなでも、頭の働きに良い結果が報告されていました。それなら、子どもではどうか。研究者たちは、この問いを2つの実験で確かめました。

21人の子どもが、3回飲み比べた

2016年、ホワイトらは、7〜10歳の子ども21人に協力してもらいました。子どもたちは日を変えて3回、飲み物を飲みます。ブルーベリーの粉15gを溶かしたもの、30gを溶かしたもの、そして粉の入っていないもの。どの日にどれを飲んだかは、子どもにも研究者にもわからないようにしてありました。同じ子どもが3種類すべてを飲むので、自分自身と比べられるのがこのやり方の利点です。

結果、ブルーベリーを飲んだ日は、いくつかのテストで成績が良くなっていました。

1時間あまりたったところでは、聞いた単語をすぐに思い出すテストで成績が上がりました。時間をおいてから、単語に見覚えがあるかを答えるテストでは、どの時点でも良い状態が続いていました。3時間後には、まぎらわしい情報に惑わされずに答える、難しい注意の課題で正確さが上がっていました。

さらに、テスト全体を通して、30gの日がいちばん成績が良く、粉なしの日がいちばん悪いという、量に応じた傾向も見られました。著者らは、この効果は課題の難しさに左右されやすく、頭をよく使う課題ほど差が出やすいようだ、と述べています。

人数を54人に増やして

2019年、バーフットらは、ホワイトの研究にも加わっていたウィリアムズとともに、人数を54人に増やして確かめ直しました。今度は、ブルーベリーの飲み物を飲むグループと、見た目をそろえた偽物を飲むグループに分けます。飲み物は200mLで、アントシアニンが253mg入っていました。生のブルーベリーなら、約240g分に当たる量です。子どもには、どちらを飲んだかは知らされていません。

飲んで2時間後、ブルーベリーのグループは、聞いた単語をより多く思い出せました。注意の課題でも、正確さを落とさずに反応が速くなっていました。

この研究には、もう一つのねらいがありました。記憶や注意が良くなるなら、読む力にも効くのではないか、という問いです。そこで、単語をどれだけ速く正確に読めるかを測るテストも行いました。

結果は、差なし。著者らは、読むことのような複雑な力には、一度飲むだけでは足りないのかもしれない、と述べています。

「半分ホント」の、残りの半分

まとめると、ブルーベリーの飲み物を飲むと、数時間のあいだ、子どもの記憶や注意のテストの成績が少し良くなる。この結果は、2つの研究で出ています。ここまでが、ホントの半分です。

残りの半分には、注意書きがたくさんつきます。人数は21人と54人で、とても少ない研究です。効果を見たのは飲んでから6時間以内までで、毎日続けたらどうなるかは調べていません。読む力は変わりませんでした。

そして、バーフットらの実験で使ったのは、ブルーベリー約240g分に当たる飲み物です。おやつに数粒つまむのとは、量がまるで違います。

ブルーベリーはおいしく、記憶は練習で

ブルーベリーが好きなら、朝ごはんやおやつに食べるのは楽しいことです。ただ、それで成績が上がると期待するのは早すぎます。テストで見えた差は、飲んで数時間のうちに測った、小さなものでした。

原田英語の答えは、ブルーベリーはおいしく食べ、記憶は練習で作る、です。ブルーベリーの一杯に期待をかけるより、毎日10分の復習を、こつこつ積み上げていきましょう。

参考文献

  1. Whyte A., Schafer G., Williams C. (2016). Cognitive effects following acute wild blueberry supplementation in 7- to 10-year-old children. European Journal of Nutrition, 55, 2151-2162.

  2. Barfoot K., May G., Lamport D., Ricketts J., Riddell P., Williams C. (2019). The effects of acute wild blueberry supplementation on the cognition of 7–10-year-old schoolchildren. European Journal of Nutrition, 58, 2911-2920.

文献はCrossrefで書誌を確認し、記事の内容は要旨などと照合しています(判定の方法)。

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