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お金をかけた結婚式は「長続きのしるし」? アメリカ人3151人の調査では逆の傾向も

お金をかけた結婚式は「長続きのしるし」? アメリカ人3151人の調査では逆の傾向も

読む前に予想してみよう!

婚約指輪や結婚式にお金をかけるほど、結婚は長続きすることが調査で分かっている

研究カード(どんな研究?)
対象
結婚したことのあるアメリカの大人(60歳以下)
規模
3,151人
研究の種類
観察研究(ネットのアンケートで結婚当時をふり返って答えてもらう)
確かさ
★★☆☆☆
3秒でわかる

アメリカ人3151人の調査。収入などをそろえると、式が5000〜1万ドルの人と比べて、1000ドル以下の人は離婚が少なく、2万ドル以上かけた女性は多かった。原因かどうかは不明。

ひとことで言うと高い結婚式が長続きのしるし、とは言えなかった!

もくじ
  1. 「給料2か月分」は広告が広めた目安だった
  2. 3151人に「指輪と式にいくら?」と聞いた
  3. 単純に比べると、高い指輪の人ほど離婚が少なかった
  4. 収入の差を差し引くと、お金をかけた人ほど離婚が多めに
  5. 人が多い式は「離婚が少ない側」
  6. どんでん返し:お金が原因とは言えない
  7. まとめ

「ダイヤモンドは永遠の輝き」。婚約指輪の広告は、高い指輪と長く続く結婚を結びつけてきました。お金をかけた結婚式ほど、二人の決意が固いしるしにも見えます。

ところが、結婚したことのあるアメリカ人3151人に聞いた調査では、逆の傾向が出ました。収入などの差をそろえると、式に2万ドル以上かけた女性は、式が5000〜1万ドルだった人より離婚の起こりやすさが約1.6倍でした。式が1000ドル以下の人は、離婚が少ない側でした。金額は、2014年のお金の価値にそろえたアメリカのドルです。

しかも、何もそろえずに比べた段階では、広告どおりに見える結果が出ていました。指輪がない人や式が安い人は離婚が多く、8000ドル以上の指輪の人は少なかったのです。収入などをそろえると、安い式の結果は向きがひっくり返りました。

01「給料2か月分」は広告が広めた目安だった

調べたのは、アメリカのエモリー大学の経済学者、フランシス=タン(Francis-Tan)さんとミアロン(Mialon)さんです。2015年に学術誌『Economic Inquiry』で発表しました。

ダイヤモンド会社の大がかりな宣伝は1930年代の終わりに始まり、「ダイヤモンドは永遠」という言葉は1940年代の終わりに生まれました。1980年代には、指輪は「給料2か月分」という目安を広める広告も出ました。ただ、お金をかけた結婚ほど本当に長続きするのかを数字で確かめた研究は、著者たちの知るかぎり、それまでなかったそうです。

023151人に「指輪と式にいくら?」と聞いた

調査は2014年7〜8月、アマゾンが運営するネットの仕事サイトで行われました。答えた3370人から、条件に合わない回答を外し、3151人が残りました。約3割は離婚を経験していました。聞いたのは指輪と式の金額、出席者の数、新婚旅行、付き合った期間、子ども、収入、学歴などです。

03単純に比べると、高い指輪の人ほど離婚が少なかった

最初は、ほかの条件をそろえずに比べました。指輪がなかった人は、500〜2000ドルの指輪の人より離婚の起こりやすさが約1.27倍でした。8000ドル以上の指輪の人は、同じ相手と比べて約0.66倍です。ここまでは「お金をかけるほど長続き」に見えます。

ところが、収入などの差をそろえると、結果が変わりました。この調査では、世帯の収入が高い人は離婚が少ない傾向がありました。高い指輪を買いやすいのは、収入の高い人です。最初の比べ方には、こうした差がまじっていた可能性があります。

04収入の差を差し引くと、お金をかけた人ほど離婚が多めに

そろえたあとの主な結果です。比べる相手は、指輪なら500〜2000ドル、式なら5000〜1万ドルの人です。

  • 男性:指輪に2000〜4000ドルかけた人は、離婚の起こりやすさが約1.3倍
  • 男性:式が1000ドル以下の人は、離婚の起こりやすさが約半分
  • 女性:式に2万ドル以上かけた人は、離婚の起こりやすさが約1.6倍

2008年以降に結婚した1627人だけでも計算しました。最近の結婚なら、金額をより正確に覚えていそうだからです。すると、2万ドル以上の式の女性は約3.5倍でした。人数が少ないので、誤差の幅は大きい数字です。

ただし、結果は金額の区分や男女でばらばらです。8000ドル以上の高い指輪では、はっきりした差は出ませんでした。男女を合わせた全体で見ると、2万ドル以上の式の差は約1.3倍で、統計でよく使う基準には届かない弱いものでした。著者たちの結論も「金額は結婚の長さと関係がないか、逆向きの関係がある」という慎重なものです。逆向きとは、お金をかけるほど結婚が短い向きのことです。

05人が多い式は「離婚が少ない側」

お金とは別に、式の出席者の数でもはっきり差が出ました。二人だけの式と比べると、出席者が101〜200人の式では離婚の起こりやすさが約0.42倍、200人以上の式でも約0.48倍でした。新婚旅行に行った人も、行かなかった人より離婚が少ない側でした。差がはっきりしていたのは男性で、全体では弱い差です。旅行の金額とは関係がありませんでした。

お金をかけず、人がたくさん集まる式は離婚が少ない傾向だった(イメージ)
お金をかけず、人がたくさん集まる式は離婚が少ない傾向だった(イメージ)

デンバー大学の研究者がまとめた報告書にも、似た結果があります。恋人のいるアメリカの若者を追いかけ、約5年のあいだに結婚した418人を調べたものです。出席者が150人以上の式だった人は47%が「結婚生活の質が高い」側に入り、50人以下の式では31%でした。ただし学術誌の論文ではありません。収入と学歴はそろえていますが、式の費用そのものは調べていません。

06どんでん返し:お金が原因とは言えない

この調査は実験ではありません。著者たち自身が、2つの説明を挙げています。

1つは、式にお金をかけない二人は、もともと相性がよい二人なのかもしれない、という説明です。もう1つは、式の借金がストレスになり、夫婦仲を悪くするという説明です。実際、「式の借金が結婚生活のストレスになった」という答えは、1000ドル以下の式の人では、5000〜1万ドルの人よりずっと少なくなっていました。ただ、どちらの説明が正しいかは、この調査では決められません。

弱点もあります。回答者はネットの仕事サイトの登録者で、国全体の縮図ではありません。金額は記憶に頼っていて、離婚した人は昔の式を実際とちがう金額で思い出しているかもしれません。

結婚の「日付」でも、似たことが見つかっています。オランダの1999〜2013年の公的な記録では、バレンタインデーや「9.9.99」のような日の結婚は、ふつうの日より離婚の起こりやすさが18〜36%高くなりました。二人の年齢・学歴・再婚かどうかなどをそろえると、差は10〜17%に縮みました。特別な日を選ぶ二人の特徴が、差の一部を説明していたのです。

07まとめ

アメリカの3151人の調査では、高い指輪や豪華な式が長続きのしるし、という結果は出ませんでした。収入などをそろえると、2万ドル以上の式の女性は離婚が多い側、安い式と人の多い式は少ない側でした。

ただ、これは「どんな二人がどんな式を選んだか」を見た調査です。著者たちは、付き合っている段階から同じ二人を追い、式の費用を記録する調査を次の課題に挙げています。人は「自分は離婚しない」と考えやすいという研究もあります(楽観バイアスの記事)。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerFor decades, diamond ads have told couples that spending more shows true love. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

For decades, diamond ads have told couples that spending more shows true love. Two economists at Emory University tested that message. In 2014, they ran an online survey of 3,151 Americans who had been married at least once. People reported what they had paid for the engagement ring and the wedding, and whether the marriage had ended in divorce. In a simple comparison, expensive rings seemed to go with fewer divorces, and cheap weddings with more.

But after they took income, education and other factors into account, the results changed. Women whose weddings cost $20,000 or more were about 1.6 times as likely to divorce as women who spent $5,000 to $10,000. Cheap weddings and weddings with many guests were linked to fewer divorces.

124 words ・ CEFR B1

和訳を見る

何十年もの間、ダイヤの指輪の広告は、お金をたくさん使うことが本当の愛のしるしだとカップルに伝えてきた。エモリー大学の2人の経済学者は、そのメッセージを確かめた。2014年、少なくとも一度は結婚したことのあるアメリカ人3,151人にネットで調査を行った。人々は婚約指輪と結婚式にいくら払ったか、そして結婚が離婚で終わったかを答えた。単純に比べると、高い指輪は離婚の少なさと、安い式は離婚の多さと結びついているように見えた。

しかし、収入や学歴などの要因を考えに入れると、見え方が変わった。式に2万ドル以上かかった女性は、5000〜1万ドルを使った女性より、離婚の起こりやすさが約1.6倍だった。安い式や出席者の多い式は、離婚の少なさと結びついていた。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the passage mainly about?

Q2. What happened when income and education were taken into account?

Q3. What can we infer from the first simple comparison?

重要単語

  • weddingA2
    名詞結婚式Their wedding was held in a small church. wed(結婚する)から。marriage は「結婚(生活)」、wedding は「式」と使い分ける
  • engagement ringB1
    名詞婚約指輪She showed her engagement ring to her friends. engage(約束する)→ engagement(婚約)。be engaged to ~ で「~と婚約している」
  • divorceB1
    名詞・動詞離婚(する)His parents got divorced when he was ten. get divorced(離婚する)の形でよく使う。divorce rate は「離婚率」
  • expenseB2
    名詞費用、出費Food is a large expense for most families. 形容詞 expensive(高価な)とセットで覚える。at the expense of ~ は「~を犠牲にして」
  • guestA2
    名詞招待客、客We invited forty guests to the party. host(主催者)の反対。guest speaker は「招かれて話す人」
  • debtB2
    名詞借金、負債It took them five years to pay off the debt. b は発音しない(デット)。be in debt で「借金をしている」
  • take ~ into accountB2
    熟語~を考えに入れる、考慮するThe price did not take the tax into account. 入試頻出。take into account ~ の語順もある。consider とほぼ同じ意味
結婚したアメリカ人3151人の調査。収入などをそろえると、式に2万ドル以上かけた女性は、式が5000〜1万ドルだった人より離婚の起こりやすさが約1.6倍。1000ドル以下の式や、出席者が多い式は離婚が少ない側だった。お金が原因かは分かっていない。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Francis-Tan & Mialon (2015) “A Diamond Is Forever” and Other Fairy Tales: The Relationship between Wedding Expenses and Marriage Duration, Economic Inquiry 53(4)doi.org
  2. Kabátek & Ribar (2018) Not your lucky day: romantically and numerically special wedding date divorce risks, Journal of Population Economics 31(4)doi.org
  3. Rhoades & Stanley (2014) Before “I Do”: What Do Premarital Experiences Have to Do with Marital Quality Among Today’s Young Adults?(バージニア大学 National Marriage Project の報告書)nationalmarriageproject.org