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「break」の意味が多すぎる問題。“コアイメージ”から覚えると知らない使い方まで推測できた

「break」の意味が多すぎる問題。“コアイメージ”から覚えると知らない使い方まで推測できた

読む前に予想してみよう!

多義語は、中心となる意味(コア)を手がかりにすると、比喩的な意味を推測しやすくなる

研究カード(どんな研究?)
対象
オランダ人の英語学習者、日本人高校生など
規模
数十人規模
研究の種類
実験・準実験
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

多義語は意味を一つずつ暗記するより、中心の意味(コア)を手がかりにしたほうが比喩的な意味の推測と記憶に効いた。訳語と同程度の研究も。

ひとことで言うとたくさん意味がある単語は、「真ん中のイメージ」から考えると覚えやすい!

もくじ
  1. コアの意味を知ると「推測」ができる
  2. 「break」なら、まとまったものが割れる
  3. 日本の高校生では「訳語と同じくらい」
  4. まとめ

辞書で「break」を引くと、壊す、割る、破る(約束を)、中断する、休憩、(記録を)破る、(ニュースを)知らせる……と、意味がずらりと並びます。

全部を丸暗記するのは大変ですよね。そこで注目されているのが、認知言語学の考え方を使った「コアイメージ」学習。単語の中心となる意味から、ほかの意味がどう広がっているかを理解する方法です。研究では、その効果と限界の両方が見えてきました。

01コアの意味を知ると「推測」ができる

例えば「branch=幹から分かれた枝」というコアを知っていれば、「支店(会社から分かれたもの)」「部門」「支流」も、1本の線でつながって見えてきます。研究者は、コアの意味が「精密な精緻化」(情報を既知の知識と結びつけて深く処理すること)を助けると説明しています。

02「break」なら、まとまったものが割れる

break のコアは、ざっくり言えば「ひとまとまりのものが、力によって割れる・途切れる」。

  • break a glass(グラスが割れる)
  • break a promise(約束という“まとまり”が壊れる)
  • take a break(作業の流れが途切れる=休憩)
  • break the news(閉じていた知らせを開いて伝える)

こう並べると、バラバラだった意味が一つの物語になります。

コアから意味が広がっていく「意味の地図」
コアから意味が広がっていく「意味の地図」

03日本の高校生では「訳語と同じくらい」

では、日本の教室でも効くのでしょうか。

つまり、「コアイメージなら圧勝」というわけではありませんでした。ただし、指導時間はわずか20分。イメージ図式は、少なくとも訳語の暗記に負けない方法であり、教え方の一つとして使える、と研究者たちは述べています。

ボアーズの2000年の研究でも、比喩表現を共通のテーマ(例:「怒り=熱い液体」)でまとめて示すと、記憶に残りやすいことが示されています。

04まとめ

多義語は、意味をバラバラに丸暗記するより、コアのイメージでつなぐと、推測しやすく、記憶にも残りやすくなります。ただし、日本の高校生の研究では訳語と同じくらいという結果もあり、「万能」ではありません。

おすすめは、コアで全体像をつかみ、遠い意味は例文で補う二刀流。今日は break か run で、自分だけの「意味の地図」を描いてみましょう。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerWords like "break" or "run" are polysemous, which means they have many related meanings. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Words like "break" or "run" are polysemous, which means they have many related meanings. Instead of memorizing each meaning separately, learners can start from the core meaning and see how the others developed from it. In 2003, Verspoor and Lowie asked Dutch learners of English to guess figurative meanings of such words from context. Learners who were given the core meaning as a clue guessed best and also remembered the meanings better later.

However, results in Japanese classrooms were more modest. In a 2007 study, 58 high school students were taught "break" and "over" for 20 minutes using either image diagrams or translations. The image-based teaching worked about as well as translations and was clearly better on only one test. Core images help, but they are not magic.

128 words ・ CEFR B1

和訳を見る

「break」や「run」のような単語は多義的、つまり関連したたくさんの意味をもっています。それぞれの意味を別々に暗記する代わりに、学習者は中心の意味から始めて、ほかの意味がそこからどう広がったかを理解することができます。2003年、フェルスポールとローウィは、英語を学ぶオランダ人学習者に、そうした単語の比喩的な意味を文脈から推測させました。中心の意味を手がかりとして与えられた学習者は、最もうまく推測し、後で意味をよりよく覚えてもいました。

しかし、日本の教室での結果はもっと控えめでした。2007年の研究では、58人の高校生が、イメージ図か訳語のどちらかを使って「break」と「over」を20分間教わりました。イメージにもとづく指導は訳語とほぼ同じくらい効果があり、はっきり上回ったのは1つのテストだけでした。コアイメージは役に立ちますが、魔法ではないのです。

4択リーディングクイズ

Q1. What does "polysemous" mean in the passage?

Q2. In the 2007 study, how long were the students taught?

Q3. What does the writer mean by "they are not magic"?

重要単語

  • polysemousC1
    形容詞多義の"Run" is a highly polysemous verb. poly-(多くの)+ sem(意味)。名詞 polysemy「多義性」。semantic(意味の)と同じ語根。
  • core meaningB2
    名詞(句)中心となる意味(コア)Start with the core meaning of the word. core は「芯・中心」。辞書の1番目の意味や物理的な意味がコアに近いことが多い。
  • figurativeC1
    形容詞比喩的な"Break the news" is a figurative use. 反対語は literal(文字どおりの)。figuratively speaking「比喩的に言えば」。
  • image schemaC1
    名詞(句)イメージ図式An image schema shows the basic shape of a meaning. 認知言語学の用語で、意味の骨組みを図のように表したもの。複数形は image schemas / schemata。
  • inferC1
    動詞推測する・推論するYou can infer new meanings from the core. infer A from B「B から A を推測する」。名詞 inference。imply(ほのめかす)との違いは入試頻出。
  • elaborationC1
    名詞精緻化(情報を関連づけて深く処理すること)Elaboration makes memories stronger. 動詞 elaborate「詳しく述べる・練り上げる」。記憶研究では新しい情報を既知の知識と結びつけて深めること。
  • notoriousC1
    形容詞悪名高い"Get" is notorious for having many meanings. be notorious for ~「~で悪名高い」。famous(よい意味で有名)との違いに注意。
break の意味は「壊す」「破る」「休憩」「(ニュースを)伝える」……多すぎる。でも中心のイメージ「まとまっていたものが割れる」から考えると、知らない使い方まで推測しやすくなったという実験がある。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Verspoor & Lowie (2003) Making sense of polysemous words. Language Learningdoi.org
  2. Morimoto & Loewen (2007) A comparison of the effects of image-schema-based instruction and translation-based instruction on the acquisition of L2 polysemous words. Language Teaching Researchdoi.org
  3. Boers (2000) Metaphor awareness and vocabulary retention. Applied Linguisticsdoi.org