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AIと英会話の練習は効く? メタ分析は「中くらいの効果」、でも"飽き"に注意

AIと英会話の練習は効く? メタ分析は「中くらいの効果」、でも"飽き"に注意

読む前に予想してみよう!

AIの会話相手は、人間の相手よりも長く学習者の興味を引きつけ続ける

研究カード(どんな研究?)
対象
外国語の学習者
規模
17研究のメタ分析+25研究のレビューほか
研究の種類
メタ分析+系統的レビュー+実験
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

コンピューターとの会話練習は、17研究のメタ分析で中程度の効果。ただ最初は楽しくても人間相手より飽きやすい「新しさ効果」が課題で、使い方の工夫がカギ。

ひとことで言うとAIとの英会話は効果あり。でも、飽きないための工夫がだいじ!

もくじ
  1. 「コンピューターと会話」の研究は数十年分ある
  2. メタ分析:外国語の力に「中くらい」の効果
  3. 落とし穴:最初だけ楽しい「新しさ効果」
  4. まとめ

AIの英会話アプリが、ここ数年で一気に身近になりました。24時間いつでも、何度間違えても、嫌な顔ひとつせず付き合ってくれる練習相手。

「もう英会話スクールはいらない?」と思う人もいるかもしれません。では、コンピューターと話す練習は、研究ではどこまで効果が確かめられているのでしょうか。

実はこの分野、生成AIが登場するずっと前から研究されてきました。その蓄積から見えてきたのは、「効く。でも落とし穴もある」という答えです。

01「コンピューターと会話」の研究は数十年分ある

ベルギーの研究者ビボーらは2019年、コンピューターと外国語で会話するシステムの研究を集め、343の文献から96のシステムを整理しました。

会話システムはさまざまで、

  • 決まった選択肢から返答を選ぶタイプ
  • 文法の正確さを重視するタイプ
  • 「レストランで注文する」など目的を達成するタイプ
  • 自由に雑談できるタイプ

などに分けられます。研究全体を見ると、やる気や語学力へのプラスの証拠が見られました。

02メタ分析:外国語の力に「中くらい」の効果

「自由に何でも話せる」より、目的やガイドがある会話のほうが学びにつながりやすい、というのは意外なポイントです。

AIは道を照らすガイド役。ただし、歩くのは自分自身
AIは道を照らすガイド役。ただし、歩くのは自分自身

03落とし穴:最初だけ楽しい「新しさ効果」

一方、気になる研究もあります。

外国語の授業(学生122人)で行われた12週間の実験では、学生が会話タスクを、チャットボット相手と人間相手で行い、興味の変化を比べました。すると、チャットボット相手の練習への興味は、最初のタスクのあと下がってしまったのに対し、人間相手では興味が保たれたのです。

目新しさで一時的に盛り上がり、慣れると冷めてしまう——「新しさ効果」です。

25の研究を整理した2022年のレビューでも、チャットボットにはいつでも使える・使いやすい・一人ひとりに合わせられるという強みがある一方、技術的な限界・新しさ効果・頭への負担(認知負荷)が課題として挙げられました。

なお、ここで紹介した研究の多くは、今の生成AIが普及する前のシステムを対象にしています。最新のAIで効果がどう変わるかは、まさに今研究が進んでいるところです。

04まとめ

AIとの英会話練習は、研究上中くらいの効果が期待できる、頼れる練習相手です。特に、目的のある会話やフィードバックを取り入れたシステムで効果が確認されました。

ただし、最初の楽しさはいずれ薄れます。AIは練習のジム、人との会話は本番の試合。両方を行き来しながら、使える英語を育てていきましょう。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerComputers have been used as conversation partners for language learners for decades, long before today's AI. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Computers have been used as conversation partners for language learners for decades, long before today's AI. In 2022, Bibauw and his colleagues analyzed 17 studies on dialogue systems and found a medium effect on language proficiency. Systems that had a clear goal, led the conversation, gave corrective feedback or included game elements worked especially well. They helped beginners and improved vocabulary, grammar and accuracy.

However, in a language class, students' interest in practicing with a chatbot dropped after the first task, while their interest in a human partner stayed the same. This is known as the novelty effect, and it is a real challenge for AI practice.

107 words ・ CEFR B1

和訳を見る

コンピューターは、今日のAIが登場するずっと前から、何十年も言語学習者の会話の相手として使われてきました。2022年、ビボーらは会話システムに関する17の研究を分析し、語学力に中程度の効果があることを見いだしました。はっきりした目的があるシステム、会話をリードするシステム、間違いを直すフィードバックをするシステム、ゲームの要素を含むシステムが特によく効きました。それらは初級者の助けとなり、語彙、文法、正確さを向上させました。

しかし、ある語学の授業では、チャットボットとの練習への学生の興味は最初の課題のあとに下がった一方、人間の相手への興味は変わりませんでした。これは新しさ効果として知られており、AIでの練習にとって本当の課題になっています。

4択リーディングクイズ

Q1. Which systems worked especially well?

Q2. What is the "novelty effect"?

Q3. Which piece of advice fits the passage?

重要単語

  • chatbotB2
    名詞チャットボット(自動で会話するプログラム)I practiced ordering food with a chatbot. chat(おしゃべり)+bot(robot の略)。AI・テクノロジー系の長文で頻出。
  • conversational agentC1
    名詞(句)会話エージェントThe conversational agent gave me feedback. agent は「代理人、作用するもの」。AI分野では「自律的に動くプログラム」を指す。
  • novelty effectC1
    名詞(句)新しさ効果(目新しさで一時的に興味が高まること)The novelty effect wore off after two weeks. novelty(目新しさ)は novel(新しい、小説)と同語源。wear off「(効果が)薄れる」とセットで出る。
  • speech recognitionB2
    名詞(句)音声認識Speech recognition is better than before. recognize(認識する)の名詞形。face recognition(顔認識)も同じ作り。
  • interlocutorC1
    名詞対話の相手An AI can be a patient interlocutor. inter(間で)+locut(話す)。conversation partner の硬い言い方。
  • cognitive loadC1
    名詞(句)認知負荷(頭への負担)Too many features can increase cognitive load. load は「荷物、負担」。教育心理学の重要概念で、学習法の長文によく出る。
  • personalizationC1
    名詞個別対応、個人への最適化Personalization is one strength of AI tutors. personalize(個人に合わせる)の名詞形。personalized learning「個別最適化された学習」は教育系の新しい頻出語。
AIと英語で話す練習は効くのか? 会話システムを調べた17研究をまとめると、語学力に中くらいの効果があった。ただ別の実験では、AIの練習相手への興味は最初だけで、人間相手と違ってすぐ下がった。“飽き”対策がカギ。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. Bibauw, François & Desmet (2019) Discussing with a computer to practice a foreign language: research synthesis and conceptual framework of dialogue-based CALL, Computer Assisted Language Learningdoi.org
  2. Bibauw et al. (2022) Dialogue systems for language learning: A meta-analysis, Language Learning & Technologydoi.org
  3. Fryer et al. (2017) Stimulating and sustaining interest in a language course: An experimental comparison of Chatbot and Human task partners, Computers in Human Behaviordoi.org
  4. Huang, Hew & Fryer (2022) Chatbots for language learning—Are they really useful? A systematic review of chatbot-supported language learning, Journal of Computer Assisted Learningdoi.org