共通テスト英語 攻略コラム

【共通テスト英語 時間配分】2027年度完全版!リーディング80分+リスニング60分を1分単位で設計する全技術|3戦略・撤退ライン・当日タイムライン

COMMON TEST ENGLISH / TIME DESIGN 2027

共通テスト英語時間配分
2027年度 完全マニュアル

リーディング80分+リスニング60分。
合計120分を1分単位で設計しきる全技術。

80READING/8大問 60LISTENING/6大問 200TOTAL SCORE

共通テスト英語で点を落とす人の大半は、英語力が足りないのではありません。時間の設計図を持たずに試験場に入っているだけです。

リーディングは80分で約5,600語を処理し、44個をマークする競技。リスニングは音声が流れ始めた瞬間に、もう時間を止められない一発勝負。この2つは「速く読む力」「速く聞く力」よりも先に、どこに何分を置くかという配分で結果が決まります。

この記事では、直近の本試験データを検証したうえで、2027年度(令和9年度)入試に向けた最適配分を目標点別に提示します。さらにリスニング60分の使い方、時間切れの原因別処方箋、本番までの8週間逆算メニュー、当日のタイムラインまで、120分を丸ごと設計します。

01 結論。2027年度版・120分の全体設計図

先に結論だけ置いておきます。細かい根拠はこの後で全部説明しますが、まずはこの表を写真に撮って、問題集の表紙の裏に貼ってください。

試験 配分の骨格 最重要ルール
リーディング
80分・8大問・100点
前半(第1〜4問)に22分
後半(第5〜8問)に50分
見直し・予備に8分
配点の6割は後半。時間の重心も後半へ
リスニング
60分・6大問・100点
音声解答時間は約30分
音が鳴る前の先読みが本体
ポーズは次の設問の準備に使う
迷った瞬間に捨てて次へ。引きずれば2問死ぬ

この2行が全てです。リーディングは「前半を削って後半に投資する」、リスニングは「音の前に勝負を終わらせて、迷いを引きずらない」。あとはこの骨格に、自分の得点力に合わせて肉付けしていくだけになります。

▼ 最初に捨ててほしい思い込み

「全部の大問を丁寧に解けば点は伸びる」。これは共通テストに限っては誤りです。第1問と第8問では配点が3倍近く違うのに、丁寧に解けば同じくらい時間を吸います。丁寧さは、配点の大きいところに集中投下する資源だと考えてください。

02 データ検証。直近本試験で何が起きたのか

戦略を立てる前に、現在地を数字で押さえます。ここを飛ばすと、配分がただの他人の受け売りになってしまいます。

DATA 1リーディングの大問構成と配点

大問 直近の出題素材 配点 マーク
第1問 テキストメッセージのやり取り 6 3
第2問 ウェブサイト+コメント 12 4
第3問 記事・短い物語 9 6
第4問 文章の推敲(読解表現融合) 12 4
第5問 チラシ+フォーム+メールの複数資料 16 6
第6問 物語文+アウトライン完成 12 8
第7問 論説文+発表スライド完成 16 6
第8問 レポート作成3ステップ(読解表現融合) 17 7
合計 総語数はおよそ5,600語で安定 100 44

オレンジで示した第4問と第8問が、新課程になって加わった「読んで書く」融合問題です。合わせて29点。すでに2年連続で同じ形式が出題されており、2027年度も柱として残ると考えるのが自然です。

そして最重要の事実がこれ。第5問から第8問だけで61点。全体の6割が後半4題に集中しています。前半で消耗することが、いかに致命的かが数字で分かるはずです。

DATA 2平均点の推移が語る「2027年度の警戒点」

実施年度 リーディング リスニング
令和6年度(2024年1月) 51.54点 67.24点
令和7年度(2025年1月) 57.69点 61.31点
令和8年度(2026年1月) 62.81点 54.65点

読み取れることは2つあります。リーディングは2年連続で易化方向に振れて60点台に乗りました。一方でリスニングは3年連続で下落し、ついにリーディングを下回っています。形式が変わったわけではないのに、です。

2027年度への読み

易化の翌年は反動で難化する。これは共通テストに限らず、大学入試の鉄則です。リーディングが2年続けて易しくなった以上、2027年度は選択肢の紛らわしさが復活する前提で配分を組むべきです。余裕を8分残す設計は、そのための保険になります。

そしてリスニング。ここは「情報処理の負荷」と「言い換えの難度」が上がり続けている領域です。リーディング対策に時間を吸われてリスニングを放置した受験生から順に、点を落としています。

03 リーディング80分。標準形【戦略A】の全内訳

配点・マーク数・実際の分量を突き合わせて設計した、8割以上を狙う受験生の標準形がこれです。累計時間まで含めて覚えてください。累計こそが、本番で自分の位置を知る唯一の物差しになります。

大問 持ち時間 累計 配点 この時間で何をするか
第1問 3分 3分 6 即断即決。迷う時間の価値がない
第2問 5分 8分 12 事実と意見の線引きだけに集中
第3問 6分 14分 9 読みながら出来事に番号を振る
第4問 8分 22分 12 コメント欄を設計図として読む
第5問 11分 33分 16 資料の余白に条件の○×表を作る
第6問 10分 43分 12 8マーク。人物像と教訓まで拾う
第7問 13分 56分 16 スライドの空所を先読みリストに
第8問 16分 72分 17 最重量級。立場マッピングで処理
見直し 8分 80分 難化年はここが吸収バッファになる

WHYなぜ前半22分・後半50分なのか

理由は身も蓋もありません。前半は、かけた時間と得点が比例しないからです。

第1問から第3問の英文は短く、語彙も平易です。読めば取れるし、読めないなら3分粘っても取れません。ここで丁寧に読み返す行為は、点にならない時間の使い方です。逆に第5問から第8問は、資料の照合、立場の整理、アウトラインの構成といった「作業」が伴います。作業には時間をかけた分だけ精度が上がる。投資対効果が高い場所に時間を置くという、ただそれだけの発想です。

区間 配点 投じる時間 1点あたり
前半(第1〜4問) 39点 22分 約34秒
後半(第5〜8問) 61点 50分 約49秒

1点あたりの時間で見ると、後半には前半の約1.4倍を配っていることになります。この差が、8割の壁を越えるかどうかの分岐点です。

▼ 1分あたり70語という現実

約5,600語を80分で処理するなら、単純計算で毎分70語。ただしマークする時間、資料を照合する時間、選択肢を読む時間が含まれるので、本文の実効読解速度は毎分100語以上が必要になります。この数字にピンとこない人は、先に読解速度そのものを引き上げてください。配分の話は、その後です。
リーディング「時間が足りない」を消滅させるWPM150特訓法【8週間ロードマップ】はこちら

04 目標点別。戦略B・戦略Cとタイプ診断

戦略Aは万能ではありません。今の得点力によっては、まったく別の設計のほうが伸びます。自分に合うものを選んでください。

戦略B6〜7割確保型|いつも最後まで届かない人へ

発想を丸ごと変えます。第8問を最初から完答しようとしないのです。

区間 持ち時間 累計 狙い
第1〜4問 26分 26分 速度より精度。ここで取り切る
第5問 12分 38分 条件照合は表を作れば必ず解ける
第6問 11分 49分 8マークは費用対効果が高い
第7問 14分 63分 設問は本文と同じ順。迷子にならない
第8問 17分 80分 完答しない。取れる設問だけ拾う

第8問はステップ1(各意見の要旨を問う設問)が比較的取りやすい一方、ステップ2は3つの空所すべてを正解して初めて得点になる全問正解型です。時間がない状態でここに深入りするのは、財布の中身を全部かけて一発勝負に出るようなもの。ステップ1を確実に取り、ステップ3は根拠が明確なものだけ拾う。それだけで、同じ実力のまま10点近く変わります。

▼ 最悪のシナリオは「難問を粘って白紙」

時間切れで白紙のまま終わるのが、共通テストで最も損失の大きい終わり方です。部分攻略に切り替えるという判断は、逃げではなく戦術です。

戦略C後半先行型|9割から満点を狙う上級者へ

配点61点の第5〜8問を、頭が最もフレッシュな冒頭で片づけ、易しい第1〜4問を後半に回す設計です。重い複数資料やレポート作成を、疲労する前に処理できるのが最大の利点になります。

解く順番 持ち時間 累計
第5問 → 第6問 → 第7問 → 第8問 48分 48分
第1問 → 第2問 → 第3問 → 第4問 24分 72分
マーク位置の全数確認+見直し 8分 80分

▼ 戦略Cの絶対条件

マーク位置がずれた瞬間に全てが崩壊します。大問を解き終えるごとに解答番号を指差し確認すること、そして模試や過去問で最低3回はリハーサルしてから本番に投入すること。ぶっつけ本番での採用は絶対に避けてください。

CHECK3秒でわかる戦略タイプ診断

直近の模試や過去問演習を思い出して、当てはまる行を探してください。戦略は憧れで選ぶものではなく、現在地で選ぶものです。

直近の演習で起きたこと 選ぶべき戦略
最後まで到達できず、第8問が白紙または勘 戦略B
最後までは行くが、後半が雑になって失点する 戦略A
時間はギリギリ足りるが、見直しはできていない 戦略A
毎回10分以上余り、失点は後半の1〜2問だけ 戦略C
そもそも第5問に着く前に40分使っている 戦略B+速読訓練

なお、リーディングの大問別の解き方そのものを深く知りたい人は、テクニックに特化した記事を用意しています。リーディング時間配分の詳細版はこちら。本記事はリスニングを含めた120分全体の設計に進みます。

05 大問別。持ち時間と「撤退ライン」全8問

時間配分表を持っていても崩れる人には、共通点があります。「どこまで粘っていいか」の線を決めていないことです。ここでは大問ごとに、持ち時間・最優先でやること・そして撤退ラインをセットで示します。

Q1テキストメッセージ/3分・6点
最優先でやること 会話は途中で二転三転する。最後の方の発言が結論を握っていると意識して読む。発言者の頭文字を横にメモしておくと、誰の意見かを問う設問が一瞬で終わる。
撤退ライン 4分。1問6点の大問に5分かけた時点で、後半の16点問題が削られる。
Q2ウェブサイト+コメント/5分・12点
最優先でやること 「誰の視点の情報か」の区別と、事実か意見かの線引き。数値の増減が出てきたら、その横に矢印を書き込みながら読む。それだけで正誤の判定が作業になる。
撤退ライン 7分。事実と意見で迷ったら、評価を表す語(should、bestなど)の有無だけで即決する。
Q3記事・短い物語/6分・9点
最優先でやること 時系列の並べ替えが名物。5つの選択肢から4つを選ぶ形式なので、ダミーが1つ混ざっている前提で読む。読みながら出来事に番号を振っておけば、並べ替えは考える作業ではなく写す作業になる。
撤退ライン 8分。並べ替えで2つの順序に迷ったら、片方を仮マークして進む。
Q4文章の推敲/8分・12点 ※読解表現融合
最優先でやること 目から鱗はここ。正解の根拠は本文ではなくコメント欄の側にある。「目的を説明して」というコメントなら、答えは目的を述べる選択肢に絞られる。文章のテーマから外れた選択肢は、文法的に正しくても即消去できる。
撤退ライン 10分。ここで超過すると第5問以降が全部ずれる。CP1の判定地点。
Q5複数資料の照合/11分・16点
最優先でやること 最初の30秒で「この設問はどの資料を見れば解けるか」を判定する。情報の在り処は資料ごとに分かれている。条件照合問題は、資料の余白に○×表を作って機械的に潰すのが最速。
撤退ライン 13分。資料を行ったり来たりし始めたら、それは条件を書き出していない証拠。
Q6物語文+アウトライン/10分・12点
最優先でやること 8マークと数が多く、費用対効果が高い。出来事の順序だけでなく、登場人物の人物像や物語の教訓まで空所になる。読み終えたら「一言で言うと何の話か」を自分に問う。この一手間で抽象系の空所が一気に楽になる。
撤退ライン 12分。CP2の判定地点。ここまでで43分を超えていたら後半の読み方を切り替える。
Q7論説文+スライド完成/13分・16点
最優先でやること 本文を読む前にスライドの空所を眺める。空所の前後を見れば、探すべき情報の種類が事前に分かる。さらに設問は本文と同じ順番で並ぶという法則があるので、段落ごとに順に処理すれば迷子にならない。
撤退ライン 15分。最後の応用問題は、本文の提案を箇条書きにしてから照合すると速い。
Q8レポート作成3ステップ/16分・17点 ※最重量級
最優先でやること 立場マッピング。各人物の意見を読んだ瞬間、名前の横に賛成は○、反対は×、条件付きは△と記号を振る。「この立場を支持する2人は誰か」は、記号を見るだけで候補が絞れる。
最大の罠 ステップ2は3つの空所すべてを正解して初めて得点になる全問正解型。2人の選択と共通する考えの3点セットで整合するか、必ず検算する。
撤退ライン 残り3分になったら検算を打ち切り、空欄を全て仮マークで埋める。

▼ 撤退ラインを紙に書いておく

本番の緊張状態では、判断力が真っ先に落ちます。問題冊子の余白に「4/7/8/10/13/12/15」と撤退ラインの数字だけを書き写しておけば、迷ったときに考える必要がなくなります。判断を事前に済ませておくことが、最大の時間短縮です。

06 時計は3回だけ見る。チェックポイント制

時間配分表を覚えた受験生がやりがちな失敗が、時計を見すぎることです。1問解くたびに腕時計に視線を落とすと、そのたびに読解の集中が切れ、焦りが上乗せされます。確認は3地点だけに絞ってください。

地点 あるべき位置 遅れていたら
CP1開始22分 第4問を終えて第5問に入っている 第4問を仮マークで切り上げて即座に第5問へ移動する
CP2開始43分 第6問を終えて第7問に入っている 読み方モードを切り替える。全文精読をやめ、設問に必要な段落だけを取りに行く
CP3開始72分 44マークがすべて埋まっている 考えるのをやめ、空欄を最有力の選択肢で即座に埋める

RULE2分ルール。悩んだ1問の先に、読めば取れる3問がある

1つの設問で2分悩んだら、最有力の選択肢を仮マークして問題番号に印をつけ、前に進む。これだけです。

なぜ2分かというと、共通テストの1問あたりの平均持ち時間がおよそ1分40秒だからです。2分を超えた時点で、その問題はすでに他の問題の時間を食っていることになります。しかも粘って正解する確率は、経験上そう高くありません。それより、まだ読んでいない3問を取りに行くほうが期待値が高い。冷たいようですが、これが得点を最大化する判断です。

目から鱗

速読の正体は、速く読むことではありません。二度読まないことです。毎分70語という数字は、返り読みさえしなければ十分に達成できる速度。日本語の語順に直そうとして視線を戻す癖こそが、80分を溶かしている真犯人です。

07 リスニング60分。勝負は音が鳴る前に決まる

リスニングの時間配分という言い方に、違和感を覚えた人もいるかもしれません。音声のペースは向こうが決めるのだから、配分する余地などないのでは、と。

逆です。自分のペースで動かせる時間が限られているからこそ、その数十秒の使い方が結果を決めます。しかも直近の本試験でリスニングの平均点は54.65点まで落ち込みました。ここは今、最も差がつく戦場です。

構成6大問の配点と読み上げ回数

大問 内容 配点 読み上げ
第1問 短い発話の内容一致・イラスト選択 25 2回
第2問 短い対話とイラストの照合 16 2回
第3問 やや長い対話の状況把握 18 1回
第4問 図表・グラフへの情報整理 12 1回
第5問 講義とワークシートの完成 15 1回
第6問 議論・複数話者の立場整理 14 1回
合計 音声を用いた解答時間はおよそ30分 100

構造を見れば、戦い方は明確です。2回読みの第1問・第2問で41点、1回読みの第3〜6問で59点。前半は「取りこぼしを絶対に出さない区間」、後半は「一発勝負を耐える区間」です。

技術使える時間は3種類しかない

自由に使える時間 ここで何をするか
試験開始から音声再生まで
(機器の作動確認と説明の時間)
最大のボーナスタイム。第5問のワークシートと第6問の設問に目を通しておく。ここを説明の朗読を聞きながら過ごすのは、あまりにもったいない。
各設問前の指示文が流れる数秒 指示文は毎回同じ。聞く必要はない。その数秒で選択肢の相違点に印をつける。4つの選択肢のどこが違うかを掴んでおけば、聞くべき一語が決まる。
1問解き終わってから次の音声まで 終わった問題は振り返らない。視線は常に次の設問の図表へ。ここで前の問題を悩むと、次の音声の冒頭を丸ごと失う。

▼ リスニング最大の失点パターン

1問を聞き逃した動揺で、次の問題の冒頭も落とす。この連鎖が始まると、1回読みの後半で一気に崩れます。対策はただ1つ。聞き逃した瞬間に、その問題を捨てたと決めること。適当にマークして、視線を次の図表へ移す。この切り替えの速さが、リスニングでは英語力そのものと同じくらい効きます。

1回読みへの耐性そのものを鍛えたい人は、専用の特訓法をまとめてあります。「1回読み」でも一発で聴き取る満点狙いの超絶特訓法はこちら

08 時間切れを起こす7つの原因と処方箋

「時間が足りない」は症状であって、原因ではありません。原因を特定しないまま速読の練習を始めても、たいてい効きません。自分がどれに当てはまるかを見つけてください。

原因 処方箋
1 返り読みをしている スラッシュリーディングで前から意味を確定させる。日本語の語順に組み直す癖が、そのまま2倍の時間になっている。
2 設問を読まずに本文から入る 第5問と第7問は特に致命的。何を探すか決めずに読むのは、地図なしで街を歩くのと同じ。
3 前半を丁寧にやりすぎている 第1〜3問は読めば取れる。読み返しても点は増えない。CP1の22分だけを死守する。
4 1問ずつマークしている 視線の往復が積み上がると数分が消える。大問単位でまとめて転記するのが、速度と安全の最適点。
5 語彙で止まっている 1語で3秒止まれば、100語で5分が消える。知らない語は飛ばして文脈で処理する訓練を演習に組み込む。
6 見慣れない綴りに動揺する favourite、colour、£といったイギリス英語の表記は例年登場する。意味は同じ。固まった時点で相手の思うつぼ。
7 迷った問題を引きずる 2分ルールを機械的に適用する。悩みは後半の集中力まで削っていく、最も見えにくいコスト。

パラフレーズという本質

共通テストの正解は、必ず言い換えられています。本文の単語がそのまま入った選択肢は、むしろ罠を疑ってください。演習の答え合わせでは、正解した問題でも「本文のどの表現が、選択肢のどの表現に化けたか」をノートに1行ずつ貯めていく。この作業が、読む速度そのものを底上げします。

09 逆算8週間。時間配分が身体に入るメニュー

配分表を眺めるだけでは、本番で使えるようになりません。時計を見なくても「今どのあたりにいるか」が体感でわかる状態まで持っていく必要があります。そのための8週間です。

時期 やること 到達目標
第1〜2週 大問を1つずつ、持ち時間ぴったりで解く。通しはやらない。第4問と第8問は形式に慣れることだけを目標にする。 大問ごとの体内時計を作る
第3〜4週 前半4題を22分で通す練習と、後半4題を50分で通す練習に分ける。終了時刻を問題冊子の隅にメモして記録を取る。 CP1とCP2の感覚を掴む
第5〜6週 80分通しを週2回。あえて75分に設定する。5分短い環境で戦っておくと、本番の80分が長く感じられる。 時間的な余裕を作り出す
第7週 リーディング80分の直後にリスニング60分を続けて実施する。本番と同じ疲労で後半を迎える経験を積む。 120分連続の耐久力
第8週 新しい問題集に手を出さない。これまでの記録を見返し、自分専用の撤退ラインを確定させる。本番と同じ時刻に解く。 配分を固定して本番へ

▼ 記録の取り方はこれだけでいい

演習のとき、大問を解き終えた瞬間の時刻を問題冊子の隅に書くだけ。「Q4→23分」「Q6→45分」のように。この数字が溜まっていくと、自分がどこで溶かしているかが一目でわかります。感覚ではなく記録で修正する。それが最短ルートです。

記録をAIに読ませて自分専用のプランを作る方法や、大問別のタイマーつき演習環境については、共通テスト英語対策の無料アプリまとめでも紹介しています。

10 当日タイムライン。起床から解答終了まで

時間配分は、試験開始の合図から始まるものではありません。脳が英語モードで動き始めているかどうかが、最初の10分の処理速度を左右します。当日の使い方まで含めて設計しておきましょう。

タイミング やること
試験開始の3時間前に起床 脳が本調子になるまでには時間がかかる。逆算して起床時刻を決め、8週間前から同じリズムで生活しておく。
移動中 音声を流して耳を英語に慣らす。新しい参考書は開かない。知らないことに出会って不安になるだけで、得はない。
開始30分前 すでに解いたことのある英文を1本、声に出さずに読む。ウォーミングアップの目的は、新知識ではなく回転数を上げること
着席したら最初に 時計を机上に置き、CP1・CP2・CP3の時刻を計算して問題冊子の余白にメモする。開始時刻が9時30分なら、9時52分・10時13分・10時42分と書いておく。
開始直後の10秒 ページ数と大問数をざっと確認する。分量が例年と違う気配があれば、その時点で見直し時間を削る覚悟を決めておく。
残り8分 新しく解くのをやめ、マーク欄の全数確認へ。ずれが1つあれば、それ以降が全滅する。確認の優先順位は、正誤の見直しよりマーク位置
リーディング終了後 出来を反芻しない。次はリスニング。切り替えの速さがそのまま得点になる。深呼吸を3回して、耳のモードに入る。

▼ 直前チェックリスト

□ 秒針つきの時計を用意し、電池を確認した
□ 戦略A・B・Cのどれで行くか決めてある
□ 各大問の撤退ラインを言える
□ CP1・CP2・CP3の時刻を計算する手順を覚えている
□ 2分ルールを守ると心に決めている
□ マークは大問単位で転記すると決めている
□ 聞き逃した問題は即座に捨てると決めている

不安で眠れない、緊張が抜けないという人は、メンタル面の整え方をまとめた記事もあわせてどうぞ。受験の不安を粉砕する10の神テクはこちら

11 よくある質問10
Q1. 設問は先に読むべきですか。
A. 大問によります。第1〜3問は本文が短いので先に読んでも効果は薄い。一方、第5問と第7問は先読みが必須です。特に第7問はスライドの空所が、そのまま探すべき情報のリストになっています。
Q2. 第8問から解くのはアリですか。
A. 常に10分以上余る人だけです。それ以外の人がやると、マーク位置のずれと前半の焦りで、得るものより失うものが大きくなります。やるなら必ず3回以上リハーサルを。
Q3. 見直しの時間は本当に必要ですか。
A. 必要です。ただし目的は正誤の再検討ではなく、マーク位置の全数確認。ずれ1つで20点吹き飛ぶことを考えれば、この8分は保険料として安い。
Q4. 時間内に終わらないのですが、速読の練習をすべきですか。
A. その前に原因の特定を。返り読み、語彙で止まる、設問を読んでいない。この3つのどれかであることがほとんどで、それぞれ処方箋が違います。
Q5. 分からない問題はどこまで粘っていいですか。
A. 2分です。それ以上は、他の問題の時間を借りている状態になります。仮マークして番号に印をつけ、時間が余ったら戻ってくればいい。
Q6. 2027年度は難化しますか。
A. 断言はできません。ただしリーディングは2年続けて平均点が上がっており、反動を警戒しておくのが合理的です。見直し8分を確保する設計は、難化年の保険として機能します。
Q7. リスニングの対策はいつから始めるべきですか。
A. 今日からです。直近の本試験でリスニングの平均点はリーディングを下回りました。配点は同じ100点。ここを放置している受験生が多いからこそ、差がつきます。
Q8. マークはいつ塗るのが正解ですか。
A. 大問単位でまとめて転記。1問ずつだと視線の往復で時間を失い、最後にまとめてだと時間切れとずれの事故が跳ね上がります。
Q9. 演習は必ず80分で通すべきですか。
A. 直前期は通しで。ただし仕上げ段階では75分設定をおすすめします。短い環境に慣れておくと、本番の80分に余白が生まれます。
Q10. 配分表どおりに解けません。
A. それが普通です。配分表は守るべき規則ではなく、ずれに気づくための基準線。ずれた事実に気づけた時点で、すでに機能しています。

TODAY’S ENGLISH

時間との戦いにまつわる英語表現

against the clock時間に追われて。刻一刻と迫る締め切りと戦っている状態を表す。
Students race against the clock in the reading section.
skim / scanskimは全体の大意をつかむ読み方、scanは必要な情報だけを探しに行く読み方。複数資料の第5問はscanの独壇場。
Skim the passage first, then scan for the details you need.
pace yourselfペース配分する。まさに本記事のテーマそのもの。飛ばしすぎず、遅すぎず。
Pace yourself so you can finish all eight sections.
cut your losses損切りする。深追いをやめて撤退するという意味。2分ルールの精神を、そのまま一語で言い表した表現。
Cut your losses and move on to the next question.

CONCLUSION

時間配分は才能ではなく、設計で決まる

共通テスト英語は、リーディング80分で8大問・約5,600語・44マーク、リスニング60分で6大問。合わせて120分、200点。この時間の中で英語力を発揮できるかどうかは、当日の調子ではなく、事前にどこまで設計を詰めたかで決まります。

配点の6割は後半4題。時間の重心も後半に置く
標準形は前半22分・後半50分・見直し8分
戦略は憧れで選ばず、直近の演習結果で選ぶ
時計はCP1・CP2・CP3の3回だけ。2分悩んだら仮マークで前へ
大問ごとに撤退ラインを決め、本番前に紙へ書き写す
リスニングは音が鳴る前の先読みが本体。聞き逃したら即座に捨てる
仕上げの演習は75分設定。本番の80分に余白を作る

時間切れは、英語力の欠如ではなく設計の欠如。
最後のマークを塗り終えて顔を上げたとき、まだ時計に時間が残っている。
その景色を、一緒に取りに行きましょう。

※本記事は、大学入学共通テストの過去問題および公表されている試験情報・平均点データをもとにした独自の分析です。出題形式・語数・配点は年度により変更される場合があります。時間配分はあくまで目安であり、必ずご自身の演習で調整してください。最新の実施要項は大学入試センターの公表資料をご確認ください。

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