White Day

ホワイトデーの由来と歴史(詳しく)

いつから?なぜ?名前の意味は? ホワイトデーの本当の話を、確かな資料でたどります。

1ホワイトデーの由来:日本生まれの「お返しの日」、元祖は一つじゃない

ホワイトデーの「元祖」を名乗る人は、一人ではありません。

まず背景から。日本で「女性が男性にチョコレートを贈る」という日本型のバレンタインデーが定着したのは、1970年代後半のことです。チョコをもらった男性は、何を返せばいいのか。そこに目をつけたのが菓子業界でした。1970年代には、製菓会社がそれぞれ独自の名前と日付で「お返しのお菓子」を売り出していたと言われます。

説1:全国飴菓子工業協同組合(全飴協)。全国の飴メーカーの組合です。組合の記録によると、1969年ごろからキャンデーの売り上げをのばす方法を探していました。そして1978年6月、名古屋での総会で「ホワイトデー(3月14日)はキャンデーの日」と決めました。2年の準備のあと、1980年3月14日に第1回のホワイトデーを開いています。

説2:福岡の石村萬盛堂(いしむらまんせいどう)。白いマシュマロで黄身あんを包んだ銘菓「鶴乃子(つるのこ)」で知られる老舗です。同社によると、1977年(昭和52年)に「マシュマロデー」を考えつき、1978年に始めました。社長が少女雑誌で、バレンタインのお返しにせめてマシュマロくらいほしい、という内容の文章を見たのがきっかけで、チョコをマシュマロで包んだお菓子を「君からもらったチョコを、僕のやさしさで包んで返す」という意味をこめて売り出した、と紹介されています。

ほかにも、1970年代前半に別の製菓会社がお返し用のマシュマロなどを売ったという説もあります。どれか一つが正解というより、菓子業界のあちこちで同じアイデアが同時に育ち、やがて「ホワイトデー」という名前に集まった、と考えるのがいちばん実態に近そうです。

ホワイトデー(White Day)のイラスト

2ホワイトデーの歴史:銀座三越から始まったキャンペーン

ホワイトデーは、最初から大ヒットしたわけではありません。

全飴協が1988年に開いた座談会の記録には、当時の苦労がくわしく残っています。第1回のキャンペーン会場は銀座の三越。デパートも乗り気で、「ホワイトデーの元年は銀座の三越から始まった」と宣伝してくれたそうです。2回目からは銀座のソニービルの1階でもイベントを開きました。広告会社の電通がマスコミへの声かけを担当し、ラジオ局と組んだコンサートも行われました。

それでも3年目は思うように売れず、関係者は頭をかかえます。流れが変わったのは4年目の1983年。座談会では「売れに売れました」と語られています。1986年の第7回では、俳優の黒沢年男さんがイメージキャラクターになりました。

福岡では、石村萬盛堂が1978年からポスターを作って「マシュマロデー」をよびかけていました。その後、ほかの業界にも広げるため、デパート側の申し出で名前を「ホワイトデー」に変えたとされます。

名前をめぐる、ちょっとしたドラマもありました。座談会によると、「ホワイトデー」という言葉は、ある時期、あるデパートの関係者が個人で商標登録していたことがあったそうです。組合は特許庁とかけあい、みんなが使える言葉として扱ってもらうよう話をつけた、と語られています。

1980年代に定着したホワイトデーは、やがて義理チョコのお返しの日にもなりました。最近は義理チョコそのものが減り、友チョコや「自分へのごほうび」が増えたことで、ホワイトデーの姿もまた変わりつつあります。

🕰️ ホワイトデーの年表

  1. 1936年神戸のモロゾフ製菓が英字新聞に「バレンタインにチョコを」という広告を出す(確認できる最も古い例とされる)。
  2. 1969年ごろ全国飴菓子工業協同組合が、キャンデーの需要をのばす方法を探しはじめる。
  3. 1970年代後半女性が男性にチョコを贈る日本型のバレンタインデーが定着する。
  4. 1977年福岡の石村萬盛堂が「マシュマロデー」を考えつく。
  5. 1978年石村萬盛堂の「マシュマロデー」が始まる。同年6月、全飴協が名古屋の総会で「ホワイトデー(3月14日)はキャンデーの日」と決める。
  6. 1980年3月14日全飴協による第1回ホワイトデー。最初の会場は銀座の三越。
  7. 1983年4年目でホワイトデーのお菓子の売れ行きが大きくのびる。
  8. 1980年代「マシュマロデー」も、デパートの申し出で「ホワイトデー」に名前を変えたとされる。
  9. 1986年全飴協の第7回ホワイトデーで、黒沢年男さんがイメージキャラクターに。
  10. 2010年代後半職場の義理チョコが減り、ホワイトデーの人気にも変化が出る。

3「ホワイト」の意味は?なぜ3月14日なの?

なぜ「ホワイト」なのでしょう。答えも一つではありません。

全飴協の説明では、ホワイト(白)は純潔のシンボルで、10代のさわやかな愛にぴったりだから、とされています。座談会では、メンバーの一人が英和辞典で「ホワイト」を引くと「シュガー」が出てきて、シュガーといえばキャンデー……と連想でつないだ、という裏話も語られています。キャンデーの原料の砂糖は白い、というわけです。

おもしろいのは、それ以前の名前です。全飴協によると、お返しの日はかつて「ポピーデー」「フラワーデー」「クッキーデー」などとも呼ばれていました。もし別の名前が勝っていたら、今ごろ3月14日は「クッキーデー」だったかもしれません。

石村萬盛堂の場合は、白いマシュマロの「マシュマロデー」から「ホワイトデー」へ。どちらの説でも、白いお菓子のイメージが名前の芯にあります。

では、なぜ3月14日なのか。いちばんわかりやすい理由は、バレンタインデーのちょうど1か月後だからです。全飴協はさらに、3世紀のローマで殉教したバレンタイン司祭に助けられた男女が、1か月後の3月14日に改めて愛を誓い合ったという話を由来にあげています。ただしこれは伝説で、歴史の記録で確かめられる話ではありません。

石村萬盛堂の説では、3月14日を選んだのは福岡のデパート岩田屋のアドバイスで、当時は大きなイベントがない時期だったからだと紹介されています。

英語で説明するときは、White Day をそのまま使い、a day to give a return gift for Valentine's Day(バレンタインのお返しをする日)と言えば伝わります。

4ホワイトデーの過ごし方:何を返す?いくら返す?

ホワイトデーの定番は、キャンデー、マシュマロ、クッキー、ホワイトチョコレート。最近はハンカチやアクセサリー、コスメなど、お菓子以外のプレゼントも人気です。

いくら返す? よく聞くのが「3倍返し」。もらった物の2〜3倍の値段で返すべきだ、という言い方です。でも実際の調査を見ると、そうとも限りません。2016年に阪神百貨店梅田本店が行ったアンケートでは、男性が考えるお返しの予算は「もらった額と同じくらい」が33%でいちばん多く、「2倍」が27%、「1.5倍」が25%でした。

同じ調査では、ちょっと耳の痛い結果も出ています。お返しに「がっかりしたことがある」と答えた女性は45%。そして85%の女性が「事前に好みを調べてほしい」と答えました。値段より、相手のことを考えたかどうかが大事、ということかもしれません。

だれに返す? 恋人や家族はもちろん、職場の同僚や学校の友だちに、まとめてお菓子を配る人も多くいます。いわゆる「義理チョコ」へのお返しです。女性どうしで贈り合う「友チョコ」が広がってからは、女性が女性にお返しをする光景もふつうになりました。

お店では、3月に入るとデパートに特設の売り場ができ、駅の売店やコンビニにもお返し用の小さなお菓子が並びます。手焼きクッキーを店頭で売る店も増えました。

ちなみに、お返しを選ぶときは「何を渡すか」より「どう渡すか」が印象に残ることもあります。短いメッセージカードを1枚つけるだけで、気持ちはぐっと伝わりやすくなります。

🎁 シンボルと小物

🍬キャンデー(飴)candy

全飴協が「キャンデーの日」として広めた、ホワイトデーの定番。

☁️マシュマロmarshmallow

福岡の石村萬盛堂が「マシュマロデー」として売り出した、もう一つの元祖。

🤍白the color white

純潔、砂糖、白いお菓子のイメージ。名前の由来にはいくつかの説がある。

🎁お返しreturn gift

日本の贈り物文化の「お返し」の考え方が、この日の中心にある。

💌メッセージカードmessage card

お菓子に添えるひと言。気持ちを伝える小さな道具。

🧺キャンデーのかごcandy basket

韓国のホワイトデーで定番の、キャンデーを山もりにしたギフト。

🍽️ この日の食べ物

🍭キャンデーcandy

かたくて長持ちすることから、関係が長く続くようにという意味をこめる人もいる。

☁️マシュマロmarshmallows

チョコをマシュマロで包んだお菓子が、マシュマロデーの始まりとされる。

🍪クッキーcookies

職場や学校でまとめて配りやすい定番。手焼きクッキーの売り場も増えた。

🍫ホワイトチョコレートwhite chocolate

「ホワイト」の名前にぴったりのお菓子として、菓子会社が売り出した。

🍜チャジャンミョンjajangmyeon

韓国で4月14日の「ブラックデー」に食べる、黒いみそソースの麺。

5海外にホワイトデーはある?アジアに広がった「お返しの日」

ホワイトデーは、日本から海を渡っためずらしい行事です。

韓国では「ファイトゥデイ(화이트데이)」と呼ばれ、日本と同じく3月14日に男性が女性にキャンデーを贈ります。キャンデーをかごに山もりにして、リボンや花でかざった豪華なギフトが定番です。さらに韓国には続きがあります。4月14日は「ブラックデー」。バレンタインにもホワイトデーにも縁がなかった人たちが集まり、黒いみそのソースの麺「チャジャンミョン」を食べる日です。毎月14日に何かの「デー」がある、と言われるほどです。

台湾や香港では「白色情人節(ホワイト・バレンタイン)」、中国では「白色情人节」と呼ばれます。中国語の名前は「白い恋人の日」という意味で、日本の習慣を取り入れた日として紹介されています。ベトナムなど東南アジアの一部にも広がっています。

いっぽう、アメリカやヨーロッパにはホワイトデーがありません。欧米のバレンタインデーは、男性から女性へ、あるいはお互いに花やカードを贈る日です。お返しの日を別につくる必要がなかったのです。日本でホワイトデーの話をすると、英語圏の人に驚かれることがよくあります。

ただ、「お菓子屋さんが記念日をつくる」のは日本だけではありません。アメリカ中西部には、1921年にクリーブランドで12人の菓子職人の委員会が企画したとされる「スウィーテスト・デー」があり、今も10月の第3土曜日にお菓子を贈る人がいます。

そして3月14日は、世界では「円周率の日(パイ・デー)」。3.14にちなんで、アメリカの学校ではパイを食べて円周率を祝います。

6今の日本のホワイトデー:義理チョコが減って、どう変わる?

ホワイトデーの姿は、バレンタインデーの変化とともに動いてきました。

1980年代から90年代にかけては、職場で女性がチョコを配り、男性がまとめてお返しをする「義理チョコ」の文化が広がりました。ホワイトデーは、その「帳尻を合わせる日」として大きな市場になりました。

ところが2010年代の後半になると、職場で義理チョコを配る習慣が見直されるようになり、ホワイトデーの売り上げにも影響が出ていると言われます。英語版の百科事典でも、義理チョコの売り上げ減少や男女の役割の変化と結びつけて、ホワイトデーの人気がかげってきたことが紹介されています。

かわりに増えているのが、さまざまな「お返し」の形です。

・友チョコのお返し:女性どうしで、友だちにお菓子を返す。
・家族へのお返し:子どもが母親や祖母にお返しをする。
・自分へのごほうび:だれかのためではなく、自分のために少し高いお菓子を買う。

また、「お返しは物でなくてもいい」と考える人も増えています。食事に誘う、手紙を書く、家事を代わる。形にとらわれない感謝の伝え方です。

ホワイトデーは、菓子業界のキャンペーンから生まれた行事です。でも、40年以上続くうちに、「もらったら、ちゃんとお礼を伝えよう」という日本人の感覚にしっかり根を下ろしました。お礼の気持ちを形にする日、と考えれば、だれにとっても使える日になります。

7よくある誤解とホント:マシュマロは「嫌い」のサイン?

誤解1:ホワイトデーは世界中にある。 ホントは日本生まれで、広がったのは韓国・台湾・中国など東アジアと東南アジアの一部だけです。欧米ではほとんど知られていません。英語の White Day という言葉も、日本の行事を説明するときに使われる言葉です。

誤解2:お菓子の種類に意味がある。マシュマロは「あなたが嫌い」。 ネットでは「キャンデー=好き」「クッキー=友だち」「マシュマロ=嫌い」という表がよく出回ります。でも、こうした「お菓子言葉」に決まった由来はありません。「マシュマロデー」を始めた石村萬盛堂は、2016年の報道で「マシュマロ=嫌い」という説に反論しています。そもそも、マシュマロをお返しの定番にしようとよびかけたのがこの店でした。

誤解3:3倍返しがルール。 これは決まりではなく、言い回しにすぎません。2016年のデパートの調査では、男性のお返しの予算は「もらった額と同じくらい」がいちばん多い答えでした。

誤解4:ある一つの会社が考えた。 全国飴菓子工業協同組合、福岡の石村萬盛堂、ほかの製菓会社など、「うちが元祖」と名乗る人は複数います。どれも自分たちの記録を持っていて、一つにしぼることはできません。公平に言えば「1970年代後半に日本の菓子業界から生まれた」です。

誤解5:3月14日の日付には古い言い伝えがある。 全飴協はローマの恋人たちの話を由来にあげていますが、これは伝説で、歴史の記録で確かめられるものではありません。実際には「バレンタインのちょうど1か月後」というわかりやすさが決め手だったと考えるのが自然です。

💡Fun Factsホワイトデーの豆知識 10連発

No.1

全国飴菓子工業協同組合は、1978年6月に名古屋で開いた総会で「ホワイトデー(3月14日)はキャンデーの日」と決めた。第1回は1980年で、会場は銀座の三越だった。

In 1978, Japanese candy makers chose March 14 as Candy Day. The first event was in 1980 at a store in Ginza.

No.2

お返しの日には、かつて「ポピーデー」「フラワーデー」「クッキーデー」という名前もあった。勝ち残ったのが「ホワイトデー」。

The return gift day once had names like Cookie Day and Flower Day. White Day won.

No.3

名前を決めるとき、英和辞典でホワイトを引くとシュガーが出てきて、シュガーからキャンデーへ……と連想でつないだ、という裏話がある。

One candy maker looked up white in a dictionary and found sugar. Then sugar led to candy.

No.4

石村萬盛堂のマシュマロデーのお菓子は、チョコをマシュマロで包んだもの。「もらったチョコを、やさしさで包んで返す」という意味だったと紹介されている。

One shop in Fukuoka sold marshmallows with chocolate inside. The idea was to wrap her chocolate in his kindness.

No.5

「ホワイトデー」という言葉は、ある時期、個人が商標登録していたことがあったと全飴協の座談会で語られている。組合は特許庁とかけあい、みんなが使える言葉にした。

For a while, one person owned the name White Day as a trademark. The candy makers worked to make it free for everyone.

No.6

日本で確認できる最も古い「バレンタインにチョコを」の広告は、1936年に神戸のモロゾフ製菓が英字新聞に出したものとされる。

The oldest known Valentine chocolate ad in Japan was in 1936. It was in an English newspaper.

No.7

韓国では4月14日が「ブラックデー」。バレンタインにもホワイトデーにも縁がなかった人が、黒いソースの麺チャジャンミョンを食べる。

In Korea, April 14 is Black Day. Single people eat noodles with black sauce.

No.8

3月14日はアインシュタインの誕生日(1879年)で、円周率3.14にちなむ「パイ・デー」でもある。1988年、サンフランシスコの科学館で始まった。

Albert Einstein was born on March 14, 1879. March 14 is also Pi Day, because pi starts with 3.14.

No.9

アメリカにも、菓子職人がつくった記念日がある。10月第3土曜日の「スウィーテスト・デー」で、1921年にクリーブランドで12人の菓子職人の委員会が企画したとされる。

The United States also has a day made by candy makers. It is called Sweetest Day and started in Cleveland.

No.10

2016年の阪神百貨店梅田本店の調査では、女性の85%が「お返しの前に好みを調べてほしい」と答えた。

In a 2016 survey, 85 percent of women wanted men to find out what they like before buying a gift.

▶️Videos & Linksホワイトデーの動画とリンク集

What’s “White” about Japanese White Day?Let's ask Shogo | Your Japanese Friend in Kyoto

Cotton Candy (코튼캔디) - 'White Day (선물)' Lyrics Color Coded [Han/Rom/Eng] (IDOL: The Coup)KINOGYUL 키노결 (Official YouTube Channel)

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