Star Wars Day

スター・ウォーズの日(May the 4th)の由来と歴史(詳しく)

いつから?なぜ?名前の意味は? スター・ウォーズの日(May the 4th)の本当の話を、確かな資料でたどります。

1スター・ウォーズの日の由来:Force と Fourth のダジャレ

声に出して言ってみてください。Force(フォース)、Fourth(フォース)。日本語で書くと、まったく同じです。英語でも、違うのは最後の音だけ。Force は「ス(s)」、Fourth は舌を歯ではさむ「th」の音です。

1977年に公開された映画『スター・ウォーズ』で、登場人物たちは別れぎわにこう言います。May the Force be with you.(フォースと共にあらんことを)。フォースとは、この世界に満ちている目に見えない力のこと。「幸運を祈る」「無事でいて」という意味のあいさつです。

このセリフは、アメリカ映画協会(AFI)が2005年に選んだ「映画の名ゼリフ100」で8位に入りました。それほど有名な一言です。

そして英語では、5月4日を May the fourth(5月の4日目)と言うことができます。May the Force be with you の Force を Fourth に入れかえると、May the Fourth be with you.(5月4日があなたと共にありますように)。こうして5月4日がスター・ウォーズの日になりました。

映画会社が決めた日ではありません。ファンのあいだで自然に広まった「ダジャレの記念日」です。日本の「11月22日=いい夫婦の日」のような語呂合わせが、英語にもあるのです。3月14日を円周率3.14にかけた「パイの日」と並んで、英語圏の語呂合わせ記念日の代表選手です。

スター・ウォーズの日(May the 4th)(Star Wars Day)のイラスト

2スター・ウォーズの日の歴史:1979年の新聞広告からディズニー公認まで

このダジャレが記録に残る最初は、1979年のロンドンです。5月3日はイギリスの総選挙の日。保守党のマーガレット・サッチャーが勝てば、イギリス初の女性首相が生まれます。

その日の夕刊紙『イブニング・ニューズ』の13ページに、半ページの広告がのりました。文面は「Dear Maggie, May the Fourth Be With You. Your Party Workers.(親愛なるマギーへ May the Fourth Be With You 党の仲間より)」。マギーはサッチャーの愛称です。開票の結果が出る前に、翌日の5月4日に向けて応援を送った広告でした。そして本当に、5月4日に保守党の勝利が決まります。

その後もダジャレはときどき顔を出しました。1988年にはイギリスのアニメ『カウント・ダックラ』のせりふに、1994年5月4日にはイギリス議会の国防の討論に登場しています。2008年ごろには、フェイスブックにこの日を祝うファンのグループが現れました。

最初の本格的なイベントは2011年、カナダのトロント。映画館トロント・アンダーグラウンド・シネマで、旧3部作のクイズ大会や仮装コンテストが開かれました。

2012年末、ディズニーがスター・ウォーズを作ったルーカスフィルムを買収します。2013年からはディズニーランドやウォルト・ディズニー・ワールドでも、公式にこの日を祝うようになりました。ファンのダジャレが、世界的な企業の記念日になったのです。

🕰️ スター・ウォーズの日(May the 4th)の年表

  1. 1958年黒澤明(くろさわあきら)監督『隠し砦の三悪人』公開。のちにスター・ウォーズに大きな影響を与える。
  2. 1977年5月25日映画『スター・ウォーズ』がアメリカで公開。最初はわずか32館だった。
  3. 1978年日本で6月24日に先行上映、7月1日に一般公開。
  4. 1979年5月3日イギリス総選挙の日、ロンドンの夕刊紙に「May the Fourth Be With You」の広告。記録に残る最初の例。
  5. 1988年イギリスのアニメ『カウント・ダックラ』にこのダジャレが登場。
  6. 1994年5月4日イギリス議会の国防の討論でもこのダジャレが使われる。
  7. 2005年AFIの「映画の名ゼリフ100」で May the Force be with you. が8位に。
  8. 2007年公開30周年。ロサンゼルス市議会が5月25日をスター・ウォーズの日と宣言。
  9. 2011年5月4日カナダ・トロントの映画館で、最初の本格的なスター・ウォーズの日のイベント。
  10. 2012年ディズニーがルーカスフィルムを買収。
  11. 2013年ディズニーのテーマパークで、公式にスター・ウォーズの日を祝い始める。
  12. 2021年日本のアニメスタジオによる『スター・ウォーズ:ビジョンズ』配信。

3「May the Force be with you」の意味:may で始まる「祈りの英語」

May the Force be with you. を、中学で習う英語で分解してみましょう。

普通 may は「〜かもしれない」「〜してもよい」です。でも、文のいちばん前に may を置くと、「〜でありますように」という祈りの文になります。May you be happy.(あなたが幸せでありますように)と同じ形です。だから May the Force be with you. は「フォースがあなたと共にありますように」。日本語の字幕では「フォースと共にあらんことを」という古風な訳が定着しました。

動詞が is ではなく be になっているのは、may が助動詞だからです。can や will と同じで、助動詞のあとの動詞は原形になります。ちなみに may を使わない祈りの文もあります。God bless you.(神のご加護を)は、主語が God なのに bless が blesses になりません。これも「〜でありますように」を表す、少し古い英語の形です。

映画には、ほかにも英語の勉強になるキャラクターがいます。ジェダイの師匠ヨーダは、言葉の順番がふつうとちがいます。You are strong. ではなく Strong, you are. のように話すのです。わざと語順をくずして、不思議な賢者らしさを出しています。

「ジェダイ(Jedi)」という言葉の由来には、いくつもの説があります。日本の「時代劇(jidaigeki)」から来たという説が有名ですが、SF小説の言葉から来たという説などもあり、はっきりとはわかっていません。

4海外のスター・ウォーズの日の過ごし方:仮装、ライトセーバー、そして5日の「逆襲」

5月4日、アメリカの野球場ではふしぎな光景が見られます。マイナーリーグのトレド・マッドヘンズの選手は、毛むくじゃらのチューバッカ柄のユニフォーム。ダーラム・ブルズはR2-D2柄のユニフォームで試合をしたことがあります。大リーグやサッカー、大学のチームも、この日に合わせたイベントを開いてきました。

ファンは映画を最初から最後まで見続けたり、ジェダイやストームトルーパーの仮装をしたり、おもちゃのライトセーバーをふり回したりします。SNSには May the 4th be with you! のあいさつがあふれます。

2015年には、国際宇宙ステーションの宇宙飛行士たちが『スター・ウォーズ』を見て過ごしました。同じ年、カナダの首都オタワでは、国会議事堂の「平和の塔」の鐘が、悪役ダース・ベイダーのテーマ曲「帝国のマーチ」を奏でました。

ディズニーの動画配信サービスでも、5月4日は新作の発表日です。2020年にはアニメ『クローン・ウォーズ』の最終話、2021年には『バッド・バッチ』、2024年には『テイルズ・オブ・ジ・エンパイア』が、この日に配信されました。

お祭りは4日で終わりません。5月5日は「Revenge of the Fifth(5日の逆襲)」。映画『シスの復讐(Revenge of the Sith)』の Sith と Fifth をかけたダジャレで、ダース・ベイダーなど悪役をたたえる日です。Sith と音が近い Sixth をとって、5月6日を「Revenge of the Sixth」とする人もいます。

さらに5月25日は、1977年に1作目が公開された日。2007年には、ロサンゼルス市議会がこの日を「スター・ウォーズの日」と宣言しました。

🎁 シンボルと小物

⚔️ライトセーバーlightsaber

光の刃の剣。ジェダイの武器で、おもちゃのライトセーバーはこの日の定番アイテム。

🤖ドロイド(ロボット)droid

C-3POとR2-D2。黒澤明の時代劇の2人の百姓がモデルになった名コンビ。

🪖ダース・ベイダーのマスクDarth Vader's helmet

呼吸用マスクと侍のかぶとを組み合わせたデザイン。5月5日の「逆襲の日」の主役。

🧙ジェダイJedi

フォースを使う騎士たち。名前の由来は「時代劇」説など諸説ある。

🌌銀河galaxy

物語の舞台は「遠い昔、はるかかなたの銀河系」。

📰1979年の新聞広告newspaper ad

ダジャレの最初の記録。ロンドンの夕刊紙の13ページにのった半ページの広告。

🐻チューバッカChewbacca

毛むくじゃらの相棒。アメリカの野球チームが、この日にチューバッカ柄のユニフォームを着たことも。

🍽️ この日の食べ物

🍪キャラクターのクッキーStar Wars cookies

ヨーダやR2-D2の形に焼いたクッキー。この日のパーティーで手作りするファンもいる。

🥛ブルーミルクblue milk

1作目で主人公ルークの家の食卓に出てくる青い牛乳。食紅などで再現して楽しむファンもいる。

🍿ポップコーンpopcorn

映画を一気に見るマラソン鑑賞のおとも。

5日本とスター・ウォーズ:黒澤明の時代劇から生まれた?

スター・ウォーズは、実は日本と深いつながりがあります。

ジョージ・ルーカス監督は、黒澤明監督の時代劇『隠し砦の三悪人』(1958年)から大きな影響を受けたと認めています。特に、物語をいちばん身分の低い人物の目線で語るところ。おしゃべりなロボットC-3POと小さなR2-D2のコンビは、この映画で言い争いながら旅をする2人の百姓、太平と又七がもとになっています。レイア姫には、雪姫というモデルがいます。

ダース・ベイダーの黒いマスクは、デザイナーのラルフ・マッカリーが、呼吸用のマスクと侍のかぶとを組み合わせて生み出しました。三船敏郎のもとには、オビ=ワン・ケノービかダース・ベイダーの役で出演の話があったものの、断ったという話も伝わっています(娘の証言による)。

日本での公開は1978年。6月24日に先行上映、7月1日から一般公開されました。最初の邦題の案は『惑星大戦争』でしたが使われず、この題名はのちに別の日本映画に回されました。プレミア上映では観客がとても静かで、製作側は「受けなかったのか」と心配したそうです。日本では静かに見るのが敬意の表れだと聞いて、ほっとしたと伝えられています。

2021年には、アニメのオムニバス『スター・ウォーズ:ビジョンズ』が配信されました。第1弾の9話はすべて、トリガーやプロダクションI.Gなど日本のアニメスタジオが制作しています。

そして日本の5月4日は、国民の祝日「みどりの日」。学校も会社も休みなので、日本のファンは映画を一日じゅう見ることもできるのです。

6スター・ウォーズの日のよくある誤解とホント

誤解1:「1979年、サッチャーの首相就任を祝う広告が5月4日の新聞にのった」
いちばんよく紹介される話です。1980年の本で「5月4日に May the Fourth Be With You, Maggie. Congratulations.(おめでとう)という半ページ広告が出た」と書かれ、のちに公式サイトの記事でも繰り返されました。でも、研究者のW・R・ミラーが古い新聞を調べると、見つかったのは5月3日、選挙の当日の広告だけ。文面も「Dear Maggie, May the Fourth Be With You. Your Party Workers.」で、「おめでとう」の言葉はありませんでした。サッチャーの写真入りの「お祝い広告」の画像もネットに出回っていますが、本物とは確認されていません。

誤解2:「ルーカスフィルムが決めた公式の記念日」
ルーカスフィルムが作った日ではありません。ファンが自然に祝い始め、あとからルーカスフィルムとディズニーが公式に祝うようになった、という順番です。

誤解3:「スター・ウォーズの公開日だから5月4日」
1作目のアメリカ公開は1977年5月25日です。5月4日は、あくまでダジャレの日です。

誤解4:「Force と Fourth は同じ発音」
日本語では同じ「フォース」でも、英語では最後の音がちがいます。Force は s、Fourth は th。この小さなちがいが、ダジャレのおもしろさです。

💡Fun Factsスター・ウォーズの日(May the 4th)の豆知識 10連発

No.1

1979年の最初の広告は、よく言われる「就任のお祝い」ではありませんでした。選挙当日の5月3日に、結果が出る前に出された応援広告です。

The first May the Fourth ad came out on May 3, 1979. It was before the election results.

No.2

2001年のイギリス(イングランドとウェールズ)の国勢調査で、宗教欄に「ジェダイ」と書いた人は39万127人。人口の約0.8%でした。

In 2001, about 390,000 people in England and Wales wrote Jedi as their religion.

No.3

1作目がアメリカで公開されたとき、上映館はわずか32館でした。

When the first movie came out in 1977, only 32 theaters showed it at first.

No.4

日本での最初の邦題の案は『惑星大戦争』。使われなかったこの題名は、1977年の別の日本映画のタイトルになりました。

The first Japanese title idea was Planet Great War. Another Japanese movie used it instead.

No.5

C-3POとR2-D2のモデルは、黒澤明『隠し砦の三悪人』(1958年)で言い争いながら旅をする2人の百姓です。

C-3PO and R2-D2 are based on two farmers in a 1958 Japanese movie.

No.6

ダース・ベイダーのマスクは、呼吸用マスクと侍のかぶとを組み合わせたデザインから生まれました。

Darth Vader's mask mixes a breathing mask and a samurai helmet.

No.7

5月5日は「Revenge of the Fifth(5日の逆襲)」。悪役をたたえる日です。映画『シスの復讐(Revenge of the Sith)』のダジャレです。

May 5 is Revenge of the Fifth. It is a day for the bad guys.

No.8

2015年、カナダの国会議事堂の「平和の塔」の鐘で、ダース・ベイダーのテーマ「帝国のマーチ」が演奏されました。

In 2015, the bells of Canada's Peace Tower played Darth Vader's music.

No.9

May the Force be with you. は、アメリカ映画協会の「映画の名ゼリフ100」で8位に選ばれています。

May the Force be with you is number 8 on a famous list of movie lines.

No.10

2021年の『スター・ウォーズ:ビジョンズ』第1弾は、7つの日本のアニメスタジオが9話を作りました。

In 2021, seven Japanese anime studios made nine short Star Wars stories.

▶️Videos & Linksスター・ウォーズの日(May the 4th)の動画とリンク集

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