
May Day
メーデー・五月祭の由来と歴史(詳しく)
いつから?なぜ?名前の意味は? メーデー・五月祭の本当の話を、確かな資料でたどります。
1メーデーの由来:花の女神と「夏の始まり」の祭り
ヨーロッパの昔の暦では、5月1日は「夏の始まり」でした。冬が終わり、花が咲き、家畜を外の牧場に出す季節です。
古代ローマには、花の女神フローラをたたえる「フロラリア祭」があり、共和政の時代には4月27日から5月3日まで続きました。アイルランドやスコットランドのケルトの人々は、5月1日を「ベルテイン」という火祭りの日として祝いました。ドイツなどでは、前の晩の4月30日が「ヴァルプルギスの夜」。魔女たちが山に集まる夜という伝説があります。
イギリスでは、村の広場に高い柱「メイポール」を立てて、そのまわりで踊るようになりました。記録に残るいちばん古いメイポールは14世紀のものです。1515年5月1日には、国王ヘンリー8世が王妃と一緒に「メイイング(5月の野遊び)」に出かけた記録もあります。ところが17世紀、厳格なピューリタンが力をもつと、1644年4月8日の議会の命令で、メイポールは「異教のむなしい飾り」として禁止されてしまいます。五月祭が復活したのは、1660年の王政復古のときでした。

2労働者の日の歴史:シカゴの「1日8時間」から世界へ
産業革命のころのイギリスでは、1日10〜16時間、週6日働くことも珍しくありませんでした。1817年、実業家ロバート・オーウェンは「8時間の労働、8時間の楽しみ、8時間の休息」をかかげます。
そして1886年5月1日、「1日8時間労働」を求めて、アメリカ各地で大規模なストライキが始まります。
5月4日、シカゴのヘイマーケット広場で、ストライキを支持する集会が開かれました。警官隊が解散させようとしたとき、だれかが爆弾を投げ、警官隊は発砲しました。警官7人と、少なくとも4人の市民が亡くなります。「ヘイマーケット事件」です。
3年後の1889年、パリに世界の労働運動の代表が集まり、8時間労働を求める国際的なデモを行うことを決めました。そして1890年5月1日、アメリカとヨーロッパの多くの国で、いっせいにデモが行われます。これが「労働者の日」としてのメーデーの始まりです。
おもしろいことに、始まりの国アメリカの「レイバー・デー(労働者の日)」は5月ではなく、9月の第1月曜日です。1894年に国の祝日になりました。
🕰️ メーデー・五月祭の年表
- 古代ローマ花の女神フローラの祭り「フロラリア」が4月27日〜5月3日に行われる。
- 14世紀イギリスでメイポールの最古の記録。
- 1561年フランス国王シャルル9世がスズランを宮廷の女性に配ったと伝わる。
- 1886年5月1日、アメリカで8時間労働を求めるストライキ。5月4日にシカゴでヘイマーケット事件。
- 1890年5月1日、アメリカとヨーロッパで最初の国際的なメーデーのデモ。
- 1920年5月2日、東京・上野公園で日本初のメーデー。約1万人が参加。
3海外のメーデー:国が変われば5月1日も変わる
イギリスのオックスフォードでは、5月1日の朝6時、モードリン・カレッジの塔の上から聖歌隊が歌を響かせます。塔の下には大勢の人が集まって、静かに耳をかたむけます。
フランスでは、家族や友だちにスズラン(ミュゲ)を贈ります。1561年5月1日、国王シャルル9世が幸運のお守りとしてスズランを受け取り、宮廷の女性たちに配ったのが始まりと言われます。この日だけは、だれでも税金なしで道ばたでスズランを売ることができます。
ドイツでは村の広場に、リボンや飾りをつけた大きな木の柱「マイバウム」が立ちます。フィンランドの「ヴァップ」は国の5大祝日のひとつで、4月30日から5月1日にかけて、カーニバルのように町じゅうが盛り上がります。ハワイの5月1日は「レイ・デー」。1927年に始まり、花の首飾り「レイ」のコンテストや学校の発表が行われます。
🎁 シンボルと小物
広場に立てる高い柱。リボンを持って踊ると、柱に模様が編まれていきます。リボンの踊りは19世紀に加わりました。
ハワイでは5月1日が「レイ・デー」。花の首飾りのコンテストが開かれます。
フランスで5月1日に贈る幸運の花。この日は税金なしで売れます。
よりよい働き方を求めて、労働組合が町を行進します。
4日本のメーデー:1920年の上野公園から
日本で最初のメーデーは、1920年(大正9年)5月2日の日曜日、東京の上野公園で開かれました。参加者は約1万人。翌年からは5月1日に開かれるようになります。
ところが1936年、二・二六事件のあと、国はメーデーを禁止します。再び開かれたのは戦争が終わった翌年、1946年です。「働けるだけ喰わせろ」というスローガンのもと、全国で100万人、皇居前の広場に50万人が集まったとされます。
今の日本では、5月1日は祝日ではありません。ゴールデンウィークのまん中の平日です。そのため、大きな労働組合の集まりである連合は、2001年から4月の最終土曜日などにメーデーの大会を開くようになりました。一方で、5月1日に開き続けている団体もあります。
5メーデーのよくある誤解とホントのところ
誤解1:遭難信号の「メーデー!」は5月1日のこと
ホント:まったく別の言葉です。1923年ごろ、ロンドンのクロイドン空港の無線係フレデリック・モックフォードが考えました。当時はパリとの間の飛行機が多かったので、フランス語の m'aider(メデ=助けて)に音を似せたのです。3回続けて「メーデー、メーデー、メーデー」と言うのが決まりです。
誤解2:メーデーは労働運動だけの日
ホント:ヨーロッパでは、労働者の日ができるずっと前から、5月1日は春を祝う日でした。今もメイポールの踊りと労働者のデモが、同じ日に行われている国があります。
誤解3:リボンを編むメイポールの踊りは大昔から
ホント:柱にリボンをつけて編むように踊る形は、19世紀に加わった比較的新しいものです。劇場の演出などの影響があったと考えられています。
💡Fun Factsメーデー・五月祭の豆知識 6連発
遭難信号の「メーデー」は、フランス語の m'aider(助けて)に音を似せて1923年ごろに作られた言葉で、5月1日とは関係ありません。
The emergency call Mayday comes from French words that mean help me.
フランスでは5月1日だけ、だれでも税金なしでスズランを売ることができます。
In France, anyone can sell lily of the valley flowers on May 1 without paying tax.
労働者のメーデーはアメリカで始まったのに、アメリカの労働者の日(レイバー・デー)は9月です。
May Day for workers started in the United States, but America's Labor Day is in September.
日本初のメーデーは1920年5月2日。5月1日ではなく、日曜日に開かれました。
Japan's first May Day was on May 2, 1920, a Sunday.
1955年、ローマ教皇ピウス12世は5月1日を「労働者聖ヨセフ」の祝日にしました。
In 1955, the Pope made May 1 a day for Saint Joseph the Worker.
ハワイのレイ・デーは1927年に始まりました。「メーデーはレイ・デー」という言葉は、グレース・タワー・ウォレンという女性の提案から生まれたとされます。
In Hawaii, people say May Day is Lei Day.
▶️Videos & Linksメーデー・五月祭の動画とリンク集
What is May Day?Tasting History with Max Miller
The May Pole traditionCBS Sunday Morning
The Pagan Traditions of May Day & Morris DancingTimeline - World History Documentaries

