
New Year's Day in Japan (Shogatsu)
元日・お正月の由来と歴史(詳しく)
いつから?なぜ?名前の意味は? 元日・お正月の本当の話を、確かな資料でたどります。
1元日・お正月の由来:門松は「神さまの目印」だった
玄関の門松は、ただの飾りではありません。昔の人にとっては、空から降りてくる神さまのための目印でした。
お正月に家々を訪れると考えられてきたのが「年神(としがみ)さま」、または「歳神さま」です。新しい年の実りや家族の幸せを運んでくる神さまで、ご先祖さまの霊と重ねて考える地域もあります。お正月の行事の多くは、この年神さまを迎えて、もてなして、送り出すための流れになっています。
たとえば門松やしめ飾りは、年神さまが迷わず家に来られるようにする目印であり、家を清めたしるしです。鏡もちは年神さまへのお供え。大みそかに大掃除をするのも、神さまを迎える前に家を清めるためだと言われます。
お年玉の名前も、この神さまと関係があるという説があります。年神さまに供えた丸いもちを、家の主人が子どもたちに分けた。そのもちが神さまの力の宿った「年魂(としだま)」で、それがお年玉になった、という説です。「年賜(としだま)=年のはじめの贈り物」から来たという説もあり、どちらか一つに決まってはいません。
もう一つ、日本のお正月は「春のはじまり」でもありました。昔の暦では、お正月は今の1月下旬から2月ごろ。梅のつぼみがふくらむ時期です。年賀状に今も「迎春」「新春」と書くのは、その名残です。

2元日の歴史:1873年、お正月が約1か月早くなった
明治5年(1872年)の12月は、たった2日で終わりました。
明治政府はこの年の11月、それまでの月の満ち欠けを使う暦(旧暦)をやめ、欧米と同じ太陽暦に切りかえると発表しました。そして明治5年12月3日が、いきなり明治6年1月1日になったのです。国立国会図書館の電子展示「日本の暦」も、準備の時間がほとんどなかったと伝えています。年末の準備をしていた人々は、さぞ驚いたことでしょう。
これ以来、日本のお正月は太陽暦の1月1日になりました。旧暦の正月はおおよそ1月下旬〜2月中旬にあたるので、お正月がそれまでより約1か月早まったことになります。中国や韓国、ベトナムが今も旧暦の正月(春節・ソルラル・テト)を大きく祝うのに、日本だけが1月1日をいちばん大きなお正月として祝うのはこのためです。
戦前の1月は祝日だらけでした。1月1日は「四方節(しほうせつ)」、3日は「元始祭」、5日は「新年宴会」がいずれも休日。四方節の名前は、元日の早朝に天皇が四方の神々を拝む宮中の儀式「四方拝(しほうはい)」から来ています。四方拝は今も宮中で続いていて、宮内庁は「年中最初の行事」と紹介しています。
戦後の1948年、「国民の祝日に関する法律」ができて、1月1日は「元日」という祝日になりました。その説明は「年のはじめを祝う。」のひと言だけ。元始祭と新年宴会は祝日から外れました。今、1月2日と3日に役所が閉まっているのは祝日だからではなく、「行政機関の休日に関する法律」で12月29日〜1月3日を休みと決めているからです。
🕰️ 元日・お正月の年表
- 1364年ごろ(室町時代)「雑煮」という言葉が日記に登場。今わかる最も古い記録とされる。
- 江戸時代江戸では愛宕山(あたごやま)や湯島が初日の出の名所に。おせちのもとになるお供え(食積)が飾られる。
- 1872年(明治5年)11月政府が太陽暦への切りかえを発表。明治5年12月は2日間で終わることに。
- 1873年(明治6年)1月1日日本のお正月が太陽暦の1月1日になる。旧暦の正月より約1か月早くなった。
- 1899年(明治32年)年賀状を元日に配達する「年賀郵便特別取扱」が一部の郵便局で始まる。
- 1927〜1948年(昭和2〜23年)1月1日の四方節、3日の元始祭、5日の新年宴会が国の休日だった。
- 1948年(昭和23年)7月「国民の祝日に関する法律」ができ、1月1日は「年のはじめを祝う」元日に。
- 1949年(昭和24年)12月お年玉付き年賀はがきが発売。最初の特等の賞品はミシン。
- 昭和30年代(1955年ごろ〜)お年玉に現金を贈るのが一般的になっていく。
- 1988年(昭和63年)「行政機関の休日に関する法律」で、12月29日〜1月3日が役所の休日に。
- 2026年(令和8年)1月2日皇居で新年一般参賀。天皇皇后両陛下が長和殿のベランダに5回お出ましの予定とされた。
3「元日」と「元旦」の違い:英語では何と言う?
「元旦は1月1日のこと」と思っていませんか。実はちょっと違います。
「元日」は1月1日という一日まるごとのこと。「元旦」は、その元日の朝のことです。「旦」という字は、地平線(一)の上に太陽(日)がのぼる形からできた字だと説明されます。ですから「元旦の夜」という言い方は、本来はおかしな表現になります。年賀状の「元旦」は、「この手紙を元日の朝に読んでもらう」という気持ちで書くものです。
「お正月」はもっと長い期間を指します。正月はもともと1年の最初の月、つまり1月全体のこと。普通は1月1日〜3日の「三が日」、または門松を飾っておく「松の内」(1月7日まで、関西などでは15日まで)を言うことが多いです。
英語では、元日は New Year's Day、お正月は the New Year holidays や Japanese New Year と言います。日本の行事として紹介するときは、そのまま Shogatsu や Oshogatsu と言い、"It's the biggest holiday in Japan." のように一言そえるとよく伝わります。
あいさつの「あけましておめでとうございます」は、"Happy New Year!" でOK。ただし日本語では、この言葉は年が明けてから使うのがルールです。大みそかに言うなら「よいお年を」、英語なら "Have a happy New Year!" や "See you next year!" がぴったりです。
4お正月の過ごし方:初日の出・おせち・お雑煮・年賀状・お年玉
元日の朝6時40分すぎ、富士山の山頂では、日本の4つの大きな島でいちばん早い初日の出が見られます。平地でいちばん早いのは千葉県の犬吠埼(いぬぼうさき)で、6時46分ごろです(離島をのぞく)。日本の領土で最も早いのは東京から1,800km以上離れた南鳥島で、5時27分ごろ。ただし一般の人は行けません。初日の出を拝む習慣が全国に広まったのは明治以降と言われ、江戸では愛宕山や湯島が名所でした。
朝ごはんはおせち料理です。「おせち」は「御節供(おせちく)」の略で、もとは季節の節目に神さまに供える料理のこと。重箱に詰めるようになったのは明治以降とされ、戦後にデパートが豪華なおせちを売り出して全国に広まりました。どの料理にも願いがこもっています。黒豆は「まめ(元気)に働けるように」、数の子は「子孫がたくさん栄えるように」、田作りは「五万米(ごまめ)」と書いて豊作の願い。昆布巻きは「喜ぶ」、腰の曲がったえびは長生きのしるしです。
もう一つの主役がお雑煮。「雑煮」という言葉が出てくる最も古い記録は、室町時代の1364年ごろの日記だそうです。ざっくり言うと東日本は焼いた角もち+すまし汁、西日本は煮た丸もち+みそ仕立て。香川県の一部ではあんこ入りのもちを白みそで、鳥取県では小豆の汁で、岩手県の三陸ではくるみだれにつけて食べます。
郵便受けには年賀状が届きます。1949年12月には「お年玉付き年賀はがき」が登場しました。考えたのは民間人で、最初の特等の賞品はミシンでした。
そして子どもたちのお楽しみ、お年玉。昔は刀や扇、薬などの品物を贈ることもありましたが、現金が当たり前になったのは昭和30年代からと言われます。
🎁 シンボルと小物
玄関の両わきに立てる松と竹の飾り。年神さまが降りてくるための目印とされる。
わらで編んだ縄に紙垂(しで)などをつけた飾り。ここが清められた場所だというしるし。
大小2つの丸いもちを重ね、上にだいだいをのせる。年神さまへのお供え。1月11日ごろの鏡開きで食べる。
元日の朝の日の出。山頂や海辺で見る人が多い。全国に広まったのは明治以降と言われる。
新年のあいさつのはがき。年末に出すと元日にまとめて届く、日本ならではのしくみ。
大人が子どもに贈るお金。ぽち袋という小さな封筒に入れる。
お正月の昔ながらの遊び。羽根つきやこま回し、すごろく、かるたも定番。
🍽️ この日の食べ物
重箱に詰めた正月料理。日もちするように煮しめたり酢に漬けたりしてある。一品ごとに願いがこもる。
もち入りのお汁。東は角もちのすまし汁、西は丸もちのみそ仕立てが多く、地域差がとても大きい。
「まめ(元気)に暮らせるように」という願い。祝い肴三種の一つ。
ニシンの卵。粒の多さから「子孫がたくさん栄えるように」。
長いひげと曲がった腰から「腰が曲がるまで長生きできるように」。
黄金色の見た目から「金運」の願い。「きんとん」は漢字で「金団」と書く。
5宮中と国のお正月:四方拝と新年一般参賀
まだ外が真っ暗な元日の早朝、皇居では一年で最初の儀式が始まります。
宮内庁によると、四方拝は「早朝に天皇陛下が神嘉殿南庭(しんかでんなんてい)で伊勢の神宮、山陵および四方の神々をご遙拝(ようはい)になる年中最初の行事」です。続いて宮中三殿で「歳旦祭(さいたんさい)」が行われ、日中には皇族や総理大臣、外国の大使などから新年のあいさつを受ける「新年祝賀の儀」があります。1月3日には「元始祭」という祭典もあります。戦前は四方節と元始祭が国の休日だったのは、こうした宮中の行事が国の暦と一体だったからです。
一般の人が皇居に入れる数少ない日の一つが、1月2日の新年一般参賀です。皇居の正門(いわゆる二重橋)から入り、宮殿の長和殿のベランダに天皇皇后両陛下や皇族方が姿を見せられます。2026年は午前と午後あわせて5回のお出ましが予定されていました。元日の皇居では、四方拝から新年祝賀の儀まで、行事が朝から続きます。
町に目を向けると、元日は日本でいちばん静かな日の一つです。ふだん24時間動いている都会でも、多くの会社や役所が休み、道路はがらんとします。一方で、神社やお寺は初詣の人でいっぱい。初詣や書き初めについては、別のページ「初詣と書き初め・お年玉」でくわしく紹介しています。
最近は1月1日から開くお店も増えましたが、「元日は休んで、初売りは2日から」というお店もまだ多く、地域やお店によってさまざまです。
6海外に似た日はある?世界のお正月と日本のお雑煮
韓国のお正月の朝ごはんを見ると、日本人はびっくりするかもしれません。おもちのスープだからです。
韓国では旧暦の正月「ソルラル」に、薄く切ったおもち入りのスープ「トックク」を食べます。子どもたちは大人に深くおじぎをする「セベ」をして、お年玉にあたる「セベットン」をもらいます。中国では春節に赤い封筒の「紅包(ホンバオ)」でお金を渡し、北部ではぎょうざを食べます。ベトナムのテトには、もち米の四角いちまき「バインチュン」が欠かせません。もちをお祝いに食べ、子どもにお金を贈る。東アジアのお正月はまるで親せきのようです。
ただし、これらの国の大きなお正月は旧暦なので、1月下旬〜2月中旬になります。1月1日を一年でいちばん大きな行事として祝う日本は、東アジアではめずらしい存在です。
一方、欧米では大みそかの夜のカウントダウンが主役で、元日はゆっくり休む日です。スペインでは真夜中の12回の鐘に合わせて12粒のぶどうを食べ、スコットランドでは新年に最初に家に入る人「ファースト・フッター」が幸運を運ぶとされます。アメリカでは元日にカリフォルニア州パサデナで、花で飾った山車のパレード「ローズ・パレード」が行われます。
「新しい年に、良いものを家に迎え入れたい」。門松に年神さまを迎える日本と、玄関から幸運のお客を迎えるスコットランド。形は違っても、願いはよく似ています。
7よくある誤解とホントのところ
誤解1:「元旦」は1月1日のこと。
ホントは、元旦は1月1日の朝のこと。一日全体は「元日」です。「元旦の夕方に」は本来おかしな言い方になります。
誤解2:三が日(1月1〜3日)はぜんぶ祝日。
ホントは、祝日は1月1日だけ。2日と3日に役所が休みなのは「行政機関の休日に関する法律」で12月29日〜1月3日を休みにしているから。銀行も法令で12月31日〜1月3日が休みです。
誤解3:日本のお正月は昔から1月1日。
ホントは、1873年までは旧暦の正月で、今の1月下旬〜2月中旬ごろでした。明治の改暦で、明治5年12月3日がいきなり明治6年1月1日になりました。
誤解4:おせちを重箱に詰めるのは大昔からの伝統。
ホントは、重箱が一般的になったのは明治以降とされ、全国に広まったのは戦後、デパートが重箱入りのおせちを売り出したことが大きいと言われます。それより前は、お膳に盛ったり、飾るだけだったりと地域ごとにさまざまでした。
誤解5:お年玉はもともとお金。
ホントは、品物やおもちを分けるものでした。現金が当たり前になったのは昭和30年代からとされます。
誤解6:お雑煮のもちは全国どこでも同じ。
ホントは、東は角もち、西は丸もちが多く、あんこ入りや小豆汁、くるみだれまであります。引っ越した先でお雑煮を見て驚く人も多いのです。
💡Fun Facts元日・お正月の豆知識 10連発
祝日法の16の祝日の説明で、いちばん短いのは元日の「年のはじめを祝う。」。句点まで入れてたった9文字です。
The law says New Year's Day is to celebrate the start of the year. It is the shortest rule for any Japanese holiday.
明治5年(1872年)の12月は、たった2日しかありませんでした。12月3日が、いきなり明治6年1月1日になったからです。
In 1872, December in Japan had only 2 days. The next day became January 1, 1873.
1月2日と3日は、実は祝日ではありません。役所が休みなのは「行政機関の休日に関する法律」が12月29日〜1月3日を休日にしているからです。
January 2 and 3 are not national holidays in Japan. But a law closes government offices until January 3.
元日に初日の出が一番早い平地は、千葉県の犬吠埼で6時46分ごろ(離島をのぞく)。日本の領土で最も早い南鳥島は5時27分ごろです。
Inubosaki in Chiba sees one of the first sunrises in Japan, at about 6:46. On faraway Minamitorishima, it comes at about 5:27.
1949年に登場したお年玉付き年賀はがき。最初の特等の賞品はミシンでした。考えたのは郵便局ではなく民間の人です。
The first New Year lottery cards came out in 1949. The top prize was a sewing machine.
年賀はがきの発行数は、ピーク時には約44億6000万枚。日本の人口1人あたり35枚ほどにもなる数です。
At the peak, Japan made about 4.46 billion New Year cards in one year. That is about 35 cards for each person.
皇居の新年一般参賀は、元日ではなく1月2日。元日の皇居では、夜明け前の四方拝から新年祝賀の儀まで行事が続きます。
People can visit the Imperial Palace on January 2, not January 1. On January 1, the Emperor has many ceremonies from early morning.
韓国にもお雑煮そっくりの料理があります。旧正月に食べる、薄切りのおもち入りスープ「トックク」です。
Korea has a New Year soup with rice cakes too. It is called tteokguk.
「元旦」の「旦」は、地平線の上に太陽がのぼる形からできた字だと説明されます。だから元旦は「元日の朝」のことです。
The kanji for 'gantan' shows the sun over the land. So the word means the morning of January 1.
香川県の一部では、お雑煮にあんこ入りのもちを入れて白みそで煮ます。甘いのと塩からいのが同時に来る、不思議な味です。
In parts of Kagawa, people put sweet bean mochi in white miso soup. It is sweet and salty at the same time.
▶️Videos & Links元日・お正月の動画とリンク集
Japanese New Year's Food "Osechi" 日本のお節文化☆Japanagos(ジャパナゴス)
Trying Japanese Unique NEW YEAR'S FOOD 🎍🌸 OsechiDig Dig JAPAN
♬THE NEW YEAR'S SONG (Oshogatsu)【In Japanese with English subtitle】~Japanese Traditional Song~Japanese Song Academy
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年賀状特集(このサイトの特集)年賀状の受付開始・元日に届く締切・1月2日の配達(日本郵便の発表まとめ)、干支の年賀状デザイン
国民の祝日について(内閣府)祝日法の条文と各祝日の趣旨。元日は「年のはじめを祝う。」。
国民の祝日に関する法律(e-Gov法令検索)祝日法の全文。1948年公布。
主要祭儀一覧(宮内庁)元日の四方拝・歳旦祭、1月3日の元始祭の説明。
江戸から明治の改暦(国立国会図書館「日本の暦」)明治5年12月3日が明治6年1月1日になった改暦の話。
Japanese New Year - Wikipedia英語版ウィキペディア。英語での説明の参考に。
正月 - Wikipedia日本語版ウィキペディア。お正月の行事が幅広くまとまっている。
雑煮 - Wikipediaお雑煮の歴史と地域ごとの違いがくわしい。