原田塾

英作文で「減点されない英語」を書く技術──採点者目線で教える10の鉄則

✍️ ENGLISH WRITING STRATEGY

英作文で
「減点されない英語」を書く技術
──採点者目線で教える10の鉄則

大学入試・英検・TOEICライティング対応
「書ける英語」より「減点されない英語」が合格への最短ルート

英作文の採点基準は、多くの大学・検定で「減点法」がベースです。
つまり、どれだけ素晴らしい内容を書いても、文法・語法のミスがあれば容赦なく点が引かれる。
──「かっこいい英語」ではなく「減点されない英語」を書く。
これが、採点者が本当に求めている答案の姿です。

1なぜ「減点されない英語」が最強の戦略なのか

英作文の世界には、大きな誤解があります。それは「難しい表現を使えば高得点がもらえる」という幻想です。

実際の採点現場では、まったく逆のことが起きています。大学入試の英作文は、多くの場合「減点法」で採点されます。つまり、満点の状態からスタートし、ミスが見つかるたびに点数が引かれていくのです。

📊 採点現場のリアル──減点の相場観
-3点
主語・動詞の欠落、構文崩壊など文意が不明になるミス
-2点
時制の不一致、自動詞/他動詞の混同、接続詞の誤用
-1点
冠詞の抜け、スペルミス、三単現のs脱落、前置詞の誤り
0点
語数制限違反、設問と無関係な内容、白紙

たとえば、配点10点の英作文で3つの冠詞ミスと1つの時制ミスがあれば、それだけで-5点。内容がどれだけ良くても、半分しか得点できません。

一方、中学英語レベルのシンプルな表現でも、文法的にパーフェクトなら満点を取れるのが英作文です。ここに「減点されない英語」という戦略の本質があります。

❌
危険な答案
難しい単語・複雑な構文を
無理に使おうとする
→ ミス頻発で大量減点
✅
賢い答案
自信のある表現だけで
確実に書き切る
→ 減点ゼロで満点圏
💡

英作文の採点は「あなたの英語力を測る試験」ではなく、「ミスなく英語を書けるかを測る試験」です。この認識の転換が、得点力を劇的に変えます。

2【鉄則①】冠詞の抜けは「即マイナス」──a/an/theの生存戦略

日本人が英作文で最も失点するポイント。それは冠詞(a / an / the)です。

日本語には冠詞という概念がないため、多くの受験生が「名詞を裸のまま」書いてしまいます。しかし英語では、名詞は原則として冠詞か所有格(my, his, theirなど)とセットで使うのがルール。これを1つ忘れるたびに-1点。5つ忘れれば-5点。これだけで壊滅的なダメージを受けます。

🔑 冠詞サバイバル3原則
原則❶ 名詞を書いたら、必ず左をチェック
英語の名詞は「裸」で出歩けない。a / an / the / my / his / some / anyなど、必ず何かを「着せる」。
名詞を書くたびに「左側に何かあるか?」を確認する癖をつけましょう。
原則❷ 迷ったらaを使う
a と the のどちらを使うか迷う場面は多い。迷ったら a(不特定のもの)を選ぶのが安全策。a を使って間違いになるケースより、the を誤用して減点されるケースの方が多いからです。
原則❸ 不可算名詞には冠詞をつけない
information, advice, furniture, knowledge, equipmentなどは不可算名詞。これらに a をつけると逆に減点。「a information ×」「much information ○」──不可算名詞リストを暗記しておくだけで失点を防げます。
BEFORE → AFTER

冠詞ミスの実例と修正

✗ I think education is important for children to have good future.
→ 減点3箇所(-3点)
✓ I think education is important for children to have a good future.
→ education(不可算:冠詞不要)、children(複数形:冠詞不要)、a good future(可算単数:aが必要)
💡

裏技:冠詞の判断に自信がないなら、名詞を複数形にして逃げるのも有効な戦略です。「a student → students」にすれば、a/theの選択で迷う必要がなくなります。

3【鉄則②】時制を統一せよ──「現在形ベース」が最強の盾

英作文で冠詞に次いで多いミス。それが時制の不一致です。

日本語は時制に対して非常にルーズな言語です。「昨日、友達と話す」「来年、大学に行く」──日本語では現在形で過去も未来も語れてしまう。しかし英語では、1文ごとに「いつの話か」を正確に示す必要があります。

⏰ 時制統一の鉄板ルール
ルール❶ 意見文は「現在形」で統一
英検・大学入試のエッセイは基本的に現在形で書く。「I think…」「There are…」「It is important to…」──迷ったら現在形を選べば、時制ミスはほぼ消える。
ルール❷ 過去形を使うのは「具体例」の時だけ
「去年、海外に行った経験」など、具体的なエピソードを挙げる時だけ過去形に切り替える。それ以外は現在形に戻す。切り替えポイントを明確にするのが減点回避のカギ。
ルール❸ 完了形は「自信がある時だけ」使う
現在完了・過去完了は正しく使えれば加点要素にもなるが、誤用すれば確実に減点。自信がなければ、過去形で代用するのが安全策。
BEFORE → AFTER

時制混乱の実例と修正

✗ I think reading books was very important. When I am a child, I read many books.
→ 意見部分に過去形、過去のエピソードに現在形が混在(-2点以上)
✓ I think reading books is very important. When I was a child, I read many books.
→ 意見=現在形 / 体験=過去形。切り替えが明確
“

迷ったら現在形。

この5文字を頭に叩き込むだけで、英作文の失点の2割は消える。

── 減点されない英作文の大原則

4【鉄則③】主語と動詞を5語以内に──構文崩壊を防ぐ技術

採点者が最も大きく減点するミス。それは「構文エラー」──つまり、文の骨格(主語+動詞)が崩れている状態です。冠詞やスペルのミスが-1点なのに対し、構文エラーは-2〜3点と、ダメージが段違い。

なぜ構文エラーが起きるのか? 原因の9割は、日本語の語順のまま英語を書こうとすることにあります。

DANGER ZONE

構文崩壊が起きるパターン

日本語の発想:
「最近、多くの若い人たちが環境問題に関心を持つようになったことは、非常に喜ばしいことだと私は思います。」
ありがちな崩壊答案:
✗ Recently many young people have become interested in environmental problems is very good thing I think.
→ 主語と動詞が特定できない。構文エラーで-3点。
5語以内ルールで書き直し:
✓ I think it is good that many young people are interested in environmental problems.
→ 主語(I) + 動詞(think) = 2語。構文が明快。
✏️ 「5語以内ルール」の実践法
Step 1:まず「誰が」「何をする」を決める(主語+動詞)
Step 2:主語と動詞の間を5語以内に収める
Step 3:情報は動詞の後ろに追加する(後置修飾)
Step 4:1文が25語を超えたら、2文に分割する

日本語は「修飾語が前に来る言語」ですが、英語は「修飾語が後ろに来る言語」。この違いを意識するだけで、構文崩壊のリスクは激減します。

✅

試験本番のテクニック:英作文を書き終えたら、すべての文の主語と動詞に下線を引く。主語か動詞が見つからない文があれば、そこが構文エラー。書き直すだけで-3点の失点を防げます。

5【鉄則④】「和文和訳」で日本語を解体してから英語にする

英作文で最もコスパの高い技術。それが「和文和訳」です。

「和文和訳」とは、与えられた日本語をそのまま英訳するのではなく、一度「英語にしやすい日本語」に言い換えてから英語にする技術。これは予備校界で長年教えられてきた、減点回避の最重要テクニックです。

元の日本語 和文和訳 英訳
彼には限界がある → 彼は〜が得意でない He is not good at …
社会に出る → 仕事を始める start working
日本は少子化が問題だ → 日本の子どもの数が減っている The number of children in Japan is decreasing.
環境にやさしい → 環境に良い good for the environment
視野が広がる → 多くのことを学べる learn many things

ポイントは「和文和訳」の段階で小学生でも理解できる日本語にまで解体すること。「少子高齢化」を直接英訳しようとして limit や aging society という単語を無理に使うより、「子どもの数が減り、お年寄りが増えている」と言い換えれば、中学レベルの英語で正確に書けます。

💡

直訳で0点になるより、言い換えて-1点で済む方が1000倍マシ。完璧な英語を書こうとするのではなく、「自分が確実に書ける英語」に日本語を寄せていく。これが和文和訳の極意です。

6【鉄則⑤】自動詞と他動詞を見極めよ──前置詞の罠

「discuss about the problem」──この英文、何が間違っているかわかりますか?

答えはaboutが不要。discussは他動詞なので、目的語を直接とります。正しくは「discuss the problem」。しかし、このミスは受験生の間で非常によくあり、-1〜2点の減点対象です。

⚠️ 減点頻出!間違えやすい動詞リスト
✗
discuss about → discuss(〜について議論する)
✗
mention about → mention(〜に言及する)
✗
enter into the room → enter the room(部屋に入る)
✗
marry with → marry(〜と結婚する)
✗
resemble to → resemble(〜に似ている)
✗
reach to → reach(〜に到着する)

逆に、自動詞なのに目的語を直接つけてしまうパターンもあります。

✓
listen music → listen to music(音楽を聴く)
✓
arrive school → arrive at school(学校に着く)
✓
apologize him → apologize to him(彼に謝る)
✅

対策:自分が英作文でよく使う動詞20個について、「他動詞か自動詞か」「どの前置詞と組み合わせるか」をリスト化して暗記する。これだけで試験本番のミスが劇的に減ります。

7【鉄則⑥】省略形は使うな──I’m → I am が鉄則

英作文で意外な落とし穴になるのが、省略形(contraction)の使用です。

普段の英会話や日記では I’m, don’t, can’t を使うのが自然ですが、試験の英作文ではフォーマルな書き言葉が求められます。省略形は「口語体」とみなされ、減点対象にする採点者が少なくありません。

🔄 省略形→正式形 変換表
I’m → I am
don’t → do not
can’t → cannot
won’t → will not
it’s → it is
they’re → they are
wouldn’t → would not
isn’t → is not

ただし、これにはメリットもあります。省略形を使わないことで語数を稼げるのです。「don’t」は1語ですが「do not」は2語。語数制限がある試験では、正式形を使うだけで自然に語数が増えます。

💡

注意:「cannot」は1語で書くのが正式。「can not」(2語)は強調の意味になるため、通常は使いません。この細かい違いを知っているだけでも、採点者に「この受験生はちゃんとわかっている」という印象を与えられます。

8【鉄則⑦】同じ表現を繰り返すな──言い換えの武器庫を持て

英作文の中で同じ単語や表現が何度も出てくると、文章が幼稚に見えてしまいます。これは英検や大学入試の「語彙・表現」の評価項目に直結するため、言い換え力=得点力と考えてください。

🗃️ 英作文で使える言い換え武器庫
よく使う表現 言い換え候補
I think I believe / In my opinion / I consider / It seems to me that
important essential / necessary / significant / crucial / vital
good beneficial / effective / useful / valuable / positive
bad harmful / negative / problematic / detrimental
many / a lot of numerous / various / a number of / several
because since / as / due to / owing to / for this reason
but however / on the other hand / nevertheless / yet
so therefore / consequently / as a result / thus
⚠️ ただし、ここにも「減点されない」の原則が適用される
言い換えを意識するあまり、うろ覚えの単語を使ってスペルミスをしたら元も子もありません。「確実に書ける言い換え」だけを使うこと。使い慣れていない単語は、本番では封印するのが鉄則です。

9【鉄則⑧⑨⑩】語数管理・論理構成・最終チェックの三位一体

ここからは、答案全体の「設計図」に関わる3つの鉄則をまとめて紹介します。

鉄則⑧:語数は指定の90〜100%に収める

語数制限は、英作文における絶対的なルールです。

超過
指定語数を超えると、大幅減点または0点にされる大学もある
不足
指定語数の80%未満だと大幅減点。大学によっては0点
安全圏
指定の90〜100%がゴールデンゾーン。語数を稼ぐために中身を薄めない

「100語以内」と指定されたら、90〜100語が理想。80語を下回ると危険信号です。

鉄則⑨:「主張→理由→具体例→結論」の型を守る

英作文の論理構成にはテンプレートがあります。特に英検や自由英作文では、以下の「4段構成」がほぼ万能です。

① 主張(Introduction):I think / I believe … + 自分の意見
② 理由1(Body 1):First, … / One reason is that …
③ 理由2(Body 2):Second, … / Another reason is that … + 具体例
④ 結論(Conclusion):For these reasons, I think … (①の主張を言い換えて繰り返す)

この型に沿って書くだけで、「論理構成」の評価項目は満点に近づきます。オリジナリティは不要。型を守ることこそが高得点への最短ルートです。

鉄則⑩:書き終えたら「減点チェックリスト」で見直す

英作文を書き終えてから提出するまでの2〜3分。この時間の使い方で、5点以上の差がつきます。

✅ 提出前の最終チェックリスト
□
すべての名詞に冠詞または所有格がついているか
□
時制が統一されているか(意見=現在形、体験=過去形)
□
すべての文に主語と動詞があるか
□
三人称単数現在のsは正しいか
□
省略形(don’t等)を使っていないか
□
スペルに自信がない単語は別の単語に置き換えたか
□
語数は指定の90〜100%に収まっているか
□
主張→理由→具体例→結論の流れになっているか
“

英作文は「書く」試験ではなく「見直す」試験である。

最後の2分間のチェックで防げるミスが、合否を分ける。

── 英作文の鉄則

10採点者が「加点したくなる」答案の条件

ここまで「減点されない」技術を徹底的に解説してきました。最後に、もう一歩先──採点者が思わず「良い答案だ」と感じるポイントに触れておきます。

減点法が基本の英作文でも、実は「加点要素」は存在します。特に自由英作文では、内容の論理性と英語表現の多様性が「印象点」として加味される大学が増えています。

🏆 採点者が加点したくなる5つの要素
① 明確なディスコースマーカー(つなぎ言葉)
First, Second, However, Therefore, In conclusion──文と文の論理関係が一目でわかる答案は、採点者に「構成力がある」と印象づけます。
② 具体例の説得力
「For example, when I was a high school student, I experienced…」のように、自分の体験に基づく具体例を入れると、内容点が跳ね上がります。抽象論だけの答案とは雲泥の差。
③ 文構造のバリエーション
「SVO」ばかりの答案は単調。It is … that 構文、分詞構文、関係詞節などを1〜2箇所混ぜるだけで「語彙・表現」の評価が上がります。ただし、正確に使える構文だけを選ぶこと。
④ 冒頭と結論の対応
冒頭で述べた主張を、結論で「言い換えて」繰り返す。同じ文をコピーするのではなく、表現を変えて同じ結論に戻る。これだけで「この人は構成を理解している」と評価されます。
⑤ 反対意見への言及
「Some people may argue that… However, I believe…」のように、反対意見を認めた上で自分の主張に戻る技法。これが使えると、答案の説得力が格段に増します。上級テクニックですが、「However」を正しく使える自信があれば、ぜひ取り入れてみてください。
MODEL ANSWER

「高校生はアルバイトをすべきか」──満点答案の見本

I believe that high school students should be allowed to have part-time jobs.First, working part-time helps students learn the value of money. For example, when students earn money by themselves, they understand how hard it is to make a living. This experience is valuable for their future.

Second, part-time jobs give students a chance to develop communication skills. They have to talk to customers and coworkers, which is different from what they learn at school.

Some people may say that part-time jobs take away study time. However, if students manage their time well, they can balance both.

For these reasons, I think high school students should be able to work part-time.

(約110語)──中学〜高1レベルの語彙・文法のみで構成。構文エラーなし。冠詞ミスなし。時制統一。ディスコースマーカー明確。反対意見にも言及。
💡

上の模範答案をよく見てください。難しい単語はほとんど使われていません。中学校で習う表現だけで、論理的で説得力のある答案が書けている。これこそが「減点されない英語」の究極形です。

まとめ──10の鉄則を「合言葉」にせよ

英作文の得点力は、語彙力でも表現力でもなく、
「いかにミスを減らせるか」で決まる。

❶冠詞を書き忘れない。名詞を書いたら左側を確認
❷意見文は現在形ベース。迷ったら現在形
❸主語と動詞を5語以内に。1文25語超えたら分割
❹和文和訳で日本語を解体。小学生レベルに噛み砕く
❺自動詞/他動詞の前置詞を間違えない
❻省略形は使わない。I’m → I am
❼同じ表現の繰り返しを避け、自信のある言い換えを使う
❽語数は指定の90〜100%に収める
❾主張→理由→具体例→結論の型を守る
❿提出前のチェックリストで最終確認

「かっこいい英語」を書く必要はない。
「ミスのない英語」が、最もかっこいい答案だ。