「〜せずに…することはない」と否定が2つ重なると、強い肯定になります。「…するたびに必ず〜」です
01しくみ:なぜこの意味になるのか
never A without B は、直訳すると「B せずに A することは決してない」。否定の never と、「〜なしで」という否定の気持ちをふくむ without が重なっています。否定×否定=肯定 なので、「A するときはいつも B する」「A すれば必ず B する」となります。
訳すときは、直訳の「〜せずに…しない」のままより、「…すると必ず〜する」「…するたびに〜する」と肯定に直すと、自然な日本語になります。She never goes out without her phone. なら「彼女は出かけるときは必ずスマホを持っていく」。without のうしろは、A と必ずセットで起きること です。
cannot A without B も同じ形で、「B せずに A することはできない」→「A すると必ず B してしまう」。I can't hear this song without thinking of my school days. は「この曲を聞くと、いつも学校のころを思い出す」です。can't がつくと「どうしても〜してしまう」という気持ちが加わります。
型
never (not) V without V-ing
…すれば必ず〜する
言いかえ・変形cannot V without V-ingnot V without V-ingWhenever S V, S V(言いかえ)
02例文3つを構造図で読む
色のカタマリは文の要素、カッコはカタマリの種類です。「飾り(M)を消す」を押すと、文の骨組みだけが残ります。黄色の語が、この構文の目印です。
記号と色の約束
仮S真S は It のような「仮の主語」と、うしろにかくれた本当の主語。接 は接続詞。カタマリの下の小さな S' V' O' は、節や句の中の要素です。
She never leaves home without checking the weather.
彼女は出かけるときは、必ず天気を確かめる。
前から訳彼女は決して家を出ない / 天気を確かめることなしには
- Mwithout checking the weather副詞句|家を出るとき必ずセットで起きること
- O'checking the weather前置詞のうしろは動名詞
ここを見るnever と without で否定が2つ。「確かめずに出ることはない」を肯定に直して「出かけるときは必ず確かめる」と訳します。
I can't read this letter without remembering my grandmother's voice.
この手紙を読むと、どうしても祖母の声を思い出してしまう。
前から訳私は読めない / この手紙を / 祖母の声を思い出すことなしには
- Mwithout remembering my grandmother's voice副詞句
- O'remembering my grandmother's voice読むと必ず起きてしまうこと
ここを見るcan't が使われると「〜せずにはいられない」という気持ちが入ります。読むという動作と、思い出すという反応がいつもセットです。
Our science teacher, who used to work at a research lab, never teaches us a new formula without showing the experiment that led to its discovery.
以前研究所で働いていた理科の先生は、新しい公式を教えるときは必ず、それが見つかるきっかけになった実験を見せてくれる。
前から訳理科の先生は / 以前研究所で働いていたのだが / 決して教えない / 私たちに / 新しい公式を / それの発見につながった実験を見せることなしには
- SOur science teacher who used to work at a research lab名詞句
- M'who used to work at a research labカンマではさんだ補足
- Mwithout showing the experiment that led to its discovery副詞句
- O'showing the experiment that led to its discoverythat 以下が experiment を説明
ここを見るnever teaches と without showing が組になっています。肯定に直して「教えるときは必ず見せてくれる」と訳します。
03誤読のわな
I can't watch this movie without crying.
✕ やりがち泣かないと、この映画を見ることができない。
○ 正しくこの映画を見ると、どうしても泣いてしまう。
without を「〜なしでは」と条件のように訳すと、泣くことが映画を見るための条件のように聞こえます。この構文の without のうしろは「見ると必ず起きてしまうこと」です。「…すると必ず〜する」と、結果として訳しましょう。
04似ている構文と見分ける
05確認問題(3問)
Q1英文の意味として正しいのは?
He never travels without taking a small notebook.
never と without で否定が2つ。「ノートを持たずに旅をすることはない」→「旅に出るときは必ずノートを持っていく」です。
Q2I never hear this song without thinking of my friends in Osaka. とほぼ同じ意味の文は?
never A without B は「A するたびに B する」。whenever(〜するときはいつでも)で言いかえられます。
Q3「言葉を学べば、必ずまちがいをするものだ」の意味になるように、空所に入るのは? You cannot learn a language ( ) making mistakes.
cannot と without で否定が2つ。「まちがえずに言葉を学ぶことはできない」→「学べば必ずまちがえる」です。
