not が打ち消すのは「100%」の部分だけ。「100%ではない」は「0%」とはまったく別物です
01しくみ:なぜこの意味になるのか
部分否定は「すべて」「いつも」「必ず」のような 100%を表す語 を not が打ち消す形です。打ち消されるのは100%という部分だけなので、残る意味は「100%ではない=例外がある」です。Not all students like math. は「数学が好きな生徒も、そうでない生徒もいる」と言っているだけで、好きな人がゼロだとは言っていません。
これに対して全否定は、0%を表す語を使います。no / none / never / not at all / not any がそれです。None of the students like math. なら好きな人はゼロです。見分けるポイントは not の相手が100%の語か、0%の語か。not always(いつも〜とは限らない)と never(決して〜ない)は、意味がまったく違います。
やっかいなのは All the students did not pass. のように all が先、not があとの形です。文法上は「全員が落ちた」とも読めますが、実際には「全員が受かったわけではない」の意味で使われることが多く、文脈で決めます。誤解をさけたい書き手は Not all the students passed. と not を前に出します。
型
not + all / every / always / necessarily
すべて(いつも)〜というわけではない
言いかえ・変形not quite / not entirely / not altogetherAll ... not(部分否定で読むことが多い)⇔ 全否定 none / never / not at all / not any
02例文3つを構造図で読む
色のカタマリは文の要素、カッコはカタマリの種類です。「飾り(M)を消す」を押すと、文の骨組みだけが残ります。黄色の語が、この構文の目印です。
記号と色の約束
仮S真S は It のような「仮の主語」と、うしろにかくれた本当の主語。接 は接続詞。カタマリの下の小さな S' V' O' は、節や句の中の要素です。
Expensive textbooks are not always better.
高い参考書がいつもよりよいとは限らない。
前から訳高い参考書が / いつも〜とは限らない / よりよい
- Vare not alwaysnot+always=いつも〜とは限らない
ここを見るnot が打ち消すのは always(いつも)です。「高くてよい参考書もあるが、そうでないものもある」という意味で、高い参考書がだめだとは言っていません。
Not every message you receive online deserves an immediate reply.
ネットで受け取るメッセージのすべてに、すぐ返信する必要があるわけではない。
前から訳すべてのメッセージが〜というわけではない / ネットで受け取る / 値する / すぐの返信に
- SNot every message you receive online名詞句|Not every で部分否定
- M'you receive online関係代名詞の省略
- Vdeservesdeserve O「O に値する」
ここを見る主語に Not every がついた形です。not が打ち消すのは every(全部)なので、「すぐに返すべきメッセージもある」という含みが残っています。
The survey that our club carried out last month showed that people who own the most books are not necessarily the ones who read the most.
私たちの部が先月行ったアンケートで、本を一番多く持っている人が、必ずしも一番多く読む人ではないことが分かった。
前から訳アンケートは / 私たちの部が先月行った / 示した / 本を一番多く持つ人が / 必ずしも〜ではない / 一番多く読む人
- SThe survey that our club carried out last month名詞句
- M'that our club carried out last monththat は関係代名詞
- Othat people who own the most books are not necessarily the ones who read the most名詞節|アンケートで分かった中身
- S'people who own the most bookswho 以下が people を説明
- V'are not necessarily必ずしも〜ではない
- C'the ones who read the mostones=people
ここを見るnot necessarily は「必ずしも〜ではない」。持っている人と読む人が重なる場合もある、という含みを残しています。「決して読まない」と全否定にしないこと。
03誤読のわな
The teacher did not answer all of our questions.
✕ やりがち先生は私たちの質問にひとつも答えなかった。
○ 正しく先生は私たちの質問のすべてに答えたわけではなかった(答えなかった質問もあった)。
not ... all は部分否定です。答えた質問もあり、答えなかった質問もある、という意味になります。ひとつも答えなかったのなら did not answer any of our questions か answered none of our questions と言います。
04似ている構文と見分ける
05確認問題(3問)
Q1英文の意味として正しいのは?
Long meetings are not always useful.
not always は「いつも〜とは限らない」の部分否定です。役に立つ会議もある、という含みが残ります。1つ目と3つ目は全否定の訳です。
Q2全否定(だれも〜ない)の文はどれ?
none は「ゼロ」を表すので全否定です。Not every と Not all は「全員が〜というわけではない」の部分否定で、来ていた生徒もいます。
Q3空所に入るのは? I agree with some of your points, but I don't agree with ( ) of them.
前半で「いくつかには賛成」と言っているので、後半は「全部に賛成というわけではない」の部分否定です。any だと「どれにも賛成しない」となり、前半と食い違います。
