文頭の Had を見て「疑問文かな」と思ったら、文の終わりを見ます。? がなく、うしろに would があれば、それは消えた if のしるしです
01しくみ:なぜこの意味になるのか
仮定法の if 節では、if を省いて、かわりに Were・Had・Should を主語の前に出すことができます(倒置=語順の入れかえ)。If I were you → Were I you、If she had known → Had she known。if が消えたぶん、語順を変えて「ここは条件だ」と知らせているわけです。かたい書きことばや案内文でよく見ます。
見抜くカギは、疑問文の語順なのに疑問文ではない こと。文頭の Had S p.p. のあとにカンマが来て、うしろに would have p.p. のような主節が続いていたら、if の省略です。if を補って「もし〜だったら」と読みかえれば、ふつうの仮定法に戻ります。この形にできるのは、基本的に Were・Had・Should の3つだけです。
Should S V は「万一〜なら」。起こる可能性は低いけれど、もしものときは、という気持ちで、主節には命令文や will もよく来ます。Should you have any questions, please contact us.(ご質問があればご連絡ください)は案内文の決まった言い方です。否定は Had it not been for のように not を主語のうしろに置き、Hadn't it been ... とはしません。
型
Were S ... / Had S p.p. ... / Should S V ...
もし〜なら(if の省略と倒置)
言いかえ・変形Were it not for AHad it not been for AShould you need help, ...
02例文3つを構造図で読む
色のカタマリは文の要素、カッコはカタマリの種類です。「飾り(M)を消す」を押すと、文の骨組みだけが残ります。黄色の語が、この構文の目印です。
記号と色の約束
仮S真S は It のような「仮の主語」と、うしろにかくれた本当の主語。接 は接続詞。カタマリの下の小さな S' V' O' は、節や句の中の要素です。
Were I in your position, I would accept the offer.
私があなたの立場なら、その申し出を受けるだろう。
前から訳もし私があなたの立場なら / 私は受けるだろう / その申し出を
- MWere I in your position副詞節|=If I were in your position
ここを見るWere I は疑問文ではなく、If I were の if を省いて were を前に出した形です。主節の would が、仮定法だと確かめるしるしになります。
Had we left five minutes earlier, we would have caught the last bus.
あと5分早く出ていたら、最終バスに間に合っていただろう。
前から訳もし私たちが出ていたら / 5分早く / 私たちは間に合っていただろう / 最終バスに
- MHad we left five minutes earlier副詞節|=If we had left ...
ここを見るHad we left だけを見ると疑問文のようですが、? がなく、カンマのあとに主節 we would have caught が続きます。実際は出るのが遅く、最終バスに乗れなかったのです。
Should the system detect any unusual activity on your account, a code will be sent to the phone number that you registered when you signed up.
万一システムがあなたのアカウントで不審な動きを検知した場合は、登録時に届け出た電話番号に確認コードが送られます。
前から訳万一システムが検知したら / 何か不審な動きを / あなたのアカウントで / コードが送られる / 電話番号に / あなたが登録した / 登録の手続きをしたときに
- MShould the system detect any unusual activity on your account副詞節|=If the system should detect ...
- V'detectShould のあとなので原形
- Vwill be sentShould の主節は will もよく来る
- Mto the phone number that you registered when you signed up副詞句
ここを見るShould を「〜すべき」と読むと意味が通りません。文頭の Should S V+カンマは「万一〜なら」。detect が原形なのも、助動詞 should のうしろだからです。
03誤読のわな
Had I known about the test, I would have studied harder.
✕ やりがち私はテストのことを知っていたので、もっと勉強しただろう。
○ 正しくテストのことを知っていたら、もっと勉強していたのに。
Had I known を「知っていた」と事実で読むと、現実が逆になります。実際は知らなかったのです。文頭の Had+S+p.p. のあとに would have p.p. が続いたら、If I had known に戻して読みます。
04似ている構文と見分ける
05確認問題(3問)
Q1英文の意味として正しいのは?
Should you change your mind, just let me know.
文頭の Should S V+カンマは If you should change your mind の if の省略で、「万一〜なら」です。「〜すべき」の should ではありません。
Q2if が省略された文はどれ?
Had she called のあとにカンマと主節 would have picked が続いています。2つ目は ? で終わるふつうの疑問文、3つ目はふつうの過去完了の文です。
Q3空所に入るのは? ( ) it not been for the doctor's quick action, the boy could have been seriously hurt.
空所のあとが it not been なので、If it had not been for の if を省いて Had を前に出した形です。If なら had が必要で、Were は been と合いません。
