as if のうしろが過去形なら「本当はちがう」、現在形なら「本当にそうかも」。時制1つで書き手の判断が見えます
01しくみ:なぜこの意味になるのか
as if は「まるで〜かのように」。うしろを仮定法にすると、「実際はそうではない」という書き手の判断が入ります。He talks as if he knew everything. の knew は過去の話ではなく、talks と同じ「今」のことです。時制を1つ過去にずらして、「全部知っているわけではない」と現実から距離をとっています。
as if の中の時制は、主節から見て同じ時か、前か の2つだけを表します。主節と同じ時なら過去形、主節より前なら過去完了(had p.p.)。主節が He talked と過去になっても knew のままで、「話していたその時に、全部知っているかのように」です。主節より前なら as if he had seen it(見たことがあるかのように)となります。
ただし as if のうしろが現在形のこともあります。It looks as if it is going to rain. は「雨が降りそうだ」で、書き手は本当に降ると思っています。仮定法か直説法(事実として述べるふつうの形)かは、書き手がどれだけ本当だと思っているかで決まります。as though は as if とほぼ同じ意味の、少しかたい言い方です。
型
as if / as though S+過去形 / 過去完了
まるで〜であるかのように
言いかえ・変形as if S had p.p.as though S+過去形It looks as if S V(直説法)
02例文3つを構造図で読む
色のカタマリは文の要素、カッコはカタマリの種類です。「飾り(M)を消す」を押すと、文の骨組みだけが残ります。黄色の語が、この構文の目印です。
記号と色の約束
仮S真S は It のような「仮の主語」と、うしろにかくれた本当の主語。接 は接続詞。カタマリの下の小さな S' V' O' は、節や句の中の要素です。
She talks about London as if she had lived there for years.
彼女は、まるで何年も住んでいたかのようにロンドンのことを話す。
前から訳彼女は話す / ロンドンについて / まるで住んでいたかのように / そこに何年も
- Mabout London副詞句
- Mas if she had lived there for years副詞節|実際は住んでいない
- V'had livedtalks(今)より前→had p.p.
ここを見るtalks は今、had lived はそれより前。「住んだことがあるような話しぶりだが、実はない」という書き手の判断が had p.p. に込められています。
The chatbot answered my questions as though it understood how I felt.
そのチャットボットは、まるで私の気持ちがわかっているかのように質問に答えた。
前から訳そのチャットボットは答えた / 私の質問に / まるでわかっているかのように / 私がどう感じているかを
- Mas though it understood how I felt副詞節
- V'understoodanswered と同じ時→過去形
ここを見る主節が過去(answered)でも、同じ時のことなので understood のままです。had understood にはしません。as though は as if と同じ意味です。
Stepping into the classroom that had stood empty for ten years, the retired teacher looked around as if she could still hear the voices of her former students.
10年間空き教室だったその教室に足を踏み入れると、退職した先生は、かつての教え子たちの声が今も聞こえるかのようにあたりを見回した。
前から訳足を踏み入れると / 10年間空いていた教室に / 退職した先生は / 見回した / まるで今も聞こえるかのように / かつての教え子たちの声が
- MStepping into the classroom that had stood empty for ten years副詞句|分詞構文「〜に入ると」
- Mas if she could still hear the voices of her former students副詞節
- V'could still hearlooked と同じ時。実際は聞こえない
ここを見る文頭の分詞構文を読み終えてから、S(the retired teacher)と V(looked around)を見つけます。could は「聞こえるはずのない声」を表す仮定法です。
03誤読のわな
It looks as if the train is going to be late.
✕ やりがちまるで電車が遅れるかのように見える(でも実際は遅れない)。
○ 正しくどうやら電車は遅れそうだ。
as if を見るといつも「まるで〜(実はちがう)」と訳したくなりますが、うしろが現在形の is なので仮定法ではありません。書き手は本当に遅れると思っています。時制がずれているかどうかを先に確かめます。
04似ている構文と見分ける
05確認問題(3問)
Q1英文の意味として正しいのは?
He acted as if nothing had happened.
as if+had p.p. で「(実際は起きたのに)何も起きなかったかのように」。acted より前のことなので過去完了です。理由の「〜なので」ではありません。
Q2空所に入るのは? He described the castle as if he ( ) it with his own eyes, but he had only read about it.
described(過去)より前のことを「実際はちがう」として言うので had p.p. です。うしろの「本で読んだだけ」が、見ていないという現実を示しています。
Q3書き手が「実際はそうではない」と考えているのはどれ?
talks(今)に対して knew(過去形)と時制がずれているので仮定法です。2つ目は現在形、3つ目の had は旅行が本当に過去にあったことを表すふつうの過去形です。
動画でも確かめる
as if のうしろの時制がなぜ1つ過去になるのかを短く説明しています。例文の動詞の形と見比べながら見ると定着します。
