倒置・強調・省略・挿入・同格崩れた文は「元の形」に戻せば全部読める——語順の乱れは、強調のサイン

Never have I seen… / It was Ken that… / When young, … / the news that… 。入試の長文や正誤問題でつまずく文の多くは、じつは「ふつうの文」を少しいじっただけの形です。この単元では、いじり方の5パターン(倒置・強調・省略・挿入・同格)を、元に戻す手順といっしょに身につけます。戻し方さえわかれば、難関大の複雑な英文も骨組みがスッと見えるようになります。
知ってた? 目から鱗
Q1Here it comes. で it が動詞の前に残るのはなぜ?
英語には「新しい情報や重い語は文の後ろに置く」という傾向があります。the bus は新情報なので後ろへ回り、it はすでにわかっている軽い情報なので前に残ります。代名詞の主語が倒置されにくいのはこのためです。
Q2強調構文の that は、who や which に変えてもいい?
人を強調するときは who もよく使われ、物なら which も見かけます。ただ一番自然で万能なのは that です。時や場所を強調するときに when や where に変える言い方は一般的ではないので、迷ったら that を選べば安全です。
Q3I did do my homework. の did は何のため?
相手に疑われたとき「本当にやったんだ」と言い返すための強調です。話すときは did を強く発音します。肯定文にわざと do / does / did を入れるのは、否定や疑いを打ち消す場面が中心で、なんでも強調できるわけではありません。
Q4英字新聞の見出しで the や is が消えるのはなぜ?
見出しは字数を減らすため、冠詞や be 動詞を省くのが習慣です。さらに過去の出来事も現在形で書き、未来は to 不定詞で表します(PM to Visit Japan など)。この省略のルールを知っておくと、見出しがぐっと読みやすくなります。
Q5倒置は堅い書き言葉だけのもの?
Never have I seen ~ のような否定の倒置は改まった響きですが、強調したいときは会話でも使われます。一方、Here comes ~ / There goes ~ や So do I. は日常会話そのもの。倒置は堅さだけでなく、話し言葉の勢いを出す道具でもあります。
01特殊構文の正体:「ふつうの文」から何が動いたか 基礎
生徒倒置とか強調とか省略とか、名前がいっぱいあって、もう全部「特殊」に見える……。
先生安心して。全部「ふつうの文をちょっといじった形」なんです。いじり方が5種類あるだけ。
生徒いじった形なら、元に戻せば読めるってこと?
先生そう。この単元のゴールはそれ。「崩れた文を見たら、元の形に戻す」。これができれば難関大の長文もこわくない。
特殊構文=ふつうの文をいじった形
英語のふつうの形は S V O C(主語・動詞・目的語・補語)+ M(修飾語)。特殊構文はそれを 動かす(倒置)、目立たせる(強調)、消す(省略)、割り込ませる(挿入)、言いかえる(同格) の5パターンだけです。
読むときは、いつも「元の形はどうだった?」と考えます。
| 名前 | 何をする? | 例 | 元に戻すと |
|---|---|---|---|
| 倒置 | 語順を入れかえる | Never have I seen it. | I have never seen it. |
| 強調 | 一部にスポットライト | It was Ken that broke it. | Ken broke it. |
| 省略 | わかる部分を消す | When young, he lived here. | When he was young, … |
| 挿入 | 文の途中に割り込む | He is, I think, honest. | I think he is honest. |
| 同格 | 名詞の中身を言いかえる | the news that he won | the news = he won |
5つとも「元の形」がある。元に戻せれば必ず読める。
なぜ英語はわざわざ形を崩すのか。理由はシンプルで、目立たせたいところがあるからです。英語では文の 頭 と お尻 が目立つ「特等席」。そこに言いたいことを移動させるために、語順を動かしたり、It is ~ that で囲んだりするのです。
日本語は「てにをは」で役割を示すので、語順を入れかえても意味が通じます(「リンゴを私は食べた」)。英語は 位置で役割を決める言語 なので、語順を崩すとすぐに「おや?」と気づかれる。だからこそ、崩すと強調になるわけです。
否定語などが文頭に来ると、後ろが 疑問文と同じ語順(助動詞・be動詞・do が S の前)になる。
Never have I seen such a big dog.
場所・方向・補語(be動詞などの後ろで主語の正体や様子を説明する語)が文頭に来ると、動詞そのものが主語の前に出る(do は使わない)。
Here comes the bus.
- Here comes the bus!
ほら、バスが来た!(Here が文頭で V S。日常会話の超定番。) - There goes our train…
あーあ、電車が行っちゃった……(There が文頭。「行ってしまう」の go。) - Here it comes!
ほら、来た来た!(主語が代名詞 it なので倒置しない。) - Here you are.
はい、どうぞ。(これも代名詞主語なので S V のまま。)
英文を読むとき、文頭が 主語っぽくない語(Never / Little / Only / Not until / So + 形容詞 / On the hill / Here…)で始まったら、その瞬間に「倒置かも」とアンテナを立てます。
そのあと、文頭の語句のすぐ後ろにある助動詞・be動詞(Here や場所の句なら動詞そのもの)を探すと、その直後に主語が見つかります。
なぜ効く? 倒置は「文頭の特別な語」とセットでしか起きません。引き金になる語を先に覚えておけば、後ろの語順の乱れを予測でき、読むスピードが落ちません。
確認問題 Look! Here ( ) the bus.
Here が文頭 → 動詞 comes が主語 the bus の前に出る V S の倒置。主語は the bus(3人称単数)なので comes。
人は予想どおりのものより、予想を裏切るものに注意を向けます。英語話者の頭には「S V O」の型が強く入っているので、Never have I… のような語順に出会うと一瞬「おや?」と引っかかる。その引っかかりこそが強調の正体です。倒置は、語順が決まっている言語ならではの「目立たせワザ」なのです。
02否定語が文頭に来たら「疑問文の語順」 標準
否定の副詞(句)が文頭 → 後ろは疑問文の語順
never / little / hardly / seldom / not a + 名詞 / under no circumstances などの 否定語が文頭 に来ると、後ろは
助動詞・be動詞・do/does/did + S + V
という 疑問文と同じ語順 になります。これを「否定語倒置」と呼びます。
なぜ疑問文の語順? 否定語を文頭に出すのは「これは否定だ!」と強く言うため。英語は、文頭に否定の要素を置いたとき、助動詞を前に出して「ここは特別な文ですよ」と合図する決まりがあります。昔の英語は「動詞を2番目に置く」傾向が強く、その名残だという説明がよくされます。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る一般動詞の文を倒置するときは、動詞を do/does/did(時制担当)+ 原形(意味担当) に分裂させ、時制担当だけを主語の前に出します。
knew → did + know、goes → does + go、met → did + meet。
なぜ効く? 疑問文(Did he know?)と完全に同じしくみ。疑問文が作れる人なら、倒置も作れます。
| 文頭に来る否定語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| never | 一度も〜ない | Never have I been so happy. |
| little | 全く〜ない(know / think / dream / imagine / realize と) | Little did she dream of it. |
| hardly / scarcely | ほとんど〜ない | Hardly could I believe my eyes. |
| rarely / seldom | めったに〜ない | Rarely does Ken miss practice. |
| not a + 名詞 | ひとつの〜も…ない | Not a word did she say. |
| nowhere | どこにも〜ない | Nowhere can you find better ramen. |
| under no circumstances | どんな状況でも決して〜ない | Under no circumstances should you open it. |
| at no time | 一度も〜ない | At no time was the child left alone. |
| in no way | 決して〜ない | In no way is this your fault. |
| not once | 一度も〜ない | Not once did he say thank you. |
no を含む前置詞句(under no ~ / at no ~ / in no ~ / on no account)も倒置の引き金。
- Never have I seen such a beautiful sunset.
こんなに美しい夕日は見たことがない。 - Little did he know that his friends were planning a surprise party.
友だちがサプライズパーティーを計画しているとは、彼は知る由もなかった。 - Not a word did she say during the meeting.
会議のあいだ、彼女はひとことも話さなかった。(目的語 not a word が文頭へ。目的語でも「否定」なら倒置。) - Under no circumstances should you share your password.
どんな事情があってもパスワードを人に教えてはいけません。 - Rarely does the bus come on time around here.
このあたりではバスが時間どおりに来ることはめったにない。
文頭の Little did S know [dream / think / imagine / realize] は「まさか〜とは思いもしなかった」という強い否定。「少し知っていた」と訳したら大事故です。
Under no circumstancesM shouldV youS openV this doorO.
どんな状況でも、このドアを開けてはいけない。倒置が起きるのは、否定語が 主語以外(副詞・目的語など)として文頭に来たときだけ。
No one knew the answer.(No one は主語 → 倒置なし)
Not a single student was late.(主語 → 倒置なし)
※否定語が主語以外でも、In no time(すぐに)/ Not long ago(少し前に)のように文全体を否定しない句なら倒置しない(→後のレッスン)。
生徒Never have I seen… って、ふつうに I have never seen… でよくない?
先生意味は同じ。でも「一度も!見たことが!ない!」という熱量が全然違う。スピーチや小説、ニュースの見出しっぽい文でよく使います。
生徒じゃあ日常会話ではあんまり言わない?
先生ふだんのおしゃべりでは少なめ。だけど書き言葉や入試の英文には山ほど出るから、読めて書けることが大事です。
確認問題 Little ( ) that she would become a famous singer.
文頭の否定語 Little → 疑問文の語順「did + S + 原形」。she dreamed / she did dream はふつうの語順なので不可。dreamed she のように動詞だけを前に出す形は不可(それは場所の倒置の形)。
03Only / Not until / No sooner / Hardly:時と条件の倒置 応用
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見るOnly + 副詞(句・節)が文頭 → 主節が倒置
only は「〜だけ、〜してはじめて」という 半分否定 の語。「それ以外では〜ない」という否定の意味を含むので、文頭に来ると否定語と同じく 疑問文の語順 を引き起こします。
倒置するのは only のかたまりの後ろの「主節」(文の中心になる S V の部分)。only のかたまりの中は倒置しません。
- Only then did I realize my mistake.
そのときになってはじめて、私は自分の間違いに気づいた。 - Only by practicing every day can you improve.
毎日練習することによってしか上達できない。 - Only if you finish your homework can you play games.
宿題を終えた場合に限り、ゲームをしてよい。 - Only after the game was over did he notice his injury.
試合が終わってはじめて、彼はけがに気づいた。(the game was over は倒置しない。did he notice が倒置。)
Only Ken knew the answer.(ケンだけが答えを知っていた)
Only が主語 Ken にかかっているので、ただの S V。倒置は「only + 副詞(句・節)」が文頭のときだけ。
※Only a few years ago, few people had smartphones.(つい数年前には…)のように「つい〜前」の意味の only は否定の意味がないので、倒置しないのがふつう。
次は Not until。「〜するまで…しなかった」=「〜してはじめて…した」という意味の超頻出構文で、3つの形に書きかえられます。入試では「3つの形を行き来できるか」がそのまま問われます。
| 形 | 例文 | ポイント |
|---|---|---|
| ふつうの文 | I didn't know the truth until I read her letter. | not … until ~ |
| 倒置 | Not until I read her letter did I know the truth. | 主節が疑問文の語順 |
| 強調構文 | It was not until I read her letter that I knew the truth. | that の後ろはふつうの語順 |
訳はどれも「彼女の手紙を読んではじめて真実を知った」。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る✕ It was not until I read her letter did I know the truth.
○ It was not until I read her letter that I knew the truth.
It was ~ that の強調構文では、that の後ろはふつうの語順。倒置形と強調構文を混ぜた形は正誤問題の定番です。
最後は「〜するとすぐに」を表す No sooner と Hardly [Scarcely]。どちらも「先に起きたこと」を 過去完了(had + 過去分詞。以下 had p.p. と書きます)、「すぐ後に起きたこと」を 過去形 で書き、否定語が文頭なので倒置します(文頭に出さない I had no sooner got home than … なら倒置なし)。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る| 形 | 例文 |
|---|---|
| No sooner had S p.p. than S 過去形 | No sooner had I got home than it began to rain. |
| Hardly [Scarcely] had S p.p. when [before] S 過去形 | Hardly had I got home when it began to rain. |
| As soon as S 過去形, S 過去形 | As soon as I got home, it began to rain. |
| The moment S 過去形, S 過去形 | The moment I got home, it began to rain. |
訳はすべて「家に着くとすぐに雨が降り出した」。got は米語では gotten も可。
No sooner A than B は直訳すると「B よりも A が早いということはない」=ほぼ同時。比較の文なので than。
Hardly A when B は「B が起きたとき、A はほとんど済んでいなかった」=済むか済まないかのうちに。時の文なので when(before)。
なぜ効く? 「なぜ than なのか」を比較の sooner(soon の比較級)と結びつけると、when と取り違えなくなります。理屈で覚えた知識は丸暗記より忘れにくい(精緻化)。
No sooner の相棒は than(ザンねん)、Hardly / Scarcely の相棒は when(ウェン)。関西弁のノリで一気に言うと、組み合わせを取り違えなくなります。
確認問題 No sooner ( ) home than it began to rain.
No sooner が文頭 → 倒置。先に起きたこと(帰宅)は過去完了で had I got。I had got は倒置していないので不可。
確認問題 It was not until I read her letter ( ) the truth.
It was not until ~ that … の強調構文。that の後ろはふつうの語順なので that I knew。did I know は Not until が文頭のとき(It was がないとき)の形。
04So / Such / Nor / So do I:程度の倒置と「〜も」の倒置 応用
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見るSo + 形容詞・副詞 が文頭 → 疑問文の語順
S V so ~ that … の「so + 形容詞・副詞」を文頭に出すと、後ろが 疑問文の語順 になります。
She was so tired that she fell asleep.
→ So tired was she that she fell asleep.
- So tired was she that she fell asleep on the bus.
彼女はとても疲れていたので、バスで寝てしまった。 - So fast did he run that nobody could catch up with him.
彼はとても速く走ったので、だれも追いつけなかった。(一般動詞 ran → did + run に分裂。) - So great was the demand for tickets that they sold out in minutes.
チケットの需要がとても大きかったので、数分で売り切れた。
Such も同じように倒置します。ただし形が少し特殊で、Such + be + S + that… の形。such はここでは「それほどのもの」という 補語 です。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る- Such was his anger that nobody dared to speak.
彼の怒りはすさまじく、だれもあえて口をきこうとしなかった。 - Such was the power of the storm that many trees fell down.
嵐の力はすさまじく、多くの木が倒れた。
次は会話で毎日使う倒置、So do I / Neither do I。「私も(そう)」を言うとき、英語では So [Neither / Nor] + V + S と倒置します。
| 相手の文 | 「私も」の返し | ポイント |
|---|---|---|
| I like cats. | So do I. | 一般動詞(現在)→ do |
| I went to the concert. | So did I. | 一般動詞(過去)→ did |
| I'm hungry. | So am I. | be動詞 → be動詞 |
| I can swim. | So can I. | 助動詞 → 同じ助動詞 |
| I have finished it. | So have I. | 完了形 → have |
| I don't like natto. | Neither [Nor] do I. | 否定文には Neither / Nor |
| I can't swim. | Neither [Nor] can I. | I can't either. と同じ意味 |
動詞の種類と時制を、相手の文にそろえるのがコツ。
「S もそうだ」。新しい主語に話題を移す。
“Ken is tall.” “So is his brother.”(弟もね)
「確かにそうだ」。同じ主語について相手の言葉を認める。
“Ken is tall.” “So he is.”(確かにそうだね)
So do I は主語 I が最後=「私も」が言いたいこと。So he is は is が最後=「そうなんだよ」が言いたいこと。
文末に何が来ているかで、話し手が伝えたいことがわかります。
なぜ効く? 英語には「新しい情報ほど文の後ろに置く」という強い傾向(文末焦点)があります。倒置はこの傾向を満たすための道具です。
否定文の後ろに nor + 倒置 で「〜もしない」を続ける形や、Not only が文頭 に来る形もよく出ます。
- He didn't apologize, nor did he promise to do better.
彼は謝らなかったし、次はちゃんとやると約束もしなかった。 - Not only did she pass the exam, but she also got the top score.
彼女は試験に合格しただけでなく、最高点も取った。(前半だけ倒置。but の後ろはふつうの語順。)
確認問題 “I was really tired after the game.” “So ( ) I.”
相手の文は be動詞の過去形 was。So + V + S で「私も」なので So was I。am は時制が合わない。
05V S 型の倒置:場所・方向・補語が文頭/仮定法の if 省略/as・than の後ろ 応用
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る場所・方向の副詞(句)が文頭 → 動詞ごと主語の前へ
On the hill / Down / In the box / Here / There などの 場所・方向 を表す語句が文頭に来ると、V + S の順になります。
否定語倒置と違って do/does/did は使わず、動詞そのもの が前に出ます。動詞は be / stand / lie / sit / come / go / live など「存在・移動」を表す自動詞(目的語をとらない動詞)がほとんど。
- On the hill stood an old castle.
丘の上には古い城が建っていた。 - In the box were three kittens.
箱の中には子猫が3匹いた。(動詞は後ろの主語 three kittens に合わせて were。) - Down came the rain.
ザーッと雨が降ってきた。 - Among the guests was a famous actor.
招待客の中に有名な俳優がいた。
✕ Here comes he. ○ Here he comes.
✕ On the hill stood it.
代名詞(he / she / it / they)はすでに話に出た 旧情報。わざわざ文末の特等席に置く理由がないので、倒置しません。
補語(C)が文頭 に来るパターンもあります。形容詞や過去分詞を文頭に出して、C + V + S。主語が長いときによく起こります(長い主語を後ろに回すとバランスがよくなる)。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見るHappyC areV thoseS who have true friends関係詞節.
本当の友を持つ人は幸せだ。一方、目的語(O)が文頭 に来ても倒置は起こりません(O S V)。「それ」を話題として先に出しているだけです。ただし Not a word のように 否定語を含む目的語 なら、否定語倒置(Not a word did she say.)になります。
- That I can't believe.
それは信じられない。(O(That)+ S + V。倒置なし。) - Some of his songs I like; others I don't.
彼の曲の中には好きなのもあれば、そうでないのもある。
| 文頭に来るもの | 後ろの語順 | 例 |
|---|---|---|
| 否定語・準否定語(hardly / seldom など「ほとんど〜ない」系)・only + 副詞 | 疑問文の語順(助動詞 S V) | Never have I seen it. |
| So + 形容詞・副詞 / Such | 疑問文の語順 | So tired was she that… |
| 場所・方向の副詞(句) | V S(動詞ごと) | On the hill stood a castle. |
| 補語(形容詞・分詞) | V S | Happy are those who… |
| 目的語 | S V(倒置なし) | That I can't believe. |
倒置の全体地図。「疑問文型」と「V S 型」と「倒置なし」の3種類に分けて覚える。
もう一つの大物が 仮定法の if 省略。If 節の were / had / should を文頭に出すと、if を消すことができます。書き言葉でよく使われます。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る| もとの形 | if 省略の倒置 |
|---|---|
| If I were you, … | Were I you, … |
| If it were not for ~, … | Were it not for ~, … |
| If I had known, … | Had I known, … |
| If it had not been for ~, … | Had it not been for ~, … |
| If you should need help, … | Should you need help, … |
| If he were to fail, … | Were he to fail, … |
文頭に出せるのは基本的に were / had / should の3つだけ。
✕ Hadn't I known, … ○ Had I not known, …
if 省略の倒置では、短縮形 Hadn't / Weren't は使わず、not を主語の後ろに置くのが正しい形です。
最後に上級編。as や than の後ろ でも、書き言葉では倒置が起こることがあります。主語が名詞で、比較・類似の相手をはっきり示したいときです(主語が代名詞なら倒置しないのが普通)。
- Emma plays the piano, as does her sister.
エマはピアノを弾くし、妹も弾く。 - City life is more stressful than is life in the countryside.
都会の生活は田舎の生活よりもストレスが多い。(かなりかたい書き言葉。than life in the countryside is でもよい。)
確認問題 ( ) you need any help, please call me at any time.
If you should need any help の if を省略した倒置 Should you need…。Would は if 省略の倒置で文頭に出せない(出せるのは were / had / should)。Had you need は形がおかしく、Unless では「助けが必要でなければ電話して」となり意味が通らない。
06強調構文 It is ~ that …:スポットライト構文 標準
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見るIt is【強調したいもの】that【残り】
文の中の1か所にスポットライトを当てるのが 強調構文。強調したい語句を It is と that ではさみ、残りを that の後ろに置きます。
訳は「…なのは【 】だ」。主語・目的語・副詞(句・節)を強調できます。
- It was Ken that broke the window yesterday.
昨日窓を割ったのはケンだ。(主語を強調。人なら that の代わりに who も可。) - It was the window that Ken broke yesterday.
ケンが昨日割ったのは窓だ。(目的語を強調。) - It was yesterday that Ken broke the window.
ケンが窓を割ったのは昨日だ。(副詞を強調。) - It was in this room that the meeting was held.
会議が開かれたのはこの部屋だ。(前置詞句ごと強調。)
It is [was] と that を消して、残りを並べ直してみます。
ちゃんとした文になる → 強調構文。
ならない → 形式主語構文(仮の主語 It を先に置き、本当の主語の that 節を後ろに回した形)など別物。
It was Ken that broke the window. → Ken broke the window. ○ ⇒ 強調構文
It is important that you come. → important you come ✕ ⇒ 形式主語構文
なぜ効く? 強調構文は、もとの文に「It is」と「that」を足しただけの形。だから引けば元に戻る。形式主語構文は It が that 節を指す別の構造なので、消すと文が壊れます。
It is と that の間に 名詞・副詞(句・節)。消すと元の文に戻る。
It was in Kyoto that I met her.
It is と that の間に 形容詞・名詞(補語)。It は that 節の身代わり。
It is strange that she didn't come.
疑問詞を強調 することもできます。Who を強調構文の【 】に入れて疑問文にすると、Who was it that …?(いったいだれが…したの?)。「だれなのか」をぐっと問い詰める言い方です。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る- Who was it that broke the window?
いったい窓を割ったのはだれなの? - What was it that made her so angry?
いったい何が彼女をあんなに怒らせたの? - I wonder what it was that made her so angry.
いったい何が彼女をあんなに怒らせたのだろう。(間接疑問では it was の語順に戻る。)
She is happy. の happy(形容詞の補語)や、Ken broke the window. の broke(動詞)は、ふつう It is ~ that ではさんで強調しません。
✕ It is happy that she is.
動詞を強調したいなら do / does / did を使います(次のレッスン)。
生徒that じゃなくて who や which を使ってもいいの?
先生強調するのが人なら who、物なら which も使えます。ただ、when や where は会話で見かけても、試験では that にしておくのが安全。
生徒It was ってなってるけど、It is の場合もあるの?
先生過去の話なら It was、今の話なら It is が基本。ここは元の文の時制に合わせる、と考えればOK。
確認問題 It was in this park ( ) I first met Yuki.
It was と that を消すと I first met Yuki in this park. =文になる → 強調構文。in this park は前置詞句なので関係代名詞 which は入らない。what も後ろに穴(欠けた S や O)が必要なので不可。there には前後をつなぐ働きがない。
07do の強調・on earth・the very・否定の強調 標準
強調のしかたは強調構文だけじゃない
強調したい品詞によって道具が変わります。
動詞 → do / does / did + 原形
疑問詞 → on earth / in the world
名詞 → the very / 再帰代名詞(itself など)
否定 → at all / in the least / whatever
- I did lock the door. I'm sure!
ドアのカギは本当にかけたんだって。絶対! - She does love you.
彼女は本当にあなたのことが好きなんだよ。 - Do come in.
さあ、どうぞどうぞ入って。(命令文の前に Do で「ぜひ」。)
✕ I did locked the door. ○ I did lock the door.
✕ She does loves you. ○ She does love you.
時制と三単現は do / does / did が全部引き受けます。発音では do を強く読みます。
- What on earth are you doing?
いったい何をしているの? - Who in the world told you that?
いったいだれがそんなことを言ったの? - This is the very book I was looking for.
これこそまさに私が探していた本だ。 - The house itself is old, but the kitchen is brand-new.
家そのものは古いが、台所は新品だ。 - He is kindness itself.
彼は親切そのものだ(とても親切だ)。
| 強調するもの | 道具 | 例 | 訳し方 |
|---|---|---|---|
| 動詞 | do / does / did + 原形 | I did tell you. | 本当に・確かに |
| 疑問詞 | on earth / in the world | Why on earth…? | いったい |
| 名詞 | the very + 名詞 | the very person | まさにその |
| 名詞 | 名詞 + 再帰代名詞 | the plan itself | 〜そのもの |
| 抽象名詞 | 抽象名詞 + itself | patience itself | 〜そのもの(とても〜) |
| 否定 | not … at all / not … in the least | I'm not in the least tired. | 少しも〜ない |
| 否定 | no + 名詞 + whatever [whatsoever] | There is no doubt whatever. | 全く〜ない |
| 否定 | by no means / not … by any means | It is by no means easy. | 決して〜ない |
on earth / in the world は 疑問詞のすぐ後ろ に置きます(✕ What are you on earth doing?)。
否定の強調の whatever / whatsoever は no + 名詞 の直後(no reason whatever)。複合関係詞の whatever(何を〜しても)と取り違えないように。
ThisS isV the very bookC (that) I was looking for関係詞節.
これこそまさに私が探していた本だ。疑問詞 + on earth / in the world =「いったい」。地球(earth)規模、世界(world)規模で「いったいなんなの!」とツッコむイメージで覚えます。置く場所は必ず疑問詞のすぐ後ろ、というところまでセットで。
生徒I did lock the door. って、did がなくても意味同じだよね?
先生事実は同じ。でも「カギかけた?」と疑われたときの「かけたってば!」が did。言い返しの気持ちが入る。
生徒じゃあ普通に説明するときには使わない?
先生そう。だれかの思い込みを打ち消したいとき、「本当に」を足したいときの道具です。
確認問題 I ( ) call you last night, but you didn't answer.
call が原形 → 強調の do。昨夜の話なので did。「電話はちゃんとしたんだけど、出なかったよね」という言い返しの気持ち。
08省略:わかるものは消す 応用
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る英語は「言わなくてもわかる」部分を消す
くり返しを嫌う英語は、文脈から明らかな部分をどんどん消します。入試で狙われるのは次の5つ。
① 副詞節の S + be の省略(when young)
② if any / if ever / if necessary などの決まり文句
③ 代不定詞(I'd love to.)
④ 共通要素の省略(and / but の後ろ)
⑤ 比較の than / as の後ろ
- When young, my father lived in Canada.
若いころ、父はカナダに住んでいた。 - While walking home, I met an old friend.
歩いて帰る途中、昔の友だちに会った。(While I was walking の I was を省略。) - Though tired, she kept on practicing.
疲れていたが、彼女は練習を続けた。 - Fill in the form if necessary.
必要なら用紙に記入してください。(if (it is) necessary。主語が it のときも省略可。) - Call me back if possible.
できれば折り返し電話をください。
when / while / though / if / unless / once などの直後に、いきなり形容詞・-ing・過去分詞・前置詞句 が来ていたら、間に「主節の主語 + be動詞」が隠れています。補って読めば一発で意味がとれます。
なぜ効く? 接続詞の後ろには本来 S V が来るはず。それがないのは消されたから。消せるのは「わかる部分(主節と同じ主語)」と「意味の軽い be」だけなので、補うべきものも自動的に決まります。
| 決まり文句 | 意味 | 使う相手 | 例 |
|---|---|---|---|
| if any | たとえあるとしても・もしあれば(Correct the errors, if any.) | few / little + 名詞 | There are few, if any, mistakes. |
| if ever | たとえあるとしても | seldom / rarely(頻度) | He seldom, if ever, eats out. |
| if anything | どちらかといえば・むしろ | 比較級など | If anything, it's getting worse. |
| if not | 〜ではないにしても | 形容詞・名詞 | difficult, if not impossible |
| if necessary / if possible | 必要なら・できれば | 文全体 | If possible, come early. |
if any は「数・量(名詞)」、if ever は「回数(頻度)」。
few / little(モノの数・量)の後ろには if any、seldom / rarely(めったに〜ない=回数)の後ろには if ever。「エニー(any)=モノ、エバー(ever)=回数」の2セットで覚えます。
代不定詞 は、to 不定詞の後ろの動詞句を消して to だけ を残す形です。I'd love / I'd like / I want の後では to を残すのが原則。※ただし Come if you want. / Do as you like. のように、if you want / if you like では to ごと消すのもふつう。
- “Would you like to join us?” “I'd love to.”
「いっしょにどう?」「ぜひ」(to の後ろに join you が省略されている。) - You don't have to come if you don't want to.
来たくなければ来なくていいよ。 - I told him not to go, but he wanted to.
行くなと言ったのに、彼は行きたがった。
共通要素の省略 では、and / but の後ろで前と同じ動詞が消え、カンマが残ることがあります。「何が消えたか」を前から探すのがコツです。
- Some students went by bus, and others by bike.
バスで行った生徒もいれば、自転車で行った生徒もいた。(others (went) by bike。) - Ken likes dogs, and his sister, cats.
ケンは犬が好きで、妹は猫が好きだ。(カンマが「likes が消えた跡」。) - He is taller than I (am).
彼は私より背が高い。(比較の後ろの省略。口語では than me も普通。)
✕ When young, my father took me to the sea.(若かったのが「私」なら不可。主語 my father と同じだと読まれてしまう)
○ When I was young, my father took me to the sea.
消した主語は主節の主語と同じだと読まれます。例外は if necessary / if possible のような it is の省略。
確認問題 My grandfather seldom, if ( ), watches TV.
seldom(めったに〜ない=頻度)の後ろなので if ever「たとえあるとしても」。if any は few / little + 名詞と組む。
09挿入:カッコでくくって読め 応用
挿入=文の途中に割り込んだ「おまけ」
カンマやダッシュ(—)で区切られて文の途中に割り込んでいる語句が 挿入 です。挿入は文の骨組み(S V O C)に関係しない おまけ なので、読むときは まず( )でくくって、残りだけで文型をとる のが鉄則です。
HeS isV (I think)挿入 the best player on the teamC.
彼はチームで一番の選手だと思う。| 挿入の種類 | 例 | 訳し方 |
|---|---|---|
| S + 思考・伝達動詞 | I think / I believe / I'm sure / it seems / I'm afraid / they say | 〜と思う・〜らしい |
| 決まり文句の副詞句 | of course / in fact / so to speak / to be sure / after all | もちろん・いわば |
| 副詞節 | as far as I know / if any / if possible / as you know | 私の知る限り・ご存じのとおり |
| つなぎの副詞 | however / therefore / for example / on the other hand | しかし・例えば |
| 説明の追加 | — which surprised everyone — / , by the way, | (補足説明) |
- The singer, as far as I know, has never been to Japan.
私の知る限り、その歌手は日本に来たことがない。 - Yuki is, so to speak, a walking dictionary.
ユキはいわば歩く辞書だ。 - The new plan — if it works — will save a lot of time.
新しい計画は、うまくいけば、多くの時間の節約になるだろう。 - This book, however, is not for beginners.
しかし、この本は初心者向けではない。
挿入の中で入試の主役になるのが 連鎖関係詞節。関係詞の直後に I think / I believe / I'm sure などが割り込んだ形です。見た目は「関係詞 + S + V + V」と動詞が2つ続くので、初見だと混乱します。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る関係詞の後ろの I think / I believe / I'm sure を( )でくくって消してみます。
This is the man [who] (I think) is honest. → 後ろに動詞 is が続く → 関係詞は主語 → who。
✕ whom I think is honest は正誤問題の超定番。
なぜ効く? I think は挿入なので、関係詞の「格」(主語の働きをする主格 who か、目的語の働きをする目的格 whom か)を決めるのは I think の後ろの動詞です。挿入を消せば、ただの「who + V」の形に戻ります。
目の前に I がいるので「I の目的語だから whom?」と錯覚しがち。英語圏の書き手でもこの誤り(過剰修正=正しく書こうとしすぎて、かえって間違えること)が見られるほど紛らわしい形です。入試では迷わず who。
疑問文にも挿入が入り込みます。do you think / do you believe / do you suppose / do you say が疑問詞の後ろに割り込むと、疑問詞が文頭に出ます。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見るYes / No で答えられる質問(知ってる?知らない?)。疑問詞は後ろのまま。
Do you know where he lives?
Yes / No では答えられない質問(どこだと思う?)。疑問詞が文頭へ。
Where do you think he lives?
「Do you think where he lives?」に Yes と答えても意味がない → 疑問詞を文頭へ。
「Do you know where he lives?」には Yes(知ってる)と答えられる → そのまま。
think / believe / suppose / imagine / guess / say は疑問詞が前、know / wonder / ask / remember は後ろ。
なぜ効く? 相手に求めている答えが「中身(場所)」なのか「Yes / No」なのかで、何を文頭に置くべきかが決まるからです。英語の疑問文は「一番知りたいもの」を文頭に置きます。
確認問題 ( ) do you think will win the championship?
do you think は挿入。消すと( )will win… → 動詞 will win の主語 → Who。Whom は目的格なので不可。
確認問題 He is the student ( ) I believe is most likely to pass the exam.
I believe を消すと the student ___ is most likely… → is の主語 → who。whom は I believe に目がくらんだ人向けのひっかけ。
10同格:名詞の中身を横から説明する 応用
同格=「A、つまり B」
名詞 A のすぐ近くに、その 中身・正体 を説明する語句 B を並べるのが同格です。A と B はイコール関係。形は4つ。
① 名詞 + that 節(the news that he won)
② 名詞 + of + 名詞 / 動名詞(the city of Rome)
③ 名詞, 名詞(Emma, my best friend)
④ 名詞, or 名詞(言いかえ・定義)
- The news that our team had won made everyone happy.
私たちのチームが勝ったという知らせに、みんな喜んだ。 - I can't accept the idea that money is everything.
お金がすべてだという考えは受け入れられない。 - There is a possibility that the train will be late.
電車が遅れる可能性がある。 - The rumor that the singer is coming to our town turned out to be true.
その歌手が私たちの町に来るといううわさは本当だった。
The newsS that our team had won同格 madeV everyoneO happyC.
私たちのチームが勝ったという知らせに、みんな喜んだ。| グループ | 同格の that 節をとる名詞の例 |
|---|---|
| 事実・証拠 | fact / truth / evidence / proof / sign |
| 知らせ・うわさ | news / rumor / report / message |
| 考え・信念 | idea / belief / thought / opinion / conclusion / feeling |
| 希望・不安 | hope / fear / doubt / worry |
| 可能性 | possibility / chance / likelihood |
| 提案・要求(that 節は原形 or should) | suggestion / proposal / demand / request |
どれも「中身(内容)」を持つ名詞。中身があるから that 節でその中身を示せる。
最大の山場は、同格の that と 関係代名詞の that の見分けです。どちらも「名詞 + that + 文」なので見た目は同じ。決め手は that の後ろが完全文か、不完全文か です。
that の後ろは 完全文(S も O も欠けていない)。that 節=名詞の中身。訳は「〜という名詞」。
The news that he won the race surprised us.
that の後ろは 不完全文(S か O が欠けている)。that 節=名詞の説明。訳は「〜する名詞」。
The news that he told us _ surprised us.
The newsS that Ken told us関係詞節 wasV falseC.
ケンが私たちに話したニュースはうそだった。迷ったら that を which に置きかえてみます。
The news which he told us … ○ → 関係代名詞。
The news which he won the race … ✕ → 同格の that。
同格の that は接続詞なので、which にはなりません。
なぜ効く? 関係代名詞は「代名詞」なので、節の中で S や O の役をします。役があるから which / who と交換できる。同格の that は節の中で何の役もしない「つなぎ」なので、代名詞とは交換できないのです。
同格の of は「A という B」。the city of Rome は「ローマという都市」であって「ローマの都市」ではありません。後ろに動名詞が来る形も多く出ます。
- the city of Rome
ローマという都市 - I like the idea of living abroad.
海外で暮らすという考えが気に入っている。 - She has the habit of biting her nails.
彼女には爪をかむくせがある。 - Mr. Tanaka, our homeroom teacher, is from Hokkaido.
担任の田中先生は北海道出身だ。(同格のカンマ。カンマではさんだ部分が Mr. Tanaka の説明。) - Entomology, or the study of insects, is his specialty.
昆虫学、つまり昆虫の研究が彼の専門だ。(同格の or =「つまり」。「または」ではない。)
主語が長くなりすぎるのを嫌って、同格の that 節だけが動詞の後ろに回ることがあります。
A rumor spread that the principal was going to retire.(校長が退職するといううわさが広まった)
that 節は spread の目的語ではなく、A rumor の中身。名詞と that 節が離れていても、完全文なら同格を疑いましょう。
確認問題 The fact ( ) he had lied to us made her very angry.
that の後ろ he had lied to us は完全文 → 同格の that。「彼がうそをついたという事実」。which は関係代名詞なので、後ろが完全文では使えない。what は先行詞(the fact)の後ろには置けず、of which も後ろが完全文ではつながらない。
11難関大の差がつくポイント:共通構文と崩れた文の構造読み 難関
共通構文=A and B が前後の語を「シェア」する
等位接続詞(and / but / or)でつながれた A と B が、前や後ろにある同じ語を共有する形を 共通構文 といいます。下の X・Y が、A と B に共有される語です。
X (A + B) = XA + XB
(A + B) X = AX + BX
X (A + B) Y = XAY + XBY
読むときは「and の後ろと同じ形のものを前から探す」のが鉄則です。
- She was interested in, and good at, mathematics.
彼女は数学に興味があり、得意でもあった。((interested in + good at) mathematics。前置詞 in と at が同じ目的語をシェア。) - I can, and will, finish this by Friday.
金曜までにこれを終わらせられるし、終わらせるつもりだ。((can + will) finish。) - The value of health and friendship is often forgotten.
健康と友情の価値は忘れられがちだ。(of (health + friendship)。) - He read the letter again and again, and then burned it.
彼はその手紙を何度も読み、そして燃やした。(He (read … + burned …)。and の後ろが動詞なので、前の動詞 read とペア。)
SheS wasV interested inC and接続詞 good atC mathematics前置詞の目的語.
彼女は数学に興味があり、得意でもあった。and / but / or を見つけたら、すぐ後ろの品詞・形 を確認します(動詞の過去形? to 不定詞? 前置詞句?)。そして前方に同じ形を探し、ペアを確定させます。ペアが決まれば、共有されている語も自動的に見えます。
なぜ効く? 等位接続詞は「文法的に同じ種類のもの」をつなぐのが原則です(並列の原則)。だから片方がわかれば、もう片方もふつう同じ形で前にあります(slowly and with care のように副詞と前置詞句を並べる例外もある)。
- カンマ・ダッシュではさまれた部分を( )でくくる(挿入・同格)
- 文頭が Never / Little / Only / Not until / So + 形容詞 / 場所の句なら倒置を疑い、助動詞・be動詞の後ろに主語を探す
- It is ~ that は消去テストで強調構文か形式主語かを判定
- 名詞 + that は後ろが完全文かどうかで同格か関係詞かを判定
- 接続詞の直後が形容詞・分詞なら S + be の省略を補う
- and / but / or の後ろと同じ形を前から探し、共通の語を確定
Not until the 20th centuryM wasV the theoryS (long ignored by scholars)挿入 acceptedV.
その理論は、長いあいだ学者たちに無視されていたが、20世紀になってはじめて受け入れられた。上の文は、倒置(Not until … was the theory accepted)の中に挿入(long ignored by scholars)が入り込んでいます。挿入を外すと was the theory accepted = 受動態の倒置だとわかります。複数の特殊構文が重なった文 こそ、難関大が好む英文です。
「あっという間に」。否定の意味がないので倒置しない。
In no time she finished her homework.
「一度も〜ない」。本当の否定なので倒置する。
At no time did she complain.
倒置が起きるのは、その語句が 文全体を否定しているとき だけ。in no time(すぐに)は「時間がかからない=すぐ」という肯定の意味なので倒置しません。not far from(〜から遠くない所に)も否定ではなく「場所」の表現なので、倒置するなら V S 型です。
Not far from the station is a new cafe.(駅からほど近い所に新しいカフェがある)
もうひとつ、難関大で狙われるのが 「倒置するかしないかで意味が変わる」 文です。否定語が文全体を否定しているのか、一部分だけにかかっているのかを、倒置が教えてくれます。
「どんな仕事についても、彼女は幸せにならないだろう」(= She wouldn't be happy with any job. 彼女を幸せにする仕事は一つもない)
With no job would she be happy.
「仕事がなくても、彼女は幸せだろう」(no は with no job の中だけにかかり、文は肯定)
With no job, she would be happy.
確認問題 Not until the end of the concert ( ) that her phone had been stolen.
Not until ~ が文頭(It was がない)→ 主節は疑問文の語順 did she notice。that she noticed は It was not until … that の強調構文のときの形。
確認問題 In no time he finished his homework. の意味として最も適切なものを選べ。
in no time は「あっという間に」。否定の意味ではないので、後ろも倒置していない(he finished)。倒置の有無が意味のヒントになる。
12超上級:ネイティブの感覚——倒置と強調は「情報の並べ方」 超難関
英語は「旧情報 → 新情報」の順に並べたい
英語の文には、すでに知っている情報(旧情報)を前に、初めて出す情報(新情報)を後ろに 置こうとする強い傾向があります(文末焦点)。
倒置・強調構文・受動態・there 構文などの多くは、この並べ方を実現するための道具です。
- We walked into the garden. In the middle of it stood a huge statue.
私たちは庭に入った。その真ん中には巨大な像が立っていた。(庭(旧情報)→ 像(新情報)。倒置で自然な流れになる。) - We walked into the garden. A huge statue stood in the middle of it.
(意味は同じだが、いきなり像が出てきて流れが少しぎこちない)
場所の倒置で 代名詞主語が倒置しない のも、この原理で説明できます。代名詞 he / it は「もう話に出た人・物」=旧情報。旧情報を文末の特等席に置く理由がないのです。Here comes the bus(バスが新情報)はOKで、✕ Here comes it がダメなのはそのためです。
動く図解グラフが伸びるアニメーションアプリで見る強調構文(It is ~ that)は言語学では 分裂文(cleft sentence)と呼ばれます。ひとつの文を「焦点(新情報)」と「前提(わかっていること)」に分裂させるからです。
It was Ken that broke the window. → 前提:だれかが窓を割った(みんな知っている)/焦点:それはケン。
焦点が 前。「ほかでもない〜が」という対比のニュアンス。
It was a cold drink that I needed.
焦点が 後ろ。前置きをしてから答えを出すので、話し言葉でも多用される。
What I needed was a cold drink.
What I neededS wasV a cold drinkC.
私に必要だったのは冷たい飲み物だった。もうひとつ上級の話。Try as he might(どんなにやってみても)や Come what may(何があろうとも)は、昔の英語の仮定法・倒置が化石のように残った決まり文句です。現代英語でも書き言葉やスピーチで生きています。
- Try as he might, he couldn't open the jar.
どんなにがんばっても、彼はそのびんを開けられなかった。(= However hard he tried。動詞の原形 + as + S + might。) - Come what may, I will never give up my dream.
何があろうとも、私は夢を決してあきらめない。(= Whatever may come。) - Be that as it may, we still have to finish the project.
それはそうだとしても、私たちはやはりこの企画をやりとげなければならない。(相手の言い分をいったん認めて話を戻す決まり文句。)
生徒Come what may って、Come が命令文みたいで変な感じ。
先生実はこれ、仮定法現在。動詞の原形で「〜しようとも」「〜しますように」を表す昔の形です。「何が来ようとも」っていう昔の言い方が、決まり文句として残ったんです。
生徒化石みたいなもの?
先生まさに。くしゃみの後の (God) bless you の bless が blesses じゃないのと同じ仲間。英語の中には、こういう古い地層があちこちに顔を出してます。
日本語は「は」で話題(旧情報)を示し、「が」で新情報を示すことが多い言語です(「象は鼻が長い」の「は」は話題)。英語には「は・が」がない代わりに、語順 でそれを表します。倒置や強調構文は、英語版の「は・が」だと考えるとしっくりきます。
確認問題 “Emma looks tired today.” “( ) She stayed up all night studying.”
エマについて「確かにそうだね」と認めるので So + S + V の So she does.(looks を does で受ける)。So does she は「彼女も(疲れて見える)」で、ほかの人の話が前にないので合わない。
瞬間英作文チャレンジ
日本語を見て、3秒で英語にして声に出す。カードをタップすると答えが出ます。
超絶テク
文頭が Never / Little / Hardly / Seldom / Not a ~ / Only ~ / Not until ~ / No sooner / So + 形容詞 / Such / 場所の前置詞句 / Here / There なら、後ろのどこかで語順が入れかわっています。助動詞・be動詞(場所の句・Here / There のときは動詞そのもの)を見つけ、その直後に主語を探します。
なぜ効く? 倒置のほとんどは「文頭の引き金」とセットで起きます(例外は as / than の後ろの倒置や、"Hi," said Tom. のような引用の倒置)。引き金を先に見ておけば、後ろの乱れに驚かずに済み、読むスピードが落ちません。
Seldom does the bus come on time. → Seldom が引き金 → does の後ろの the bus が主語。
文頭に否定語・only + 副詞があり、選択肢に「S V」と「助動詞 S V」が並んでいたら、疑問文の語順(did he know / have I seen)を選びます。ただし It was not until … that の後ろ、only + 主語 の後ろは例外でふつうの語順。
なぜ効く? 否定語倒置は選択肢の形だけで判定できる数少ない論点。例外の2パターン(強調構文・only + 主語)だけ確認すれば、ほぼ秒殺できます。
Only then ( ) my mistake. → did I realize
否定語倒置・So + 形容詞倒置・強調の do では、一般動詞を「時制担当(do/does/did)」と「意味担当(原形)」に割ります。前に出るのは時制担当だけ。
なぜ効く? 疑問文(Did you go?)と同じしくみです。すでに身についている疑問文の作り方を流用できるので、新しく覚えることはほぼゼロ。
He rarely goes out. → Rarely does he go out.
It is [was] と that(who / which)を消し、残りを並べ直して文になるか確認。なれば強調構文(…なのは〜だ)、ならなければ形式主語構文(It = that 以下)。ただし文になっても、It が前に出た名詞を指す「それは」の意味なら that はただの関係代名詞。
なぜ効く? 強調構文は元の文に It is と that を「足しただけ」の形なので、引けば戻る。形式主語構文は It が that 節の代わりをする別の構造なので、消すと文が壊れます。
It was in 2020 that we met. → We met in 2020. ○ → 強調構文
カンマ・ダッシュではさまれた部分、関係詞の直後の I think / I believe / I'm sure、疑問詞の直後の do you think を( )でくくって一度消します。残った部分で S V O C を決め、who / whom などの格も残りで判断します。
なぜ効く? 挿入は文の骨組みに参加しない「おまけ」です。おまけを外すと、ふつうの文や関係詞節の形が現れます。
the girl who (I believe) is from Kobe → who は is の主語
Do you think …? に Yes / No で答えても意味がないなら、疑問詞を文頭へ(Where do you think he lives?)。Do you know …? は Yes / No で答えられるので疑問詞は後ろのまま(Do you know where he lives?)。
なぜ効く? 英語の疑問文は「答えてほしいもの」を文頭に置きます。場所を答えてほしいなら Where が先頭、知っているかどうかを答えてほしいなら Do が先頭です。
What do you suppose she meant? ○ / Do you suppose what she meant? ✕
that の後ろの文に、S や O の「穴」があるか確認。穴なし(完全文)→ 同格の that(〜という名詞)。穴あり(不完全文)→ 関係代名詞の that(〜する名詞)。迷ったら which に置きかえてみて、置きかえられたら関係代名詞。※the day that we met のような関係副詞の that も後ろは完全文なので、名詞が「時・理由・方法」なら要注意。
なぜ効く? 関係代名詞は節の中で S や O の役をするので、その分だけ穴があきます。同格の that は接続詞で節の中の役割がないため、後ろの文は欠けずに完全です。
the belief that hard work pays off(完全文 → 同格)
when / while / though / if / once / unless の直後が形容詞・分詞・前置詞句なら、主節の主語と be動詞が省略されています。補ってから訳すと誤読がなくなります。
なぜ効く? 消せるのは「言わなくてもわかる」ものだけ。わかる主語=主節の主語、意味の軽い動詞=be動詞、と決まっているので、補うものも一通りに決まります(if necessary / if possible の「it is」は例外)。
Though exhausted, she kept running. → Though she was exhausted
and / but / or を見つけたら、直後の形(動詞の過去形・to 不定詞・前置詞 + 名詞 など)を確認し、前方から同じ形を探します。ペアが決まれば、2つが共有している語(前後の X)も見えます。
なぜ効く? 等位接続詞は同じ種類・同じ形のものをつなぐのが原則(並列の原則)。片方が見えればもう片方はほぼ機械的に探せます。
She was interested in, and good at, math. → in と at が math を共有
否定を含む前置詞句のあとに倒置があれば文全体の否定、倒置がなければその句だけの話(肯定文)。In no time / With no job, … のような「疑問文型の倒置をしない no」は否定文ではありません。Not far from the station is … も場所の V S 倒置で、否定文ではない。
なぜ効く? 倒置は「この文は否定文ですよ」という合図です。合図がなければ、否定語があっても文全体は肯定と判断できます。
With no job would she be happy.(どんな仕事についても幸せにならない)/ With no job, she would be happy.(仕事がなくても幸せ)
語呂・暗記フック
No sooner の相棒は than(ザンねん)、Hardly / Scarcely の相棒は when(ウェン)。関西弁のノリで一息に言うと、組み合わせの取り違えがなくなります。no sooner は比較級なので than、と理屈も添えて。
Never / Little / Seldom が文頭に来ると、後ろは疑問文(have I / did he)の語順。「否定で始めたのに質問みたいな並びになる」という違和感ごと覚えます。
On the hill stood a castle. / Here comes the bus. 場所・方向が文頭の倒置では do / does / did は使わず、動詞がそのまま前に出ます。否定語倒置(do が出てくる)との区別に。
Here comes Tom. でも Here he comes.(✕ Here comes he)。代名詞は旧情報なので、文末の特等席には出てこずに Here のすぐ後ろに隠れている、というイメージ。
if を消して文頭に出せるのは Were / Had / Should の3つ。頭文字を並べて「ワヘシュ」。Did は出せず、Could などもふつうは出さない、とセットで覚えます。
few / little + 名詞(モノの数・量)の後ろには if any、seldom / rarely(回数)の後ろには if ever。「たとえあるとしても」の2セット。
It is と that を消しゴムで消して、文が残れば強調構文。残らなければ形式主語。「ゴシゴシして残ったら強調」とリズムで。
疑問詞の直後に on earth / in the world で「いったい」。地球規模・世界規模でツッコむイメージ。疑問詞のすぐ後ろ、という位置もセットで。
ひっかけ図鑑
It was not until ~ that の後ろはふつうの語順。Not until が文頭のとき(It was がないとき)だけ倒置する。2つを混ぜた形が正誤問題の定番。
✕ It was not until I got home that did I notice it.
○ It was not until I got home that I noticed it.
Only after [when / if] + S V の中はふつうの語順で、倒置するのは後ろの主節。逆に Only Ken knew the answer. のように Only が主語にかかっているときは倒置しない。
✕ Only after the game was over he noticed his injury.
○ Only after the game was over did he notice his injury.
Here / There / 場所の句が文頭でも、主語が代名詞なら倒置しない。
✕ Here comes she!
○ Here she comes!
No sooner は than、Hardly / Scarcely は when か before。組み合わせを入れかえた選択肢がよく出る。
✕ No sooner had I arrived when it started to snow.
○ No sooner had I arrived than it started to snow.
関係詞の後ろの I think は挿入。消すと後ろに動詞が続くので主格 who が正しい。
✕ She is the girl whom I think is the smartest in our class.
○ She is the girl who I think is the smartest in our class.
the fact / the news / the idea の後ろが完全文なら同格の that。which は関係代名詞なので使えない。
✕ The fact which she had quit the club surprised us.
○ The fact that she had quit the club surprised us.
「私も」は So do I(倒置)。So I do は「確かにそうだ」。相手の文と主語が同じか違うかで決まる。
✕ “I'm hungry.” “So I am.”(私も、の意味で)
○ “I'm hungry.” “So am I.”
if 省略の倒置では短縮形を文頭に出さず、not は主語の後ろ。
✕ Hadn't it been for your help, I would have failed.
○ Had it not been for your help, I would have failed.
few / little + 名詞には if any、seldom / rarely には if ever。
✕ There is little, if ever, hope of success.
○ There is little, if any, hope of success.
生徒のギモン
倒置って、ネイティブは普段の会話でも使うの?
種類によります。Here comes the bus. / So do I. / Neither can I. は毎日の会話で使う超日常表現です。一方、Never have I… / Little did he know… / Had I known… は、スピーチ・小説・ニュース・論説文など、かたい書き言葉や改まった場面で使われることが多い。入試の長文はまさにその書き言葉なので、読めることが必須です。
否定語が文頭に来ると、どうして疑問文の語順になるの?
英語は「文の2番目あたりに助動詞・動詞を置く」という古い時代の語順のなごりを、文頭に特別な語が来たときだけ今も残している、という説明がよくされます。実用的には「文頭の否定=この文は否定文だと最初に宣言する」ために、助動詞を前に出して「特別な文ですよ」と合図している、と考えるとわかりやすいです。
強調構文の that の代わりに which や who を使ってもいい?
強調するものが人なら who、物なら which も使えます(It was Ken who broke it.)。ただし when / where は、会話や一部の書き言葉で見かけても、試験では that にしておくのが安全です。どれを使っても、that が一番まちがいのない選択です。
When young, … の「S + be の省略」は、どんな接続詞でもできる?
when / while / though / although / if / unless / once / until / as if などでよく起こります。because では普通しません(because tired ✕)。また、省略できるのは原則「主節と同じ主語 + be動詞」だけ。if necessary / if possible のように it is を省略する決まり文句は例外として覚えます。
同格の that と関係代名詞の that、訳し方はどう変わる?
同格の that は「〜という(名詞)」、関係代名詞の that は「〜する(名詞)」「〜した(名詞)」。the news that he won は「彼が勝ったという知らせ」(知らせの中身=彼が勝った)、the news that he told me は「彼が私に話した知らせ」(知らせの中身は不明)。中身を言っているかどうか、が本質的な違いです。
So tired was she that… と She was so tired that… は、何が違うの?
意味は同じ「とても疲れていたので…」です。違うのは強調の度合いと文体。倒置形は「疲れていた、それもものすごく」の部分をまっさきに聞き手にぶつける、ドラマチックな書き言葉です。小説や物語でよく使われます。
What do you think …? と Do you know what …? の違いがいつもあいまいになる……
答え方で考えるとスッキリします。Do you know what he wants? →「Yes, I do.」と答えられる(知っているかどうかを聞いている)。What do you think he wants? →「I think he wants a new bike.」と中身で答える(どう思うかを聞いている)。中身を答えてほしいときだけ、疑問詞が文頭に出ます。
超絶おもしろコラム
倒置は英語の「化石」だった?——動詞を2番目に置きたがった時代Here comes the bus. の語順には、1000年以上前の英語の記憶が眠っています。
ドイツ語を少しでも習ったことがある人は、「動詞は文の2番目」というルールに出会ったはずです。Heute gehe ich ins Kino.(今日、私は映画に行く)は、直訳すると「今日・行く・私は・映画へ」。文頭に「今日」が来ると、動詞 gehe が2番目の席を死守するために、主語 ich を後ろに押し出します。これを言語学では V2(動詞第2位) と呼びます。
英語はドイツ語と同じゲルマン語の仲間で、古英語(おおよそ1000年前ごろの英語)にもこの「動詞を2番目に置きたがる」傾向がかなりあったと考えられています。文頭に「そのとき」や「そこで」を置けば、動詞がすっと主語の前に出てくる。そんな文がたくさん残っています。
ところが英語は、その後の長い歴史の中で語尾変化の多くを失い、「S V O」という順番そのもので役割を示す言語へと変わっていきました。語順が意味を担うようになると、気まぐれに動詞を前に出すわけにはいきません。こうして V2 のルールは、英語の中からほとんど姿を消しました。
■ 生き残った場所
それでも、V2 のなごりは完全には消えていません。否定語が文頭に来たときの Never have I…、場所の語句が文頭に来たときの Here comes the bus. / On the hill stood a castle.、So do I.、仮定法の Had I known…。この単元で学んだ倒置の多くが、「文頭に特別な語が来たら動詞・助動詞が前に出る」という古い型を、特定の条件のもとで今も保っている、と説明されることがよくあります。
小説でよく見る "I'm hungry," said Tom. のような「セリフの後の said Tom」の倒置も、同じ系統の生き残りと考えられています。
■ だから「条件つき」で覚える
現代英語の倒置は、いつでも自由に起こせるものではありません。引き金になる語(否定語・only・so + 形容詞・場所の句・補語など)があるときに限って起こる、いわば「保護区で生き残った化石」です。だからこそ、入試では 引き金の語 をセットで覚えることが決定的に大事になります。Never を見たら語順が変わる。Here を見たら動詞が前に来る。化石の生息地を知っていれば、長文の中で出会っても驚かずに済むのです。
名スピーチはなぜ「Never」で始めるのか倒置は、聞き手の耳を一瞬で奪うための「話し方の技術」でもあります。
第二次世界大戦中、イギリスの首相チャーチルが空軍パイロットたちをたたえた有名な演説の一節は、Never から始まる倒置文でした。英語圏では今でも引用されることの多いフレーズです。なぜ彼は、ふつうの語順ではなく倒置を選んだのでしょうか。
■ 最初の1語で「これは特別だ」と伝える
ふつうの語順で I have never seen… と言うと、聞き手は「私は…」と聞き始め、never は3語目にようやく出てきます。倒置で Never have I seen… と言えば、最初の1語 で「一度も〜ない」という強い否定が耳に飛び込みます。聞き手は「なにか特別なことが言われる」と身構え、続きを待つことになる。演説のように「耳だけで伝える」場面では、この効果は絶大です。
■ 最後の1語に「新情報」を置く
もうひとつの効果は、文末です。倒置すると、主語や大事な名詞が文の後ろに回ります。英語の聞き手は文末に新しい情報が来ることを期待しているので、そこに一番伝えたいことを置けば、自然と記憶に残ります。スピーチでは「文頭で引きつけ、文末で決める」という二段構えが、倒置ひとつで完成するのです。
■ 自分の英作文にも使える
自由英作文で、ここぞという結論の一文だけに倒置を使うと、文章が一気に引き締まります。たとえば「部活で学んだことの大切さに気づいたのは、引退してからだった」なら、
Only after I left the club did I realize how much I had learned there.
ただし使いすぎは禁物。すべての文が倒置だと、どれが大事なのかわからなくなります。一段落に一回、切り札として使うのがちょうどいい加減です。
強調とは、ほかと違うことをするから目立つもの。倒置が「特別な語順」でいられるのは、ふだんの英語がきっちり S V O を守っているからなのです。
「, or」は論説文の中の小さな辞書長文で知らない専門用語が出てきても、あわてる必要はありません。すぐ後ろに答えが書いてあることが多いからです。
入試の論説文には、ふだん見かけない専門用語が平気で出てきます。photosynthesis、entomology、cognitive dissonance……。単語帳に載っていないような語を見て、手が止まった経験がある人も多いでしょう。
でも、ここで思い出してほしいのが 同格 です。書き手は、読者が知らないであろう言葉を使うとき、たいてい自分で説明を添えてくれます。その説明の目印になるのが、同格のカンマ、同格の or、そして that is / namely / in other words といった言いかえの表現です。
■ or は「または」だけじゃない
Photosynthesis, or the process by which plants make food from sunlight, … という文を見て「光合成、または植物が…」と訳すと、意味が通りません。この or は 「つまり」 の or。カンマではさまれた部分が photosynthesis の定義になっています。見分けるポイントは、or の後ろが 前の語の説明・言いかえ になっているかどうか。専門用語の直後の「, or + 説明的な名詞句 ,」は、ほぼ間違いなく同格です。
■ 論説文の書き手の親切
同格のカンマも同じ働きをします。Tokyo Skytree, the tallest tower in Japan, … のように、固有名詞や難しい語の直後に説明が挟まっていることはとても多い。さらに、ダッシュ(—)ではさまれた部分も、言いかえや具体例であることがよくあります。
■ 読解での使い方
知らない単語に出会ったら、まずその直後を見てください。カンマ・or・ダッシュ・that is があれば、答えはそこに書いてあります。逆に、設問で「下線部の語の意味に最も近いものを選べ」と聞かれたら、同格の部分こそが最強のヒントです。
同格は文法問題では地味な単元に見えますが、長文読解では「辞書を引かずに済む」最強の武器になります。文法の知識が、そのまま読むスピードに変わる。これが、構造を学ぶことの一番の見返りなのです。
最終まとめ(暗記カード)
- 特殊構文=ふつうの文をいじった形。元に戻せば必ず読める
- 否定語・準否定語(never / little / hardly / seldom / not a ~ / under no circumstances)が文頭 → 疑問文の語順
- Little did S know [dream] = まさか〜とは思いもしなかった
- Only + 副詞(句・節)が文頭 → 主節が倒置。Only + 主語 は倒置しない
- Not until A did S V = It was not until A that S V = A してはじめて S V(強調構文の後ろは倒置しない)
- No sooner had S p.p. than … / Hardly [Scarcely] had S p.p. when [before] … = 〜するとすぐに
- So + 形容詞 + V + S + that … / Such + be + S + that …
- So + V + S = S もそう / Neither [Nor] + V + S = S もそうでない / So + S + V = 確かにそう
- 場所・方向・補語が文頭 → V S(do は使わない)。代名詞主語は倒置しない。目的語が文頭は O S V
- 仮定法の if 省略:Were I / Had I p.p. / Should you。not は主語の後ろ(Had it not been for)
- 強調構文 It is ~ that … は「It is と that を消して文になるか」で判定。疑問詞の強調は Who was it that …?
- 動詞の強調は do/does/did + 原形、疑問詞の強調は on earth / in the world、名詞は the very / itself
- 接続詞 + 形容詞・分詞 → 主節の主語 + be を補う。if any(モノ)/ if ever(回数)
- 挿入はカッコでくくる。関係詞 + I think + V → 主格 who。疑問詞 + do you think + …
- 名詞 + that + 完全文 = 同格(〜という)、不完全文 = 関係代名詞。同格の of / カンマ / or(つまり)
ACTION
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