前置詞訳語を100個覚えるより、コアの“絵”を1枚。前置詞は全部イメージで解ける

at は「点」、on は「くっつく」、in は「中」。前置詞は、こういうたった1枚の絵(コアイメージ)から意味が枝分かれしてできています。この単元では、その絵を頭に焼きつけて、場所・時・手段・群前置詞・「前置詞がいらない動詞」まで、入試で狙われる所を全部つなげます。バラバラの訳語暗記から卒業すると、初見の熟語まで意味が推測できるようになります。
知ってた? 目から鱗
Q1between は「2つの間」専用だと思っていない?
3つ以上でも、1つ1つの間の関係を言うときは between を使う。a treaty between three countries(3か国間の条約)がその例。among は集団にまぎれて「〜の中で」と言うときに使う。
Q2during の正体は、もとは動詞の -ing 形?
during は「続く」という意味の古い動詞 dure の -ing 形から生まれた。endure(耐える)や durable(長持ちする)と同じ仲間。during the movie は「映画が続いている間」という意味になる。
Q3till は until を短くした形だと思っていない?
実は till の方が古い語で、until は till の前に「〜まで」を表す語がついてできた。till は略語ではないので、ちゃんとした書き言葉でも使える。'til という書き方は後からできた省略形。
Q4「週末に」は at the weekend? on the weekend?
どちらも正しい。イギリス英語では at the weekend、アメリカ英語では on the weekend が基本。週末の間ずっとなら over the weekend。前置詞は国によって変わることがあり、片方を間違いと決めつけないこと。
Q5「〜と違う」は different from だけ?
different from がどこでも通じる標準だが、アメリカ英語では different than、イギリス英語では different to もよく使われる。入試の空所補充では from を選ぶのが安全。
01前置詞は「絵」で覚える ― 場所の at / on / in 基礎
前置詞は、名前のとおり「名詞の前に置くことば」です。仕事はたった1つ。後ろの名詞と、文のほかの部分との“位置関係”を示すこと。「駅で」「壁に」「箱の中に」の「で・に・の中に」にあたる部分です。
ところが、日本語の「に」「で」と英語の前置詞は1対1で対応しません。「壁にポスター」は on、「駅で会う」は at、「東京に住む」は in。訳語で覚えようとすると、ここで必ず混乱します。だから覚えるのは訳ではなく絵(コアイメージ)です。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る| 前置詞 | コアの絵 | 場所の例 |
|---|---|---|
| at | 点(地図に刺したピン1本) | at the bus stop(バス停で)/ at the door(ドアのところで) |
| on | 接触(面にペタッとくっつく) | on the desk(机の上に)/ on the wall(壁に)/ on the ceiling(天井に) |
| in | 空間の中(まわりを囲まれている) | in the box(箱の中に)/ in Tokyo(東京に)/ in the car(車の中に) |
訳ではなく「点・接触・中」のどれに見えるかで決める
on は「上」ではなく「くっついている」
on を「上」と覚えた人は、天井のクモで詰みます。a spider on the ceiling のクモは、天井の下側にいます。それでも on。on の正体は接触、つまり「面にくっついている」状態です。上か横か下かは関係ありません。
- There's a spider on the ceiling!
天井にクモがいる!(天井の面にくっついているので on) - Emma has a ring on her finger.
エマは指に指輪をはめている。(指に接触している) - Let's meet at the station.
駅で会おう。(駅を地図上の「待ち合わせ地点(点)」として見ている) - My phone is in my bag.
スマホはカバンの中にある。(カバンという空間に囲まれている)
駅を地図上の1点として見る。待ち合わせ・通過地点。「駅のところで」くらいの感覚。
I'll wait for you at the station.
駅を建物の中の空間として見る。「駅の構内で」。雨宿りしている感じ。
It's raining, so let's wait in the station.
決めるのは場所の大きさではなく「見方」
at か in かを決めるのは、場所の大きさではなく、話し手がその場所を点として見るか、広がりのある空間として見るかです。都市や国は「中で暮らす・中を動き回る」空間として見ることが多いので in になりやすく、待ち合わせ場所・番地・停車駅は「ピン1本」なので at になりやすい。それだけのことです。
生徒先生、「京都に」って at Kyoto じゃダメなんですか? 地図で見たら点じゃん。
先生鋭い。路線図の上の「停車駅」として見るなら at もあり。The train stops at Kyoto.(その列車は京都に停まる)みたいにね。
生徒え、ありなの!?
先生でも「京都に住む」「京都で働く」みたいに、街の中で暮らしている感じなら in。住む=中にいる、だから。
生徒大きさじゃなくて、見方なんだ。
先生そう。まずは live in Kyoto / meet at the station という基本形を体に入れておけば入試は大丈夫。
日本語の「に」は at にも on にも in にもなります。「壁にポスター」=on the wall、「駅に着く」=arrive at the station、「箱に入れる」=put it in the box。訳ではなく「点・接触・中」のどれに見えるかで決めること。
at=地図にピンを刺す、on=シールをペタッと貼る、in=箱にすっぽり入る。擬音と一緒に絵を思い出せば、迷った時に1秒で判定できる。
確認問題 There is a big poster of my favorite singer ( ) the wall of my room.
ポスターは壁に「くっついて」いるので接触の on。at the wall は「壁のところで(そばで)」、in the wall は「壁の中に埋め込まれて」の感じになる。to は「〜へ」という移動の矢印なので、貼ってある状態には合わない。
英語の preposition は、ラテン語の「前に(prae)置く(positio)」に由来します。まさに「名詞の前に置くことば」。日本語は逆に「駅で」「壁に」と名詞の後ろに置く「後置詞」タイプの言語です。語順が鏡写しなので、日本語話者が前置詞で迷うのはある意味当然。だからこそ、訳ではなく絵で覚える価値があります。
02時の at / on / in ― 「一瞬・1日・枠」 基礎
場所で作った絵は、そのまま時間にも使えます。時間の流れを1本の道だと思ってください。道の上の「1点」が at、カレンダーの「1マス(1日)」に貼りつくのが on、長い「期間の枠の中」が in です。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る| 前置詞 | 時のイメージ | 例 |
|---|---|---|
| at | 時刻・一瞬の点 | at 7:30 / at noon / at midnight / at night / at the moment / at the end of May |
| on | カレンダーの1マス(日付・曜日・特定の日) | on Monday / on May 5 / on my birthday / on Christmas Day |
| in | 幅のある枠(月・年・季節・世紀・午前午後) | in May / in 2030 / in summer / in the 21st century / in the morning |
in the morning なのに on the morning of May 5 になる理由
ただの「午前中」は1日の中の幅のある枠なので in the morning。ところが「5月5日の朝」のように特定の日が絡んだ瞬間、その朝は「カレンダーの1マス」に貼りついた時間になり、on が勝ちます。on a cold morning(ある寒い朝に)、on Sunday afternoon(日曜の午後に)も同じ理屈。日付・曜日・形容詞で“特定の日の朝”になったら on。※ただし in the early morning / in the late afternoon のように「朝のうちの早い時間」を言う early / late は特定の日を作らないので in のまま。
- I usually get up at six.
ふだんは6時に起きる。 - The concert is on Saturday.
ライブは土曜日だ。 - Our school festival is in October.
うちの文化祭は10月にある。 - He left Japan on the morning of March 3.
彼は3月3日の朝に日本を発った。 - It happened on a cold winter night.
それはある寒い冬の夜の出来事だった。(a cold winter night=特定の1夜なので on)
this morning、next Monday、last year、every day、tomorrow、yesterday は、それだけで「いつ」を表す副詞として働きます。前置詞をつけると働きが二重になるのでアウト。✕ on next Friday → ○ next Friday、✕ in this morning → ○ this morning。※このルールは this morning / next week / last year / every day のような「日・週・月・年」の言い方の話。at this moment / in this century のように前置詞をつける言い方もある。
昼と対比した「夜という時間帯」。1点のように一括りで扱う決まった言い方。
My brother works at night.
ある夜の「最中に」起きた出来事。枠の中の1回。during the night とほぼ同じ。
The baby woke up twice in the night.
カレンダーの1マスを指させるなら on、何マスもまとめた枠なら in、時計の針で指すなら at。on the morning of May 5 は「5月5日のマス」を指せるので on。
なぜ効く? 時の前置詞は、場所の前置詞(点・面・空間)をそのまま時間に写したもの。日付はカレンダーという“面”に貼りつくので接触の on になる。
生徒at noon と in the afternoon の違いがピンとこない…
先生noon は「正午」=時計の針1本。だから点の at。
生徒afternoon は?
先生正午から夕方までの「枠」。だから in。
生徒じゃあ on Friday afternoon は…金曜ってマスに貼りつくから on!
先生完璧。もう絵で考えられてる。
「週末に」は、イギリス英語では at the weekend、アメリカ英語では on the weekend が一般的です。どちらも正しい英語なので、片方だけを✕にする問題は作りにくい所。クリスマスも、at Christmas は「クリスマスの時期(休暇期間)に」、on Christmas Day は「12月25日当日に」。カレンダーの1マスなら on、という原則はここでも生きています。
確認問題 We had a lot of snow ( ) the morning of February 10.
the morning of February 10 は「2月10日という特定の日の朝」なので on。in the morning だけなら in だが、日付がつくと on が勝つ。at は時刻の点、for は「どれくらい」の長さに使う語なので合わない。
03「までに」と「まで」、「間」と「後」― by / until / for / during / through / since / in / within 標準
時間の前置詞で入試が一番狙うのが、「期限(点)」なのか「継続(線)」なのかの区別です。日本語の「5時までに」と「5時まで」は1文字違いですが、英語では前置詞がまるごと変わります。
5時という締め切りの点までのどこかで、1回やり終えればOK。finish / submit / return / be back など「完了」する動詞と組む。
Please hand in your report by Friday.
5時までずっと続く線。wait / stay / study / be open など「続く」動詞と組む。till も同じ意味。
The shop is open until 10 p.m.
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る 動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見るby のコアは「そばに」
by の本来の絵は「〜のそばに」。sit by the window(窓のそばに座る)がそれです。時間に使うと「締め切りのそばまで来た時点にはもう済んでいる」=期限の「〜までに」。さらに「そばにあるものを使って」から手段の by bus / by email へ、「そばを通って」から経由の come in by the back door(裏口から入る)へと広がります。
「〜までずっと」と言って意味が通るなら until、通らないなら by。「金曜までずっと提出する」は変なので by。「10時までずっと開いている」は自然なので until。
なぜ効く? 肯定文の until は「状態・動作が続く」動詞と組む(否定文の not … until は次の)。「ずっと」を足すことで、その動詞に継続性があるかを日本語で確かめられる。
I didn't go to bed until 2 a.m. は「2時まで寝なかった」=2時にやっと寝た。until が表しているのは「寝ない状態」が2時まで続いたこと。It was not until 2 a.m. that I went to bed. という強調構文の形でもよく出ます。
| 前置詞 | 何を表す | 例 |
|---|---|---|
| for | 数字で言える長さ(どれくらい?) | for three days / for a long time |
| during | 名前のある特定の期間(いつ?) | during the summer vacation / during the meeting |
| through | 期間の始めから終わりまで通して | through the night(夜通し)/ Monday through Friday(米:月曜から金曜まで) |
| since | 過去の起点から今まで(完了形と組む) | since 2020 / since last week |
| from | ただの起点(時制を選ばない) | from 9 to 5 / from now on / from tomorrow |
「どれくらいの長さ?」に答える。後ろは数字+期間が基本。
I stayed in Canada for three weeks.
「いつ?」に答える。後ろは特定の期間の名前。その期間中のある時の出来事にも使える。
I visited Canada during the summer vacation.
during は「ずっと」にも「ある時」にも使える
It rained during the night. は「夜の間ずっと」にも「夜のうちのある時に」にも読めます。一方 through the night は始めから終わりまで通してを強調。徹夜なら study through the night(study all night も◎)。
日本語の「〜から始まる」につられて School starts from April. と書くのは不自然。start / begin は「始まる時点」を言うだけなので、時の前置詞の原則どおり School starts in April.(4月に始まる)/ The game begins at 7.(7時に始まる)。また since は「今まで続いている」ことを言うので完了形と組みます:✕ I live here since 2020. → ○ I have lived here since 2020.
| 表現 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| in two hours | (今から)2時間後に/2時間で | 未来の文なら「今から数えて〜後」。I finished it in two hours.(2時間で終えた)のように「所要時間」の意味もある |
| within two hours | 2時間以内に | 枠の内側ならいつでもOK。期限を強調 |
| after two hours | (ある出来事から)2時間後に | 過去の話で「その2時間後」。今からの未来には普通 in を使う |
| two hours later | (その)2時間後に | 過去の話で副詞として使う |
- The bus will leave in ten minutes.
バスは10分後に出発する。 - Please reply within 24 hours.
24時間以内に返信してください。 - After two hours of waiting, we finally got in.
2時間待った末に、やっと中に入れた。 - I've been studying since eight.
8時からずっと勉強している。
確認問題 Wait here. I'll be back ( ) five minutes.
今から数えて「5分後に」は in。after five minutes は過去の話で基準点から数える時に使うのが普通。since は完了形で起点を言う語、during は後ろに「特定の期間の名前」が来る。
確認問題 You have to return the book ( ) next Monday.
return(返す)は1回で終わる動作なので期限の by。「月曜までずっと返す」は意味が通らないので until は不可(「ずっと」テスト)。for は長さ、during は期間の名前に使う語で、どちらも「〜までに」という期限は表せない。
04動きの前置詞 ― to / toward / into / out of / off / through / across / along / past 標準
場所の前置詞が「止まっている絵」なら、ここからは動いている絵です。矢印が「どこへ向かい」「何を通って」「どこから出るのか」。矢印の形さえ浮かべば、訳語はあとからついてきます。
動く図解時間軸・変形・イメージ図がアニメーションで動きますアプリで見る| 前置詞 | 矢印の絵 | 例 |
|---|---|---|
| to | ゴールに到達する | go to school / from A to B |
| toward | ゴールの方向を向くだけ(着くかは不明) | walk toward the gate |
| for | 目的地へ向けて出発する | leave for Osaka / a train for Kobe |
| into | 外から中へ入る | jump into the pool |
| onto | 面の上へ乗る | climb onto the roof |
| out of | 中から外へ出る | get out of the car |
| off | くっついていたものから離れる | get off the bus / fall off the bike |
| through | トンネルのように中を通り抜ける | go through the tunnel |
| across | 平面を横切る(端から端へ) | swim across the river |
| along | 線に沿って進む | walk along the beach |
| around | ぐるっと周りを回る | run around the park |
| past | そばを通り過ぎる | walk past the store |
ゴールまでたどり着く。go to the station=駅まで行く(着く)。
She ran to the door.
そっちを向いて進むだけ。着いたかどうかは言っていない。「〜の方へ」。イギリス英語では towards も多い。
She ran toward the door, but stopped halfway.
- Ken dived into the pool.
ケンはプールに飛び込んだ。(アメリカ英語では過去形 dove も使う) - Get off the train at the next stop.
次の駅で電車を降りなさい。 - We walked along the river after practice.
部活の後、川沿いを歩いた。 - A cat ran across the road.
ネコが道を横切った。 - I walked past the convenience store without noticing it.
コンビニに気づかずに前を通り過ぎた。
into は「変化」、out of は「脱出・欠如」にまで広がる
「中へ入る」は、比喩になると別の状態に入る=変化。turn water into ice(水を氷に変える)、translate Japanese into English(日本語を英語に訳す)、burst into tears(わっと泣き出す)。逆に「外へ出る」out of はその状態から抜ける=欠如。out of order(故障中)、out of stock(在庫切れ)、out of breath(息切れして)。
My friendS talkedV meO into joining the dance clubM.
友だちに説得されてダンス部に入った。説得して A に〜させる(その行動の中へ入れる)
She talked me into joining the club.
説得して A に〜をやめさせる(その行動の外へ出す)
She talked me out of quitting the club.
off のコアは「分離」
on(くっつく)の反対が off(離れる)。get off the bus(バスから離れる=降りる)、take off a coat(コートを体から離す=脱ぐ)、a day off(仕事から離れた日=休み)、10% off(値段から10%はがす=10%引き)、an island off the coast(海岸から離れた島=沖合の島)。全部「くっついていたものが離れる」の1枚絵です。
leave Tokyo は「東京を出発する(東京から離れる)」、leave for Tokyo は「東京に向けて出発する」。for は「目的地へ向けて」の方向を表します。1語の違いで行き先が真逆になるので、定番のひっかけです。
to・toward・for の3兄弟。to=ゴールイン、toward=そっち向き、for=目的地へ出発。leave for / head for / be bound for(〜行きの)と「出発系+for」をセットで。
確認問題 We'll leave ( ) Osaka early tomorrow morning.
leave for ~ で「~に向けて出発する」。leave Osaka なら「大阪を出発する」で逆の意味。leave to Osaka / leave toward Osaka / leave into Osaka とは言わない。
確認問題 Be careful not to fall ( ) your bike on this steep hill.
自転車に「くっついていた」体が「離れる」ので分離の off。fall off one's bike で「自転車から落ちる(転ぶ)」。into は中へ、across は横切る、toward は方向を向くだけなので、「自転車から落ちる」の意味にならない。
05「〜で」の3兄弟 ― with(道具)/ by(手段)/ in(形式)と交通手段 標準
日本語の「〜で」は万能すぎて、英語では少なくとも3つに分かれます。手に握る道具なら with、しくみ・方法なら by、包まれる形式・素材・言語なら in。この3つの絵を区別できると、「ペンで書く」「メールで送る」「英語で話す」が一瞬で決まります。
| 前置詞 | コアの絵 | 例 |
|---|---|---|
| with | 手と一緒に使う道具 | cut it with a knife / write with a pen / eat with chopsticks |
| by | しくみ・方法・ルート(後ろは無冠詞) | by bus / by email / by hand / by credit card |
| in | 形式・素材・言語に包まれる | in English / in ink / in pencil / in cash / in a loud voice |
ペンという道具を手に持って書く。道具に焦点。
Can I write it with this pen?
インク(ペン書き)という形式で書く。鉛筆ではなく、という対比。無冠詞になる。
Please fill out the form in ink.
by の後ろが無冠詞になる理由
by bus、by email、by hand。by の後ろは「特定の1台のバス」ではなく、「バスという交通システム」「メールという連絡手段」という機能・概念です。形のある1個の物を指していないので a も the もつきません。逆に「私の車で」のように特定の物になった瞬間、by は使えず in my car になります。
| 乗り物 | 手段として(無冠詞) | 特定の1台に乗って | 乗る/降りる |
|---|---|---|---|
| バス・電車・飛行機・船 | by bus / by train / by plane | on the bus / on the 7:15 train | get on / get off |
| 車・タクシー | by car / by taxi | in my car / in a taxi | get in (into) / get out of |
| 自転車・バイク | by bike | on my bike | get on / get off |
| 徒歩 | on foot | ― | ― |
on か in かは「中で立って歩けるか」で決まる(自転車・バイクはまたがって上に乗るので on)。あくまで目安で、小型機やボートは in a small plane / in a boat とも言う
バス・電車・飛行機・船は、中で立って歩ける=床の上に乗っている感覚なので接触の on。車やタクシーは、身をかがめて中の空間にもぐりこむ感覚なので in。自転車やバイクは、またがって上に乗るので on。
なぜ効く? on=接触、in=囲まれた空間というコアイメージを乗り物の形にあてはめただけ。get on / get in の区別も同じ絵で決まる。
- I go to school by bike.
私は自転車で通学している。 - I met my old friend on the train.
電車の中で昔の友だちに会った。 - Dad drove us to the station in his car.
お父さんが車で駅まで送ってくれた。 - It takes ten minutes on foot.
歩いて10分かかる。(by foot も口語で耳にするが、入試は on foot)
✕ by my car → ○ in my car / ✕ by the bus → ○ by bus(または on the bus)。「手段の by の後ろには裸の名詞」がルール(by the window(窓のそば)のような場所の by は別)。the や my がついたら、乗り物に応じて in か on に切り替えます。
with=手に握る道具、by=バス・メールなどのしくみ(裸の名詞)、in=英語・インク・現金などの形式でくるむ。「〜で」に迷ったら、握る?しくみ?くるむ?と3択で確認。
確認問題 I usually go to school ( ) bike, but today I walked.
手段としての「自転車で」は by bike(無冠詞)。on なら on my bike のように冠詞・所有格が必要。with bike / in bike とは言わない。
確認問題 Please write your answers ( ) pencil, not with a pen.
「鉛筆書きという形式で」は in pencil(無冠詞)。道具として言うなら with a pencil。by pencil / on pencil / at pencil とは言わない。
06for と with の“顔”を全部つなげる 標準
for と with は訳語が10個以上ある“多重人格”前置詞ですが、コアは1つずつ。for=矢印が「〜に向かう」、with=「〜と一緒に」。すべての意味は、この1枚の絵からの枝分かれです。
| for の顔 | コアからの枝分かれ | 例 |
|---|---|---|
| 方向 | 目的地に向かう | leave for Osaka |
| 目的・追求 | 欲しいものに手が向かう | look for / wait for / ask for / go for a walk |
| 利益 | 相手に向けて差し出す | This is for you. |
| 期間 | 時間の道のりに向けて伸びる | for three days |
| 交換 | 天秤の反対側に向かう | buy it for 500 yen / thank you for / exchange A for B |
| 賛成 | 気持ちが向かう(⇔ against) | Are you for or against the plan? |
| 基準 | その基準に向けて見ると | He looks young for his age.(年の割に若い) |
| 理由 | 感謝・非難などが向かう原因 | be famous for / blame A for B |
- I bought this jacket for 3,000 yen.
このジャケットを3,000円で買った。(交換の for) - It's warm for December.
12月にしては暖かい。(基準の for) - Most of the class voted for the idea.
クラスの大半がその案に賛成票を入れた。(賛成の for(反対は against))
for の後ろの名詞が「行き先」なら方向、「欲しいもの」なら目的、「値段」なら交換、「案」なら賛成、「年齢・季節」なら「〜にしては」。後ろの名詞の種類で訳が自動的に決まります。
なぜ効く? 多義語の意味は、コアイメージと後ろの名詞の組み合わせで決まる。訳語を個別に暗記するより、組み合わせのパターンで処理する方が初見の文にも対応できる。
| with の顔 | コアからの枝分かれ | 例 |
|---|---|---|
| 同伴 | 〜と一緒に | go shopping with friends |
| 道具 | 手と一緒に使う | cut it with scissors |
| 所有・特徴 | 〜を一緒に持った | a girl with long hair |
| 付帯状況 | 〜の状態を伴って | with his eyes closed / with the TV on |
| 原因 | 感情・寒さと一緒に震える | shiver with cold / tremble with fear |
| 関連・対象 | 〜に関して | What's wrong with your phone? |
| 譲歩 | 〜を持ちながらも | with all his faults(欠点はあるが) |
GrandpaS fell asleepV with the TV onM.
おじいちゃんはテレビをつけたまま眠ってしまった。付帯状況の with は「with + 名詞 + 状態」
with の後ろに名詞と、その名詞の状態を並べると「〜を…の状態にして」。メインの動作に「〜したまま・〜しながら」という状況を添えるので、付帯状況の with と呼びます。状態の部分には、形容詞(with your mouth full)、副詞(with the TV on)、過去分詞(with his eyes closed)、現在分詞(with tears running down her face)、前置詞句(with a pen in his hand)が入ります。名詞と状態の間に「〜が…である」という主語と述語の関係が隠れているのがポイント。
- Don't talk with your mouth full.
口に食べ物を入れたまましゃべらないで。 - She was listening to music with her eyes closed.
彼女は目を閉じて音楽を聴いていた。(目が「閉じられた」状態なので過去分詞 closed) - With all his faults, I still like him.
欠点はいろいろあるけれど、それでも彼が好きだ。(with all / for all ~=~にもかかわらず)
目は自分で閉じるのではなく「閉じられる」側。名詞と状態の関係が「受け身」なら過去分詞、「〜している」なら現在分詞。with his arms folded(腕を組んで)、with his legs crossed(脚を組んで)も同じく過去分詞です。※with his eyes slowly closing(目がだんだん閉じかけて)のように「閉じつつある」途中を言うなら closing もありうるが、「目を閉じて」は closed。
気持ちの矢印が案に向かう。be for ~=~に賛成だ。
I'm for the plan.
力が案にぶつかる。be against ~=~に反対だ。
I'm against the plan.
確認問題 My grandfather looks young ( ) his age.
「年齢という基準に照らすと」=「年の割に」の for。look young for one's age はそのまま覚えてよい定番表現。to / with / of には「〜の割に」という基準の意味がない。
確認問題 Emma sat on the sofa with her legs ( ).
付帯状況の with+名詞+状態。脚は「組まれる」側なので過去分詞 crossed。with one's legs crossed=脚を組んで。
07of と from ― 「切っても切れない」と「スタート地点」 応用
of と from は、どちらも「〜の」「〜から」と訳せるせいで混同されがちです。コアは全然違います。of=全体とつながった一部(関係)、from=スタート地点(起点)。そして of にはもう1つ、「分離」という意外な顔があります。
| of の顔 | 例 | ひとこと |
|---|---|---|
| 部分 | some of the students / a piece of cake | 全体の中の一部 |
| 所属 | the leg of the table / the capital of Japan | 全体にくっついた一部 |
| 構成・材料 | consist of / be made of wood | 何でできているか |
| 同格 | the city of Kyoto / the news of his success | 「〜という」 |
| 関連 | think of / hear of / remind A of B / inform A of B | 「〜について」 |
| 分離 | rob A of B / deprive A of B / cure A of B / clear A of B / rid A of B | A から B を取り去る |
of の「分離」は実は元祖の意味
古い英語では of と off は同じ1つの語で、「〜から離れて」が本来の意味でした。やがて強く発音する off が「分離」を、弱く発音する of が「所属・部分」を受け持つようになります。rob A of B(A から B を奪う)の of は、その元祖“off”の意味が化石のように残ったもの。だから「奪う・取り除く・治す」系の動詞と組むのです。
The manS robbedV the touristO of his walletM.
その男は観光客から財布を奪った。目的語は被害者(人・場所)。「人から物を奪う」。rob a bank(銀行を襲う)も同じ発想。
They robbed him of his watch.
目的語は盗まれた物。「こっそり盗む」。人を目的語にしない。
They stole his watch from him.
rob / deprive / cure / clear / rid / relieve / strip の後ろは「A of B」の形で、A から B が消える。cure him of his cold(彼の風邪を治す)、clear the road of snow(道路から雪を取り除く)。訳す時は「A から B を〜する」と of を「から」に。
なぜ効く? of の元の意味「〜から離れて」が残っている。動詞の目的語が「失う側」なので、steal のように「失われる物」を目的語にする動詞と区別できる。
| from の顔 | 例 | ひとこと |
|---|---|---|
| 起点・出身 | come from / from 9 to 5 | スタート地点 |
| 原料 | Wine is made from grapes. | 元の形がわからないほど変化 |
| 原因 | suffer from / die from overwork | 原因から結果が生まれる |
| 区別 | tell A from B / differ from / be different from | B を基準に離して見る |
| 防止・禁止 | prevent / stop / keep A from doing | A を行動から引き離す |
| 判断の根拠 | judging from his accent | そこから判断すると |
材料の形・性質が残っている。木の机、紙の箱。
This desk is made of wood.
原料が加工されて元の姿がわからない。ワイン、チーズ、紙。
Cheese is made from milk.
die of と die from
伝統的な学校文法では「病気・飢え・老衰など内的な原因」は die of、「けが・過労など外的な原因」は die from、と区別されます。ただし実際の英語ではかなり混ざっていて、die of an injury も die from cancer も普通に使われます。入試で片方だけを正解にする問題は作りにくいので、「どちらも使える」と知っておくのが上級者。
- Can you tell Yuki from her twin sister?
ユキと双子の姉妹を見分けられる?(tell A from B=A と B を見分ける) - The heavy rain kept us from going out.
大雨のせいで私たちは外出できなかった。 - This medicine will cure you of your cough.
この薬で咳が治りますよ。 - The team consists of twelve players.
そのチームは12人の選手で構成されている。
rob / deprive / clear / rid / cure / relieve A of B の of は off(分離)の兄弟。「奪う(rob・deprive)・除く(clear・rid)・治す(cure)・楽にする(relieve)」と唱えて、全部「A から B をスパッと切り離す」絵で覚える。
確認問題 The thief robbed the old man ( ) all his money.
rob 人 of 物=人から物を奪う。of は分離の意味。from は steal の型(steal the money from him)で使う前置詞なので、rob とは組まない。off / out も rob の後ろには来ない。
08位置関係の上級編 ― over / above / under / below / beyond / against / among / between 応用
「上」「下」「間」にも英語は複数の単語を用意しています。違いを生むのは接触しているか・覆っているか・基準線があるか・力がぶつかっているか。これも全部、絵で区別できます。
上から覆いかぶさる、または弧を描いて越えていく。接触していてもOK。
She put a blanket over the sleeping baby.
ある基準線より上に離れている。覆わない・越えない。
The plane flew above the clouds.
何かの真下にもぐって覆われている。
The cat is hiding under the table.
ある基準線より下。数値・レベルにも使う。
It was ten degrees below zero this morning.
| over の顔 | 例 | コアとのつながり |
|---|---|---|
| 覆う | put a cover over the bike / all over the world | 上からかぶさる |
| 越えて | jump over the fence / get over a cold(風邪が治る) | 障害を越える |
| 〜しながら | talk over coffee / over lunch | テーブルの上のコーヒーをはさんで |
| 期間中ずっと | over the weekend / over the years | 期間全体を覆う |
| 〜について | argue over money | 話題の上を行き来する |
| 〜を超えて(数量) | over 20 people | 基準を越える |
| 手段(通信) | over the phone | 回線の上を越えて |
over 20 は厳密には「20を超える」(20は含まない)。more than 20 も同じく20を含みません。日本語の「20以上」のように20を含めたいときは、20 or more と言います。同じく under 18 は「18歳未満」。
| beyond + 名詞 | 直訳 | 意味 |
|---|---|---|
| beyond description | 描写の向こう側 | 言葉にできないほど |
| beyond belief | 信じることの向こう側 | 信じられないほど |
| beyond my understanding | 理解の向こう側 | 私には理解できない |
| beyond repair | 修理の向こう側 | 修理できないほど壊れて |
| beyond recognition | 見分けの向こう側 | 見分けがつかないほど |
| beyond one's control | 制御の向こう側 | 手に負えない |
beyond は「手の届く範囲の向こう側」=「〜できないほど」
beyond の後ろの名詞を動詞に戻して「〜できないほど」と訳せば一発。description → describe → 「描写できないほど」、recognition → recognize → 「見分けがつかないほど」。
なぜ効く? beyond のコアは「範囲の向こう側」。名詞が表す行為の「届く範囲」を超える、という意味なので、ほとんどの場合「〜できないほど」という「不可能」の訳になる(beyond expectations=予想以上に、のような例外もある)。
against のコアは「力がぶつかり合う」。反対(vote against the plan)、寄りかかる(lean against the wall:体重が壁にぶつかる)、衝突(the rain beating against the window)、そして背景(against the blue sky:青空に対して浮かび上がる)。背景の against は「背景にぶつかるように輪郭が際立つ」絵です。
- Let's talk about it over lunch.
お昼を食べながらその話をしよう。 - The view from the top was beautiful beyond description.
頂上からの眺めは言葉にできないほど美しかった。 - Don't lean against the door.
ドアに寄りかからないで。 - Mt. Fuji stood out against the blue sky.
青空を背景に富士山がくっきり見えた。
1つ1つを区別できるものの間。2つが基本だが、3つ以上でも「それぞれの間の関係」なら between。
Choose between tea and coffee.
ひとかたまりの集団に囲まれて。個々を区別しない。
This app is popular among high school students.
between は「2つ」専用ではない
「between は2つ、among は3つ以上」は入門用の目安です。本当の区別は個々を1つずつ意識しているか。a trade agreement between three countries(3か国間の貿易協定)のように、1対1の関係が複数ある時は3つ以上でも between。逆に among は群衆の中に紛れ込んでいる感覚です。
確認問題 The beauty of the sunset was ( ) description.
beyond description=描写の範囲を超えて=言葉にできないほど。beyond+名詞は「〜できないほど」。over / above / under の後ろに description を置いても「言葉にできないほど」の意味にはならない。
確認問題 This song is very popular ( ) young people in Korea.
「若者という集団の中で」なので among。between は個々を区別した2者(または複数)の間。within は「〜以内」、along は「〜に沿って」なので、人の集団の中という意味にならない。
09群前置詞と but / except / but for ― 2語以上で1つの前置詞 応用
because of、in spite of、instead of のように、2語以上がカタマリで1つの前置詞として働くものを群前置詞と呼びます。働きは普通の前置詞と同じで、後ろに来るのは名詞か動名詞。ここを接続詞(後ろに S+V が来る)と取り違えさせるのが入試の大定番です。
| 群前置詞 | 意味 | ひとこと |
|---|---|---|
| because of / owing to / on account of | 〜のせいで・〜のために(理由) | owing to・on account of はやや硬い |
| due to | 〜が原因で | もとは形容詞 due を使った be due to(〜が原因だ)の形。今は前置詞としても広く使う |
| thanks to | 〜のおかげで | 皮肉で「〜のせいで」にも |
| in spite of / despite | 〜にもかかわらず | ✕ despite of |
| instead of | 〜の代わりに・〜しないで | instead of doing も頻出 |
| according to | 〜によれば・〜に従って | 情報源は他人。自分の意見には in my opinion |
| in terms of | 〜の観点から・〜の点で | 評論文で頻出 |
| regardless of | 〜に関係なく | regardless of age(年齢に関係なく) |
| in addition to | 〜に加えて | to は前置詞:in addition to doing |
| apart from / aside from | 〜を除けば/〜に加えて | 文脈で2つの意味 |
| but for | 〜がなければ | 仮定法(事実と違う「もしも」を言う形)とセット(=without) |
| as for | 〜について言えば | 文頭で話題を切り替える |
| as to | 〜に関して | 文中で「内容」を指定 |
| with regard to / regarding | 〜に関して | ビジネス・公式文書 |
| by means of | 〜によって(手段) | 硬い言い方 |
| on behalf of | 〜を代表して・〜のために | on behalf of the team |
| for the sake of | 〜のために(利益) | for the sake of your health |
| in case of | 〜の場合には | 掲示で In case of fire, ... |
| in favor of | 〜に賛成して・〜を支持して | vote in favor of the plan |
後ろに文が来る。
The game was canceled because it rained heavily.
後ろに名詞が来る。
The game was canceled because of the heavy rain.
in spite of と despite(of なし)が混ざって ✕ despite of が生まれます。despite は1語で完成した前置詞。「デスパイトにオブをつけたら“デス(死)”」で封印。
- Thanks to your notes, I passed the test.
君のノートのおかげでテストに合格できた。 - Instead of taking the bus, I walked home.
バスに乗らずに歩いて帰った。 - As for me, I'd rather stay home.
私はというと、家にいたいかな。 - Anyone can join, regardless of age.
年齢に関係なく誰でも参加できる。 - In terms of price, this phone is the best.
値段の点では、このスマホが一番だ。
according to me とはふつう言わない
according to は「他人の情報源によれば」の表現です。according to the weather forecast(天気予報によれば)、according to Ken(ケンの話では)。自分の考えを言う時は in my opinion / I think を使います。
「〜以外」を表す前置詞も確認しておきます。but は everyone / all the students / nobody / nothing / anything のような「全部・ゼロ」を表す語のすぐ後ろで「〜以外」(everyone but me)。except は一番ふつうの「〜を除いて」。save は同じ意味の硬い文語。そして but for は「〜がなければ」で、仮定法とセットの別物です。
everyone / all the students / nobody のような「全部・ゼロ」を表す語と組んで(すぐ後ろでも、Everyone came except Tom. のように離れて文末でもよい)、そのグループから一部を除く。
Everyone except Tom came to the party.
文全体の内容に「〜という点を除けば」と但し書きをつける。文頭に置くのもこちら。
Your essay is good except for a few spelling mistakes.
but for = without = if it were not for
But for your help, I would have failed.(君の助けがなかったら失敗していた)。but for は仮定法の if 節の代わりをします。いつの話かで言い換えが変わり、今の話(仮定法過去)なら if it were not for、この例文のような過去の話(仮定法過去完了)なら if it had not been for / had it not been for。どちらも without で言い換えられます。後ろの主節が would+原形 や would have+過去分詞 などの仮定法になっていることが目印です。
beside=〜のそばに(by the side of)。besides=〜に加えて(前置詞)/そのうえ(副詞)。Besides English, she speaks Korean.(英語に加えて韓国語も話す)。s が1つあるだけで意味が変わります。
despite に of をつけるミスを防ぐフック。in spite of(3語)か despite(1語)のどちらか。despite of は“死語”どころか最初から存在しない。
確認問題 The baseball game was put off ( ) the heavy rain.
後ろが名詞 the heavy rain だけなので前置詞。意味は「雨のせいで延期」なので because of。despite は前置詞だが「雨にもかかわらず延期」では意味が逆。because / although は接続詞で、後ろに S+V が必要なので不可。
確認問題 ( ) your advice, I would have made a terrible mistake.
主節が would have made(仮定法過去完了)なので「〜がなかったら」の But for。= Without / If it had not been for / Had it not been for。Except(〜を除いて)/ As for(〜について言えば)/ Besides(〜に加えて)は「もしも」の意味を持たないので、仮定法の主節とつながらない。
10前置詞+抽象名詞は“変身”する ― of use / with ease / on purpose / under construction 応用
前置詞に抽象名詞(形のない概念を表す名詞)をつけると、カタマリ全体が形容詞や副詞に変身します。of importance=important、with care=carefully。入試では空所補充にも言い換え問題にも出る、コスパ抜群の分野です。
| of + 抽象名詞 | = 形容詞 | 意味 |
|---|---|---|
| of use | useful | 役に立つ |
| of no use | useless | 役に立たない |
| of importance | important | 重要な |
| of value | valuable | 価値のある |
| of help | helpful | 助けになる |
| of interest | interesting | 興味深い |
of は「〜という性質を持った」。a man of courage=勇気ある人
This dictionaryS isV of great useC to beginnersM.
この辞書は初心者にとても役に立つ。強めたいときは名詞に形容詞をつける
very useful を of のカタマリで言うと of great use。useless は of no use。of の後ろは名詞なので、very ではなく great / no / little / much など名詞を修飾する語で強さを調整します。✕ of very use。
| 前置詞 + 抽象名詞 | = 副詞 | 意味 |
|---|---|---|
| with ease | easily | たやすく |
| with care | carefully | 注意深く |
| with difficulty | ― | 苦労して |
| by accident / by chance | accidentally | 偶然に |
| on purpose | intentionally | わざと |
| in haste | hastily | 急いで |
| in private / in public | privately / publicly | 内密に/人前で |
| without fail | ― | 必ず |
| to one's surprise | surprisingly | (〜が)驚いたことに |
- She solved the problem with ease.
彼女はその問題をあっさり解いた。 - I didn't do it on purpose!
わざとやったんじゃない! - To my surprise, my little brother got up before me.
驚いたことに、弟が私より先に起きていた。 - Handle the glasses with care.
グラスは丁寧に扱ってください。
to one's surprise の to は「結果」
to は「到達」。to my surprise は「(出来事の結果)私の驚きに到達した」=「驚いたことに」。強めるなら much to my surprise。to her joy(彼女が喜んだことに)、to our disappointment(がっかりしたことに)も同じ型です。
| 状態の前置詞 | 例 | 意味 |
|---|---|---|
| under + 行為 | under construction / under repair / under discussion | 建設中/修理中/議論中 |
| out of + 状態 | out of order / out of stock / out of date / out of the question | 故障中/在庫切れ/時代遅れ/論外 |
| in + 状態 | in danger / in trouble / in love | 危険な状態で/困って/恋をして |
| on + 活動 | on fire / on duty / on strike / on sale | 燃えて/勤務中/スト中/販売中 |
| at + 状態 | at work / at a loss / at ease | 仕事中/途方に暮れて/くつろいで |
under construction(建設されている最中)、under repair(修理されている最中)、under investigation(調査されている最中)。行為の「下」に置かれている=その作業を受けている最中、と見れば初見でも訳せます。
なぜ効く? under のコアは「覆われて下にある」。行為に覆われている=受け身の進行形(being done)と同じ意味になる。
for sale は「売り物の」(The house is for sale.=その家は売りに出ている)。on sale は「発売中の」、アメリカ英語ではさらに「特価で」の意味にもなります。値札に FOR SALE とあれば「売り物です」、ON SALE とあれば多くは「セール中」。
of+抽象名詞は形容詞(重要な=of importance)、with+抽象名詞は副詞(丁寧に=with care)。「オブな、ウィズに」とリズムで唱えて、品詞の変身先を覚える。
確認問題 This book will be ( ) great use to you when you prepare for the exam.
of+抽象名詞=形容詞。of great use=very useful。great は名詞 use を修飾している。in / with / at great use という言い方はなく、「役に立つ」の意味にならない。
確認問題 Sorry! I didn't step on your foot ( ) purpose.
on purpose=わざと。反対の「偶然に」は by accident / by chance。by purpose / for purpose / in purpose とは言わない(for the purpose of ~「〜の目的で」は別の表現)。
11動詞と前置詞 ― 前置詞のいらない他動詞・前置詞が必要な自動詞 応用
目的語(動作を受ける相手・対象)を直接とる動詞が他動詞。目的語を直接とれず、名詞とつなぐのに前置詞の助けがいる動詞が自動詞です。ここで日本語が邪魔をします。「〜について話し合う」「〜と結婚する」「〜に着く」…訳に「について・と・に」が入る他動詞に、つい前置詞を足してしまうのです。
| 他動詞 | ✕ よくあるミス | ○ 正しい形 | 訳 |
|---|---|---|---|
| discuss | discuss about | discuss the plan | 〜について話し合う |
| marry | marry with | marry him / get married to him | 〜と結婚する |
| enter | enter into the room | enter the room | 〜に入る |
| reach | reach to the station | reach the station | 〜に着く |
| approach | approach to the gate | approach the gate | 〜に近づく |
| resemble | resemble to her mother | resemble her mother | 〜に似ている |
| mention | mention about it | mention it | 〜について言う |
| attend | attend to the meeting | attend the meeting | 〜に出席する |
| obey | obey to the rules | obey the rules | 〜に従う |
| answer | answer to the question | answer the question | 〜に答える |
| contact | contact with him | contact him | 〜に連絡する |
| oppose | oppose to the plan | oppose the plan / be opposed to the plan | 〜に反対する |
| consider | consider about it | consider it | 〜について考える |
訳に「に・と・について」が入るのに、前置詞はいらない13語
手紙は仲介なしで相手に直接届く=前置詞なしで目的語に直結する13語。M=marry、A=approach、R=reach、C=contact、O=obey/D=discuss、E=enter、A=attend、R=resemble/M=mention、A=answer、C=consider、O=oppose。13文字でぴったり13語。
なぜ間違えるのか ― 同じ意味の「自動詞・名詞」には前置詞がつく
混乱の元は、似た意味の別の語には前置詞がつくこと。talk about = discuss、get to = reach、go into = enter、object to = oppose、reply to = answer。さらに名詞になると前置詞が復活します:a discussion about ~、an approach to ~、an answer to ~、contact with ~。動詞は裸、名詞は前置詞つき、と区別。
| 他動詞(前置詞なし) | 同じ意味の自動詞・熟語 | 名詞形 |
|---|---|---|
| discuss the plan | talk about the plan | a discussion about the plan |
| reach Osaka | get to Osaka / arrive at (in) Osaka | ― |
| enter the room | go into the room | an entrance to the room |
| oppose the plan | object to the plan | opposition to the plan |
| answer the email | reply to the email | an answer to the email |
| resemble his father | take after his father | a resemblance to his father |
| mention the problem | refer to the problem | a mention of the problem |
他動詞なのに訳が「〜を」にならない動詞こそ、前置詞を足したくなる危険地帯。空所の後ろに前置詞つきの選択肢があって、動詞が MARCO DEAR MACO の仲間なら、前置詞なしが正解の可能性大。
なぜ効く? 日本語の格助詞(に・と・について)を英語の前置詞に直訳する癖がミスの原因。他動詞かどうかは英語側の性質なので、日本語訳に頼らずリストで判定するのが確実。
attend to ~=〜の世話をする・〜に対処する(attend to customers)。enter into ~=(交渉・契約など)を始める(enter into talks)。answer to ~=〜に対して責任を負う。前置詞つきの形も存在するので、「絶対につけない」ではなく意味が変わると覚えます。
| 前置詞が必要な自動詞 | 形 | 例 |
|---|---|---|
| apologize | apologize to 人 for 事 | apologize to her for being late |
| complain | complain to 人 about / of 事 | complain about the noise |
| reply | reply to ~ | reply to a message |
| graduate | graduate from ~ | graduate from high school |
| arrive | arrive at 地点 / in 空間 | arrive at the station / arrive in Tokyo |
| object | object to ~(doing) | object to working on Sundays |
| listen | listen to ~ | listen to music |
| wait | wait for ~ | wait for the bus |
reply to / listen to / object to は全部 to。さらに「謝るのは“人にトゥー、事にフォー”」(apologize to 人 for 事)、「卒業はフロムから旅立ち」(graduate from)とセットで。
KenS apologizedV to his coachM for being lateM.
ケンはコーチに遅刻したことを謝った。前置詞の後ろは「名詞のなかま」だけ
前置詞の目的語になれるのは、名詞・代名詞の目的格(me / him / her / them の形)・動名詞・wh節(疑問詞や what で始まる節)。to不定詞と that節は原則入れない(例外は in that / except that / have no choice but to do など少数)。だから object to working、look forward to seeing、between you and me(✕ I)になります。
look forward to doing(〜するのを楽しみに待つ)、object to doing、be used to doing(〜に慣れている)、when it comes to doing(〜のこととなると)、with a view to doing(〜する目的で)。この to は不定詞ではなく前置詞なので、後ろは原形ではなく動名詞。
動詞+前置詞(副詞)のカタマリが、まるで1語の動詞のように働くものを句動詞と呼びます。look up to(〜を尊敬する:見上げる)、put up with(〜をがまんする)、get over(〜から立ち直る:障害を越える)、run out of(〜を切らす:外に出てしまう)。バラバラの熟語に見えても、この単元で作ったコアの絵(up=上へ、over=越えて、out of=外へ)で意味の筋が見えます。本格的な句動詞の攻略は「入試頻出イディオム」の単元で。
確認問題 We discussed ( ) for two hours, but we couldn't reach a conclusion.
discuss は他動詞なので前置詞なしで目的語をとる。about / on / over がつくのは名詞 discussion や talk の方(a discussion about ~ / talk about ~)なので、混同しないこと。ついでに reach a conclusion も前置詞なし。
確認問題 My sister really resembles ( ).
resemble は他動詞。「〜に似ている」の「に」につられて to / with をつけない。like(〜のような)も resemble 自体に「似ている」の意味があるので不要。同じ意味の take after ~ なら after が必要。
12超上級:ネイティブの空間感覚と、難関大で差がつく前置詞 超難関
ここからは、コアイメージを本当に使いこなせているかを試される領域です。同じ名詞でも前置詞で見えている景色が変わる。難関大はこの「景色の違い」を問いにしてきます。
2つの壁に囲まれた内側の空間。部屋の中から見た角。
There's a plant in the corner of the room.
建物や道路の外側の角。on は角という場所に接して、at は角を1点として。
There's a café on the corner.
予定時刻という点に接触する=遅れも早すぎもしない。
The train arrived on time.
締め切りまでの枠の中に収まる=間に合う。in time for ~ の形も。
We got there in time for the opening.
ある期間の終わりの1点。後ろに of ~ がつくのが普通。
I'm moving at the end of this month.
いろいろあった過程の枠の最後に。=finally / eventually。of はつかない。
In the end, we decided to stay home.
in the tree と on the tree
鳥は a bird in the tree(枝と葉っぱが作る空間の中にいる)、りんごは apples on the tree(枝にくっついて生えている)。同じ木でも、囲まれているのか、くっついているのかで前置詞が変わります。英語話者は木を「空間」とも「面」とも見ているのです。
arrive at / arrive in は大きさでなく「視点」
arrive at the airport、arrive in Tokyo が基本ですが、決め手は大きさではなく話し手が点と見るか空間と見るか。列車や旅程の「停車地・経由地(路線図の1点)」として見れば、都市名でも at が使われることがあります。入試ではまず基本形で解き、例外に見える文はこの「視点」で説明できる、と知っておけば十分です。
| by(差) | to(到達点) |
|---|---|
| Prices rose by 10%.(10%上がった:差が10%) | Prices rose to 500 yen.(500円まで上がった:到達点) |
| She is older than me by three years.(3歳差) | The number grew to 300.(300に達した) |
| We lost by two goals.(2点差で負けた) | The score went to 3-1.(3対1になった) |
by は「差」、to は「行き着いた先」。グラフ問題で必ず区別
空所の後ろの数字が増減の幅なら by、変化後の値なら to。「〜から〜に」なら from A to B。increase / decrease / rise / fall / grow と組んで、グラフ読解でも出ます。
なぜ効く? by のコアは「そばに」→「差の分だけ横にずれる」。to は到達点。同じ動詞でも前置詞で「幅」か「値」かが決まる。
前置詞で文を終えてもいい
Who are you talking to? / What are you looking at? / Where are you from? のように、口語では前置詞が文末に残るのがむしろ自然です。To whom are you talking? は非常に硬い言い方。関係詞でも the house which he lives in(口語)と the house in which he lives(書き言葉)の両方があり、ただし that や省略の場合は前置詞を前に出せません(✕ in that he lives)。
逆に、前置詞が消える場面もあります。アメリカ英語の口語では I'll see you Monday.(on なし)がふつう。spend two hours (in) doing、be busy (in) doing の in は、現代英語ではほぼ必ず省略されます。「省略できる前置詞」と「絶対に省略できない前置詞」の差が見えると、文法問題の選択肢が一段クリアに見えます。
生徒on the corner と in the corner、テストで見たら絶対迷う…
先生自分が「部屋の中にいて角を見てる」か「道に立って角の建物を見てる」かを想像して。
生徒部屋の中なら壁に囲まれてるから in! 道なら角にくっついてるから on!
先生それ。前置詞の問題は、訳じゃなくて自分がどこに立ってるかで解くんだよ。
生徒英語話者ってずっと空間でものを見てるんだなあ。
確認問題 The ambulance arrived just ( ) time to save the boy's life.
「(〜するのに)間に合って」は in time(in time to do / in time for ~)。on time は「予定の時刻どおりに」で、「救命に間に合う」という意味にはならない。なお be on time for the meeting(会議に時間どおりに来る)のように on time for ~ 自体は言えるので、「for があるから in」と形だけで決めないこと。
確認問題 The number of foreign visitors to the town increased ( ) 20 percent last year, reaching about 3,000.
20 percent は増えた「幅(差)」。変化後の値(約3,000人)は reaching 以下で言っているので by。to 20 percent だと「20%という値になった」の意味になり、人数の文と合わない。at / for は増減の幅を表す前置詞ではない。
瞬間英作文チャレンジ
日本語を見て、3秒で英語にして声に出す。カードをタップすると答えが出ます。
超絶テク
at / on / in で迷ったら、その名詞が点(ピン)か、面に接触(ペタ)か、囲まれた空間(すっぽり)かを自問する。場所にも時にもそのまま使える。
なぜ効く? 時の前置詞は場所の前置詞を時間に写したもの(時刻=点、日付=カレンダーの面、月や年=枠)。1つの判定基準で両方が処理できるので、覚える量が半分になる。
on the morning of May 5 → カレンダーのマスに貼りつく → on
「〜までずっと」と言って意味が通れば until、通らなければ by。finish / return / submit / be back は by、wait / stay / be open は until。
なぜ効く? 肯定文の until は継続を表す動詞と組む(not … until は「〜して初めて」)。日本語で「ずっと」を足すと、その動詞に継続性があるかを確認できる。
Return it ( by ) Friday.(金曜までずっと返す?→✕→by)
because / because of、though / despite、while / during の選択は、空所の後ろに主語と動詞があるかでほぼ決まる。あれば接続詞、名詞(動名詞)だけなら前置詞。※while waiting / though tired のように接続詞の後ろで S+be が省略された形には注意。意味を考えるのはその後。
なぜ効く? 接続詞は文と文をつなぎ、前置詞は名詞を文につなぐ。品詞の役割が違うので、後ろの形を見れば意味を読む前に選択肢が半分に絞れる。
( Despite ) the rain, we went out. / ( Although ) it rained, we went out.
by bus / by car / by email は裸の名詞。the bus、my car のように冠詞や所有格がついたら手段の by はふつう使えず、on the bus / in my car に切り替える。
なぜ効く? by の後ろは「バスというしくみ」のような概念。特定の1台を指す冠詞・所有格とは相性が悪い。
✕ by my bike → ○ on my bike
beyond description → describe できないほど、beyond recognition → recognize できないほど、beyond repair → repair できないほど。
なぜ効く? beyond のコアは「範囲の向こう側」。名詞が表す行為の届く範囲を超える=不可能、という意味がほとんどの場合に生まれる。
The town had changed beyond recognition.(町は見違えるほど変わっていた)
marry / approach / reach / contact / obey / discuss / enter / attend / resemble / mention / answer / consider / oppose の直後に前置詞つきの選択肢があれば、それは罠。前置詞なしを選ぶ。
なぜ効く? これらは他動詞で、日本語訳に「に・と・について」が入るため前置詞を足したくなるように作られている。英語側の性質で判定すればブレない。
discuss ( the plan ) / ✕ discuss about the plan
rob / deprive は「人 of 物」、steal は「物 from 人」。動詞の直後が人なら of、物なら from を選ぶ。
なぜ効く? rob は被害者に焦点、steal は盗まれた物に焦点を当てる動詞。of は元祖 off(分離)なので「人から物を切り離す」形になる。
rob him of his bag / steal his bag from him
with の後ろの名詞を主語にして文を作ってみる。「目が閉じられている」なら closed、「涙が流れている」なら running。
なぜ効く? 付帯状況の with は、名詞と状態の間に「主語と述語」の関係が隠れている。能動なら現在分詞(-ing)、受け身なら過去分詞という分詞の原則がそのまま使える。
with his arms folded / with tears running down her cheeks
look forward to ( ) で迷ったら、to の後ろに it や名詞を置けるか試す。look forward to it が言えるので to は前置詞 → 後ろは動名詞。※agree to / come to のように名詞も不定詞もとれる to(agree to the plan / agree to help)もあるので、最後は熟語として確認。
なぜ効く? to不定詞の to の後ろには名詞が置けない。名詞が置ける to は前置詞なので、動詞を入れるなら名詞の仲間の動名詞になる。
I'm used to ( getting ) up early.
rise / fall / increase / decrease + 数字で、数字が増減の幅なら by、変化後の値なら to。「〜から〜へ」は from A to B。
なぜ効く? by のコア「そばに」は「差の分だけずれる」、to のコアは「到達」。グラフ・表の読解問題でも同じ区別が問われる。
Sales rose by 5% to 2 million yen.(5%増えて200万円になった)
未来の文で「今から〜後」は in two hours。過去の話で「ある出来事から〜後」は after two hours / two hours later。「〜以内」なら within。
なぜ効く? in は「今」を起点にした枠の終わり、after は文中の別の出来事を起点にする。起点がどこかで決まる。
I'll be there in ten minutes.
語呂・暗記フック
at=地図にピンを刺す点、on=シールをペタッと貼る接触、in=箱にすっぽり入る空間。擬音つきで絵を呼び出せば、場所でも時でも1秒で判定できる。
手紙は直接届く=前置詞なしで目的語に直結。M marry / A approach / R reach / C contact / O obey / D discuss / E enter / A attend / R resemble / M mention / A answer / C consider / O oppose。文字数13=動詞13語でぴったり。
前置詞が必要な自動詞のうち to をとる3つ。オブジェ(object)の to は前置詞なので object to doing。「謝るのは人にトゥー、事にフォー」(apologize to 人 for 事)、「卒業はフロムから旅立ち」(graduate from)も一緒に。
of と off はもと同じ語。「奪う(rob・deprive)・除く(clear・rid)・治す(cure)・楽にする(relieve)」の of は全部「A から B を切り離す」分離の意味。
by は締め切りの1点までに「バイバイ」と片づける、until はその時まで「ずっと居座る」。〆切=by、居座り=until。
with=手に握る道具(with a pen)、by=交通・通信などのしくみ(by bus / by email、裸の名詞)、in=言語・インク・現金などの形式でくるむ(in English / in ink / in cash)。
despite of は存在しない。in spite of(3語)か despite(1語)の二択。“デス”パイト・オブは即死、と覚えて封印。
of+抽象名詞は形容詞(of importance=重要な)、with+抽象名詞は副詞(with care=丁寧に)。「オブな、ウィズに」とリズムで。
beyond description / belief / repair / recognition は全部「〜できないほど」。向こう岸(beyond)には手が届かない=不可能、の絵で。
ひっかけ図鑑
訳の「について」につられて about を足す。discuss は他動詞なので目的語を直接とる。talk about なら about が必要。
✕ ✕ We discussed about the school trip.
○ ○ We discussed the school trip.
next Monday / last year / this morning はそれだけで副詞。on や in をつけると二重になる。
✕ ✕ I'll call you on next Monday.
○ ○ I'll call you next Monday.
in spite of と despite が混ざった合成ミス。despite は1語で前置詞。
✕ ✕ Despite of the rain, we played soccer.
○ ○ Despite the rain, we played soccer.
手段の by の後ろは無冠詞の名詞だけ。特定の乗り物なら in / on に切り替える。
✕ ✕ She came here by her car.
○ ○ She came here in her car. / She came here by car.
since は「過去の起点から今まで」なので、主節は完了形。現在形では「いつから今まで」の意味が表せない。
✕ ✕ I live in this town since 2019.
○ ○ I have lived in this town since 2019.
start / begin は「始まる時点」を言う動詞。時点には at / on / in(入試・作文では starts from は避ける)。
✕ ✕ The new term starts from April 8.
○ ○ The new term starts on April 8.
前置詞の後ろの代名詞は目的格。「you and」がつくと主格 I にしたくなるが、me が正しい。
✕ ✕ This is just between you and I.
○ ○ This is just between you and me.
この to は前置詞なので後ろは動名詞。to不定詞と勘違いさせる定番。
✕ ✕ I'm looking forward to see you.
○ ○ I'm looking forward to seeing you.
leave Tokyo=東京を出発する、leave for Tokyo=東京に向けて出発する。for の有無で方向が逆。
✕ ✕ I'll leave to Tokyo tomorrow.(東京へ行く意味で)
○ ○ I'll leave for Tokyo tomorrow.
rob は「人 of 物」、steal は「物 from 人」。入れ替えるとアウト。
✕ ✕ He robbed my wallet from me.
○ ○ He robbed me of my wallet. / He stole my wallet from me.
生徒のギモン
どうしてバスは on the bus なのに、車は in the car なんですか?
コアイメージで説明できます。バス・電車・飛行機のような大きな乗り物は、中で立って歩ける=床という面の上に乗っている感覚なので接触の on。車やタクシーは、身をかがめて小さな空間にもぐりこむ感覚なので in。自転車やバイクはまたがって上に乗るので on です。乗り降りも get on / off と get in / out of で同じ区別になります。
「前置詞で文を終えてはいけない」と聞いたことがあるけど本当?
現代英語では間違いではありません。Who are you talking to? / What are you looking at? は完全に自然な英語で、To whom are you talking? の方がかえって堅苦しく響きます。このルールは、前置詞を文末に置けないラテン語をお手本にした規範意識から広まったと言われます。ただし関係詞 that の前には前置詞を置けない(✕ in that)など、別のルールはあるので注意。
by bus はなぜ a も the もつかないんですか?
by の後ろは「バスという交通手段(しくみ)」という概念で、目の前の1台を指していないからです。英語の冠詞は「形のある1個の物」を指す時に使うもの。by email、by phone、by hand も同じ。「私の車で」のように特定の1台になると by は使えず、in my car になります。
during three days と言えないのはなぜ?
during は「いつ?」に答える前置詞で、後ろには名前のある特定の期間が来ます。three days は「どれくらい?」を表す長さなので for three days。ただし during the three days (we spent in Kyoto)(京都で過ごしたその3日間)のように the がついて特定の期間になれば during も使えます。
arrive at / get to / reach は何が違いますか?
意味はほぼ同じ「〜に着く」ですが、形が違います。reach は他動詞で前置詞なし(reach the station)。arrive は自動詞で、地点なら at、空間なら in(arrive at the station / arrive in Tokyo)。get to は口語的で一番よく使います(get to school)。また home や here / there は副詞なので、arrive home / get home / get here のように前置詞をつけません。
前置詞の意味は、辞書の訳語を全部覚えないといけませんか?
覚えなくて大丈夫です。over や for のような前置詞は、辞書に訳語がたくさん並びますが、その多くは1つのコアイメージから枝分かれした意味です。コアの絵を1枚持っていれば、「後ろにどんな名詞が来ているか」から意味を組み立てられます。暗記が必要なのは、群前置詞や前置詞+抽象名詞のような「カタマリで意味が固定したもの」です。
前置詞の後ろの代名詞はなぜ me や him になるの?
前置詞の後ろの名詞は「前置詞の目的語」だからです。動詞の目的語が目的格(I love her.)になるのと同じで、前置詞の後ろも目的格(with her / for me)。between you and I と言いたくなるのは、and の前後で形をそろえたくなるからですが、正しくは between you and me。
超絶おもしろコラム
of と off はもともと同じ語だった「〜の」と訳す of の正体は、実は「切り離す」だった。
英語でいちばんよく使われる前置詞の1つ、of。ほとんどの人は「〜の」と訳していると思います。ところが、この語の出発点は「〜の」ではありませんでした。
古い英語では、of は「〜から離れて」という意味の1つの語で、現在の off と同じものでした。強く発音される時と弱く発音される時で発音が分かれ、やがて綴りも分かれて、強い方の off が「分離」を、弱い方の of がさまざまな「関係」を受け持つようになった、と説明されます。
この歴史を知ると、入試で丸暗記させられる表現が急に筋の通ったものに見えてきます。rob A of B(A から B を奪う)、deprive A of B(A から B を奪う)、cure A of B(A の B を治す)、clear A of B(A から B を取り除く)。どれも「A から B を切り離す」話で、of は本来の「分離」の意味で使われています。be independent of ~(〜から独立している)や、be free of ~(〜がない)も同じ仲間です。
距離の表現にも化石が残っています。The town is 10 kilometers north of Tokyo.(その町は東京の北10キロにある)の of は、「東京から離れて北へ10キロ」ということ。within walking distance of the station(駅から歩いて行ける距離に)の of も「〜から」と訳すとぴったりはまります。
では、なぜ「分離」の語が「〜の」になったのでしょうか。1つの説明は、「全体から一部を取り出す」という発想です。some of the students(生徒たちのうちの何人か)は、「生徒全体から切り出した一部」。a piece of cake は「ケーキから切り取った1切れ」。取り出す(分離)→ 全体と部分の関係 → 所属・所有、というふうに意味が広がっていったと考えると、「〜の」という訳にもつながります。
英語の前置詞は、こうして1つの絵から意味が枝分かれしていくことがよくあります。訳語をバラバラに覚えると10個も20個もあるように見えますが、根っこをたどれば1本の木。rob A of B を見たら「オブは元祖オフ」を思い出してください。
「前置詞で文を終えるな」という英語の迷信Where are you from? は「文法違反」なのか?
Where are you from? What are you looking at? Who are you talking to? 中学で習うこれらの文は、全部前置詞で終わっています。ところが英語圏には長いあいだ、「文を前置詞で終えてはいけない」という“ルール”がささやかれてきました。
この考えを最初に広めた一人としてよく名前が挙がるのが、17世紀のイギリスの詩人ジョン・ドライデンです。彼は先輩の劇作家の文章に、前置詞が文末に来ている所があると批判したと言われます。背景にあったのはラテン語へのあこがれでした。当時の知識人にとってラテン語は「正しい言語」の手本で、ラテン語では前置詞が名詞から離れて文末に残ることはありません。「だから英語もそうあるべきだ」という理屈です。
しかし、英語は英語です。英語は、疑問詞や関係詞だけを前に出して前置詞を元の場所に残す「前置詞残留」ができる、世界的に見ると珍しいタイプの言語だと言われます。この性質のおかげで、Who are you talking to? のような短くて自然な文が作れるのです。To whom are you talking? は文法的には正しいものの、日常会話では大げさで、場違いに聞こえます。
英語の話者のあいだには、このルールをからかう冗談もあります。前置詞を文末にいくつも積み重ねた、わざとらしい文を作って笑うのです。ルールを守ろうとするとかえって不自然になる、という皮肉です。
入試的に大事なのは次の2点です。1つ目、前置詞が文末に残る文(What are you looking at?)は正しい英語なので、それ自体を誤りとして選ばないこと。2つ目、ただし関係詞の that や、関係詞が省略された場合には前置詞を前に出せない(✕ the house in that he lives)こと。the house in which he lives(書き言葉)、the house (which) he lives in(話し言葉)はどちらも正解です。
“ルール”と言われているものの中には、本当のルールと、誰かの好みが広まっただけの迷信が混ざっています。見分けるコツは、実際にネイティブがどう話しているかを見ること。文法はもともと、言葉の実態を後から記述したものなのです。
「はめる」と「のせる」― 言語ごとに違う空間の切り分け方英語話者にとっての in と on の境界線は、世界共通ではない。
英語では、リンゴを「かごの中に」入れるのは in、テーブルの「上に」置くのは on です。これは当たり前に思えますが、言語によって空間の切り分け方は驚くほど違います。
よく知られているのが、発達心理学者メリッサ・バウワーマンらによる、英語と韓国語の子どもの比較研究です。韓国語には、「ぴったりはまる(kkita)」かどうかで動作を区別する動詞があると報告されています。指に指輪をはめる、キャップをペンにはめる、パズルのピースをはめる。英語では「on」と「in」に分かれるこれらの動作が、韓国語では「ぴったりはめる」という1つのグループにまとまるのです。逆に、りんごをかごに「ゆるく入れる」のと、パズルのピースを穴に「きっちりはめる」のは、英語ではどちらも in ですが、韓国語では別の動詞になるといいます。
そして研究では、英語の子も韓国語の子も、かなり小さいうちから自分の言語の区別に沿って空間の言葉を使い分けていることが示されました。空間の見方は、ある程度まで「母語によって育てられる」のかもしれません。
では日本語は? 日本語は「〜の上に」「〜の中に」と名詞で位置を言い、そのあとに「に」をつけます。「壁に」「天井に」「指に」「箱に」、全部「に」でまとめられるので、英語の on と in の区別にふだん意識を向ける必要がありません。日本語話者が前置詞でつまずくのは、能力の問題ではなく、母語が区別していない所を区別しなければならないからです。
だからこそ、英語の前置詞は「訳」ではなく「絵」で覚えるのが効果的なのです。英語話者の頭の中にある空間の切り分け方(点・接触・囲まれた空間・到達・方向…)を、自分の頭にもう1セットインストールする。それが前置詞をマスターするということです。
天井のクモが on、木の上の鳥が in、枝のリンゴが on。最初は変に思えるこれらの前置詞も、英語話者の「切り分け方」で見れば全部筋が通っています。新しい言語を学ぶことは、世界の新しい見え方を1つ手に入れることでもあるのです。
最終まとめ(暗記カード)
- at=点(ピン)、on=接触(ペタ)、in=空間の中(すっぽり)。場所も時も同じ絵
- 時:at 7 / on Monday / in May。特定の日の朝は on the morning of ~
- this morning / next Monday / last year / every day の前に前置詞はつけない
- by=期限(までに)、until=継続(まで)。「ずっと」テストで判定
- for=数字の長さ、during=特定の期間、through=始めから終わりまで、since=過去から今まで(完了形)
- in two hours=今から2時間後、within=以内、after=ある時点の後
- to=到達、toward=方向だけ、for=目的地へ出発、into=中へ(変化)、off=分離
- with=道具(握る)、by=手段(しくみ・無冠詞)、in=形式(言語・インク)
- on the bus / in the car、by bus / on foot
- of=部分・関係、分離(rob A of B)は元祖 off。from=起点・原料・原因・区別
- beyond + 名詞=〜できないほど。against=ぶつかる(反対・寄りかかる・背景)
- 群前置詞の後ろは名詞・動名詞。because of / despite(✕ despite of)/ but for=without
- of use=useful、with ease=easily、on purpose=わざと、to one's surprise=驚いたことに
- 前置詞のいらない13語:MARCO DEAR MACO(marry / discuss / reach / resemble…)
- 前置詞の後ろは名詞・目的格・動名詞:look forward to seeing / between you and me
ACTION
この単元の問題 196問に挑戦。まずは20問ドリルから。
ドリルをはじめる