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英検の勉強法英検2級、たった2問のライティングがリーディング31問と同じ重み

原田英語6分で読める研究・公式情報 4件第14章の1/10節

英検の勉強法のイメージ

英検2級の一次試験には、リーディングが31問、リスニングが30問並びます。ところがライティングは、たった2題。2題くらいなら捨てて、長文で稼げばいい。そう考える人は少なくないはずです。けれど英検の合否は、正答数をそのまま足した点では決まりません。この2題は、一次試験の中でどれほどの重さを持っているのか。数字にすると、作戦はまるごと変わります。

この節の目次(7項目)
  1. 合否を決めるのは「CSEスコア」
  2. どの級から受けるか
  3. 2026年度の形式を1枚の表で
  4. 級ごとの「勉強の重心」
  5. 要約とEメールの「型」を作る
  6. 面接は「態度」も点になる
  7. 期間と1日のメニュー

01合否を決めるのは「CSEスコア」

英検の合否は、正答数をそのまま足した点ではなく、英検CSEスコアで決まります。公式の説明では、リーディング・リスニング・ライティング(二次はスピーキング)の各技能に、問題数に関係なくスコアを均等に配分しています。

これが何を意味するか、2級で考えてみます。

  • リーディング:31問
  • ライティング:2題(要約1題・意見論述1題)
  • リスニング:30問

一次試験は、この3つが同じ重さです。つまりライティング2題で、リーディング31問ぶんと同じ重さを持っています。「長文で稼いで作文は捨てる」という作戦は、数字の上で成り立ちません。

スコアは項目応答理論という統計の方法で、全員の解答が出そろってから計算されます。そのため「何問正解で合格」という決まった数字はありません。目安として英検協会は、2016年度第1回の一次試験で、2級以下の合格者の多くが各技能6割程度、準1級・1級では7割程度の正答率だったと公表しています。

ポイント:どれか1つの技能で満点をねらうより、3技能をそろって6〜7割に乗せるほうが合格に近い。

02どの級から受けるか

英検協会は各級の目安を、3級「中学卒業程度」、準2級「高校中級程度」、準2級プラス「高校上級程度」、2級「高校卒業程度」、準1級「大学中級程度」、1級「大学上級程度」としています。ただ、学年だけで級を決めると、届かない級に何度も挑んで自信をなくすことがあります。

級選びは、次の順番で決めると失敗が減ります。

  1. 受けたい級の過去問を1回分、時間を計って解く
  2. リーディングとリスニングの正答率を出す
  3. ライティングは語数を守って書けたか、要約やEメールの指示どおりかを確かめる

正答率が5割を下回る技能が2つ以上あるなら、1つ下の級で形式に慣れてから上がる方が、結果として早く進めることが多いです。準2級プラスは、ちょうどこの「準2級と2級の間の段差」のために作られた級です。

級を上げるときに一番変わるのは、話題の広さです。3級は家族・学校・趣味など身近な話題、準2級プラスは「身近な社会的な話題」、2級以上は環境・医療・テクノロジー・ビジネスなど社会的な話題が中心になります(各級の公式の試験内容ページより)。上の級を目指すなら、日ごろから学習者向けのニュースを読み、社会の話題に英語で触れておくことが、単語・長文・ライティング・面接のすべての土台になります。

ポイント:級は「学年」ではなく「過去問の正答率」で選ぶ。

032026年度の形式を1枚の表で

2024年度第1回から、3級以上の5つの級で問題形式が変わりました。英検協会の「問題形式リニューアル」ページによると、1級〜3級でライティングが1題から2題に増え、1級・準1級・2級には要約、準2級・3級にはEメールが加わりました。そのぶん筆記の問題数が減り、準2級は75分→80分、3級は50分→65分に延びています。2025年度には準2級と2級の間に準2級プラスができました。

2026年10月時点の公式の試験内容ページと、2026年度第1回の問題冊子の指示文で確かめた形式は次のとおりです。

級(目安)筆記の時間ライティング(語数の目安)リスニング
3級(中学卒業程度)65分Eメール15〜25語/意見25〜35語30問(一部は放送2回)
準2級(高校中級程度)80分Eメール40〜50語/意見50〜60語30問・放送1回
準2級プラス(高校上級程度)85分要約25〜35語/意見50〜60語30問・放送1回
2級(高校卒業程度)85分要約45〜55語/意見80〜100語30問・放送1回
準1級(大学中級程度)90分要約60〜70語/意見120〜150語29問・放送1回
1級(大学上級程度)100分要約90〜110語/意見200〜240語27問・放送1回

二次試験(面接)は3級が約5分、準2級が約6分、準2級プラスと2級が約7分、準1級が約8分、1級が約10分です。形式は今後も変わることがあると協会自身が書いているので、受ける回の前に公式ページを開いて確かめてください。

04級ごとの「勉強の重心」

同じ英検でも、級によって伸ばすべき力がはっきり違います。

3級・準2級:Eメールで「相手に答える」力
Eメール問題では、相手の質問に答え、準2級では相手のメールの下線部について質問を2つ返します。必要なのは難しい単語ではなく、中学文法で正確に書く力です。

準2級プラス・2級:要約で「言いかえる」力
要約は、本文の文をつなぎ合わせるだけでは点になりにくい問題です。英検の過去問の指示には「要約になっていないと判断された場合は0点」とあります。「主張」「よい点」「悪い点」などの段落の役割をつかみ、自分の言葉にまとめる練習が要ります。

準1級・1級:語彙と、社会的な話題の意見
語彙問題は減りましたが、準1級18問、1級22問が残り、長文や要約の土台にもなります。そのうえで、環境・テクノロジー・教育などの話題について、理由つきの意見を英語で持っておくことが合格の決め手です。

ポイント:自分の級の「新しい問題」に、勉強時間の3割以上を回す。

05要約とEメールの「型」を作る

要約は「段落の役割」を一文ずつ

要約が苦手な人は、本文の単語を拾って並べがちです。先に段落ごとの役割を日本語で一言メモし、それを英語の一文にします。

  • 第1段落:話題の紹介 → 何が広まっているか
  • 第2段落:よい点 → However の前まで
  • 第3段落:問題点 → その理由

言いかえの例を自作で示します。

  • 本文:Many families now grow vegetables on their balconies.(多くの家庭がベランダで野菜を育てている)
  • 要約:Home gardening is becoming popular.(家庭菜園が人気になっている)

具体例(にんじん・トマトなど)は、要約では「野菜」のような上位の言葉にまとめます。具体例を消し、上位語に置きかえる。この2つだけで、語数はぐっと収まります。

Eメールは「受け取る→答える→返す」

準2級なら、次の順番を毎回使います。

  1. 書き出しのお礼(例:It's nice to hear about your school garden.)
  2. 下線部について質問を2つ(例:How big is the garden? / Who takes care of it during summer vacation?)
  3. 相手の質問への答え+理由1つ

型があれば、本番の考える時間を内容に使えます。

06面接は「態度」も点になる

英検の二次試験の評価観点には、応答の内容・発音・語い・文法に加えて、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度が入っています(3級〜準1級の公式の試験内容ページに記載)。

流れは級によって違いますが、3級〜2級は「パッセージの黙読 → 音読 → パッセージについての質問 → イラストについての質問 → 自分の意見を聞かれる質問」が基本です。準1級は4コマのイラストを2分で説明するナレーションが中心、1級は5つのトピックから1つを選ぶ2分間のスピーチです。

面接の練習では次の3つを意識します。

  • 聞き返しは減点を恐れず英語で:Could you say that again, please?
  • 意見は「答え+理由2つ」:I think so. First, ... Second, ...
  • 沈黙を作らない:Let me see. と言ってから考える

英検協会は面接室での流れをアニメで見られる「バーチャル二次試験」を公開しています。一度見ておくと、当日の緊張がかなり減ります。

07期間と1日のメニュー

3級(中学2年〜):8週間・1日40分

  • 単語10分:級別の単語帳を1日30語、翌日と3日後に見直す
  • 文法・長文15分:過去問の大問を1つずつ
  • リスニング10分:過去問の音声を聞き、聞き取れなかった文だけ音読
  • ライティング5分:Eメールか意見を1つ、週3回

2級(高校生・大人):3か月・1日60分

  • 単語15分:思い出すテスト形式で(見て覚えるより、隠して思い出す)
  • 要約か意見文15分:週4回。書いたら声に出して読み、語数を数える
  • 長文15分:1日1題。時間を計り、根拠の文に線を引く
  • リスニング15分:放送1回で解き、スクリプトで確認、シャドーイング

準1級(大学生・社会人):6か月・1日60〜90分

最初の2か月は語彙と長文、次の2か月で要約と意見文を毎週3本、最後の2か月で過去問を時間どおりに。社会問題のニュースを英語で週3本読み、意見を3文で書いておくと、ライティングと面接の両方に効きます。

ポイント:本番の4週間前からは、過去問を必ず時間を計って解く。

この節の答え

英検は4技能の均等配分。書く・話すを後回しにしない

今日からのやり方

  1. 受ける級の公式「試験内容」ページを開き、問題形式と語数を書き写す
  2. 過去問を1回分解き、技能ごとの正答率を出す(目標は各6〜7割)
  3. 一番低い技能に、毎日の勉強時間の3割以上を回す
  4. 要約かEメールを週3本書き、語数と言いかえをチェックする
  5. 二次の2週間前から、面接の流れを声に出して通し練習する

レベル別:あなたならこうする

初級 A1〜A2

3級・準2級を目指すなら、Eメールの型を先に覚えます。中学文法で正確に書けることが最優先。単語は1日30語を「隠して思い出す」で。過去問の音声は聞いて終わりにせず、スクリプトを音読します。

中級 B1

準2級プラス・2級は要約が壁です。段落の役割をメモし、具体例を上位語にまとめる練習を週3回。意見文は理由2つの型で、80〜100語を15分以内に書けるようにします。

上級 B2〜

準1級・1級は語彙と社会問題への意見が両輪です。ニュース英語を週3本読み、論点を3文で書きためます。要約は60〜110語の範囲で、本文の言葉を使いすぎない言いかえを意識します。

よくある失敗と対策

単語帳だけを何周もする

語彙問題はリニューアルで減りました。単語は毎日続けつつ、ライティングと面接の練習を同じ週の中に必ず入れます。技能は均等配分です。

要約で本文の文をそのまま写す

要約と認められないと0点の場合があります。段落の役割をつかみ、具体例は上位語にまとめ、自分の言葉の文で書き直します。

古い問題集で形式を覚える

2023年度以前の過去問には要約やEメールがありません。2024年度第1回以降のリニューアル対応の過去問を軸にします。

TODAY
1 MIN

受ける級の公式「試験内容」ページを開き、ライティングの語数をメモする

友だちに出したい、この節の3問

タップで答え。「X で出題する」で、そのまま問題として出せます。

14-1英検は正答数の合計で合否が決まる?

違います。英検CSEスコアは、問題数に関係なく各技能に均等にスコアを配分します。2級ならリーディング31問とライティング2題が同じ重さです。書く力を捨てる作戦は、とても不利になります。

X で出題する

14-1英検の準2級プラスは、なぜ作られた?

英検協会の受験者データでは、5級から準2級までは各級の合格に約1年。ところが準2級から2級までは約2年近く(推計約21か月)かかっていました。その「段差」を埋めるため、2025年度に新しい級として加わりました。

X で出題する

14-1英検の2024年度リニューアルで、筆記から減ったものは?

1級〜準2級の筆記で、短文の語句空所補充(単語・熟語・文法問題)と長文の設問が一部削られました。代わりに増えたのがライティングです。単語だけで押し切る勉強の比重は、前より下がっています。

X で出題する

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この節の根拠(研究・公式情報)

2024年度第1回から3級以上の5級で形式を変更。1〜3級でライティングが2題になり、1級・準1級・2級は要約、準2級・3級はEメールが加わった。筆記の問題数は一部削減。

公益財団法人 日本英語検定協会「2024年度 実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアル」出典を開く ↗

2級の一次はリーディング・ライティング85分(短文17・長文6・長文8、要約1、意見1)とリスニング約25分(各15問、放送1回)。二次は約7分の個人面接。

公益財団法人 日本英語検定協会「2級の試験内容」出典を開く ↗

準2級と2級の間に2025年度から導入。受験者データでは準2級から2級の合格までに約2年近く(推計約21か月)かかっていた。合格基準スコアは1829。

公益財団法人 日本英語検定協会「準2級プラス特設サイト」出典を開く ↗

問題数に関係なく各技能にスコアを均等に配分。2016年度第1回の一次では、2級以下の合格者の多くは各技能6割程度、準1・1級は7割程度の正答率だった。

公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアでの合否判定方法について」出典を開く ↗

よくある質問

準2級プラスと2級、どちらを受けるべき?

準2級に受かったばかりで、2級の過去問でライティングや長文がまだ半分も取れないなら、準2級プラスが段差を小さくしてくれます。2級の過去問で各技能5割前後取れているなら、2級を目標にしても届く距離です。大学入試で使う場合は、志望校がどの級をどう扱うかを先に確認します。

英検S-CBTと従来型、問題は違う?

S-CBTはコンピューターを使って受ける方式で、英検協会はリニューアルをS-CBTにも2024年度5月実施分から反映したと案内しています。画面での解答やタイピングの得手不得手があるので、自分に合う方を選びます。

要約の練習はどこから始める?

公式の過去問の要約問題を1題選び、まず段落ごとの役割を日本語で一言ずつ書きます。それを英語の一文にし、具体例を上位語にまとめる。最初は時間無制限で、慣れたら15分を目標にします。