第14章|試験14-2TOEIC の勉強法:スコア帯別の最短ルートTOEIC L&Rは75分で100問。点を分けるのは「読む速さ」

TOEICのリーディングは75分で100問。割り算をすると、1問にかけられるのは45秒です。しかも最後のPart 7には、長い文書や、2〜3つの文書を見比べる問題が待っています。多くの人が最後まで解き終わらないのは、英語が分からないからだけではありません。足りないのは、もう1つの力です。では、その力は問題をたくさん解けば身につくのでしょうか。
この節の目次(6項目)
01L&Rは「200問・2時間」の一斉テスト
IIBCの公式ページによると、TOEIC Listening & Reading Test は、リスニング約45分・100問、リーディング75分・100問、合計約2時間で200問に答えるマークシート方式です。出題形式は毎回同じで、英文和訳や和文英訳はありません。
| パート | 内容 | 問題数 |
|---|---|---|
| Part 1 | 写真描写 | 6 |
| Part 2 | 応答(質問と3つの答え) | 25 |
| Part 3 | 会話(2人または3人) | 39 |
| Part 4 | 説明文(アナウンスなど) | 30 |
| Part 5 | 短文穴埋め | 30 |
| Part 6 | 長文穴埋め | 16 |
| Part 7 | 1つの文書29問・複数の文書25問 | 54 |
リスニングの音声はすべて1度だけ流れます。結果は合否ではなく、リスニング5〜495点、リーディング5〜495点、合計10〜990点のスコア(5点刻み)で出ます。
ポイント:形式が毎回同じということは、「慣れ」で取れる点と「力」でしか取れない点を分けて考えられる、ということ。
パートごとの解き方と練習法は「TOEICパート別の解き方と練習法」の節にまとめました。
0275分で100問という「速さの壁」
リーディングは75分で100問。単純に割ると1問あたり45秒です。しかもPart 7には長い文書や、2〜3つの文書を見比べる問題があります。多くの人が最後まで解き終わらないのは、英語が分からないからだけではなく、読む速さが足りないからです。
リスニングでも速さが問われます。Part 3と4は、音声が流れる前に設問を読んでおく「先読み」をすると、何を聞けばいいかが分かります。ただし先読みは、聞き取る力がある程度ついてから効く技です。音が聞き取れない段階では、先にスクリプトで意味の分かる英文を、聞いて分かるようにする練習が先です。
速さは「たくさん解く」だけでは上がりません。一度解いた英文を何度も読み、聞き、音読することで、同じ英文を処理する時間が縮み、それが初めて見る英文にも移っていきます。だからTOEICの勉強は、公式問題集を解いたあとの復習が中心になります。
03スコア帯別「伸ばすべき1点」と使う教材
点が止まる原因は、スコア帯によってだいたい決まっています。教材は1つの役割に1冊。くわしい中身は「TOEICの教材」の節で紹介しています。
初受験・〜400点:中学文法と基本単語
Part 5の文法問題がほとんど勘なら、TOEIC用の問題集より先に中学文法の総復習を。品詞(名詞・動詞・形容詞・副詞)の見分けができるだけで、Part 5の一部は速く解けるようになります。
- 文法:『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版』→『金の文法』
- 単語:『銀のフレーズ』
- 形式に慣れる:公式の『500+』か『はじめてのTOEIC L&Rテスト 全パート総合対策』
400〜600点:音とスクリプトの一致
聞き取れない原因の多くは、知っている単語が音になると分からないことです。公式問題集のスクリプトで意味を確認してから、同じ音声を5回聞き、シャドーイングします。
- 単語:『銀のフレーズ』を仕上げて『金のフレーズ』へ
- 文法:『金の文法』か『はじめの400問』
- 問題:公式問題集の最新巻を1冊
600〜800点:Part 7を最後まで
時間内に読み切れないのが最大の課題です。Part 7の文書を1つずつ時間を計って読み、翌日に同じ文書を音読して、読む時間が縮んだかを記録します。
- 単語:『金のフレーズ』を5周
- 文法:『でる1000問』を1日50問
- 問題:公式問題集を2冊。Part 7が弱ければ『金の読解』
800点〜:言いかえと取りこぼし
正解の選択肢は、本文の言葉を言いかえていることが多くあります。まちがえた問題で「本文のどの語が、選択肢のどの語に言いかえられたか」をノートに集めます。
- 単語:金フレの仕上げ+『金のセンテンス』か『黒のフレーズ』
- 文法:『でる1000問』の×の問題だけ
- 問題:公式問題集3冊+『精選模試』か『究極の模試』で時間配分を固める
04公式問題集を「使い倒す」5ステップ
問題集は、解いた数より1回分をどれだけしゃぶり尽くすかで効果が変わります。『公式TOEIC Listening & Reading 問題集』は1冊に2回分。2026年10月10日の時点の最新は12で、13が10月19日に出ます。音声はIIBCの「TOEIC公式教材アプリ」で、全巻ぶん無料でダウンロードできます。
- 時間を計って1回分を解く(本番と同じ2時間)
- 答え合わせで、まちがえた問題と「勘で当たった問題」の両方に印をつける
- リスニングはスクリプトを読み、知らない単語・聞き取れなかった部分に線を引く
- 線を引いた部分を含む文を、音読とシャドーイングで5回ずつ
- 1週間後、同じ回のリスニングだけ聞き直し、聞き取れるかを確かめる
この5ステップで、1回分に2週間ほどかけます。新しい問題を次々に解くより、この方が「処理の速さ」が身につきます。解答の暗記にならないように、ステップ5では答えではなく音の聞こえ方に集中してください。
リーディングも同じです。まちがえたPart 5の問題は「品詞・文法・語彙」のどれだったかを記録し、Part 7の文書は翌日に音読します。
ポイント:問題集は「テスト」ではなく「教材」。解いた後の時間の方が長くていい。
05社会人の1日30分・60分メニュー
1日30分(600点前後を目指す人)
- 通勤10分:公式問題集のPart 3か4を1セット。2回目はアプリでスクリプトを見ながら
- 昼休み10分:金フレ(または銀フレ)を「隠して3秒」で1見開きずつ
- 夜10分:朝聞いた音声のシャドーイングを3回
1日60分(730点・860点を目指す人)
- 朝20分:金フレ10分+公式問題集のPart 2を10問
- 昼10分:でる1000問を20問。正解でも根拠を言えなければ×
- 夜30分:Part 7の文書を1〜2つ(時間を計る)+その音読
週末は、2週間に1回、公式問題集の1回分を2時間通しで解きます。体力と集中力も試験の一部です。
ポイント:平日は「分けて鍛える」、週末は「通して試す」。
どのくらいで何点上がるかは、今のスコア、1日の時間、苦手なパートで大きく変わります。決まった数字を当てにするより、2週間ごとの通し練習でパート別の正答率の変化を記録するのが一番確かです。
06受ける前に決めておくこと
勉強を始める前に、次の3つを決めておくと計画がぶれません。
1. 何のためのスコアか
就職・昇進・単位認定など、提出先がある場合は、求められる点数と、公開テストとIPテストのどちらのスコアを認めるかを提出先で確かめます。
2. いつ受けるか
公開テストは年に何回も実施されます。最初の1回は、勉強を始めて1〜2か月後の回を申し込むと、締め切りが勉強のペースメーカーになります。日程と申込みの方法はIIBCの公式サイトで確認してください。
3. L&Rだけでいいか
L&Rは聞く・読む力のテストです。話す・書く力を示したいなら、TOEIC Speaking & Writing Tests も選択肢になります。
申込みから当日の流れ、結果の見方、S&Wの形式は「TOEICの受け方とスコアの使い方」の節にまとめました。
形式は毎回同じ。公式問題集を軸に、処理の速さを鍛える
今日からのやり方
- 公式問題集の最新巻を1回分、時間を計って解き、パートごとの正答数を出す
- スコア帯の表から、単語帳と文法の本を1冊ずつ決める(金フレ・でる1000問など)
- 一番正答率の低いパートを決め、平日のメニューの中心にする
- 解いた回のスクリプトで、音読とシャドーイングを毎日10分
- 2週間に1回、2時間通しで解いてペース配分を確かめる
レベル別:あなたならこうする
〜400点なら、TOEIC専用の問題より中学文法の総復習と銀のフレーズが先です。Part 1・2の短い音声を、スクリプトで意味を確かめてから繰り返し聞きます。
450〜700点は「音とスクリプトの一致」と「Part 7の速さ」が課題です。金のフレーズとでる1000問を毎日回し、公式問題集の1回分を2週間かけて使い倒します。
800点以上は、まちがえた問題の言いかえを集めるノートを作ります。公式問題集を3冊と模試で時間配分を固め、S&Wで話す・書く力も測ります。
よくある失敗と対策
解いた後の復習に時間をかける方が、処理の速さが伸びます。公式問題集の1回分を2週間かけて音読まで使い倒します。
1冊にしぼって周回数を増やします。金フレや銀フレなら、3秒で意味が出ない語に印をつけ、4周目からは印の語だけを回します。
誤答の減点はありません。残り時間が少なくなったら、空欄を残さず全問マークします。そのうえで、普段からPart 7を時間を計って解きます。
音が聞き取れない段階では先読みは効きにくい技です。まずスクリプトで意味の分かる英文を、聞いて分かるようにする練習を優先します。
1 MIN
公式問題集のPart 2を10問だけ解き、スクリプトで聞き取れなかった語に線を引く
友だちに出したい、この節の3問
タップで答え。「X で出題する」で、そのまま問題として出せます。
14-2TOEIC L&Rで、まちがえると減点される?
されません。IIBCの公式案内には、誤答による減点はないので迷った問題もどれか1つにマークしておくよう書かれています。時間切れで空欄を残すのは、もったいない失点です。
14-2TOEICのスコアは、正答数をそのまま点にしている?
ちがいます。IIBCの説明では、スコアは正答数そのままではなく、統計処理で回ごとの難しさの差をならした換算点です。同じ正答数でも、回によって点が少し変わることがあります。
14-2TOEIC対策の単語帳は、何冊あればいい?
1冊で足ります。点を上げるのは冊数ではなく周回数です。TOEIC用なら金のフレーズ(2026年1月に増補改訂版)か、基礎固めの銀のフレーズを1冊決めて、3秒で意味が出るまで回します。
PRACTICE KIT
この節の実践キット
このサイトで練習する
原田英語のサイトで練習する
使えるサイト・アプリ
動画で学ぶ
もっと詳しく(コラム)
この節の根拠(研究・公式情報)
リスニング約45分・100問、リーディング75分・100問、約2時間で200問のマークシート方式。Part 1〜7の問題数と、音声は1度だけ流れること、3人の会話や図と結びつける設問を含むことを公式に説明。
IIBC「TOEIC Listening & Reading Test テストの形式と構成」出典を開く ↗2026年10月19日発売。練習テスト2回分・計400問、本番と同じレイアウトの問題用紙、参考スコア範囲の換算表、公式スピーカーの音声つき。
IIBC「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 13」出典を開く ↗アプリは無料で、最新の公式問題集を含むすべての公式問題集の音声を無料でダウンロードできる。
IIBC「TOEIC公式教材アプリ」出典を開く ↗よくある質問
何か月で何点上がる?
上がり方は、今のスコア、1日の勉強時間、苦手なパートによって大きく変わるため、決まった数字は出せません。目安を作るなら、2週間ごとに公式問題集で通し練習をして、自分の伸び方を記録するのが一番確かです。
最初に買う3冊は?
公式問題集の最新巻、単語帳1冊(600点未満なら銀のフレーズ、それ以上なら金のフレーズ)、文法1冊(基礎なら金の文法、600点前後からはでる1000問)です。模試は公式問題集を復習し終えてからで十分です。
単語帳はTOEIC専用がいい?
600点くらいまでは、一般的な高校レベルの単語でも点は伸びます。ただ、オフィス・人事・物流などTOEICによく出る場面の語はフレーズで覚えるのが近道なので、TOEIC用の1冊(銀フレか金フレ)を持つと効率的です。



