まずはこの3つ
- スクリプトで「なぜ聞こえなかったか」を特定する
- 等速で口が追えてから速度を上げる(まず1.25倍)
- 意味がわからない音声を倍速で流しても効果は薄い
聞こえない原因は4つ
①日本語にない音を近い日本語の音に置き換えてしまう(right と light が同じに聞こえる)。②単語の切れ目がわからない。③自然な速さでは音がつながる・消える・弱まる。④英語に触れる時間が足りない。「速すぎる」の正体は②③であることが多いので、速さに慣れる前に音の変化を知る。
6段階で耳を作る6
- 1音の変化を知る連結・脱落・同化・弱形・ラ行化(主に米)の5つの型を覚える。型を知らないと、何度聞いても同じ所で詰まる。
- 2スクリプトで答え合わせ聞けなかった所を確認し、原因(音の変化・知らない語・速さ)に分ける。
- 3オーバーラッピングスクリプトを見ながら音声と同時に読み、速さとリズムを体に入れる。
- 4シャドーイング文字を見ずに追いかける。等速で8割追えるようになるまで続ける。
- 5速度を上げる1.25倍で同じ練習。崩れたら等速に戻す。理解済みの素材の復習は1.5倍以上も可。
- 6等速に戻す最後に等速で聞き、「ゆっくり・はっきり聞こえる」と感じれば成功。
1日15分メニュー
| 時間 | やること |
|---|---|
| 0〜3分 | 新しい素材(1分程度)を等速で2回。スクリプトは見ない |
| 3〜6分 | スクリプトで確認し、聞けなかった所と理由に印 |
| 6〜9分 | オーバーラッピング3回 |
| 9〜13分 | シャドーイング。等速で追えたら1.25倍に |
| 13〜15分 | 等速で聞き直し、楽に聞こえるか確認 |
1日30分メニュー
| 時間 | やること |
|---|---|
| 0〜5分 | 前日の素材を1.25〜1.5倍で聞いて復習 |
| 5〜10分 | 新しい素材を等速で2回。内容を予想しながら |
| 10〜15分 | 聞けなかった文だけディクテーション→スクリプトで確認 |
| 15〜20分 | 音読・オーバーラッピング(音の変化に印をつけて) |
| 20〜27分 | シャドーイング(等速→1.25倍) |
| 27〜30分 | 等速で通して聞き、内容を30秒で口に出して要約 |
再生速度の使い分け(目安)
| 場面 | 速度 | ねらい |
|---|---|---|
| 初めて聞く素材 | 等速 | まず意味をつかむ |
| シャドーイング | 等速→1.25倍 | 崩れたら1段下げる |
| 理解済みの復習 | 1.5〜2倍 | 短時間で回数を増やす |
| 2.5倍以上 | 新しい学習には不向き | 理解が落ちやすい |
伸びる人の5つの習慣5
- 1原因を分けて記録する聞けなかった所を「音の変化・知らない語・速さ・集中切れ」に分ける。多い原因から対策すると最短で伸びる。
- 29割わかる素材を使うスクリプトを読めばほぼわかる素材で音を鍛える。難しすぎる素材は「単語の勉強」になってしまう。
- 3短く・毎日週末にまとめて2時間より、毎日15分。同じ素材を数日続けて、口が覚えるまで繰り返す。
- 4要約で理解を確かめる聞いた後、何も見ずに30秒で内容を言う。言えなければ、理解か記憶のどこかが弱い。
- 5いろいろな声で聞く教科書・過去問・ニュースなど話し手を変える。1人の声に慣れただけでは本番の声に対応しにくい。
なぜ効く?速さへの慣れの研究
人は速い音声に意外とすばやく慣れることが示されている(Adank & Devlin 2010)。また講義動画の研究(Murphy ら 2022)では、2倍速までは理解の低下が小さく、それを超えると成績が落ちた。ただしこれは内容がわかる言語での結果。英語ではまず意味がわかる素材で練習することが前提になる。
よくある誤解4
- ✕倍速で聞き流せば頭がよくなる○速さに慣れるが、知能全般が上がるとは確認されていない効果は練習した素材や課題に限られやすい
- ✕英語が聞けないのは周波数のせい○音を聞き分ける「仕分け」の問題人が聞ける音の範囲は母語で変わらない
- ✕わからない音声を何十回も聞く○スクリプトで確認してから繰り返す原因がわからないまま聞いても伸びにくい
- ✕寝ながら英語を流す○集中して聞く短い時間を毎日とる注意を向けない聞き流しは練習になりにくい
4週間の進め方(例)
| 週 | 素材 | 目標 |
|---|---|---|
| 1週目 | 教科書などゆっくりめの音声 | 音の変化の5つの型を、スクリプトで見つけられる |
| 2週目 | ふつうの速さの短い会話 | 等速のシャドーイングで8割追える |
| 3週目 | 同じレベルの新しい素材 | 1.25倍で追え、等速が楽に聞こえる |
| 4週目 | 共通テスト・英検の過去問音声 | 本番形式で解き、聞けなかった所を原因別に直す |
素材の選び方
音声とスクリプトがそろっていることが絶対条件(和訳もあると確認が速い)。最初は1分以内の短い会話から。スクリプトを読めば9割わかるレベルで、話し手が複数いる素材(男女・英米)だと本番に強くなる。
確認テスト
- 1初めて聞く素材の再生速度として適切なのは?正解は 等速。まず意味をつかむ
- 2シャドーイングで崩れたら?正解は 速度を1段下げる。追える速さで練習する
- 3「速すぎて聞こえない」の主な原因は?正解は 音の変化と単語の切れ目。音の変化の型を知る
- 4練習の最後に等速で聞く目的は?正解は 楽に聞こえるか確認する。ゆっくり聞こえれば成功
参考にした資料
速い英語が聞こえる耳を一覧にまとめ、A4 2枚で印刷できる無料PDFにしました。Web版は赤シート・覚えたチェック・カード・4択テストつき。