まずはこの3つ
- 「いつ・どこで・何を」を if-then で決める
- 最初は小さく。1日5分の単語から
- スマホは別の部屋へ。やる気より環境
目から鱗:やる気は当てにならない
習慣の研究では、毎日の行動の多くは「決意」ではなく、同じ場面で繰り返して自動化した行動だと考えられている(Wood & Neal 2007)。だから「やる気を出す」より「同じ時間・同じ場所でやる仕組み」を作る方が続く。
研究で効くとわかっている続け方6
- 1if-then プランニング「もし〜したら、〜する」と、行動のきっかけを具体的に決めておく方法。目標達成を助けることが多くの研究で確かめられている(Gollwitzer 1999、Gollwitzer & Sheeran 2006)。If I get a seat on the train, I'll open my vocabulary app.電車で座れたら、単語アプリを開く。
- 2習慣になるには時間がかかる新しい行動がほぼ自動的にできるまでの日数は、中央値で約66日、人によって18〜254日(推定)と大きな差があった(Lally et al. 2009)。「3週間で習慣になる」は根拠が弱い。
- 31日休んでもやめない同じ研究では、1回行動を抜かしても習慣化の進み方に大きな影響はなかった(Lally et al. 2009)。休んだ翌日に戻れば大丈夫。
- 4進み具合を記録する目標への進み具合を記録・確認すると、目標を達成しやすくなることが、多くの実験をまとめた分析で示されている(Harkin et al. 2016)。
- 5楽しみとセットにする好きなことを「運動中だけ」に限ると運動に通う回数が増えた(誘惑の抱き合わせ、Milkman et al. 2014)。例:好きな飲み物は英語の勉強中だけ。
- 6区切りの日を使う新年・月初め・誕生日などの区切りの後は、新しいことを始める行動が増える(フレッシュスタート効果、Dai et al. 2014)。三日坊主でも翌日から再開。月曜や月初めも再開のきっかけに使える。
if-then の作り方4
きっかけは毎日よく起きる、はっきりした場面に。英語では確実に起きることは When / After が自然
- When I finish breakfast, I'll review ten words.朝ごはんを食べ終えたら、単語を10個復習する。きっかけ=毎日必ずする行動
- When I get home, I'll read one passage aloud.家に帰ったら、長文を1題音読する。帰宅直後はスマホより先に
- If I feel like quitting, I'll do just five minutes.やめたくなったら、5分だけやる。サボりたい気持ちへの対策も決めておく
- After I brush my teeth at night, I'll review my error log.夜に歯をみがいたら、間違いノートを見直す。寝る前は記憶の定着にも向く
スマホとの距離
スマホが机の上にあるだけで、電源を切っていても記憶や思考の課題の成績が下がったという実験がある(Ward et al. 2017)。追試では結果が分かれているが、通知や誘惑を避けるなら勉強中は別の部屋に置くのが手軽な対策。
続く環境の作り方3
- 1始めるまでの手間を減らす単語帳は机の上に開いて置く、音声はすぐ再生できるようにしておく。始めるまでの一手間が少ないほど続く。
- 2やめたい行動は手間を増やすSNSアプリはホーム画面から外す、ログアウトしておく。使うまでの手間が増えると、つい開く回数が減る。
- 3勉強する場所を決める「この机では勉強だけ」と決めると、その場所に座ること自体がきっかけになる。
小さく始める:英語のミニ習慣
最初の2週間は「物足りない」くらいの量でいい。続いたら少しずつ増やす
| やりたいこと | 最初のミニ習慣 | 慣れたら |
|---|---|---|
| 単語 | 1日10語を隠してテスト | 1日50〜100語の周回 |
| 音読 | 長文1段落を1回 | 1題を3回 |
| リスニング | 通学中に1本(数分) | 毎日15分+シャドーイング |
| 英作文 | 週1回、1文だけ書く | 週2〜3本を添削 |
続かない人のよくある失敗5
- ✕「毎日3時間」と大きな目標から始める○5分から始めて増やす最初の量が大きいほど、続かなかった時に挫折しやすい。
- ✕「時間があったらやる」○時刻と場所を決めるあいまいな予定は、他の用事に押し出される。
- ✕1日休んだら全部やめる○翌日に戻ればOK1回抜けても習慣化への影響は小さい。
- ✕目標を宣言して満足する○記録をつけて進み具合を見る大事なのは宣言より、日々の行動の記録。
- ✕スマホを横に置いて勉強○別の部屋に置く通知1つで集中が途切れる。
記録のつけ方(1日1行)3
- 1カレンダーに✓やった日に✓。✓が続くと途切れさせたくなくなる。
- 2やったことを数字で「単語50語・音読1題・15分」のように量で書く。
- 3週末に振り返るできなかった日のきっかけを見直し、if-then を作り直す。
参考にした資料
- Wood & Neal (2007) A new look at habits and the habit-goal interface. Psychological Review
- Gollwitzer (1999) Implementation intentions: Strong effects of simple plans. American Psychologist
- Gollwitzer & Sheeran (2006) Implementation Intentions and Goal Achievement: A Meta-analysis
- Lally et al. (2009) How are habits formed. European Journal of Social Psychology
- Harkin et al. (2016) Does monitoring goal progress promote goal attainment? Psychological Bulletin
- Milkman, Minson & Volpp (2014) Temptation Bundling. Management Science
- Dai, Milkman & Riis (2014) The Fresh Start Effect. Management Science
- Ward et al. (2017) Brain Drain: The Mere Presence of One's Own Smartphone. JACR
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