まずはこの3つ
- 授業を受けた時間ではなく、復習で解き直した量が点になる
- 倍速は時間を浮かせる道具。浮いた時間は必ず復習に回す
- 質問は「どこまでわかって、どこからわからないか」を言う
授業の「わかった」は錯覚しやすい
上手な説明を聞くと、自分でもできる気がする。ある大学の授業の実験では、自分で考える形式の授業の方が実際の学習は多かったのに、学生は「説明を聞く授業の方が学べた」と感じていた(Deslauriers et al., 2019)。授業は「わかる」まで、点になるのは自分で解き直して「できる」ようになってから。
授業の前・中・後4
- 1前:予習は「わからない所探し」テキストを解くか読むかして、わからない所に印をつける。授業はその答え合わせの時間になる。
- 2中:解き方の「なぜ」をメモ板書の答えより、講師が口で言った考え方・根拠を書く。後で自分で再現するための材料になる。
- 3後:24時間以内に解き直すその日のうちに、解説を見ずにもう一度解く。できなかった所は解説を読み、数日後にまた解く。
- 4週末:まとめて確認その週に解き直して間違えた所だけを、もう一度。解けるようになるまで印を残す。
映像授業の使い方4
- 1倍速は2倍までが目安講義動画の実験では、1.5倍・2倍では理解の低下は小さく、2.5倍では下がった(Murphy et al., 2022)。ただし難しい内容や速い話し手では下げる。
- 2浮いた時間は復習へ同じ研究では、2倍速で見てテスト直前にもう一度見た群の成績が高かった(見直しの効果も含む)。浮いた時間は復習に回す。本数を増やすだけでは意味がない。
- 3一時停止して先に解く問題が出たら止めて自分で解いてから解説を見る。見るだけの授業を、考える授業に変える。
- 4見る本数を決めて予定に入れる「今週は5本」のように決め、復習の時間も一緒に予定表に書く。溜めると一気見になり、身につかない。
授業時間より自習時間3
- 1授業を入れすぎない授業で予定が埋まると、復習する時間がなくなる。まず自習時間を確保し、残りに授業を入れる。
- 2自習室を使い倒す家で集中できないなら、自習室や図書館を「勉強する場所」と決める。場所が決まると始めやすい。
- 3解き直し用のノート授業で間違えた問題・わからなかった問題だけを集める。テスト前はこのノートを優先して見直す。
質問の仕方
質問は具体的なほど、短い時間で役に立つ答えが返ってくる
| 悪い質問 | 良い質問 | なぜ良い? |
|---|---|---|
| この問題がわかりません | 3行目の which が何を指すかで迷いました | どこで止まったかがわかる |
| 英語の勉強法を教えてください | 長文で時間が足りません。1日30分で何をすべきですか | 条件があると具体的に答えられる |
| 解説の意味がわかりません | 解説の「〜」まではわかりましたが、その次がわかりません | わかる所とわからない所の境目が見える |
| 何をすればいいですか | 今この教材のここまで終わりました。次はどれですか | 今の状況から次の一手を決められる |
季節講習の選び方4
- 1弱点を1つに絞る「長文の速さ」「英作文」など、自分の課題に合う講座を選ぶ。なんとなく全部取ると、復習が追いつかない。
- 2復習できる量だけ取る講習の1コマに対して、同じくらいの復習時間が必要と考えて予定を組む。
- 3レベルは今の自分に合わせる難しすぎる講座は、聞いただけで終わる。テキストの見本を見て、半分以上は自分で考えられるレベルを選ぶ。
- 4講習後に解き直す日を決める講習が終わった翌週に、テキストを最初から解き直す日を予定に入れておく。
1週間の組み立て例(授業2コマの場合)
一例。部活・学校の予定に合わせて組み替える
| 曜日 | すること | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 授業の前日 | 予習:解いてわからない所に印 | 30分 |
| 授業の日 | 授業→その日のうちに解説を見ずに解き直し | 授業+30分 |
| 翌日〜3日後 | 間違えた所をもう一度・単語と音読 | 20〜30分 |
| 週末 | その週の解き直しノートを総復習・質問をまとめる | 60分 |
塾・予備校でよくある失敗5
- ✕授業を受けたことで満足する○その日のうちに解説を見ずに解き直す聞いて「わかった」と、自分で「できる」は別
- ✕映像授業を3倍速で大量に見る○2倍までにし、浮いた時間で復習2.5倍では理解が落ちたという実験がある
- ✕わからないまま次の授業へ○その週のうちに質問して解決わからない所が積み重なると授業についていけなくなる
- ✕講習を取りすぎて予習・復習ゼロ○復習できる量だけ取る授業だけでは定着しない
- ✕周りが取るからと同じ講座を取る○自分の弱点と志望校から選ぶ必要な力は人によって違う
塾・予備校選びで確かめること4
- 1自習できる環境か自習室の席数・開いている時間・静かさ。授業以外の時間に使えるかが大切。
- 2質問できる仕組みがあるか質問できる時間・相手・方法(対面・オンライン)を確認する。
- 3体験授業を受ける説明のわかりやすさだけでなく、授業後に自分で解き直せるテキストかを見る。
- 4通う時間と費用通学時間も勉強時間を削る。費用と合わせて家族と相談し、続けられる所を選ぶ。
確認テスト
- 1講義動画の実験で、理解がはっきり下がったのは何倍速の条件?正解は 2.5倍。2倍までは低下が小さかった
- 2授業の復習で最も効果的なのは?正解は 解説を見ずに解き直す。自分で「できる」かを確かめる
- 3良い質問の条件は?正解は どこからわからないかを言う。境目がわかると答えが具体的に
- 4季節講習を選ぶ時に優先することは?正解は 自分の弱点に合うか。課題に合う講座を選び、復習できる量に絞る
参考にした資料
- Deslauriers, L., et al. (2019). Measuring actual learning versus feeling of learning in response to being actively engaged in the classroom. PNAS, 116(39), 19251–19257.
- Murphy, D. H., et al. (2022). Learning in double time: The effect of lecture video speed on immediate and delayed comprehension. Applied Cognitive Psychology, 36(1), 69–82.
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