90分間のリーディング+ライティングで「どの問題に何分かけるか」を戦略的にコントロールできるかが、合否を分ける最大のファクターです。
──2026年度版として、英検協会の最新公式情報と実戦ノウハウを全面アップデートしてお届けします。
※本記事の日程・検定料・本人確認ルールは、2026年9月時点の英検協会公式サイトをもとにしています。受験前に必ず公式サイトで最終確認をしてください。
1【2026年度の変更点】検定料引き下げ・身分証厳格化・日程一覧
2026年度の英検準1級は、問題形式自体の変更はありませんが、受験の「手続き面」で見落とすと致命的な変更が複数あります。試験対策に入る前に、最新情報を押さえておきましょう。
2026年度第1回検定から、英検(従来型)・S-CBT・S-Interviewのすべてで検定料が一律100円引き下げとなりました。準1級の本会場・個人申込は10,400円(税込)です(2025年度は10,500円)。理由は「AI・ICT活用による業務効率化」と発表されています。なお、準1級は本会場のみの実施で、準会場受験はできません。
2026年度第1回検定から、1級〜3級(S-CBTは準1級〜3級)のすべての受験者に「協会が定める顔写真付き身分証明書」の原本提示が義務化されました。試験当日は「受験者本人」「受験票兼本人確認票(顔写真貼付済)」「顔写真付き身分証明書」の3点を照合します。なりすまし防止のための厳格化です。
最重要ポイント:健康保険証は使えなくなりました!
これまで広く使われていた健康保険証(紙・プラスチック式)や住民票など、顔写真のない書類は2026年度第1回検定から一切認められません。認められるのは以下の原本・有効期限内のものだけです。
✅ 学生証・生徒手帳(デジタル学生証は不可。顔写真は発行元が貼付・印刷したもの)
✅ 運転免許証(仮免許証・運転経歴証明書を含む)
✅ パスポート
✅ マイナンバーカード(マイナ保険証もOK)
✅ 社員証・在留カード・特別永住者証明書・障害者手帳
コピー・スマホ画像・デジタル証明書はすべて無効。当日忘れた場合は受験自体はできますが、後日期限までに提出しないと「認証失格(成績無効)」になります。高校生は「学校の生徒手帳に顔写真があるか」を今すぐ確認してください。
※2026年度の二次試験は年齢で日程が決まります(2005年4月2日以降生まれ=B日程)。学校経由の団体申込はA日程、塾経由はB日程です。
S-CBT(コンピュータ受験)も活用しよう:準1級はS-CBTでも受験可能。原則毎週土日に実施され、同一検定回で最大3回まで受験できます(従来型と合わせれば最大4回)。従来型と同等の資格・CSEスコアが得られるので、受験チャンスを増やしたい方にはおすすめです。詳しくはセクション8で。
2英検準1級の問題構成を完全把握する(リニューアル後の現行形式)
2024年度第1回にリニューアルされた現行形式は、2026年度も継続です。リーディングは41問→31問に減り、その分ライティングに「要約」が追加されました。まず試験全体の構造を正確に把握しましょう。
3【最重要】セクション別おすすめ時間配分──90分の設計図
ここが本記事の核心です。筆記試験90分をどう使い切るか。これを事前に決めておくかどうかで、体感難易度がまったく変わります。
最大のポイントは「ライティングを最初に解く」こと。
ライティングはたった2問でCSE 750点満点(リーディングと同配点)。ここで時間が足りなくなって中途半端な答案を出すのは致命傷です。ライティングを先に片付けることで、リーディングは「残り時間で解く」という気持ちの余裕が生まれます。
「原田英語だけが言っている配分では?」と思う方のために、主要な英検対策サイト・塾が公開している準1級の配分を並べてみました。
結論:どこも「リーディング45〜50分+ライティング35〜40分+見直し5分」でほぼ一致。
違いは「意見論述に20分か25分か」と「大問1に10分か12分か」だけ。語彙に自信がなければ大問1を12分に、テンプレが完全に頭に入っていれば意見論述を20分にしてもOK。本記事の配分は「ライティングで確実に稼ぐ」ことを優先した設計です。
解く順番の2パターン
Aパターン(ライティング先行型・本記事の推奨):要約→意見論述→大問1→大問2→大問3→見直し。
配点の重いライティングを、頭が一番フレッシュなうちに書き切る設計。「エッセイが尻切れになった経験がある人」はこちら一択。
Bパターン(ウォームアップ型):大問1(10分)→要約→意見論述→大問2→大問3→見直し。
大問1で脳を英語モードに切り替えてからライティングに入る。「いきなり英語を書き始めると最初の数分がぼんやりする」タイプの人向け。大問1は10分で必ず打ち切ること。
4ライティング40分の内訳──要約15分+意見論述25分の黄金比
ライティングは2問で40分。内訳は要約15分+意見論述25分が黄金比です。2問合計で CSE 750点満点なので、1問あたりの配点はリーディングの1問とは比較にならないほど高い。ここで手を抜くのは、合格を自ら遠ざける行為です。
要約問題の語数オーバー・語数不足は絶対NG!
2024年度までは問題文が「Suggested length(目安)」でしたが、2025年度第1回から「Summarize it between 60 and 70 words.」と明確な指定に変わりました。目安ではなく「条件」です。語数を大きく外した答案は内容点・構成点で大きく減点、最悪の場合ほぼ0点というケースも報告されています。65語前後を狙い、絶対に範囲から出ないこと。
採点基準は要約・意見論述とも4観点×4点=各16点満点(合計32点):
①内容(トピックに沿った主張と理由)②構成(論理的な段落構成)③語彙(適切で多様な語彙)④文法(正確で多様な文法)。
特に「構成」は型を決めておくだけで安定的に3〜4点が取れるので、テンプレートの暗記は最もコスパの高い対策です。
5リーディング45分の攻略法──大問別の時間戦略と「捨て問」判断
ライティングに40分を使った後、リーディング3大問+見直しに残り50分(うち見直し5分で実質45分)。ここからはスピード勝負です。
1問あたり約33秒。語彙力がそのまま速度に直結するセクションです。知っている単語なら5秒で解ける、知らなければ30秒考えても正解率は上がりません。
鉄則:10秒考えてわからなければ「消去法で選んで次へ」。
大問1で時間を使いすぎるのは最もよくあるミス。ここで粘っても1問あたりのCSE配点は低い。「パス単」で語彙力を底上げしておくのが最も効率的な対策です。
2つの長文に各3問ずつ。文脈を読みながら空所に入る適切な語句・フレーズを選ぶ問題です。空所の前後2〜3文を丁寧に読めば解けることが多く、全文を精読する必要はありません。
コツ:空所の直前の文と直後の文をセットで読む。
接続詞(However, Therefore, For example…)や代名詞(this, these, such…)が手がかりになる。選択肢を先に読んでから本文を読むとさらに効率的。
最も時間がかかるセクション。3-A(約400〜500語・3問)と3-B(約500〜600語・4問)の2題で、本文だけで合計約1,000語。歴史・科学・社会などの説明文が中心です。設問を先に読み、必要な情報だけを本文からピンポイントで拾う「スキャニング」が鍵。
戦略:設問の順番は本文の段落の流れと一致する。
設問1の答えは第1〜2段落、設問2は中盤、最後の設問は最終段落付近…という「設問=段落」の対応関係。先に設問のキーワードを頭に入れてから本文を読み進めると、答えのある段落を素早く特定できます。目安は3-Aに8分、3-Bに12分。
残り時間がヤバい時の緊急プラン
もしライティングで予定より時間を使ってしまい、リーディングの残り時間が30分を切った場合──
② 大問2と大問3に残り時間を全投入。長文問題のほうが「読めば解ける」ので、語彙問題よりも費用対効果が高い。
③ 最後の2〜3分は必ずリスニングの先読みに充てる。リスニングは一発勝負。先読みの有無で体感難易度が劇的に変わります。
6リスニング約30分──先読みの技術と事前準備の極意
リスニングは筆記試験終了後に自動的に開始されます。約30分で29問。CSE 750点満点で、リーディングやライティングと同じ配点です。
従来型(ペーパー)では、筆記試験の余り時間でリスニングの選択肢に目を通すことは禁止されていません。むしろ、合格者のほとんどが実践している最重要テクニックです。先読みに使える時間は3つあります。
時間② 各PartのDirections放送中(約30秒〜1分)→ 毎回同じ内容なので聞く必要なし。次のPartの選択肢を読む
時間③ 各問題の解答時間10秒のうち、マーク後の余り → 次の問題の選択肢に目を通す
リスニングの日常トレーニング:過去問の音声を1.5倍速→2倍速で聴く練習を日頃からしておくと、本番の通常速度が「ゆっくり」に感じられます。YouTubeの速度変更機能やポッドキャストアプリの倍速再生を活用しましょう。
7CSEスコア戦略──合格点1792を最短で突破するスコア設計
英検準1級の一次試験合格基準はCSEスコア 2,250点満点中 1,792点。この合格基準スコアは毎回固定で変動しません。3技能(R・L・W)各750点満点なので、単純計算で1技能あたり約598点取れれば合格ラインに到達します。
※素点目安は過去の傾向からの推定値です。CSEスコアは回ごとの統計処理で算出されるため、同じ正答数でも数十点前後する場合があります。
ライティングはたった2問で750点。しかもテンプレートと型を身につければ、短期間でスコアを大幅に伸ばせるセクションです。以下のようなスコア配分を目指すのが「最短合格」の鉄板パターンです。
上の表が示すとおり、R・Lが高くてもWが低ければ不合格になりえます。逆にWで高得点を取れれば、R・Lが多少苦手でもカバーできる。ライティング対策は最も「時間対効果」が高い投資です。
8S-CBTか従来型か?──2026年度の賢い受験パターン
2026年度の英検準1級は、従来型(ペーパー・年3回)とS-CBT(コンピュータ・原則毎週土日)の2つの受験方式があります。どちらも取得できる資格・CSEスコアは同等です。
パターンA(最大チャンス型):S-CBTで同一検定回に3回受験+従来型1回=合計4回のチャンス。入試の出願スケジュールに合わせて計画的に受験すれば、合格可能性を最大化できます。
パターンB(スピーキング苦手型):S-CBTの録音形式が苦手な人は従来型に絞る。対面のほうが面接官とのやり取りでリカバリーしやすい。
パターンC(タイピング得意型):ライティングをタイピングで受けたい人はS-CBT一択。修正・語数管理が圧倒的に楽になります。ただしリスニングの先読みができないので、本記事の「見直し5分」はそのままリーディングの見直しに回してください。
まとめ──90分を制する者が、英検準1級を制す
英検準1級は「時間との戦い」です。
実力が同じでも、時間配分の巧拙で合否が分かれます。
以下のチェックシートを本番前に必ず確認してください。
試験時間は全員に平等。
「何に何分使うか」を決めた人だけが、合格を掴み取れる。
📚 原田英語の英検準1級対策記事
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