台風が「上陸する」は英語で何と言うでしょうか。答えは make landfall です。台風30号(チャンパー)は東シナ海を北へ進み、26日(月)に九州にかなり近づいて、上陸する可能性もあると報じられています。このニュースを入口に、接近・通過・温帯低気圧など台風ニュースの英語を音声つきで解説します。

上陸は英語で?を解説するイメージ。海の上から陸地へ近づく大きな台風の渦と、海岸の町毎日英語 第11号|2026年10月24日(土)

make landfall(台風が)上陸する
接近・通過との違い
30秒でわかる今日のニュース
  • 台風30号(チャンパー)は24日、沖縄の先島諸島の北の海上を北へ進んだ。気象庁によると、24日午後3時ごろは大型で、中心の気圧は985ヘクトパスカル
  • このあと東シナ海を北上し、26日(月)に九州にかなり近づいて、上陸する可能性もあると報じられた。九州の西を進むという予想もあり、進路にはまだ幅がある
  • 台風は次第に勢力を弱め、26日から27日にかけて温帯低気圧に変わる見込み。台風から離れた九州から関東でも、前線の影響で警報級の大雨のおそれがある
  • 英語の報道では「上陸する」を make landfall、「近づく」を approach と書く。上陸する=make landfall
今日の一文

Typhoon Champi could make landfall in Kyushu on Monday before turning into an extratropical cyclone.

台風30号(チャンパー)は月曜日に九州に上陸し、その後、温帯低気圧に変わる可能性がある。
※気象庁の発表と、ジャパンタイムズ・日本気象協会(tenki.jp)・ウェザーニュースなどの報道をもとに原田英語が作成した文です。
PART 1

make landfall・approach・pass の違い

台風が近づく(approach)、上陸する(make landfall)、温帯低気圧に変わる(become an extratropical cyclone)を表すイメージ
台風ニュースでは approach(近づく)、make landfall(上陸する)、become an extratropical cyclone(温帯低気圧に変わる)などを使い分ける
make landfallメイク・ランドフォール
🌀(台風が)上陸する。台風の中心が海から陸に達すること。landfall は名詞なので make といっしょに使う。「九州に上陸する」は make landfall in Kyushu。
approachアプローチ
➡️接近する・近づく。動詞の approach は approach Kyushu と前置詞なしで言う(名詞なら the typhoon’s approach to Kyushu と言える)。「最接近」は closest approach。
pass near / pass overパス
↗️近くを通る・上を通過する。pass near Kyushu は「九州の近くを通る」、pass over Okinawa は「沖縄の上を通過する」。かすめるように通るときは brush past や skirt も使う。

ニュースでは、台風の進路や勢力に合わせて approach(近づく)、make landfall(上陸する)、weaken(弱まる)などが使い分けられます。台風は上陸の前に弱まることも、上陸せずに近くを通り過ぎることもあります。まだ上陸していない段階では、could make landfall(上陸する可能性がある)や is expected to make landfall(上陸する見込み)のように、可能性や見込みを表す語がいっしょに使われるのがポイントです。

注意!日本の「上陸」には決まりがある

気象庁では、台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達したときだけを「上陸」と呼びます。沖縄の島などを通るときや、小さい島・小さい半島を横切って短い時間で海に出るときは「通過」です。いっぽう英語の landfall は「台風の中心が海岸線を越えること」で、4つの島に限るという決まりはありません。島でも中心が陸に達すれば make landfall と言います。たとえば「台風が沖縄本島に上陸」とは日本ではふつう言いませんが、英語の報道では made landfall on Okinawa と書くことがあります。なお、気象庁の統計では、日本に上陸する台風は平年で1年に約3個です。

日本語 英語
上陸する make landfall
(台風が)襲う・直撃する hit/slam(上陸したとは限らない)
接近する approach/draw near
最接近 closest approach
通過する pass over/pass through
(勢力が)弱まる weaken
温帯低気圧に変わる become an extratropical cyclone
暴風域 area of storm-force winds
進路予想 forecast track
PART 2

語源:landfall は船乗りの言葉

land陸地
+
fall起こる
=
landfall航海のあと、初めて陸地が見えること
landfall のもとは船乗りの言葉。長い航海のあと、帆船の見張りが水平線に陸地を見つける場面のイメージ
landfall は、長い航海のあとに初めて陸地が見えることを表す船乗りの言葉だった

landfall は、もともと船乗りの言葉です。17世紀には、長い航海のあとで「初めて陸地が見えること」を表していました。のちに「陸地に近づくこと・着くこと」の意味でも使われるようになり、海の上の台風が陸に達することも landfall と呼ぶようになりました。ここでの fall は「落ちる」ではなく、「起こる」という意味です。「陸地(が見えること)が起こる」と考えるとわかりやすいでしょう。

💡 fall がつく言葉

rainfall:降水量・雨が降ること(a heavy rainfall=大雨)
snowfall:降雪量・雪が降ること
nightfall:日暮れ(夜の訪れ)
※ landslide(土砂崩れ)は fall ではなく slide(すべる)。landfall とつづりが似ているので注意しましょう。

PART 3

台風ニュースの英語 読みどころ3つ

could / is expected to
〜する可能性がある/〜する見込み
The typhoon could make landfall.=上陸する可能性がある。is expected to は「見込み」、is forecast to は「〜と予報されている」。天気のニュースでは、どれくらい確かなのかを表す語に注目しましょう。
extratropical cyclone
温帯低気圧
extra-(〜の外)+ tropical(熱帯の)+ cyclone(低気圧・うずまき)。暖かい空気と冷たい空気の温度差で発達し、ふつう前線をともなう低気圧です。「台風が温帯低気圧に変わる」は become an extratropical cyclone。ジャパンタイムズも、台風30号は火曜日の朝までに温帯低気圧に変わる見込みと伝えました。
bear the brunt
(被害を)まともに受ける
brunt は「いちばん激しい部分」。Okinawa bore the brunt of the storm.=沖縄が台風の被害をまともに受けた。災害のニュースでよく出る言い方です。

台風30号の進路や気象庁の予報円は、原田英語の台風30号(チャンパー)最新情報(自動更新)で確かめられます。大雨の英語は「線状降水帯を英語で言うと?」、警報・注意報の英語は「命を守る気象英語ガイド」もどうぞ。

PART 4

そのまま使える例文6つ(音声つき)

  1. The typhoon is expected to make landfall in Kyushu on Monday.
    台風は月曜日に九州に上陸する見込みだ。

  2. The storm is approaching Okinawa.
    台風が沖縄に近づいている。

  3. The typhoon will make its closest approach tomorrow morning.
    台風は明日の朝に最接近する。

  4. The typhoon is forecast to weaken over the weekend.
    台風は週末にかけて勢力が弱まると予報されている。

  5. The typhoon is expected to become an extratropical cyclone.
    台風は温帯低気圧に変わる見込みだ。

  6. Heavy rain is forecast even far from the center of the storm.
    台風の中心から離れた所でも大雨が予報されている。

PART 5

1分クイズで定着チェック

Q1台風が「上陸する」を英語で言うと?
💡 台風の上陸は make landfall。landslide は「土砂崩れ」。
Q2「台風が九州に接近している」として正しいのは?
💡 動詞の approach は前置詞なしで approach Kyushu。
Q3「温帯低気圧」は英語で?
💡 extra-(〜の外)+ tropical(熱帯の)+ cyclone。
Q4landfall のもとの意味は?
💡 もとは船乗りの言葉。土砂崩れは landslide。
Q5日本の気象庁で、台風の中心が沖縄の島を横切ってすぐ海に出るときの言い方は?
💡 「上陸」は北海道・本州・四国・九州の海岸線に達したときだけ。
選択肢を押すと答えが出ます
PART 6

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PART 7

よくある質問

Q. 台風が「上陸する」は英語で何と言いますか?
make landfall(メイク・ランドフォール)です。The typhoon made landfall in Kyushu.(台風が九州に上陸した)のように使います。「上陸のおそれがある」は could make landfall や may make landfall、より確かな「上陸する見込みだ」は is expected to make landfall と言います。見出しでは hit(襲う)や slam(激しく襲う)もよく使われますが、これらは「大きな被害を与える」という意味で、中心が上陸したとは限りません。
Q. landfall は「土砂崩れ」の意味ですか?
いいえ。landfall は「(台風などが)陸に達すること」や「(船が)陸地に着くこと・陸地が見えること」です。土砂崩れは landslide(ランドスライド)と言います。つづりが似ているので注意しましょう。
Q. 日本の「上陸」と英語の landfall はまったく同じですか?
ほぼ同じですが、日本の気象庁には決まりがあります。台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達したときだけを「上陸」と呼び、小さい島や小さい半島を横切って短い時間で海に出るときは「通過」と言います。英語の landfall は「台風の中心が海岸線を越えること」で、日本のように4つの島に限るという決まりはないため、島の海岸でも使います。
Q. 「温帯低気圧に変わる」は英語で?
become an extratropical cyclone や transition into an extratropical cyclone と言います。extra- は「〜の外」、tropical は「熱帯の」なので、語の形は「熱帯の外の低気圧」です。気象の言葉としては、暖かい空気と冷たい空気の温度差をエネルギーにして発達し、ふつう前線をともなう低気圧を指します。温帯低気圧に変わっても、強い雨や風が続くことがあるので注意が必要です。

毎日英語のバックナンバー

参考にした報道