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マグニチュード9.9はどれくらい?緊急地震速報「誤報」の原因・陰謀論・本当に起きたらを3分で

マグニチュード9.9の緊急地震速報(誤報)のイメージ。夜の日本列島に北東の海から赤い地震波が広がり、スマホに警報が光る
10月16日の昼、スマホが一斉に鳴った「マグニチュード9.9」の緊急地震速報。東日本大震災を上回る数字に驚いた人も多いはずですが、8分後に取り消されました。M9.9とはどれくらいの規模なのか、なぜ誤報になったのか、ネットで広がった陰謀論は本当なのかを、要点だけ3分でまとめます。

30秒でわかる要点
  • 10月16日12時40分、「千島列島でM9.9・最大震度7」の緊急地震速報 → 8分後の12時48分に取り消し
  • 本当の地震はカムチャツカ半島付近のM6.9(深さ約160km)。国内の揺れは函館市の震度1だけ
  • 気象庁は「マグニチュードを過大に推定した」と謝罪。サイバー攻撃は否定。なぜ過大になったかは調査中
この記事は10月16日夕方時点の報道と気象庁の会見内容をもとにしています。原因が発表されたら追記します。

何が起きた?8分間のタイムライン

  1. 12:36速報が「地震が起きた」とまちがって推定した時刻(震源は千島列島)
  2. 12:38ごろ、実際の地震がカムチャツカ半島付近で発生(M6.9・深さ約160km)
  3. 12:40緊急地震速報(警報)。対象は北海道・東北・関東・北陸・甲信・東海・伊豆諸島。東海道新幹線は新横浜〜豊橋で一時見合わせ(約15分後に再開)
  4. 12:48速報を取り消し。取り消しの通知でも同じ警報音が鳴ったスマホがあり、さらに混乱
  5. 14:00気象庁が会見。担当課長が「大変申し訳ございませんでした」と謝罪。警報の取り消しは初めて
緊急地震速報 実際の地震
震源 千島列島 カムチャツカ半島付近
規模 M9.9 M6.9
発生時刻 12時36分ごろ 12時38分ごろ
最大震度 7(予想) 1(北海道函館市)

つまり地震そのものは本当にあったけれど、コンピューターが場所も時刻も規模もまちがえて「超巨大地震」と判定してしまった、というのが今回の正体です。

マグニチュード9.9ってどれくらい?

マグニチュード(M)は1上がるとエネルギーが約32倍、2上がると約1000倍になります。数字が少し違うだけで、中身はケタ違いです。

約22倍東日本大震災
(M9.0)の
約8000倍阪神・淡路大震災
(M7.3)の
約3万倍今回の本当の地震
(M6.9)の
地震のエネルギー比べ(M6.9=1として)
今回の本当の地震(M6.9)1
阪神・淡路大震災(M7.3)4
東日本大震災(M9.0)1,413
観測史上最大・チリ地震(M9.5)7,943
速報が出した M9.931,623
阪神・淡路大震災のバーは小さすぎて、ほとんど見えません。それくらい M9.9 は桁外れです。

人類が観測した最大の地震は1960年のチリ地震(M9.5)。M9.9はそれを大きく超える、まだ誰も見たことのない規模です。

震源の断層は「本州まるごと」級

Mが2違うと、ずれる断層の長さも10倍違います。M9の断層は長さ500kmほどなので、単純に計算するとM9.9は長さ1,400km前後。本州がすっぽり入る長さの岩盤が、一気にずれる計算です(あくまで目安)。

マグニチュードと震度はちがう

マグニチュード=地震そのものの大きさ、震度=その場所の揺れの強さです。今回の本当の地震はM6.9とそこそこ大きいものの、震源が遠くて約160kmと深かったため、日本では函館市の震度1にとどまりました。

M9.9の地震は起こりうる?

国(内閣府)が想定する、このあたりの最大級の地震は千島海溝でM9.3、日本海溝でM9.1です。東日本大震災のあと「M10クラスも起こりうる」と指摘した研究者もいますが、M9.9は現実の防災想定よりずっと上の数字です。

なぜM6.9が「9.9」に?誤報の原因

気象庁の説明は、震源を千島列島と決め、マグニチュードを9.9と過大に推定したというもの。なぜ過大になったのかは「調査中」で、まだ発表されていません。

緊急地震速報は、最初に届く小さな揺れ(P波)を数秒だけ捉えて、震源や規模を自動で計算し、強い揺れより先に知らせるしくみです。スピード勝負なので、もともと次のような弱点があります。

起きやすいミス 過去の例
観測網から遠い・深い地震は誤差が大きい 今回の地震は日本の外、深さ約160km
近い時間の別々の地震を「1つの大地震」と誤認 2018年1月5日、茨城県沖と富山県の地震をまとめてしまい関東に速報
観測点の機器の異常な数値 2009年8月25日、千葉県の観測点の異常値で規模を過大に

今回どれが当てはまるのかは、気象庁の調査結果を待つ必要があります。

ネットの陰謀論・ウワサをファクトチェック

緊急地震速報M9.9の誤報をめぐるハッキング説や地震兵器などの陰謀論をファクトチェックするイメージ

速報の直後、Xでは「地球滅亡レベル」「ハッキングでは?」といった投稿があふれ、検索がつながりにくくなるほどでした。広まった説を1つずつ確かめます。

ウソ「ハッキング(サイバー攻撃)された」
気象庁は「その時間帯に外部からのアクセスは確認されておらず、サイバー攻撃ではないと断言できる」と説明。疑う声が多かった背景には、直前の10月11日に自治体の防災メールを配信する民間サービス「SpeeCAN RAIDEN」が不正アクセスを受けたニュースがあります。ただしこれは気象庁の緊急地震速報とは別のシステムです。
ウソ「本当はM9.9が起きていて、隠している」
M9.9が千島列島で起きれば、北海道から東北は激しく揺れ、大津波も来ます。実際に揺れたのは函館市の震度1だけ。隠しようがありません。
ウソ「巨大地震の前ぶれ・予言が当たった」
今回の誤報はコンピューターの計算ミスで、地下で何かが起きた合図ではありません。そもそも日時と場所を決めた地震予知は、今の科学ではできないと気象庁は説明しています。
ウソ「人工地震・地震兵器だ」
本当の地震は深さ約160kmで起きたM6.9の自然の地震です。そんな深さで地震を起こす技術は存在しません。
ウソ「M9.9なら地球が割れる」
M9.9のエネルギーは莫大ですが、地球をバラバラにするのに必要なエネルギーの1兆分の1にも届きません。地球は割れません。
不明「6が9に化けた?ただの入力ミス?」
M6.9と9.9はちょうど3.0違いなのは事実。ただし震源も発生時刻もずれていたので、数字1つの打ちまちがいだけでは説明しにくいところです。答えは気象庁の調査待ち。

取り消しなのに、なぜまた鳴った?

今回は「取り消し」の知らせでも、最初と同じ警報音が鳴ったスマホがありました。SNSでは「同じ音で2回鳴るから怖かった」「取り消しは違う音にしてほしい」という声が続出しています。

気象庁によると、速報の取り消しは落雷などの揺れを地震とまちがえたときのためのしくみで、予想震度が下がっただけなら通常は取り消しません。警報が取り消されたのは今回が初めてで、それだけ珍しい事態でした。

次に鳴ったら、どうする?

「どうせまた誤報でしょ」が一番危険です。速報から強い揺れまでは数秒〜数十秒。鳴ったら考える前に、まず身を守りましょう。

🛡️頭を守って、丈夫な机の下へ
🪟窓・棚・照明から離れる
🚗運転中は急ブレーキをかけず、ハザードを出してゆっくり止まる

ニュースの英語でいうと?

earthquake early warning
緊急地震速報(EEW)
false alarm
誤報
overestimate
過大に見積もる
retract / cancel
(発表を)取り消す
conspiracy theory
陰謀論
The Japan Meteorological Agency retracted an earthquake early warning after overestimating the magnitude as 9.9.気象庁は、マグニチュードを9.9と過大に推定したとして緊急地震速報を取り消した。

よくある質問

Q. マグニチュード9.9はどれくらいの規模ですか?
エネルギーは東日本大震災(M9.0)の約22倍、阪神・淡路大震災(M7.3)の約8000倍です。観測史上最大の1960年チリ地震(M9.5)も上回り、まだ観測されたことのない規模です。
Q. 10月16日の緊急地震速報はなぜ取り消されたのですか?
実際の地震はカムチャツカ半島付近のM6.9でしたが、気象庁のシステムが震源を千島列島、規模をM9.9と過大に推定して警報を出したためです。過大になった理由は調査中です。
Q. 誤報はサイバー攻撃やハッキングが原因ですか?
気象庁は、その時間帯に外部からのアクセスは確認されておらず、サイバー攻撃ではないと断言できると説明しています。
Q. 実際の揺れはどれくらいでしたか?
国内で揺れを観測したのは北海道函館市の震度1だけで、津波の心配もありませんでした。

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