◆ THE WEAVER’S SWATCH BOOK ◆ · No.124
SETT REF. 56°49′N 4°12′W · HIGHLAND MILL
原田先生の英語教育ニュースレター
中高英語教師のための授業アイデア&最新情報
2026年6月20日(土) | Vol.124
SWATCH I · TOP THREAD
本日の主見出し
高3「英検準2級相当」52.4%、中高ともに英語力が過去最高を更新 ── 文科省「英語教育実施状況調査」
文部科学省が6月18日に2025年度「英語教育実施状況調査」の結果を公表しました。CEFR A1(英検3級)相当以上の中学生は54.6%、CEFR A2(英検準2級)相当以上の高校生は52.4%と、中高ともに過去最高の割合を更新。「話す・書く」を含む4技能型の指導とパフォーマンス評価の積み重ねが、数字に表れ始めています。一方で「目標到達はおよそ半数」という現実も同居していて、残り半数をどう引き上げるかが次の一手。本日の帯活動で「話す量」を底上げしていきましょう。
SWATCH II · WARP & WEFT
5分でできる帯活動 ── 経糸と緯糸を組む
🧵 Sett Builder(タータン文法づくり)
対象:中2〜高校 | 時間:5分 | 準備:不要
▶ やり方:
① タータンの縞は「色の繰り返し(sett)」でできている、と見本を見せる。文も同じ「型の繰り返し」で作れると伝える。
② 先生が1本目の「縦糸」=主語+動詞を出す:“I visited…”
③ 生徒が「横糸」=場所・時・理由を1つずつ足して縞を広げる:“I visited my grandmother in Osaka last weekend because it was her birthday.”
④ ペアで縦糸を交換し、同じ「型」で別の縞(文)を織る。
💡 ポイント:「型を繰り返して内容を変える」体験で、英文の骨組み(SVO+修飾)が手に馴染みます。色=情報という比喩が視覚的に効きます。
🪡 Selvedge Swap(織端リレー言い換え)
対象:中1〜 | 時間:5分 | 準備:黒板のみ
▶ やり方:
① 先生が短い1文を黒板に書く:“It is hot today.”
② 生徒は「布の端を一目ずらす」イメージで、1語だけ替えて新しい文にする:“It is cold today.” → “It was cold yesterday.”
③ 隣へ回し、また1語だけ替える。元と意味が変わるほど面白い。
④ 一周して何文できたか数える。崩れず続いたチームの勝ち。
💡 ポイント:1語ずつの小さな操作で時制・形容詞・主語の変化に集中できます。「最小の変更で意味が動く」感覚が文法の核心です。
SWATCH III · THE LOOM ROOM
AI × 英語指導の織機
FOR TEACHERS
🧰 QuizWhiz ── テキスト・PDF・URLから問題を即織り出す
教材文・ニュース記事のURL・PDFを入れるだけで、多肢選択/正誤/短答/穴埋め/場面設定問題の5形式を自動生成。Bloom’s Taxonomyに沿って難易度を上げる「Level Up」や、弱点に絞る「Focused Quiz」も搭載。50以上の言語対応で、Google Classroom/Google Formsへ書き出せます。
✅ PDF・URL・テキストから5形式の問題を自動作成
✅ Bloom’s Taxonomyで難易度を段階調整
✅ Google Classroom/Forms連携・無料枠あり
✅ Bloom’s Taxonomyで難易度を段階調整
✅ Google Classroom/Forms連携・無料枠あり
🎓 活用例:今日読んだ英文記事のURLを入れて、理解確認の小テストを授業の最後の5分で即配信。
FOR STUDENTS
🗣 TalkPal ── 低圧で話せるAI会話パートナー
GPT駆動のAI英会話アプリ。ロールプレイ(面接・買い物・空港など)やディベートモードで、判定にさらされない低プレッシャー環境で話す練習ができます。「人前だと固まる」生徒が、AI相手なら自由に口を動かせるのが強み。会話後にフィラー(actually等)の癖など具体フィードバックが返ります。
🎓 活用例:「ESAT-Jの面接練習」を自宅でロールプレイ。授業では話す前の”助走”として使うと発話量が増えます。
SWATCH IV · MILL NOTICES
英語教育ニュース ── 工房だより
🇯🇵 DOMESTIC
ポリグロッツ「英語を教える人」のための〈ここから〉ゼミ・リアルを8月開催
英語学習アプリ「レシピー」を手がけるポリグロッツが、英語指導者向けのリアル研修ゼミを8月に開催すると発表しました。日々の授業設計や生徒のつまずきに向き合う実践志向の場で、オンラインだけでは得にくい「教師同士が横でつながる」設計が特徴です。AI活用が進むいまだからこそ、指導の核を語り合う場の価値が増しています。
🇯🇵 DOMESTIC
生成AI、学生の約半数が「頼りすぎて思考力・文章力が落ちる」ことを警戒 =パレンテ調べ=
学生対象の調査で、約半数が生成AIへの依存による思考力・文章力の低下を自ら警戒していることがわかりました。便利さと引き換えに「考えて書く力」が痩せる懸念は、英作文・要約指導で毎日直面する論点そのもの。AIに下書きさせる前に、まず自分の言葉で一度書く──そんな手順を授業に組み込む後押しになるデータです。
🌍 GLOBAL
米上院公聴会、学校のAIに「人間の判断」を守るガードレールを求める声
米上院の教育小委員会がAI時代の教育を議論し、州・企業の関係者から「学校のAIには意味あるガードレールが必要」との声が相次ぎました。採点や懲戒など最終判断は人間が握るべきという論点は、AIスピーキング評価や自動採点が広がる日本の英語教室にも直結します。「測る」をAIに任せても、「伸ばす」判断は教師の手に。
SWATCH V · SAMPLE CARDS
無料で使える英語学習ツール ── 生地見本帳
📻 LearnEnglish Podcasts(British Council)
英国公式の無料リスニング教材。スクリプトと設問付きで、レベル別に本物の英国英語が聴ける。スコットランド特集回の聴き比べにも。
SWATCH VI · THE PATTERN ABROAD
世界の教室から ── 海の向こうの織り柄
🏴 スコットランド ── 英語の故郷が掲げる「1+2言語政策」
英語の母国でありながら、スコットランドはスコットランド語(Scots)やゲール語(Gàidhlig)が共に息づく多言語の地。独自カリキュラム“Curriculum for Excellence”のもと、「母語+2つの追加言語」を学ぶ1+2 Languages政策を小学校から進めています。「正しい英語」だけを押しつけず、子どもが普段使う言葉(Scots)も学びの資源として尊重する姿勢が特徴です。
🔑 明日から使えるテクニック
スコットランド流に、生徒の方言や口語を「翻訳の入口」に使う。「自分の地元の言い方」を1つ選ばせ、“How would you put this in standard English?”と問う。例:「なまら」→ “really / super”。身近な言葉と標準英語を行き来させると、言語への気づき(language awareness)が一気に高まります。「正解は1つ」ではなく「場面で選ぶ」感覚が育ちます。
SWATCH VII · THE WEAVER’S WORD
“Teaching is not about the perfect plan; it is about being ready to respond to what actually happens in the room.”
「指導とは、完璧な計画のことではない。教室で実際に起きていることに、いつでも応じられる構えのことだ。」
— Jim Scrivener(『Learning Teaching』著者・ELT教師教育者)
SWATCH VIII · SATURDAY SELVEDGE
土曜の織端を整える ── 今週の縁かがり
布は端(selvedge)がほつれないよう織り込んで仕上げます。一週間の指導も同じ。土曜の数分で「縁」を整えておくと、月曜からの一反がほつれません。3つの縁を確かめましょう。
🧵 KEPT EDGE(残した縁) 今週、生徒の発話量が増えた瞬間はどこ? その仕掛けを1つ書き留める。
🪡 FRAYED EDGE(ほつれた縁) うまく織れなかった活動は? 「型」のどこを直せば次は持つか1文で。
🧶 NEXT THREAD(次の一糸) 来週いちばん最初に通したい糸(ねらい)を1つだけ決めておく。
📎 今号の参考リンクまとめ
📰 ニュース記事
🧰 AI・学習ツール
📬 原田先生の英語教育ニュースレター Vol.124
haradaeigo.com
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