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記憶力を上げる方法7選。いちばん確かなのは「思い出す練習」と「間をあけた復習」

記憶力を上げる方法7選。いちばん確かなのは「思い出す練習」と「間をあけた復習」

読む前に予想してみよう!

教科書を何度も読み返すのは、記憶に残すための最も効率のいい方法だ

研究カード(どんな研究?)
対象
学生・成人
規模
数百の研究をまとめたレビュー・メタ分析など
研究の種類
レビュー・メタ分析・ランダム化実験
確かさ
★★★★★
3秒でわかる

記憶力を上げるなら「思い出す練習」「間をあけた復習」「混ぜて解く」「声に出す」「人に教える」「よく寝る」「体を動かす」。読み返しやマーカーは効果が小さい。

ひとことで言うと覚えるコツは「読む」より「思い出す」。そしてよく寝ること!

もくじ
  1. 大学生の多くは「読み返し」を選んでいた
  2. 研究で効果が報告されている7つのコツ
  3. まとめ

記憶力を上げる方法として、研究で効果が報告されている7つを紹介します。①思い出す練習 ②間をあけた復習 ③問題を混ぜて解く ④声に出す ⑤人に教えるつもりで学ぶ ⑥よく寝る ⑦体を動かす。ただし、確かさには差があります。たくさんの研究でいちばんしっかり確かめられているのは①と②です。逆に、教科書の読み返しやマーカー引きは、やっている感のわりに効果が小さいことがわかっています。

なぜ私たちは、効かない方法を選んでしまうのでしょう。まずはその「マジか!?」な調査から。

01大学生の多くは「読み返し」を選んでいた

2013年には、心理学者のダンロスキーさんらが、10種類の勉強法を比べた大規模なレビューを発表。「効果が高い」と判定されたのは、練習テストと分散学習の2つだけでした。マーカー引きや読み返しは「効果が低い」に分類されています。

02研究で効果が報告されている7つのコツ

① 思い出す練習(テスト効果)教科書を閉じて、覚えたことを書き出す。単語カードで自分にクイズを出す。2006年の実験では、読み返すよりテスト形式で思い出した人のほうが、1週間後によく覚えていました。→詳しくはテスト3回の実験

② 間をあけて復習する(分散学習)同じ時間をかけるなら、一気にやるより日をあけて何回かに分けたほうが残ります。数百の実験をまとめた2006年の分析でも確かめられています。→忘却曲線の正しい読み方

③ 問題を混ぜて解く(インターリーブ)同じ種類の問題を続けて解くより、いろいろな種類をシャッフルしたほうが、テストで解ける問題が増えるという実験があります。数学の問題での研究が中心で、2013年のレビューでの判定は「効果は中くらい」でした。→混ぜて解く練習

記憶力アップの7つの道具。どれも今日から使える
記憶力アップの7つの道具。どれも今日から使える

④ 声に出す(プロダクション効果)黙読した部分より、声に出して読んだ部分のほうがよく覚えていたという実験が、くり返し報告されています。→音読の記憶効果

⑤ 人に教えるつもりで学ぶ「あとで説明する」つもりで学び、実際に何も見ずに説明してみると、よく覚えられたという実験があります。メモを見ながら説明すると効果が消えたという実験もあり、何も見ずに思い出しながら説明することが大事なようです。→教える効果の実験

⑥ よく寝る眠っている間、脳はその日の記憶を整理し、定着させていると考えられています。徹夜で詰め込むより、寝たほうが残ります。→寝る前の単語暗記

⑦ 体を動かす運動と記憶の関係は研究が進んでいる分野で、高齢者が1年間ウォーキングを続けたら、記憶に関わる脳の部位が大きくなったという報告もあります。ただ、学生のテストの点が上がるかどうかは、まだはっきりしていません。→ウォーキングと海馬

03まとめ

記憶力アップのカギは、「インプットをくり返す」より「アウトプットで思い出す」こと。そして、間をあけて、よく寝ることです。

「読んでいると安心する」勉強ほど、実は覚えていない。今日の勉強から、教科書を閉じる時間を作ってみてください。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerWhich study methods really help you remember? 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Which study methods really help you remember? In 2009, researchers asked 177 college students how they studied. Most said they reread their notes or textbooks, and only a few tested themselves. Rereading makes the material look familiar, so students feel they have learned it, but this feeling can be misleading.

In 2013, a large review compared ten study techniques. Only two were rated highly effective. They were practice testing and spreading study sessions over time. Rereading and marking text with a highlighter pen were rated low.

Other helpful habits include mixing different types of problems, reading aloud, studying as if you will teach someone, getting enough sleep, and exercising. Above all, practice pulling information out of your memory, for example by closing your notes and writing down what you remember.

130 words ・ CEFR B1

和訳を見る

記憶に本当に役立つ勉強法はどれでしょうか。2009年、研究者たちは大学生177人に、どうやって勉強しているかをたずねました。大半はノートや教科書を読み返していると答え、自分でテストしている学生はわずかでした。読み返すと内容が見覚えのあるものに見えるため、学生は覚えたと感じますが、この感覚は誤解を招くことがあります。

2013年、ある大規模なレビューが10種類の勉強法を比較しました。効果が高いと評価されたのは2つだけでした。練習テストと、勉強の時間を分散させることです。読み返しと蛍光ペンで線を引くことは低い評価でした。

ほかに役立つ習慣としては、いろいろな種類の問題を混ぜること、声に出して読むこと、誰かに教えるつもりで勉強すること、十分に眠ること、運動することがあります。何よりも、たとえばノートを閉じて覚えていることを書き出すなどして、記憶から情報を取り出す練習をしましょう。

4択リーディングクイズ

Q1. What is the passage mainly about?

Q2. Which two techniques were rated highly effective in the 2013 review?

Q3. Why might students keep rereading even though it is not very effective?

重要単語

  • retrieval practiceC1
    名詞(句)思い出す練習Retrieval practice makes memories stronger. 動詞 retrieve「取り戻す・(記憶から)引き出す」の名詞形。犬が物を取ってくる retriever も同じ語。
  • spaced repetitionC1
    名詞(句)間をあけたくり返しSpaced repetition beats cramming. space は動詞で「間隔をあける」。distributed practice(分散学習)とほぼ同じ意味で使われる。
  • cramB2
    動詞詰めこみ勉強をするHe crammed all night before the test. もとは「(物を)ぎゅうぎゅうに詰めこむ」。cram for an exam「試験に向けて一夜漬けする」。
  • illusion of competenceC1
    名詞(句)「わかったつもり」の錯覚Rereading can create an illusion of competence. illusion「錯覚」+competence「能力」。competent「有能な」は入試頻出の形容詞。
  • consolidateC1
    動詞(記憶を)定着させる・強化するSleep helps consolidate what you learned. con-(しっかり)+solid(固い)=「固める」。memory consolidation は記憶研究の重要語。
  • familiarB1
    形容詞見慣れた・よく知っているThe words looked familiar, but I could not recall them. A is familiar to B「AはBにとってなじみがある」と B is familiar with A「BはAをよく知っている」の区別が入試頻出。
記憶力を上げる方法、研究で効果が確かめられているのは「読み返す」より「思い出す練習」。なのに大学生177人にふだんの勉強法を聞いたら、多くが読み返しと答えていたらしい。“やった気になる勉強”から卒業するための7つのコツ。

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出典・参考文献(5件)タップで表示
  1. Dunlosky et al. (2013) Improving Students' Learning With Effective Learning Techniques, Psychological Science in the Public Interestdoi.org
  2. Roediger & Karpicke (2006) Test-Enhanced Learning, Psychological Sciencedoi.org
  3. Karpicke, Butler & Roediger (2009) Metacognitive strategies in student learning: Do students practise retrieval when they study on their own?, Memorydoi.org
  4. Cepeda et al. (2006) Distributed practice in verbal recall tasks: A review and quantitative synthesis, Psychological Bulletindoi.org
  5. Rasch & Born (2013) About Sleep's Role in Memory, Physiological Reviewsdoi.org