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自信満々で間違えた問題ほど、直したあとは忘れにくい。「ハイパーコレクション効果」の不思議

自信満々で間違えた問題ほど、直したあとは忘れにくい。「ハイパーコレクション効果」の不思議

読む前に予想してみよう!

自信満々で間違えた問題ほど、正解を教わったあとに正しく覚え直しやすい

研究カード(どんな研究?)
対象
大学生・子ども
規模
数十人規模の実験が多数
研究の種類
実験研究+レビュー
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

「絶対合ってる!」と思って間違えた答えほど、正解を教わったあとに記憶へ定着しやすい。驚きが注意を引きつけるからと考えられている。

ひとことで言うと「えっ、ちがうの!?」とおどろいた問題ほど、正しい答えが頭に残る!

もくじ
  1. 自信があった間違いほど、直りやすかった
  2. 「えっ!?」という驚きがカギ
  3. 1週間たつと「元の間違い」が戻ってくることも
  4. 大事なのは「すぐに正解を確かめる」こと
  5. 「間違えてもいい練習」をたくさん積む
  6. まとめ

「これは絶対合ってる!」と自信満々で書いた答えが、返ってきたら大きなバツ。恥ずかしいし、悔しいですよね。

でも、その悔しさにはすごい価値があります。自信満々で間違えた問題ほど、正しい答えを知ったあとにしっかり覚え直せることが分かっているんです。

この現象はハイパーコレクション効果と呼ばれます。「ハイパー(超)」+「コレクション(修正)」で、「超修正効果」といったところ。間違いが、むしろ記憶の味方になるという不思議な話です。

01自信があった間違いほど、直りやすかった

普通に考えると「自信を持って覚えていた間違い」は、頭にこびりついて直しにくそうですよね。ところが結果は真逆でした。

02「えっ!?」という驚きがカギ

なぜこんなことが起きるのか。有力な説明は驚きです。

「絶対合ってると思ったのに!」と驚いた瞬間、脳はその問題に強く注意を向けます。その状態で正解を見るので、しっかり記憶に刻まれる、というわけです。

メトカーフは2017年のレビューで、間違えること自体は、正しい答えを教わるなら学習の妨げにならず、むしろ助けになることがあるとまとめています。

驚いた瞬間、脳のスポットライトがその問題に当たる
驚いた瞬間、脳のスポットライトがその問題に当たる

もう一つの説明は、自信があったということは、その分野の知識がそもそもある程度あるということ。実際、メトカーフらの2011年の研究では、自信満々で間違えた問題のほうが、自信のない間違いよりも、本人が正解を「実は知っていた」ケースが多いことが分かりました。正しい答えを結びつける「土台」がしっかりしているので、修正が早いとも考えられています。

031週間たつと「元の間違い」が戻ってくることも

ただし、油断は禁物です。2011年の別の実験では、ハイパーコレクション効果は1週間後も残っていたものの、自信満々だった間違いのほうが、自信のなかった間違いよりふたたび顔を出しやすかったのです。一度直しただけでは、強く信じていた答えが完全には消えないのです。だからこそ、★をつけた問題は日をあけてもう一度解き直すのが効果的です。

04大事なのは「すぐに正解を確かめる」こと

また、この効果には条件があります。間違えたあとに、正しい答えをきちんと確かめることです。

間違えっぱなしで放っておくと、間違った答えがそのまま残ってしまうことも。答え合わせをせずに次へ進むのは、一番もったいないパターンです。

05「間違えてもいい練習」をたくさん積む

ハイパーコレクション効果が教えてくれるのは、間違いは学びの材料になるということです。

ただ、本番のテストで間違えるのはつらいもの。だからこそ、点数に関係ない小テストや問題演習で、どんどん間違えておくのがおすすめです。「間違えても失うものがない場」で間違いを経験し、正しい答えで上書きしていく。これをくり返すと、本番で同じミスをしにくくなります。

間違いを隠したり、すぐに消しゴムで消したりするのはもったいない。間違えた答えも残しておき、その横に正解を書くと、「自分がどう勘違いしていたか」が見える最高の復習ノートになります。

06まとめ

自信満々の間違いは、恥ずかしいけれど最高の教材です。「えっ!?」と思った瞬間、脳は正しい答えを受け取る準備ができています。

次にテストが返ってきたら、バツの数を数えて落ち込むより、「自信があったのに間違えた問題」を探してみてください。そこが一番伸びる場所です。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerMaking a mistake on a question you were sure about is embarrassing, but it may be one of the best chances… 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Making a mistake on a question you were sure about is embarrassing, but it may be one of the best chances to learn. In 2001, Butterfield and Metcalfe at Columbia University gave students general knowledge questions and asked how confident they were in each answer. After wrong answers, the students were shown the correct ones.

On a later test, the errors made with high confidence were the most likely to be corrected. This is called the hypercorrection effect. One explanation is surprise: the shock of being wrong focuses attention. Another is that confident people often already know something about the topic. However, a 2011 study found that some confident errors came back a week later.

115 words ・ CEFR B1

和訳を見る

自信のあった問題で間違えるのは恥ずかしいことですが、それは学ぶための最高のチャンスの一つかもしれません。2001年、コロンビア大学のバターフィールドとメトカーフは、学生に一般常識の問題を出し、それぞれの答えにどのくらい自信があるかを尋ねました。間違えた答えのあとには、学生に正しい答えを見せました。

後のテストでは、高い自信を持って犯した間違いが、最も訂正されやすかったのです。これはハイパーコレクション効果と呼ばれます。一つの説明は驚きです。間違っていたというショックが注意を集中させるのです。もう一つは、自信のある人はよくその話題についてすでに何かを知っている、というものです。しかし2011年の研究では、自信のあった間違いの一部が1週間後に戻ってきたことが分かりました。

4択リーディングクイズ

Q1. Which errors were most likely to be corrected on the later test?

Q2. Which of the following is given as an explanation for the effect?

Q3. What does the 2011 study suggest students should do?

重要単語

  • confidenceB1
    名詞自信、確信度Write your confidence level next to each answer. 形容詞 confident。with confidence「自信を持って」。confidential(機密の)と混同しないこと。
  • feedbackB1
    名詞正誤や正解の知らせErrors help learning only when followed by feedback. 不可算名詞なので a feedback とは言わない。give feedback on ~「~について意見を返す」。
  • surpriseA2
    名詞・動詞驚き/驚かせるSurprise makes the brain pay attention. to one's surprise「驚いたことに」は入試頻出。be surprised at / by ~ の受動態にも注意。
  • correctA2
    動詞・形容詞訂正する/正しいShe corrected her mistake right away. 動詞と形容詞が同形。名詞 correction(訂正)。hypercorrection は hyper-(超)+correction。
  • misconceptionC1
    名詞誤解、思い違いTests can reveal your misconceptions. mis-(誤って)+conception(考え)。a common misconception that ~「~というよくある誤解」は評論文の定番。
  • convictionC1
    名詞確信/有罪判決She answered with strong conviction. 動詞 convince(確信させる)の名詞形。法律では convict(有罪にする)の名詞で「有罪判決」の意味にもなる。
  • dislodgeC1
    動詞取り除く・追い出すStrong beliefs can be hard to dislodge. dis-(離す)+lodge(宿る)=居座っているものを動かす。比喩的に「考えを改めさせる」にも使う。

4コマでわかる

自信満々で間違えた問題ほど、直したあとは忘れにくい。「ハイパーコレクション効果」の不思議の4コマ漫画
「自信満々で間違えた問題」ほど、正解を知ったあとは忘れにくいらしい。心理学では「ハイパーコレクション効果」と呼ばれていて、恥ずかしい間違いこそ最高の教材だった。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. Butterfield & Metcalfe (2001) Errors committed with high confidence are hypercorrected, Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognitiondoi.org
  2. Metcalfe & Finn (2011) People's hypercorrection of high-confidence errors: Did they know it all along?, Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognitiondoi.org
  3. Butler, Fazio & Marsh (2011) The hypercorrection effect persists over a week, but high-confidence errors return, Psychonomic Bulletin & Reviewdoi.org
  4. Metcalfe (2017) Learning from errors, Annual Review of Psychologydoi.org