睡眠・休息ホント

ベッドでのスマホ1時間で、不眠症状のオッズ59%増。SNSか動画かは関係なかった

ベッドでのスマホ1時間で、不眠症状のオッズ59%増。SNSか動画かは関係なかった

読む前に予想してみよう!

寝る前のスマホは、SNSを見る場合だけが睡眠に悪影響だった

研究カード(どんな研究?)
対象
ノルウェーの大学生(18〜28歳)
規模
4万5202人
研究の種類
横断研究(全国学生調査)
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

ノルウェーの大学生約4.5万人の調査で、布団に入ってからの画面時間が1時間増えるごとに不眠症状のオッズが59%高く、睡眠が24分短かった。

ひとことで言うと布団に入ってからのスマホが1時間長いと、眠りが24分短い傾向があった!

もくじ
  1. 約4.5万人の大学生に「ベッドでの画面時間」を聞いた
  2. 1時間増えるごとに、不眠のオッズ59%アップ
  3. SNSでも動画でも、差はほとんどなかった
  4. まとめ

「布団に入ってから、ちょっとだけスマホ」。気づいたら1時間たっていた、なんてこと、ありますよね。

この「ベッドでスマホ」がどれくらい眠りに影響しているのか。2025年、ノルウェーの研究チームが約4万5000人の大学生を調べました。

結果、ちょっと耳が痛い数字が出てきました。

01約4.5万人の大学生に「ベッドでの画面時間」を聞いた

これまでの研究は中高生が中心でした。大学生くらいの若い大人を、これほど大規模に調べた研究は多くありません。

021時間増えるごとに、不眠のオッズ59%アップ

分析の結果、布団に入ってからの画面時間が1時間増えるごとに、

  • 不眠の症状のオッズ(なりやすさを表す統計の指標)が59%高い
  • 睡眠時間が24分短い

という関係が見られました。

1時間で24分。もしこの差がそのまま毎晩積み重なるとすれば、1週間で約3時間分になります(ただし、これは関連から計算した目安で、因果関係は確かめられていません)。

ベッドでの1時間は、睡眠時間を少しずつ削っていく
ベッドでの1時間は、睡眠時間を少しずつ削っていく

03SNSでも動画でも、差はほとんどなかった

「SNSが特に悪い」という説はよく聞きます。通知が来たり、人の投稿が気になったりして、頭が冴えてしまうから、と言われます。

ところがこの研究では、時間あたりの影響は、SNSでも動画でも他の使い方でもほとんど変わりませんでした。研究チームは、何をするかより、どれだけの時間使うかの方が大事だと考えています。

その理由として考えられているのが、「本来寝ているはずの時間を奪う」という単純な効果。スマホの光や内容で目が冴えるというより、使っているぶんだけ寝る時間が減るというわけです。

意外なことに、ベッドでSNSだけを使っている人は、SNSは使わずほかの使い方だけの人や、いろいろな使い方を混ぜている人より、画面時間をそろえて比べても不眠のオッズが低く、睡眠もやや長いという結果も出ています。

2015年に発表された、子どもや10代の研究をまとめた総説でも、画面を見る時間が長いほど、寝る時刻が遅く、睡眠時間が短い傾向がほとんどの研究で見られたと報告されています。今回の研究では、大学生くらいの若い大人でも、画面時間が長いほど睡眠が短いという同じ向きの関連が見られました。

04まとめ

ベッドでのスマホが睡眠に悪いとすれば、その理由はブルーライトやSNSの中身だけではなく、もっとシンプルに「眠る時間を食べてしまう」からかもしれません。

今夜は、スマホを置いて早めに目を閉じてみませんか。不眠が長く続く場合は、医療機関に相談してください。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerResearchers at the Norwegian Institute of Public Health wanted to know how phone use in bed affects sleep. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Researchers at the Norwegian Institute of Public Health wanted to know how phone use in bed affects sleep. They analyzed a 2022 survey of 45,202 university students aged 18 to 28. The students reported how long they used screens after getting into bed and what they did, such as social media, videos, gaming or studying.

Each extra hour of screen use in bed was linked to 59 percent higher odds of insomnia symptoms and 24 minutes less sleep. What the students did on their screens made little difference. The survey was done at one point in time, so it cannot show which came first. People who cannot sleep might simply use their phones more. The researchers think that time on screens takes the place of time for sleep.

128 words ・ CEFR B1

和訳を見る

ノルウェー公衆衛生研究所の研究者たちは、ベッドでのスマホの使用が睡眠にどう影響するかを知りたいと考えました。彼らは、18〜28歳の大学生4万5202人を対象にした2022年の調査を分析しました。学生たちは、ベッドに入った後に画面をどれくらいの時間使ったか、そしてSNS、動画、ゲーム、勉強など何をしたかを報告しました。

ベッドでの画面使用が1時間増えるごとに、不眠症状のオッズが59%高く、睡眠が24分短いことと関連していました。学生たちが画面で何をしていたかは、ほとんど関係ありませんでした。この調査はある一時点で行われたものなので、どちらが先に起きたのかはわかりません。眠れない人のほうが、単にスマホを多く使っているのかもしれません。研究者たちは、画面を見る時間が睡眠の時間に取って代わっていると考えています。

4択リーディングクイズ

Q1. Who took part in the survey?

Q2. What did the researchers find about the type of screen activity?

Q3. Why can't we be sure that screens cause poor sleep?

重要単語

  • insomniaB2
    名詞不眠(症)Stress can cause insomnia. in-(否定)+somnia(眠り)。suffer from insomnia「不眠に悩む」。
  • oddsB2
    名詞見込み、(統計の)オッズSmoking raises the odds of getting sick. 常に複数形。The odds are that ~「たぶん~だろう」、against all odds「困難にもかかわらず」も頻出。
  • screen timeB1
    名詞(句)画面を見ている時間Try to limit your screen time at night. スマホ・テレビ・パソコンなどの画面を見る時間の総称。limit / reduce screen time がよく使われる。
  • displaceC1
    動詞(他のものを)押しのける、取って代わるPhone use can displace sleep. dis-(離して)+place(置く)。「(人を)立ち退かせる」の意味もあり、displaced people は「避難民」。
  • self-reportC1
    名詞・動詞自己申告(する)The data were based on self-reports. 自分で答えるため、記憶違いや見栄で実際とずれることがある。研究の限界としてよく挙げられる。
  • reverse causationC1
    名詞(句)逆の因果関係Reverse causation cannot be ruled out in this survey. A が B の原因に見えて、実は B が A の原因という可能性。rule out「除外する」とセットで出やすい。

動画でもっと知る

ノルウェーの大学生約4.5万人を調べたら、布団に入ってからスマホなどを使う時間が1時間増えるごとに、不眠症状のオッズ(なりやすさの指標)が59%高く、睡眠は24分短かったらしい。しかもSNSでも動画でも差はほぼなし。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Hjetland et al. (2025) How and when screens are used: comparing different screen activities and sleep in Norwegian university students, Frontiers in Psychiatrydoi.org
  2. Exelmans & Van den Bulck (2016) Bedtime mobile phone use and sleep in adults, Social Science & Medicinedoi.org
  3. Hale & Guan (2015) Screen time and sleep among school-aged children and adolescents: A systematic literature review, Sleep Medicine Reviewsdoi.org