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寝る前スマホで眠れない本当の犯人は「ブルーライト」じゃなかったかもしれない

寝る前スマホで眠れない本当の犯人は「ブルーライト」じゃなかったかもしれない

読む前に予想してみよう!

寝る前スマホの悪影響は、ほぼ全部ブルーライトのせい

研究カード(どんな研究?)
対象
11〜14歳の子どもほか
規模
79人×4晩(カメラで記録)+25研究のメタ分析など
研究の種類
反復測定の観察研究・実験・専門家の合意声明
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

ブルーライトの影響はゼロではないが、思ったより小さいという研究が増えている。夜更かしの主犯は「やめられない中身」と「ベッドでの使用」かも。

ひとことで言うとスマホで眠れないのは、光より「おもしろすぎる中身」のせいかも!

もくじ
  1. そもそもブルーライトはなぜ疑われた?
  2. 最新研究:問題は「何を」「どこで」見るか
  3. じゃあ、どうすればいい?
  4. まとめ

「寝る前のスマホはブルーライトで眠れなくなるからダメ」。学校でも家でも、何度も聞いたセリフですよね。

でも実は、ここ数年の研究で「ブルーライトの影響は、思っていたほど大きくないかもしれない」という結果がいくつも出てきています。

じゃあスマホは寝る前に使い放題でOK? ……というと、そうでもない。どうやら本当の犯人は別にいるようなのです。

01そもそもブルーライトはなぜ疑われた?

私たちの目には、明るさを感じるセンサーとは別に、「今は昼か夜か」を判定する専用センサーがあります。このセンサーは特に青っぽい光に敏感で、夜に青い光を浴びると脳が「まだ昼かも」と勘違いし、眠気を呼ぶホルモンメラトニン(体の“おやすみ合図”)が出にくくなります。

実際、アメリカのハーバード大学関連病院のChangさんらは2015年、『PNAS』誌で、若い大人12人に5晩続けて、寝る前の約4時間、最大の明るさにした光る電子書籍端末(タブレット)か紙の本で読書してもらう実験を報告しています。タブレットの晩は、紙の本に比べてメラトニンが抑えられ、体内時計が1.5時間以上遅れ、寝つきが10分ほど遅れ、翌朝の目覚めも悪かったのです。

ここまで聞くと「やっぱりブルーライトが悪い」と思いますよね。たしかに、体内時計が遅れるのは見過ごせない影響です。でも、この実験は毎晩4時間、暗い部屋で光る画面を見続けるという、かなり強めの条件でした。それでも寝つきの遅れは「10分ほど」。影響はある。けれど、スマホのせいで夜更かしが長引く説明としては、光だけではちょっと足りないのです。

光より、画面の「中身」のほうがずっと強敵かもしれない
光より、画面の「中身」のほうがずっと強敵かもしれない

02最新研究:問題は「何を」「どこで」見るか

さらに、アメリカの睡眠財団(National Sleep Foundation)が集めた16人の専門家パネルは2024年、子どもや10代について「寝る前に見る中身(コンテンツ)は睡眠を損なう」ことでは合意したものの、寝る前の画面の光については合意に至りませんでした。

2026年には、オーストラリアのBourkeさんらが、同じ人の「画面をたくさん見た日」と「あまり見なかった日」を比べた25の研究(4,562人)をまとめて分析しました。画面を多く見た日は寝る時刻が少し遅くなる傾向はあったものの、その差は小さく、睡眠時間そのものとのはっきりした関係は見られませんでした。

つまり、夜更かしの主犯は光というより、

  • 「あと1本だけ」が止まらない動画やSNS
  • 勝ち負けで興奮するゲーム
  • ベッドに入ってからも使い続けること

のほうだと考えられています。寝る時間を自分で先延ばししてしまう行動は、「就寝先延ばし」(いわゆるリベンジ夜ふかし)と呼ばれ、研究テーマにもなっています。

03じゃあ、どうすればいい?

04まとめ

ブルーライトは「無罪」ではないけれど「主犯」でもなさそう。夜のスマホで本当に気をつけたいのは、光の色より中身と使う場所です。

明日からの合言葉は「スマホは寝室の外で寝かせる」。あなたより先に、スマホを寝かしつけてみてください。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerBlue light from phones is widely blamed for keeping people awake. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Blue light from phones is widely blamed for keeping people awake. In fact, a 2015 experiment showed that reading on a bright tablet for about four hours before bed delayed the body clock and made people fall asleep about ten minutes later than reading a paper book.

However, ten minutes cannot fully explain why many people stay up late. A 2024 study used cameras to record what 79 children aged 11 to 14 did before bed. The total amount of screen time was not clearly related to most sleep measures. Instead, using screens in bed, gaming, and doing several things at once were linked to shorter sleep. What we do on our phones, and where we do it, may matter more than the light.

124 words ・ CEFR B1

和訳を見る

スマホのブルーライトは、人を眠らせない原因として広く非難されています。実際、2015年の実験では、寝る前に約4時間、明るいタブレットで読書をすると、紙の本で読む場合に比べて体内時計が遅れ、眠りにつくのが約10分遅くなりました。

しかし、10分では、多くの人が夜更かしする理由を十分に説明できません。2024年の研究では、11〜14歳の子ども79人が寝る前に何をしていたかをカメラで記録しました。画面を見ていた時間の合計は、睡眠のほとんどの指標とはっきりした関係がありませんでした。その代わりに、ベッドの中で画面を使うこと、ゲームをすること、いくつものことを同時にすることが、短い睡眠と関係していました。スマホで何をするか、そしてどこでするかのほうが、光よりも重要なのかもしれません。

4択リーディングクイズ

Q1. In the 2015 experiment, how much later did people fall asleep after reading on a tablet?

Q2. How did the 2024 study collect information about screen use?

Q3. What is the writer's main point?

重要単語

  • screen timeB1
    名詞(句)画面を見ている時間Try to cut your screen time before bed. cut down on screen time「画面時間を減らす」の形でよく使う。
  • melatoninC1
    名詞メラトニン(眠りを促すホルモン)Bright light at night can lower melatonin. 暗くなると分泌が増えるため「暗闇のホルモン」とも呼ばれる。
  • interactiveB2
    形容詞双方向の、やりとりのあるInteractive games can keep your brain excited. inter-(相互に)+active。interaction(相互作用)も頻出。
  • procrastinationC1
    名詞先延ばしBedtime procrastination is common among students. pro-(前へ)+cras(明日)が語源で「明日へ回す」。動詞 procrastinate。
  • confoundingC1
    形容詞交絡の(別の要因が結果をゆがめる)Confounding factors make it hard to find the true cause. confound は「混同させる・困惑させる」。研究の限界を述べる語として難関大で出る。
  • suppressC1
    動詞抑える、抑制するBright light can suppress melatonin. sub-(下へ)+press(押す)で「押さえつける」。suppress anger「怒りを抑える」。
  • consecutiveC1
    形容詞連続したIt rained for five consecutive days. for ~ consecutive days「~日連続で」。in a row と言いかえ可能。

動画でもっと知る

寝る前スマホが悪いのはブルーライトのせい、と思ってた。でも最近の研究だと、光の影響は思ったより小さくて、本当の犯人は「ついもう1本見ちゃう中身」の方らしい。

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出典・参考文献(5件)タップで表示
  1. Chang et al. (2015) Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness, PNASdoi.org
  2. Brosnan et al. (2024) Screen Use at Bedtime and Sleep Duration and Quality Among Youths, JAMA Pediatricsdoi.org
  3. Hartstein et al. (2024) The impact of screen use on sleep health across the lifespan: A National Sleep Foundation consensus statement, Sleep Healthdoi.org
  4. Duraccio et al. (2021) Does iPhone night shift mitigate negative effects of smartphone use on sleep outcomes in emerging adults?, Sleep Healthdoi.org
  5. Bourke et al. (2026) Within-Person Association Between Daily Screen Use and Sleep in Youth: A Systematic Review and Meta-Analysis, JAMA Pediatricsdoi.org