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英語の日常会話に必要な単語は何語?「2000語」と「8000語」の両方が正しい理由

英語の日常会話に必要な単語は何語?「2000語」と「8000語」の両方が正しい理由

読む前に予想してみよう!

英語の小説を辞書なしで楽しむには、単語を2000語知っていれば十分だ

研究カード(どんな研究?)
対象
英語の書き言葉・話し言葉の大規模データ
規模
数十万〜1億語規模のコーパス
研究の種類
コーパス研究+理解度テスト
確かさ
★★★★☆
3秒でわかる

簡単な会話なら2000〜3000語族でかなりの部分がわかる。でも、本を辞書なしで楽しむには8000〜9000語族ほど、映画なども含む話し言葉でも6000〜7000語族ほど必要という研究がある。目的で必要な数はちがう。

ひとことで言うと会話は少ない単語でもなんとかなる。本を読むならもっと必要!

もくじ
  1. カギは「カバー率」——95%と98%の大きな差
  2. 「最低ライン」なら、ぐっと下がる
  3. 中学・高校の英単語で、どこまで行ける?
  4. まとめ

「英会話は中学レベルの2000語あれば十分」。一方で、「ネイティブ並みに英語を読むには8000語以上が必要」とも言われます。

2000と8000。4倍もちがうのに、どちらも研究にもとづく数字としてよく紹介されます。いったいどちらが本当なのでしょう。

結論から言うと、どちらも正しい。ちがいは「何をしたいか」と、「文章の何%がわかれば十分か」にあります。

01カギは「カバー率」——95%と98%の大きな差

語彙の研究では、語彙カバー率という考え方を使います。ある文章に出てくる単語のうち、自分が知っている単語の割合のことです。

  • カバー率95% → 20語に1語が知らない単語
  • カバー率98% → 50語に1語が知らない単語

たった3ポイントの差ですが、読む体験はまるでちがいます。95%だと1〜2文ごとに知らない単語が出てきますが、98%ならほとんどストレスなく読めます。

ここでの「語族」は、happy・happiness・unhappy などをまとめて1つと数える単位です。学校で数える「語」より、ずっと大きな単位だと考えてください。

02「最低ライン」なら、ぐっと下がる

一方で、98%は「快適に読める」ための理想的なラインです。

イスラエルの研究者ラウファーらは、2010年の研究で、読解テストの成績とカバー率の関係を調べ、95%(4,000〜5,000語族ほど)が「なんとか読める最低ライン」、98%(8,000語族ほど)が「十分に読めるライン」と提案しました。

聞く場合は、さらにハードルが下がる可能性があります。リスニングのカバー率と理解度を調べた2013年の研究では、日常的な話の聞き取りなら95%程度のカバー率でもかなり理解できることが示され、2,000〜3,000語族でも対応できる場面があると考えられています。

知っている単語が多いほど、文章の「見える範囲」が広がる
知っている単語が多いほど、文章の「見える範囲」が広がる

03中学・高校の英単語で、どこまで行ける?

日本の学習指導要領では、小学校で600〜700語程度、中学校で1,600〜1,800語程度、高校で1,800〜2,500語程度の新しい単語を扱うとされています。合計で4,000〜5,000語程度です。

これは「語族」ではなく「語」で数えた数字なので、単純には比べられません。ただ、高校までの単語をしっかり身につければ、日常会話の多くの部分には届くと言えそうです。

一方、テレビ番組のセリフを分析した研究では、95%のカバーに約3,000語族(+固有名詞など)、98%には約7,000語族が必要と推定されています。海外ドラマを字幕なしで楽しむには、高校卒業後も単語を増やし続ける必要があるわけです。

04まとめ

「2000語で十分」も「8000語必要」も、ゴールがちがうだけでした。

簡単な会話なら、中学・高校の単語でかなり戦えます。そこから先、映画や小説を「楽しむ」世界へ行きたいなら、単語はまだまだ増やしがいがあります。あなたの目標は、どの「カバー率」でしょうか?

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerYou may hear that 2,000 words are enough for English conversation. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

You may hear that 2,000 words are enough for English conversation. You may also hear that you need 8,000 to read like a native speaker. Both can be true. The answer depends on your goal and on lexical coverage, the percentage of words in a text that you know.

At 95% coverage, one word in 20 is new to you. At 98%, only one word in 50 is new. In 2006, Paul Nation analyzed large collections of English. He estimated that 98% coverage requires 8,000 to 9,000 word families for written texts and 6,000 to 7,000 for spoken English.

A 2013 study, however, found that people can understand everyday listening fairly well at 95% coverage. That may take only 2,000 to 3,000 word families. Start with the most frequent words.

130 words ・ CEFR B1

和訳を見る

英会話には2,000語で十分だと聞くことがあるかもしれません。ネイティブのように読むには8,000語必要だと聞くこともあるでしょう。どちらも正しいことがあります。答えは、あなたの目標と、語彙カバー率、つまり文章の中で知っている単語の割合によって変わるのです。

カバー率95%では、20語に1語が知らない単語です。98%なら、知らない単語は50語に1語だけです。2006年、ポール・ネーションは大量の英語のデータを分析しました。彼は、98%のカバー率には、書かれた文章で8,000〜9,000語族、話された英語で6,000〜7,000語族が必要だと推定しました。

しかし2013年の研究では、日常的なリスニングならカバー率95%でもかなりよく理解できることがわかりました。それには2,000〜3,000語族しか必要ないかもしれません。最も頻度の高い単語から始めましょう。

4択リーディングクイズ

Q1. What is "lexical coverage"?

Q2. At 98% coverage, how many words are unknown?

Q3. What can we infer from the passage?

重要単語

  • word familyC1
    名詞(句)語族(もとの語と変化形・派生語をまとめた単位)"Happy" and "happiness" belong to the same word family. 学校の「〇〇語」より大きな単位。単語数の主張を見るときは、何で数えているかを必ず確認。
  • lexical coverageC1
    名詞(句)語彙カバー率(文章中の知っている語の割合)Lexical coverage of 98% makes reading much easier. 95%=20語に1語、98%=50語に1語が未知語。多読教材選びの目安にもなる。
  • corpusC1
    名詞コーパス(実際の英語を大量に集めたデータベース)Researchers counted words in a large corpus. 複数形 corpora。ラテン語で「体」。単語帳の頻度順はコーパスの分析に基づくことが多い。
  • high-frequency wordB2
    名詞(句)高頻度語(よく使われる単語)Learn high-frequency words first. 上位2,000〜3,000語で日常英語のかなりの部分をカバーできる。まずここを固めるのが鉄則。
  • thresholdC1
    名詞しきい値・最低ラインIs there a vocabulary threshold for reading? もとは「敷居」。on the threshold of ~「~の始まりに」も入試頻出。綴りは h が1つ(thres-hold)。
  • vocabulary sizeB2
    名詞(句)語彙サイズ(知っている単語の数)Your vocabulary size grows a little every day. 語彙の「広さ」(size/breadth)と「深さ」(depth:使い方まで知っているか)を区別して考える。
  • proper nounB1
    名詞(句)固有名詞Names of people and places are proper nouns. common noun(普通名詞)と対。カバー率の計算では「既知」扱いにするかどうかで数字が変わる。

動画でもっと知る

「英会話は中学英語の2000語で十分」と「ネイティブ並みに読むには8000語」。どっちが本当? 実は両方正しい。カギは“文章の何%の単語がわかるか”というカバー率で、95%と98%の差がとんでもなく大きかった。

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出典・参考文献(5件)タップで表示
  1. Nation (2006) How large a vocabulary is needed for reading and listening?, The Canadian Modern Language Reviewdoi.org
  2. Laufer & Ravenhorst-Kalovski (2010) Lexical threshold revisited: Lexical text coverage, learners' vocabulary size and reading comprehension, Reading in a Foreign Languagedoi.org
  3. van Zeeland & Schmitt (2013) Lexical coverage in L1 and L2 listening comprehension: The same or different from reading comprehension?, Applied Linguisticsdoi.org
  4. Webb & Rodgers (2009) Vocabulary demands of television programs, Language Learningdoi.org
  5. Adolphs & Schmitt (2003) Lexical coverage of spoken discourse, Applied Linguisticsdoi.org