
World Chocolate Day
世界チョコレートデーの由来と歴史(詳しく)
いつから?なぜ?名前の意味は? 世界チョコレートデーの本当の話を、確かな資料でたどります。
1世界チョコレートデーの由来:7月7日は本当に「チョコがヨーロッパに来た日」?
「1550年7月7日、チョコレートがはじめてヨーロッパに届いた」。7月7日の理由として、よく紹介される話です。ところが、この日付を書いた当時の記録は見つかっていません。英語版ウィキペディアも「そう言う人もいる」という書き方にとどめています。
記録で確かめられる「チョコがヨーロッパに来た日」は、もう少し前です。1544年、ドミニコ会の修道士たちが、今のグアテマラに住むケクチ・マヤの貴族たちをスペインの宮廷に連れてきました。そのとき献上された品の中に、チョコレートがありました。カカオ豆が正式な積み荷としてヨーロッパに運ばれた最初の記録は、1585年です。
では、だれがこの記念日を始めたのでしょう。はっきりした「生みの親」はわかっていません。いちばん古い記録として挙げられているのは、2009年の『Weird & Wacky Holiday Marketing Guide(へんてこ記念日マーケティング・ガイド)』という本です。お店が宣伝に使える記念日を集めた本で、世界チョコレートデーは「お菓子を売るきっかけ」として広まってきた日だと言えそうです。

2チョコレートの歴史:飲む「お金」から、かじる板チョコへ
カカオの木が人に育てられ始めたのは、今の南米エクアドルです。紀元前3300年ごろの遺跡からカカオを使った跡が見つかっていて、歴史は5000年をこえます。メキシコの人々は紀元前1900年ごろにはカカオの飲み物を飲んでいました。
マヤやアステカの人々にとって、カカオ豆はお金でした。1545年の記録には「豆30粒で小さなウサギ、1粒で大きなトマト、100粒で七面鳥のめす1羽」とあります。チョコは苦い飲み物で、ぜいたく品でした。1520年ごろ、スペインのコルテスがアステカの王モクテスマ2世の宮廷でこの飲み物を見ています。
ヨーロッパに渡ったチョコは、砂糖を入れた甘い飲み物として、お金持ちの間で流行します。1753年、スウェーデンの学者リンネはカカオの木に「テオブロマ(神々の食べ物)」という学名をつけました。
「食べるチョコ」が生まれたのは19世紀です。1828年、オランダのファン・ハウテンがカカオの脂を取りのぞく方法の特許をとり、ココアが安く作れるようになりました。1847年にはイギリスのフライ社が食べるチョコレートを売り出し、1875年にスイスのダニエル・ペーターがミルクチョコレートを作ります。1879年には、スイスのリンツが何日も練り続ける「コンチング」を考え出し、口どけのよいチョコが生まれました。
🕰️ 世界チョコレートデーの年表
- 紀元前3300年ごろ今のエクアドルでカカオが使われる。人とカカオの歴史の始まり。
- 1544年ケクチ・マヤの貴族がスペインの宮廷にチョコレートを献上(ヨーロッパでの最初の記録)。
- 1797年長崎の遊女の記録に「しょくらあと」。日本でチョコが出てくる最初の史料とされる。
- 1847年イギリスのフライ社が食べるチョコレートを売り出す。
- 1875年スイスのダニエル・ペーターがミルクチョコレートを作る。
- 2009年世界チョコレートデーの記録が確認できる最も古い年。
3海外ではどう過ごす?チョコの日は1年に何回もある
7月7日、海外のお店やカフェでは、チョコのセールや限定メニューが並びます。SNSには「#WorldChocolateDay」の写真がずらり。インドやアイルランド、オーストラリアなどの新聞も、この日に合わせてチョコの話題を記事にしています。祝日ではないので、学校も会社もいつもどおりです。
おもしろいのは、チョコの日が1年に何回もあることです。アメリカの全米菓子協会は、7月7日のほかに、10月28日の「ナショナル・チョコレート・デー」、12月28日、そして9月13日の「インターナショナル・チョコレート・デー」をチョコの記念日として挙げています。9月13日は、アメリカのチョコ王ミルトン・ハーシーの誕生日(1857年)です。
国によってちがう日に祝うところもあります。カカオ豆の大産地ガーナは2月14日、ラトビアは7月11日がチョコの日です。
🎁 シンボルと小物
チョコの原料。1つの実に20〜60粒入っています。昔はお金としても使われました。
かじって食べるチョコは19世紀生まれ。それまでチョコは飲み物でした。
チョコのいちばん古い姿。マヤやアステカでは苦い飲み物でした。
学名テオブロマは「神々の食べ物」。花と実が幹から直接ぶら下がります。
4日本のチョコレートはいつから?1797年の長崎の記録
日本の記録に初めてチョコが出てくるのは、1797年(寛政9年)の長崎です。遊女の記録に「しょくらあと六つ」と書かれていて、これが国内で最初の史料とされています。1800年の『長崎聞見録』には、溶かして飲む薬のようなものとして「しょくらとを」が出てきます。
お店で売られ始めたのは明治時代。1878年(明治11年)、東京の凮月堂(ふうげつどう)が新聞広告に「新製猪口令糖(チョコレート)」と書きました。漢字の当て字が今見ると楽しいですね。1918年(大正7年)には、森永がミルクチョコレートを発売し(カカオ豆から一貫して作る国産チョコの始まりとされます)、1926年には明治ミルクチョコレートが続きます。
日本では、チョコの主役はやっぱり2月14日のバレンタインデー。日本チョコレート・ココア協会も2月14日を「チョコレートの日」としています。7月7日は日本では七夕なので、「チョコの日」としてはまだあまり知られていません。
5よくある誤解とホントのところ
誤解1:7月7日は、1550年にチョコがヨーロッパに伝わった日
ホント:そう言われますが、裏づける記録は見つかっていません。記録が残っているのは1544年のスペインの宮廷の話です。
誤解2:チョコレートはずっと甘いお菓子だった
ホント:何千年もの間、チョコは苦い飲み物でした。甘い板チョコの歴史は、まだ200年もありません。
誤解3:カカオの花はミツバチが受粉させる
ホント:カカオの花は幹から直接咲き、運ぶのは小さな「ヌカカ」というハエの仲間です。1本の木に1年で約6000の花が咲いても、実になるのは約20個だけ。1つの実に入っている豆は20〜60粒です。
誤解4:チョコは犬にあげても少しなら平気
ホント:チョコに入っているテオブロミンは犬には毒になります。ダークチョコはミルクチョコの2〜5倍も多く入っているので、特に注意が必要です。
💡Fun Facts世界チョコレートデーの豆知識 6連発
1545年の記録では、カカオ豆100粒で七面鳥のめす1羽、30粒で小さなウサギが買えました。
In 1545, 100 cacao beans could buy a turkey.
アステカの商人は、カカオ豆2万4000粒(23〜27キロ)を背負って運んだと言われます。
Aztec traders carried 24,000 cacao beans on their backs.
カカオの花を受粉させるのは、ミツバチではなく小さな「ヌカカ」というハエの仲間です。
Tiny flies, not bees, help cacao flowers make fruit.
2023年のカカオ豆の生産量は約560万トン。その4割以上がコートジボワール1か国で作られています。
In 2023, Ivory Coast grew more than 40 percent of the world's cacao.
「チョコレート」という言葉がスペイン語の記録に出てくるのは1579年、英語では1604年です。語源は諸説あってまだ決着していません。
The word chocolate first appeared in English in 1604.
1878年の凮月堂の新聞広告では、チョコレートを「猪口令糖(ちょこれいと)」という漢字で書いていました。
In 1878, a shop in Tokyo wrote chocolate with Chinese characters.
▶️Videos & Links世界チョコレートデーの動画とリンク集
The history of chocolate - Deanna PucciarelliTED-Ed
Invention Of CHOCOLATE - The Dr. Binocs Show | Best Learning Videos For Kids | Peekaboo KidzPeekaboo Kidz
Where Does Chocolate Come From?SciShow Kids

