
Tsuyu (Rainy Season)
入梅(梅雨入り)とてるてる坊主の由来と歴史(詳しく)
いつから?なぜ?名前の意味は? 入梅(梅雨入り)とてるてる坊主の本当の話を、確かな資料でたどります。
1入梅とは?暦の上の梅雨入りは6月11日ごろ
カレンダーの6月11日ごろに、小さく「入梅」と書いてあるのを見たことはありませんか。
入梅は「雑節(ざっせつ)」の一つです。雑節とは、立春や夏至などの二十四節気とは別に、日本の暮らしに合わせて作られた季節の目安のこと。節分、彼岸、八十八夜、土用なども雑節です。入梅は、田植えなど農作業の計画を立てるための目印として使われてきました。
その決め方は、時代とともに変わりました。江戸時代の1685年に使われ始めた貞享暦(じょうきょうれき)では、「芒種(ぼうしゅ)のあとの最初の壬(みずのえ)の日」が入梅でした。干支(えと)の組み合わせで決めていたので、年によって6月4日ごろから16日ごろまで、10日以上も動きました。
1844年の天保暦(てんぽうれき)で、今の決め方になります。太陽が天球の上を1年かけて一周する道の、決まった位置(太陽黄経80度)に来た日が入梅です。それまでの平均にほぼ合う日を、天文学で決めたわけです。
今は国立天文台が毎年の日時を計算しています。たとえば2026年の入梅は6月11日の6時14分、2027年は6月11日の11時50分。2028年はうるう年の関係で6月10日になります。

2梅雨の由来:「梅」の雨?それとも「カビ」の雨?
「梅雨」と書いて「つゆ」とも「ばいう」とも読みます。でも、なぜ梅なのでしょう。
よく知られているのは、梅の実が熟すころに降る雨だから、という説です。もう一つ有力なのが、カビ(黴)が生えやすい時期の雨という意味の「黴雨(ばいう)」が、同じ音のもっと感じのよい字「梅雨」に変わった、という説です。「つゆ」という読み方にも、熟した梅の実がつぶれる「潰(つい)ゆ」から来たという説や、草木に露(つゆ)がたくさんつくからという説があります。どれか一つに決まってはいません。
ちなみに「雨が倍降るから倍雨(ばいう)」という話は、あとからこじつけた俗説とされます。
梅雨は日本だけのものではありません。中国の長江(ちょうこう)の下流では、平均して6月14日ごろから7月10日ごろまでが「梅雨(メイユー)」の季節です。韓国では「チャンマ(장마)」と呼び、「長い雨」という意味だと考えられています。済州島では6月19日ごろから7月20日ごろまでが平均です。
一方、日本でも北海道には、気象の上では梅雨がないとされています。気象庁は北海道について梅雨入り・梅雨明けを発表しません。ただ、梅雨前線が近づいて肌寒い日が続くことがあり、「蝦夷梅雨(えぞつゆ)」と呼ばれます。東京から南へ約1,000kmの小笠原諸島も、梅雨がないとされる地域です。
3気象庁の梅雨入りとの違い:日付があとで変わる?
暦の入梅は、太陽の位置で決まる日です。天気とは関係ありません。これに対して、気象庁の「梅雨入り」は、実際の天気を見て決めます。
気象庁は、梅雨に入ったと考えられる日に、「梅雨入りしたとみられる」という形で速報を出します。「とみられる」と言うのは、季節の変わり目がはっきりしないからです。梅雨入りや梅雨明けには、普通5日間ほどの移り変わりの期間があります。発表の日付に「ごろ」がつくのはそのためです。
そして毎年9月、春から夏の実際の天気をふり返って、確定値を出します。このとき日付が大きく変わることがあります。たとえば2022年の関東甲信地方の梅雨明けは、速報では6月27日ごろでしたが、確定値では7月23日ごろに直されました。1か月近いずれです。
平年(1991〜2020年の平均)で見ると、関東甲信の梅雨入りは6月7日ごろ、梅雨明けは7月19日ごろ。沖縄は梅雨入りが5月10日ごろ、梅雨明けが6月21日ごろです。沖縄では、暦の入梅のころにはもう梅雨が終わりかけています。関東甲信でいちばん早い梅雨入りは、1963年の5月6日ごろでした。
雨の量も地域でまったく違います。1951〜1980年の平均では、梅雨の間の雨は九州南部で755mm、関東甲信で255mm。九州南部は関東甲信の約3倍の雨が降るのです。
4てるてる坊主の由来:中国の「ほうきを持った女の子」
雨が続くと、軒下(のきした)に白いてるてる坊主をつるす人もいます。明日、晴れますように、というおまじないです。
てるてる坊主は、江戸時代の中ごろにはもう飾られていました。はじめは今より人の形に近く、折り紙のように折ったものもあったそうです。19世紀はじめの随筆『嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)』には、晴れたらてるてる坊主に目を描き、お酒を供えて川に流した、と書かれています。「てりてり坊主」「てるてる法師」など、江戸時代の呼び名もいろいろありました。
ルーツと考えられているのが、中国の「掃晴娘(そうせいじょう)」です。ほうきを持った女の子の切り紙で、空の雨雲をはき出して晴れにしてくれると信じられました。江戸時代の学者も、日本のてるてる坊主とそっくりだと書き残しています。
1921年(大正10年)には、浅原鏡村(あさはらきょうそん)作詞・中山晋平作曲の童謡「てるてる坊主」が雑誌『少女の友』に発表されました。この歌の3番には、晴れなかったら……という、少しこわい歌詞があります。1976年にはイタリア語版が、イタリアの子どもの歌のコンテスト「ゼッキーノ・ドーロ」に出場し、「ゼッキーノ・ダルジェント(銀のゼッキーノ)」という賞を取りました。
さかさまにつるすと、反対に「雨を降らせて」というお願いになります。「ふれふれ坊主」などと呼ばれる、雨乞いのてるてる坊主です。
🕰️ 入梅(梅雨入り)とてるてる坊主の年表
- 1685年貞享暦で、入梅を「芒種のあとの最初の壬の日」とする。
- 19世紀はじめ『嬉遊笑覧』に、晴れたらてるてる坊主に目を描いて川に流すことが書かれる。
- 1844年天保暦で、入梅を太陽黄経80度の日とする今の決め方になる。
- 1921年童謡「てるてる坊主」が雑誌『少女の友』に発表される。
- 1963年関東甲信で、記録上いちばん早い5月6日ごろに梅雨入り。
- 2022年関東甲信の梅雨明けが、速報の6月27日ごろから確定値の7月23日ごろへ大きく修正される。
🎁 シンボルと小物
梅雨の必需品。
雨の季節によく見られる生き物。
梅雨のころに青や紫の花を咲かせる。
晴れを願って軒下につるす白い人形。さかさまにすると雨乞いになる。
💡Fun Facts入梅(梅雨入り)とてるてる坊主の豆知識 6連発
暦の入梅は、太陽が黄経80度の位置に来る日。2026年は6月11日の6時14分でした。
The calendar rainy season day is decided by the sun. In 2026, it was June 11 at 6:14 in the morning.
江戸時代の入梅は干支で決めたので、年によって6月4日ごろから16日ごろまで動きました。
In the Edo period, the date moved a lot. It could be any day from about June 4 to June 16.
2022年の関東甲信の梅雨明けは、速報の6月27日ごろから、確定値で7月23日ごろに直されました。
In 2022, the end of the rainy season near Tokyo was first June 27. Later, it was changed to July 23.
北海道には、気象の上では梅雨がないとされています。
Hokkaido, in the north of Japan, has no official rainy season.
てるてる坊主のルーツとされる中国の「掃晴娘」は、ほうきで雨雲をはき出す女の子です。
In China, there is a paper girl with a broom. People believed she could sweep the rain clouds away.
てるてる坊主をさかさまにつるすと、反対に雨を願うおまじないになります。
If you hang a teru teru bozu upside down, it means you want rain.
▶️Videos & Links入梅(梅雨入り)とてるてる坊主の動画とリンク集
Japanese TSUYU (Rainy Season) Words with Risa! - 梅雨Learn Japanese with JapanesePod101.com
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