Toji (Winter Solstice in Japan)

冬至(ゆず湯とかぼちゃ)の由来と歴史(詳しく)

いつから?なぜ?名前の意味は? 冬至(ゆず湯とかぼちゃ)の本当の話を、確かな資料でたどります。

1冬至とは?2026年は12月22日、昼の長さは9時間45分

東京の夏至のころ、日の出は4時25分、日の入りは19時。冬至になると、日の出は6時47分、日の入りは16時32分です(2026年、国立天文台)。昼の長さは14時間35分から9時間45分へ。半年で、昼が4時間50分も短くなるのです。

冬至は、太陽が一年でいちばん南に寄り、北半球で昼がいちばん短くなる日です。天文学では、太陽の通り道(黄道)の上で、太陽が「270度」の位置に来る瞬間を冬至と決めています。だから日付は毎年同じではありません。国立天文台によると、2025年は12月22日0時03分、2026年は12月22日5時50分、2027年は12月22日11時42分。2028年は12月21日になる見こみです。

昔の暦では、冬至は二十四節気の1つで、季節を知るための大事な目印でした。寒さが本番になるのはここから。それでも人々は、この日を「終わり」ではなく「始まり」の日と考えてきました。

冬至(ゆず湯とかぼちゃ)(Toji (Winter Solstice in Japan))のイラスト

2冬至の意味:「一陽来復」と、19年に1度の大祝い

冬至には「一陽来復(いちようらいふく)」という別名があります。古い中国の考えでは、世界は「陰」と「陽」の力でできています。陰の力がいちばん強くなるのが冬至で、この日を境に陽の力が戻ってくる。そこから「悪いことが続いたあとに、運が上向きになる」という意味でも使われるようになりました。

昔の暦(旧暦)では、冬至が11月1日と重なる年を「朔旦冬至(さくたんとうじ)」と呼び、とてもめでたい年としました。およそ19年に1度しか来ないうえ、暦が正しく作られている証拠だと考えられたからです。日本では784年、桓武天皇の時代に初めてお祝いの儀式が行われました。最後の儀式は1786年の光格天皇の時代で、1870年の朔旦冬至のとき、明治政府はこの儀式をもう行わないと決めました。

暦がきちんと合っていることが、国がうまく治まっているしるしになる。それほど冬至は、暦の中心にある日だったのです。

3冬至の過ごし方:ゆず湯・かぼちゃ・小豆がゆ

ゆず湯:丸ごとのゆずを湯船に浮かべ、さわやかな香りの中で温まります。江戸時代の行事をまとめた『東都歳時記』(1838年)にも記録があり、江戸の銭湯から広まったとされます。「冬至」と「湯治(とうじ)」、「ゆず」と「融通(ゆうずう)がきく」をかけた語呂合わせだ、という説もあります。今も多くの銭湯が、冬至の日にゆず湯をわかします。

かぼちゃ:冬至にかぼちゃを食べると、中風(ちゅうぶ。脳の病気でまひが残ること)にならず長生きできると言われてきました。栄養をとるため、という説明もあります。かぼちゃと小豆を一緒に煮る「いとこ煮」を作る地域もあります。

小豆がゆ:冬至の朝に小豆がゆを食べると、病気にかからないという言い伝えがあります。赤い色には魔よけの力があると考えられてきました。

🎁 シンボルと小物

🍋ゆずyuzu

香りの強い黄色いかんきつ。丸ごとお風呂に浮かべる。

🎃かぼちゃkabocha (Japanese pumpkin)

煮物にして食べる。長生きの言い伝えがある。

🫘小豆azuki beans

赤い色が魔よけになるとされ、冬至の朝に小豆がゆにする。

♨️銭湯public bathhouse

ゆず湯の習慣は江戸の銭湯から広まったとされる。

4海外の冬至:ぎょうざ、小豆がゆ、夜ふかしの詩

冬至を特別な日にしているのは、日本だけではありません。

中国では「冬至節」と呼び、北の地方ではぎょうざを食べる習慣が知られています。甘いスープに入った白玉だんご「湯円(タンユエン)」も、家族の団らんのしるしとして食べられます。昔の冬至は春節(旧正月)に並ぶほど大事な日とされ、今でも年配の人の中には、冬至で一つ年をとると数える人がいます。

韓国では、小豆のおかゆ「パッチュク」を食べます。日本の小豆がゆとよく似ていますね。昔は、悪い霊をよせつけないように、このおかゆを家の壁や門にまいたと言われます。赤い小豆に魔よけの力を見る考え方は、海をこえて共通しているのです。

イランでは、一年でいちばん長い夜を「ヤルダーの夜」と呼びます。家族が集まってスイカやザクロ、ナッツを食べ、14世紀の詩人ハーフェズの詩を読みながら、真夜中すぎまで夜ふかしをします。2022年には、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。

5冬至のよくある誤解とホント:「ん」の食べ物は新しい?

誤解1:冬至は、日の入りがいちばん早い日。
ホントは違います。2026年の東京では、日の入りがいちばん早いのは12月1日〜13日ごろの16時28分。冬至の日(16時32分)より少し早いのです。逆に日の出がいちばん遅いのは、冬至のあとの年末から1月はじめごろ。冬至は、日の出から日の入りまでの時間(昼の長さ)がいちばん短い日なのです。

誤解2:「ん」のつく食べ物を食べるのは、昔からの伝統。
なんきん(かぼちゃ)、れんこん、うどんなど「ん」のつく物を食べると運がつく、という話はよく聞きます。でも、江戸時代の記録に出てくるのは、豆腐・とうがらし・ドジョウなど「と」のつく食べ物でした。「ん」の習わしは明治以降に広まったとされています。

🕰️ 冬至(ゆず湯とかぼちゃ)の年表

  1. 784年桓武天皇の時代、朔旦冬至の儀式が初めて行われる。
  2. 1786年光格天皇の時代、最後の朔旦冬至の儀式。
  3. 1838年(天保9年)『東都歳時記』に冬至のゆず湯の記録。江戸の銭湯から広まったとされる。
  4. 1870年明治政府が朔旦冬至の儀式を今後行わないと決める。
  5. 2022年イランなどの冬至の夜「ヤルダー」がユネスコ無形文化遺産に。
  6. 2026年12月22日 5時50分2026年の冬至(国立天文台)。

💡Fun Facts冬至(ゆず湯とかぼちゃ)の豆知識 6連発

No.1

2026年の冬至、東京の昼の長さは9時間45分。夏至のころの14時間35分より4時間50分短くなります。

On the winter solstice in 2026, Tokyo gets only 9 hours and 45 minutes of daylight.

No.2

東京で日の入りがいちばん早いのは冬至ではなく、12月はじめ。2026年は12月1日〜13日の16時28分です。

In Tokyo, the earliest sunset comes in early December, not on the solstice.

No.3

冬至の日付は年によって変わります。2025〜2027年は12月22日、2028年は12月21日です。

The date moves a little. In 2028, the solstice in Japan is on December 21.

No.4

江戸時代の記録にある冬至の食べ物は「と」のつく物。豆腐やドジョウでした。「ん」のつく物は明治以降とされます。

In the Edo period, people ate foods that started with to, like tofu. The n foods came later.

No.5

昔の中国では、冬至で一つ年をとると考える人もいました。今も年配の人の中にはそう数える人がいます。

Some older people in China still add one year to their age on the winter solstice.

No.6

朔旦冬至の祝いの儀式は、784年から1786年まで行われました。

Japan's court held special winter solstice ceremonies from 784 to 1786.

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