International Day of Happiness

国際幸福デーの由来と歴史(詳しく)

いつから?なぜ?名前の意味は? 国際幸福デーの本当の話を、確かな資料でたどります。

1国際幸福デーの由来:「GDPより幸せ」と言った国ブータン

ヒマラヤ山脈のふもとにある小さな王国、ブータン。1972年、第4代国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクは、「国民総幸福量(GNH)は国内総生産(GDP)よりも大切だ」と宣言しました。国の成功を、お金やモノの量だけでなく、国民がどれだけ幸せに暮らしているかで測ろう、という考えです。

この考えは国の基本になりました。2008年に定められたブータンの憲法では、国民総幸福量を高めることが政府の目標とされています。幸せを測るために、心の健康、時間の使い方、地域のつながり、自然、暮らしの水準など、9つの分野を調べる調査も行われてきました。調査は2008年、2010年、2015年に、国内20のすべての県で行われています。政策の柱は4つ。公平な経済の発展、自然を守ること、文化を守り育てること、そしてよい政治です。

2011年、ブータンのティンレイ首相の呼びかけで、国連総会は「幸福を、経済成長を考えるときの大切な目標に」という決議を採択します。同じ年、ジェイム・イリエンという人物が「幸せの日」をつくる案を国連で提案しました。そして2012年、国連総会は3月20日を「国際幸福デー」と決め、2013年に最初の国際幸福デーが祝われました。

国際幸福デー(International Day of Happiness)のイラスト

2世界幸福度ランキングのしくみ:0〜10の「はしご」の質問

国際幸福デーと切っても切れないのが「世界幸福度報告(World Happiness Report)」です。最初の報告は2012年。2016年からは毎年3月20日、この日に合わせて発表されています。

ランキングのもとになるのは、たった1つの質問です。「いちばん理想的な生活を10、いちばんひどい生活を0とするはしごを思いうかべてください。あなたの今の生活は何段目ですか」。アメリカの調査会社ギャラップが、140をこえる国で人々にたずね、その平均点で順位をつけます。

2026年の報告では、1位がフィンランド(7.764点)で、9年連続です。2位アイスランド、3位デンマーク、そして4位には中米のコスタリカが入りました。日本は2025年の55位から下がり、61位(6.130点)でした。2026年の報告は、SNSなどデジタル時代の暮らしが幸せにどう影響するかにも焦点を当てています。

おもしろいのは、日本の点数そのものはほとんど変わっていないことです。2025年は6.147点、2026年は6.130点で、差は0.017点だけ。それでも順位は6つ下がりました。ほかの国の点数が上がれば、自分の点数が同じでも順位は下がる。ランキングを見るときは、順位だけでなく点数にも目を向けると、違う景色が見えてきます。

3よくある誤解とホント:ランキングは「幸せの順位」?

「フィンランドの人は世界一幸せ」とよく言われます。でも正確には、「自分の生活を0〜10で何点とつけるか」の平均が世界一高い国です。笑顔の多さや、楽しい気分の回数を比べたものではありません。

報告では、点数の差を説明するために6つの要素も分析しています。1人あたりのGDP、困ったときに頼れる人がいるか、健康に暮らせる年数、人生を自由に選べるか、人への気前のよさ、そして政府や企業の不正が少ないと感じるか。ただし、これらは点数のちがいを説明するためのもので、点数そのものを決めるわけではありません。

そして意外なことに、幸せの考えを広めたブータン自身は、2019年の報告で156か国中95位でした。国民総幸福量の考えには批判もあります。1990年代に、ネパール系の住民10万人以上(当時の人口の約6分の1)が国を追われたことから、「幸せの宣伝で人権問題をかくしている」という声もあるのです。

4国際幸福デーの過ごし方と日本:春分の日と重なる「幸せの日」

国連はこの日について、幸福は「人間の基本的な目標」だと述べています。そして、人権を守り、人々の幸せや環境を大切にする政策をとるよう、各国の政府に呼びかけています。2015年に決まった17の「持続可能な開発目標(SDGs)」も、その考えとつながっています。

街の中でも、この日を形にする取り組みがあります。2022年には、ニューヨークやロンドンなどの建物に大きなスマイルマークが映し出されました。ウクライナの人々に心を寄せるためでした。

日本では、3月20日が春分の日と重なる年があります。2026年はまさにそうで、2027年の春分の日は3月21日です。祝日でゆっくりできる日に、「自分にとっての幸せは何だろう」と0〜10のはしごを思いうかべてみるのも、この日らしい過ごし方かもしれません。

🕰️ 国際幸福デーの年表

  1. 1972年ブータンの第4代国王が「国民総幸福量はGDPより大切」と宣言する。
  2. 2008年ブータンの憲法で、国民総幸福量が政府の目標とされる。
  3. 2011年ブータンの呼びかけで、国連総会が幸福に関する決議(65/309)を採択する。
  4. 2012年国連総会が決議66/281で3月20日を国際幸福デーと決める。最初の世界幸福度報告も出る。
  5. 2013年3月20日最初の国際幸福デー。
  6. 2026年世界幸福度報告でフィンランドが9年連続1位、日本は61位。

🎁 シンボルと小物

😊スマイルマークa smiley face

この日のシンボル。2022年にはニューヨークやロンドンの建物に映し出された。

🪜幸せのはしごthe happiness ladder

0〜10の段で今の生活を評価する質問。世界幸福度ランキングのもと。

🏔️ブータンBhutan

国民総幸福量(GNH)の考えを生んだヒマラヤの王国。この日の提案国。

FIフィンランドFinland

世界幸福度ランキングで2018年から1位を続ける国。

💡Fun Facts国際幸福デーの豆知識 6連発

No.1

ブータンの国王が「国民総幸福量はGDPより大切」と言ったのは1972年。国連の記念日ができる40年前です。

In 1972, the king of Bhutan said happiness was more important than GDP.

No.2

世界幸福度ランキングは、0〜10のはしごで自分の生活を評価する、たった1つの質問から作られています。

The happiness ranking comes from one question about a ladder from 0 to 10.

No.3

2026年の報告で、2位アイスランドと3位デンマークの差は、たった0.001点でした。

In 2026, Iceland and Denmark were only 0.001 points apart.

No.4

幸せの考えを広めたブータン自身は、2019年の報告で156か国中95位でした。

Bhutan was number 95 out of 156 countries in the 2019 report.

No.5

2022年の国際幸福デーには、ニューヨークやロンドンの建物に大きなスマイルマークが映し出されました。

In 2022, big smiley faces lit up buildings in New York and London.

No.6

世界幸福度報告は、2016年から毎年3月20日の国際幸福デーに合わせて発表されています。

Since 2016, the World Happiness Report has come out every year on March 20.

▶️Videos & Links国際幸福デーの動画とリンク集

How to Measure Happiness Around the World | National GeographicNational Geographic

Finland ranks first in World Happiness Report for 6th consecutive yearCBS News

▶ YouTubeで「International Day of Happiness for kids」をもっと見る

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