厄年に結婚・出産・引っ越しはダメ? 禁止する決まりはない。気になるときの考え方
1なぜ「厄年に結婚はよくない」と言われるの?
厄年は、昔から「1年間、忌みつつしむ年齢」とされてきました。日本大百科全書にもそう書かれています。行いをつつしむ年なので、結婚や家の新築のような新しい大きなことは控えたほうがよい、と考える人が出てきたのです。
ただ、神社本庁の説明では、厄年はもともと還暦などと同じ晴れの年齢でした。地域で大事な役目を任され、神様のお祭りにかかわる年です。だから心と体を清めてつつしむ必要があった、というのが本来の意味です。
厄除けで知られる門戸厄神(兵庫県)の案内には、結婚や家の新築、旅行などを「さけられる方もいます」とあります。そのうえで、「普通は健康や身辺に注意した方がよいでしょう」と案内しています。避けるのは個人の考え方で、決まりではありません。
2結婚・入籍・結婚式:厄年でも大丈夫?
厄年に結婚したからといって、何かが起きるという根拠はありません。厄年は数え年で、男性は25歳・42歳、女性は19歳・33歳・37歳などです。前厄・後厄まで入れると、女性は30代の大半が厄年にかかります。厄年を全部さけていたら、結婚できる年が限られてしまいます。
気になるときは、次のような選び方があります。
・入籍や結婚式の前に厄祓いを受けて、気持ちを整えてから進める
・日取りは二人と家族の都合を優先する(相手が厄年でも同じ)
・親や祖父母が気にしているなら、厄祓いをいっしょに受けて安心してもらう
結婚を「厄落とし」と考える人もいます。いずれも決まりではないので、二人が納得できる形を選べば大丈夫です。
| 気になること | してはいけない決まりは? | 気になるなら |
|---|---|---|
| 結婚・入籍・結婚式 | ない | 先に厄祓いを受けて気持ちを整える |
| 妊娠・出産 | ない | 体調優先。安産祈願といっしょに頼めるか神社に聞く |
| 引っ越し・家の新築 | ない(避ける人もいる) | 厄祓いを受けてから予定どおり進める |
| 転職・開業 | ない(避ける人もいる) | 体調と準備に気をつける |
3「厄年の出産は厄落とし」は本当?昔は逆の言い伝えも
「厄年に子どもが生まれると、子どもが厄を落としてくれる」という話はよく聞きます。ところが、これをはっきり書いた神社の案内や辞典は見当たりません。
昔の民俗を調べると、むしろ逆の言い伝えがありました。親が厄年のときに生まれた子を「厄子(やくご)」と呼び、育ちにくいとされたのです。そこで、生まれた子を道ばたにいったん捨てて、知り合いに拾ってもらい、また引き取るという習わしがありました。「四十二の二つ子」という言葉も残っています。
世界大百科事典は、この捨て子の儀式を家の災いを除く「厄落とし」の一種と説明しています。親の厄が子に移らないよう、形だけ縁を切って子の成長を願ったのです。
子どもの性別で厄の落ち方が変わる、という話にも根拠はありません。生まれてくる子は厄でも身代わりでもなく、ただ喜んで迎えればよいのです。
4妊娠中の厄祓い・安産祈願はどうする?
厄年に妊娠がわかったら、何よりも体調を優先します。厄祓いはいつまでに受けなければならない、という決まりはありません。つわりがつらい時期に無理をして出かける必要はありません。
1回のご祈祷で2つの願いを相談できる神社もあります。たとえば寒川神社は「御祈願は2つ程度におまとめいただき、ご相談ください」と案内しています。ただし、内容によっては1つしか受けられないこともあるそうです。厄除けと安産をいっしょにお願いできるかは、受ける神社に先に問い合わせると確実です。
安産祈願で有名な水天宮(東京)は、戌の日や土日祝はとても混み、受付まで1時間以上並ぶこともあると案内しています。体調が心配なら、戌の日以外の平日を選ぶのも一つの方法です。
5引っ越し・家の新築・転職は?昔の「厄落とし」のやり方
引っ越しや家の新築、転職も、厄年だからしてはいけない決まりはありません。転勤や家族の事情で、時期を選べないことも多いものです。
昔の人も、厄年をただこわがっていたわけではありません。厄を早く落とす工夫をしていました。
・大みそかや節分の夜に、年の数の銭や豆を包んで道に落とす(デジタル大辞泉「厄落とし」)
・2月にもう一度お正月を祝い、早く1つ年をとって厄年を送り出す「年重ね」(門戸厄神の案内)
厄年は、体や暮らしを見直すきっかけの年です。迷ったら、厄祓いで気持ちを区切って、予定どおり進める。家族が気にするなら話し合って、みんなが安心できる形を選ぶのがいちばんです。
❓FAQあわせてよく聞かれる質問
彼(夫)が厄年でも結婚して大丈夫?
大丈夫です。相手が厄年でも、結婚を控えなければいけない決まりはありません。気になるなら、二人で厄祓いを受けてから入籍や式に進むと安心です。
厄年に出産したら厄祓いはしなくていい?
「出産が厄落としになる」という決まりはないので、受けるかどうかは自分の気持ちで決めてかまいません。受けるなら、体調のよいときに神社に相談しましょう。
妊婦でも厄祓いを受けられる?
体調を最優先にしたうえで、受ける神社に先に問い合わせると確実です。安産祈願と厄除けを1回で頼めるかも、神社によって違います。
前厄や後厄の結婚も避けたほうがいい?
本厄と同じく、避けなければいけない決まりはありません。前厄から後厄まで3年あるので、全部さけるのは現実的ではありません。
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